武士だけどお姫様   作:小鴉丸

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イヴの誕生日回が書けないのでせめてもの気持ちの投稿……。

くっ! 講義さえなければ――!


第三話 のんびり

〜莉緒side~

 

 

「おーい莉緒ー、降りてこーい」

 

「あー?」

 

朝、学校へ行く準備を済ませた俺に親父が下から声を掛ける。

 

「ぐー……zzz」

 

今日は平日で月曜日。

もはや九郎が玄関で寝ているのは俺の家だと当たり前になっている。

 

「そんじゃ親父、行ってくる」

 

そう言って家を出る。因みに寝ている九郎は無理矢理起こして歩かせている。

 

「うあ、おはよう莉緒……。今日もいい天気……」

 

「ああいい天気だな。とりあえず制服の襟を掴んで歩くのをやめろ。喉がしまるから」

 

「だってキツイ……」

 

キツイのは俺だ。

何が嬉しくて朝っぱらから幼馴染みを引っ張って歩かないといけないんだよ。制服のボタン外れて指導を受けるなんて嫌だからな。

 

周りには日高の生徒や花音が通う花女の生徒がチラホラと見える。

 

「よお沙霧! 今日も大変だな!」

 

自転車に乗ったクラスメイトが後ろから来て声を掛けてくる。

 

「るっせー。大変と思うくらいなら手伝え」

 

「あはは! 九郎の世話はお前の仕事だろ? 手伝えなんて今更な話だな」

 

また教室で、そう言い残して自転車を漕いで行く。

 

「……自転車かぁ」

 

ぽつりと九郎が呟く。

この感じは男子高校生特有のどうでもいい会話が始まる流れだ。

 

「何だよ」

 

「漕ぐのって疲れないのかな、って」

 

「歩くよりもはるかに楽だろ」

 

「む、莉緒は自転車の方がいいの?」

 

「そりゃあそうだろ。時間も短縮できるし」

 

「ふむ……」

 

引っ張られてた感触がなくなったので気になって後ろを見る。

 

すると九郎は探偵風に指を顎に当てて考え込んでいた。

 

「何で考え込むんだよ」

 

「ねぇ莉緒。僕も自転車――」

 

「やめろ。お前が乗るなんて事故しか起きない」

 

「ひどい……言い終わる前に否定だなんて……」

 

そもそもお前がちゃんと乗れるならこうして歩いてない。という言葉を飲み込む。

別にこいつは自転車に乗れない訳では無い、だけどとても危ないのだ。フラフラするわ、赤信号でも普通に渡るわで近くにいるこっちが心配でたまらん。

 

「夢は寝てから見てくれ。ほら、行くぞ。遅刻とかしたくないんだからな」

 

グイッと九郎の腕を引っ張る。

 

「わぁ。莉緒大胆だ」

 

……妙な事言い出すなぁこいつ。

 

ついやった自分が気恥ずかしくなる。九郎は更なる追い打ちを掛けてくる。

 

「そういうのは彼女にやりなよ。ほら昨日の――」

 

彼女? 昨日? ……ひょっとしてイヴの事を指してるのか?

 

俺はこいつの勘違いを解くために説明をする。

 

「彼女じゃなくて知り合いだ。変な事言うなよ」

 

「うん?」

 

割と真面目な表情で疑問に思ってる。

こいつは自分の興味のある事には好き好んで首を突っ込むのだ、普段は面倒くさがりやなのに。

 

「それはおかしい。だって向こうは莉緒の事、意識してる」

 

「そりゃ誰だって急に言われると驚くだろ。それもあんな自然な流れで」

 

というか昨日に違うって言ったはずなんだけど。

 

「……適当に好きだ、なんて言ってみなよ。面白い反応が見れると思うから」

 

いつもののんびりとした表情からは考えれない程の笑い方をする。この笑いは何かしらの企みがある時の笑いだ。

 

何だかんだ俺らのバンド“Eternal Happiness”の中で性格が一番悪いのは九郎だ。それについてはバンドメンバーの一人もこう言っている。

 

『九郎って良い意味でも悪い意味でも最高だよな』

 

「好きなんてそうそう言えねぇよ」

 

確かにイヴは綺麗だし可愛いとは思う。だから良い意味で“姫”と呼んでるんだが……何で気に食わないんだろうな。

 

「……意気地無し」

 

ムカッときた。そう言われて黙ってる程の男じゃない。

 

「訳わかんねぇ。それなら今度言ってやる」

 

「おーおー言えるの?」

 

言った後に思った事だが、何でこいつと張り合ってんだろ……。

 

思いながら二人で通学路を歩いた。

 

 

 

 

〜イヴside~

 

 

「おはよーイヴちゃん!」

 

「おはようございます! カスミさん!」

 

教室でカスミさんに挨拶をされる。それに続いてリミさん、サーヤさん、タエさんにも挨拶をされた。

 

「何だか今日はご機嫌だね?」

 

サーヤさんが聞いてくる。

 

「えへへ♪ そう見えますか?」

 

「うん。私から見てもイヴとっても楽しそう」

 

「私もそう思うよ」

 

そう言われて更に嬉しくなる。

 

それはやっぱりリオさんが関係しているから……。

 

昨日会って一緒にお茶をして、話して……それがとても楽しかった。別に変わった事はしてないのにリオさんと居るだけで心が落ち着く。

 

でもクロウさんにリオさんの彼女と言われた時は驚いたなぁ。

 

「あ。イヴちゃんにやけてる」

 

「うえっ!?」

 

わ、私、顔に出てましたか?

 

「これは――遅めの春だね。その予感がする」

 

「あはは……、もう夏に入りかけてるけどね」

 

カスミさんとタエさんの言葉で動揺してしまう。

 

どうやら自分でも思ってた以上に彼女と言われて嬉しかったらしい。

 

「そ、そんな……まだ春なんかじゃないですよぉ……」

 

「“まだ”ね。――その話詳しく聞こうか」

 

椅子を隣の席から借りて私の机の前に持ってくる。どうやら私は言葉を間違えたようだ。

 

その日の朝はカスミさん達に昨日の話を聞かれ続けていた。




男子高校生ってあんなどうでもいい会話しますよね。因みに僕は親友とあんな感じの会話をしますw

それとイヴの誕生日回ですが。二話(これ投稿して三話)しか投稿してないのに投稿しても……って思ったんですよ。
もしも期待されてる方がいるなら頑張ります。書いても一日遅れになりますけどね。

それでは今回も読んでくださりありがとです!
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