wor stand→R   作:あめか

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2話

 

何があるのか。

 

何も無いのか。

 

ただ意識がある。

 

暗く。

 

寂しい。

 

「空間」

 

ただの

 

「空間」

 

その中に

 

点がある。

 

点滅する。

 

赤い。

 

点。

 

────────────────────

 

warning……warning……

 

error No.***

 

warning……warning……

 

system program 「MAI」.

 

memory……………over…………………freeze………

 

────────────────────

 

カア、カァ……

 

また、夕暮れの音がする。

 

ひんやりと冷たい地面の感触と、暖かい夕暮れの光が、まぶたの上から感じられる。

 

自分は何をしていたんだ。

 

自分はどうなっているんだ。

 

確認するために目を開ける。

 

思い出すために起き上がる。

 

「………………」

 

あぁ、そうだ。

 

「ムヒ塗らなきゃ。」

 

 

いや。

 

そうじゃない。

 

 

「なんで俺は倒れてたんだろう。」

 

 

 

 

 

 

あ、そうか。

 

「熱中症だ。」

 

よし、これで問題は解決した。

 

分かったことは。

 

「早く家に帰らないと。」

 

そう思い、走り出した。

 

のだが

 

ぶわっ

 

 

 

背中で空気を大量に受け止めたような。

 

いや、どう言えばいいのだろう。

 

まるで背中から展開した大きな膜のようなものがあり。

 

それが空気抵抗をつよくしているような。

 

そんな違和感を背中から感じた。

 

 

そっと、背中を見る。

 

そこにあったのは。

 

 

「鳥の……羽………?」

 

背中の肩甲骨あたりから

 

黒い、黒い翼が

 

 

 

生えていた。

 

「願いが………叶った…?」

 

まさか、と思い。

 

自分の右腕を鉄のように固くしたいと、そう願ってみる。

 

と。

 

サアッと血の気が引くような冷たい感覚とともに

 

「う………あぅ……あ……」

 

右腕が見る見るうちに銀色へ変色し

 

「ああ……あぁ………っ」

 

重量を増していく。

 

「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」

 

自分の腕が、自分でなくなってゆく感覚。

 

腰が抜ける。

 

倒れ込む。

 

 

怖い

 

恐い

 

恐い怖い

 

怖い恐い恐い

 

恐い恐い怖い怖いっ

 

恐い恐い恐い怖いぁぁぁぁぁぁぁぁ怖い怖ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい怖ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい恐い怖い怖い怖ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい恐い怖ぁぁぁぁぁぁぁぁい怖い恐ぁぁぁぁぁい恐い恐いぁぁぁぁぁ怖い恐いぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ恐い怖い恐ぁぁぁぁぁぁぁぁい恐い怖ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい恐い怖ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい怖い恐ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい恐い恐い恐い恐い怖ぁぁぁぁぁぁぁぁい怖い恐ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい怖ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい恐い恐ぁぁぁぁぁぁぁぁい恐い恐ぁぁぁぁぁい恐い恐い!!!!

 

戻れ。

 

戻れ。

 

そう願う。

 

戻れ。

 

戻れ。

 

戻れっ

 

 

 

ぶわっ

 

だんだん、だんだん。

 

白くなり。

 

肌色になり。

 

ももいろがかり。

 

あの柔らかく、暖かい。

 

人の手が戻ってゆく。

 

 

「はぁ…………はぁ…………」

 

 

この気持ち悪さ。

 

この恐怖。

 

それを、体感しただけで分かった。

 

「これは……………これは夢なんかじゃない……」

 

これは

 

「これは」

 

ただの恐ろしい。

 

「現実だ…」

 

────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

深く、息を吸う。

 

深く、息を吐く。

 

それを、数回、繰り返す。

 

 

するとすこし、落ち着いた。

 

 

深呼吸の偉大さがわかった。

 

翼はひとつ賢くなった。

 

経験値が3溜まった。

 

「れべるあ〜っぷ!………………ふっ…」

 

 

……下らねぇ。

 

「ふ、ははは」

 

だけど

 

「あははははは!」

 

くだらないから、面白い。

 

くだらないから、安心する。

 

何でもないから、怖くない。

 

「あ〜あ、高校生テンションに感謝だな。」

 

 

少し、気持ちが楽になった。

 

まだ信じられないけれど、たぶん自分の願いが叶ったんだろう。

 

非常というものの怖さが、よく分かった。

 

だけどそんな非常の中でも、くだらない事で笑えるんだ。

 

なら、案外これからやっていける。

 

そう感じる。

 

「こんな不思議現象は、還也に話す以外無いな。」

 

そう言いながら立ち上がる。

 

と。

 

「呼んだか?」

 

 

馴染みある声が、背後から聞こえた。

 

後ろを振り向くと

 

そこには

 

 

 

柔らかく微笑んでいる

 

 

 

親友の笑顔があった。

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