青と藍と蒼と碧   作:藍澤 碧

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3 できるといいのに

「おおぉぉぉぉぉぉえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・・」

 

「つらそう・・・」

分かってはいたけれど言わずにはいられない。

 

「いつものことだけどねぇ」

いつもそうしているように、マコノフさんの背中をさすってあげながら、スズナが苦笑いしながら言った。

 

「ギルドでもどこでもいいけど、何かいい薬でもなんでも作ってくれないかなぁ?早くできるといいのにね。見ている方もツライもの」

言わずにはいられない願いを口にする。

「ほんとねー」

 

今は、村と村や集会所との間は、ほとんど飛行船で移動できる。

ところが、マコノフさんは極度の乗り物酔いの持ち主なのだ。

その為、クエストに行っても何とかベースキャンプに移動して、平衡感覚が戻るまでの30分程は動けない。

治まりさえすれば、そこからはとんでもなく早い。

速攻でターゲットを見つけ、金獅子ラージャンですら、わずかな時間で仕留めてくれるのだ。

 

(故に自分の足で行かれる闘技大会の、タイムアッタカーマコノフとして、有名なのだけれど・・・)

 

 

「ガーグァ荷車の方が良かったかな?」

確か、「飛行船怖い」って言っていた気が・・・。

 

「いや・・・。むしろ・・・、時間が長い分・・・、余計キツイ・・・。おえぇ・・・。すまん・・・。ふぅ・・・」

ひとしきり出すものを出して少し落ち着いたマコノフさんが、途切れ途切れに言った。

 

「そこまでして一緒に来てもらったのが、何だか申し訳なくな・・・」

思わず言ってしまって、余計に申し訳なくなった。

出発前も散々遠慮して止めたのを、彼自身が押し切ってまで来てくれたのに・・・。

 

「自分が・・・来たかった・・・うぷ・・・。から・・・、いいんだよ・・・」

 

「ありがとう!!」

深い感謝の気持ちを込めて、隣にしゃがんで背中をさする。

「治まれ!治まれ!!」

 

「ん」

それだけ言ってマコノフさんは、傍にあった私のつま先をポンポンしてくれた。

“いいんだよ”と“ありがとう”が込められている気がした。

 

 

吐き気だけは落ち着いたマコノフさんとスズナと3人で座り込んで。

村の入り口の手前で、ぼんやり渓流の景色を眺めながら、のんびりしたひとときを楽しんでいた。

こんな時間もいいなぁ。

 

いつもは気にも留めない、当たり前の故郷の風景。

ゆっくりと眺めながら、胸の奥がうずうずする。

 

そんな些細なことにも感謝の気持ちを持てる、穏やかな時間。

涙が出そうになったけれど、嬉しい気持ちが勝って、微笑んで2人の方をそっと振り返る。

「ありがとう」の気持ちを込めて、見つめる。

 

そんな、ちょっと一休み。

 

 

 

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