「今日も行かニャいつもりニャ?」
「・・・・・・だって・・・」
私はベッドに転がったまま、うだうだしていた。
「依頼が溜まっていくニャ。依頼主が困るニャ」
あれから3日、私は外に出ていない。
恥ずかしさのあまりに逃げた手前、どうしていいかわからないのだ。
「そう言うムァだって、ほとんど出掛けないじゃない?」
「ニャ・・・!そりゃあ、ボクだって聞かれたらどうしたらいいかわからないニャ!」
「・・・」
実際は、買い物にこっそり出かけてくれているのだけれど。
「!・・・誰かオトモが来たニャ・・・」
「え!? ネコノフかオモチならいいけど、メロはストレートに聞いてきそうだなぁ・・・」
ベルナ村でたくさん飼っているムーファの子供、ペットのフェニーに抱きつく。
モフモフの毛に顔をうずめて、うじうじしている私。
ムァは、梯子のような階段を上って、上の窓からそっと外の様子を窺っている。
「オモチ・・・1人だニャ」
トントン。
ドアをノックする音とともにオモチの声がした。
「藍メソさーん。オモチニャー!開けて下さいニャー!!」
フェニーを抱き締めながら、私は頼んだ。
「ムァ、取り敢えず出て」
「入ってもらうニャ?」
「うん。オモチだけなら、いい」
ガチャ、・・・パタン。
「お邪魔しますニャ!」
「いらっしゃいニャ」
「メソさん、大丈夫ニャ?」
フェニーに顔をうずめたまま、丸くなっている私に驚くオモチ。
「うん。恥ずかしくて、どうしていいかわからないだけ・・・」
「フェニ・・・?」
腕の中でフェニーが鳴く。
「ずっとこの調子ニャ?」
「まぁ。だらだらしながら、恥ずかしがってずっと困っているニャ」
オモチに聞かれたムァが答えた。
「スズナはもう少しマシかニャ・・・。1日目は、気になって一生懸命思いだそうとしていたニャ」
「ええ!?」
思わず顔を上げて、オモチの方を見る。
「フェニ!?」
フェニーが驚いて、声を上げて腕からすり抜けた。
オモチは無邪気な顔をしていた。
「大丈夫ニャ。2日目には、シュナさんにもせっつかれて、ギルドに自分が過去に受けた依頼を照会してもらいに行ったニャ」
「ええぇ!?」
「勿論、クエストにも行ったニャ。その間に調べておいてもらってたニャ」
何てことのない様に、オモチは言う。
「うそぉ・・・・・・。やっぱり、スズナに悪いことしちゃったなぁ・・・」
「で、どうだったニャ?」
ムァが口を開いた。
「見つかったけど、昨日は思い出せなかったみたいニャ」
オモチが答えたけれど・・・。
「!?昨日は!?・・・てことは、今日、思い出したって事!?」
焦る私に、無邪気に答えるオモチ。
「そういう事ニャ」
そう言ってニコニコしている。
「まさか・・・、全員集合して、わざわざウチに来たりしないよね?」
パニック寸前で、私が言う。
「どうかニャ・・・。スズナは出かける支度をしながら、思い出したことを伝えに行くように、ボクに頼んできたニャ」
「うそーぉー・・・。どうしよう・・・恥ずかしいんだってば〜〜・・・」
半泣きの私に、2匹が寄って来てくれる。
ネコ好きの私が、オトモアイルーたちをモフモフするのが好きだと知っていてくれているからこその行動だった。
ふわふわの2匹を抱き締めながら、丸くなる。
「ご主人、落ち着くニャ」
ムァがふわふわの手で頬を撫でてくれる。
「スズナもどうするか、方法をだけど悩んでいたニャ・・・」
「ありがとう、2人とも」
私は、オトモたちをモフモフしたり、撫でまわしたりするが、オトモとしてではなく人と全く同じように扱うので、オトモたちもかまわせてくれるし、優しい。
「というかぁ・・・。全員ウチに来たって、椅子もテーブルも足りないじゃないねぇ? マコノフさんの家と違って・・・」
「!!っぷ! ニャハハハハハハ!!!」
オモチが転がって笑い始めた。
ムァは呆れている。
「藍メソ~。そこは、今、心配するところじゃないニャ・・・」
「そ、そうだけど!・・・それ、口実にできないかなぁって・・・」
すると、笑い転げていたオモチがムクっと起き上がった。
「そろそろ、ボクが乗ってきた飛行船の次の便が来るんじゃないかニャ?」
「ええ!? どうしよう!?どうしよう!? ムァ~~~」
ムァの首の後ろに顔をうずめて、すりすりしながら、慌てる自分を無理矢理誤魔化す。
「ご主人・・・。もう諦めるニャ」
すりすりするのを止めて、固まる。
「白状してしまうニャ・・・」
そうこうしている内に、外が騒がしくなってきた。
「あーぁ・・・。・・・ムァ、今日は膝の上に居てね」
「はいはい。わかってるニャ」
呆れ気味のムァ。
オモチが温かい肉球で、ムァを抱く手の甲をポンポンしてくれた。
「オモチにゃん!!ありがとう!」
「オモチ!お茶の用意をするから、代ってニャ」
そう言ってムァは、私の腕からすり抜けた。
代りにちゃんと、オモチが膝に乗ってくれた。
「ありがとう!2人とも・・・。シュナさんの追及は何だか恐いけど、がんばる」
「ニャ」
「フェニ・・・!」
フェニーまで応援してくれているけれど、でも、何をがんばればいいんだろう・・・?
トントントン・・・、トントントン・・・。
「来ちゃった!」
思わずオモチをぎゅっとする。
また、手をポンポンしてくれるオモチ。
ドンドンドン!
うぅ~~~。
「開いてるよーぅ」
と言い終らないうちに、バン!!!と、ドアが開いた。
マコノフさんを担ぐようにしたシュナさんと、スズナ。
そして、ネコノフとメロがぞろぞろと入ってくる。
「藍メソー!もうわかってるんだから、そろそろ諦めて出ておいで! って、来ちゃったけど」
そう言って、シュナさんは笑った。
「あら!オモチ、ムァ君の代り?」
私に抱えられているオモチを見て、スズナが言った。
「ニャ。ムァは、お茶の用意してくれてるニャ」
「お邪魔・・・・・・しま・・・す」
「ちょ!そこで吐かないでよ!」
途切れ途切れに挨拶してくれたマコノフさんに、シュナさんが言う。
「もう・・・、出すもん・・・ない・・・」
そう言っているマコノフさんを、私のベッドに放り出してシュナさんは言った。
「さぁー!今日こそ、聞かせてもらうわよー!」
「シュナぁ・・・。もう少し優しく扱ってくれよぉ・・・。うぇ―――」
マコノフさんが呻く中、お茶会・・・というのかしら?
が、始まろうとしていた。
ひたすら、藍メソさんが、恥ずかしがっているだけのお話でした。
黒鷹(からす)さんについては、またの機会に・・・(*^^*)
↑書きました!!
読んで頂けると嬉しいです。
https://novel.syosetu.org/133278/
『青と藍と蒼と碧』も含め、どちらもご感想をお待ちしております!!