バカとテストとスポンサー~愉快な彼らのバカバカしくも素晴らしき日常~   作:アスランLS

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【その頃の源太】

源太「おっ、その肉も~らい♪(パシッ)」

根本「あ、五十嵐テメェ!?それは俺が大事に育てた奴だぞ!」

源太「関係ねぇ!世の中弱肉強食なんだよ!」

岩下「じゃあ私も~♪(パシッ)」

菊入「えっと……ごめん根本君(パシッ)」

根本「いやだから、なんでわざわざ俺のエリアから捕る!?」



※なんだかんだでクラスに受け入れられてきた根本君。ただし、いじられポジションとして。






海辺でのお祭り騒ぎ④

【優子視点】

 

「……ねぇ和真」

「ん?どうした?」

「アタシら……何やってんの?」

「何って……明久達のナンパを暖かく見守っているんじゃねぇか」

どうしよう、日射病でもないのに何故か頭が痛くなってきた……。

「突っ込み所が多すぎて処理しきれないかもしれないけど、一応頑張ってみるわ。……まず、何で吉井君達はそんな命知らずなことやっているの?」

これは比喩ではなく厳然たる事実。もし翔子達にバレたら命の保証は無いでしょうし。

「お前らさっき飯買いに行く途中、タチの悪いナンパにあったそうじゃねぇか」

「え?う、うん」

「そのことを聞いた雄二達の反応を、翔子達はお気に召さなかったんじゃねぇか?」

「うん」

「おそらく、その腹いせに雄二達をモテねぇだの何だの言いたい放題言って、雄二達もムキになってナンパをすることになった……っつうのが俺の推測だ」

「あー……多分当たってるわね」

確かにあのときの坂本君達はデリカシーが欠けてたけど、翔子達も少々言い過ぎてた気がしなくもないわね……。

「そこでだ。アイツらが面白可笑しくなっていく様子を間近で見物でもしようと思ってな♪」

「なんでアンタはそんな澄んだ目で、そんな酷い台詞をサラッと言えるのよ……」

要するにいつもの嗜虐スイッチがオンになったのね……。普段は意外と常識人なだけに、和真の気まぐれでスイッチが入ってこうなったときは余計にタチが悪く感じるわね……。

「……じゃあ次の質問ね。なんでアタシも付き合わされてんの?」

偶然会ったとかならまだしも、わざわざ連れてこられたには何かしら理由があるはずよね。……アタシと一緒にいたいから、とかだったらちょっと嬉しいな。

「あー、それもあるっちゃあるけど……一番の理由はナンパ対策だ、お互いにな」

「え?どういうことよ?」

あとナチュラルに心読まないで、恥ずかしいから……。

「お前も単独だとナンパされて迷惑したろ?俺もこれ以上どこの馬の骨ともわからん有象無象共にせっかくのお楽しみを邪魔されたくねぇからな、俺達が一緒にいりゃそうそう寄って来ねぇだろ」

「なるほど、確かにそうね。……というかやっぱりアンタもナンパされてたのね」

「まぁな……。チッ、次から次へとゴキブリみてぇに沸いて出やがって……」

さっきからやけに刺々しいわね、いつもより口も悪くなってるし……逆ナンされてここまで不機嫌になるのは多分この子ぐらいでしょうね。浮気の心配とかしなくて良いからアタシは楽でいいけど。

「じゃあ最後に一つ……代表は止めなかったの?」

「止めようとしたのを俺が上手いこと取り繕って止めた。ついでにこの遊びにも誘ったたんだが『勝手にしろ……私はもう知らん……』とか言って断った後、疲れたのか休憩しに行ったぞ」

「代表……」

今回のこの海水浴、心なしか代表の精神的負担がやたら大きすぎない……?

「それじゃいつも通り、頼むぜ相棒!」

そう言って和真はアタシに屈託の無い笑みを浮かべる。……仕方ないわね。正直あまり気が進まないけど、こんな笑顔で頼まれちゃ断れるわけないか。アタシは和真のこういう無邪気なところも、堪らなく愛しいと思っちゃうんだしね。

「はいはい、わかったわよ……さっきアタシにハグとキスだけで骨抜きにされた和真君♪」

「おいやめろ、蒸し返すな」

勿論、こういう方面にはやたら打たれ弱い所もね♪

「まったくこいつは、隙あらば人の弱点を容赦無く抉ってきやがって……あん?」

「え?どうしたのよ?」

というかアンタ、それに関してはアタシのこととやかく言えないでしょ……。

「アイツら確かナンパしに行ったんだよな……なんで砂浜を全力疾走してるんだ?」

「…………ホント、まるで競争してるかのよう……ってあれ?延長線上に土屋君と知らない女性が二人ほどいるわね」

「何?……フム……いつもの関係から考えると……あいつらが全力疾走してるのは、おそらく抜け駆けするためってところだな」

「まあ確かに最初に声かけた方が有利だけど……協力するって選択肢は無いの?」

「アイツらに限ってそれはねぇよ……つーか、へとへとな状態で知らん女に声かけてるけどよ、傍からみたら危ない奴にしか見えねぇな」

「確かにそうね……あれ?女性の方がおもむろに携帯をいじりだし-」

「ごっはぁっ!!」

「和真!?なんで急に吹き出し……あれ?坂本君達が死にもの狂いで逃げていく……」

「……多分っ…っ……警察呼ばれた…くくっ……!」

なるほど、変質者扱いされたってわけ……。半分くらい自業自得だけどちょっと気の毒ね……。

「~~~~~っ!!!(ダンダンダンッ!!!)」

「楽しそうね和真……」

笑いすぎて涙目になってる……。

この三人、ホントに友達なのかしら?……って、この疑問何回目になるかしらね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「せっかくだから音声も欲しいよな。……っつうことで、明久達に急接近~♪(小声)」

「ちょっと和真……こんなに近づいて大丈夫なんでしょうね(小声)」 

アタシ達は今、吉井君達の声が聴こえるぐらいまで近づいている。

「隠密に徹すれば大丈夫だ。……いいか優子。宇宙は俺達の一部で、俺達は宇宙の一部だ(小声)」

「どんなアドバイスよ!?(小声)」

そんなアタシの心配は杞憂だったようで、二人はこちらに気づくそぶりも見せずに作戦を練っている。どうやら相手の容姿を褒めるところから始める気らしい。へぇ……意外とマトモな作戦ね。

そんな風にアタシが感心していると、タイミング良く吉井君達の前を歩いていた二人組の女の人がタオルを落とした。

吉井君達はそれを切っ掛けにナンパを上手いこと進めていく。

「どうやら今回は上手くいきそうね(小声)」

「シッ、そろそろオチだから静かに(小声)」

「オチって、アンタねぇ……(小声)」

いくらなんでも、ここから和真の望むような展開にはならないんじゃ…

 

 

『『まるで、エロ本のヌードモデルみたいだ!!』』

 

 

……なったわね。

あ、二人が思いっきりビンタされた。

「優子、急いで距離を取るぞ(ガシッ)」

「え!?……って、なるほどね……」

和真がアタシの手を掴んで吉井君達のもとを離れる。急に手を握られてドキッとしたけど、和真の表情を見てすぐ納得した。

……あともう少しで大爆発しそうだ。

二人の声が聴こえないくらい離れたのを確認すると、和真はその場に崩れ落ちた。

 

「だははははははははは!!あーっはっはっはっはっははっはっは!!!(ダンダンダンダンダン!!)」

 

和真は四つん這いの状態で力一杯地面を叩いて爆笑している……いや笑いすぎでしょ……力強すぎて殴った場所にちょっとした落とし穴レベルの空洞ができてるし。

「……まあ確かに、あの口説き文句は無いわね」

「まったくだぜ!むしろ何故あれでイケるとおもったんだようくくくくく……」

よほどツボに入ったのか和真が復活するまで結構時間がかかったせいで、ようやく収まったころには吉井君達を見失っていた。

「これだけ人が多いと、探すのも一苦労ね……」

「まあ充分面白いもんは見れたし、ここらで引き上げるか。アイツらもそろそろ諦めがつくだろ」

そんなわけでアタシ達は拠点に戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴様ら全員そこに直れぇぇぇ!!!」 

「「「「っ!?」」」」

集合場所では、なんというか……とにかくカオスだった。意識を失った吉井君と坂本君を秀吉と土屋君が大慌てで蘇生させていて、犯人らしき四人は……アタシが今まで見たこと無いほど怒り狂っている代表(装備:スイカ割りで使用したバット)に正座を強要させられていた。

「愛子、いったい何があったのよ……」

「えっと…吉井クン達がナンパをしていると知ったあの四人が-」

「いつもの如く暴走して明久達を処刑したわけか……しかしソウスケに見つかったのが、あの四人の運の尽きだな」

愛子の言葉を引き継いだ和真はそのまま玲さん達を気の毒そうに見ているので、つられてアタシと愛子もあっちに視線を移す。……あれ?代表から発せられる殺気に姫路さんと翔子が不自然なくらい怯えているわね……。

「確かに聞いた限りでは、あの二人の行動は軽率かつ浅慮なものであった……だが!そのことは貴様らの所業に対する免罪符になどなりはしない!そんなことも理解できないのか、この愚か者共がぁっ!!!」

「ひぃ……っ!」

「……ごめん……なさい……っ!」

代表の雷雨のような凄まじい怒号を間近で受けたせいか、姫路さんと翔子はもう涙目で縮こまってる。

「ちょ、ちょっと鳳!瑞希達が怯えて(ビュンッッッ!!!)……る……じゃ……」

代表に抗議しようとした美波の鼻先をもの凄いスピードでバットが掠めた。あの軌道、あと1㎝ずれてたら美波の鼻がなくなってたかもね……。

「……誰が口を開いていいと言った?」

「あ……あぅぅ……」

今ので心が折れてしまったのか、美波も翔子達と同じように涙目になりその場に縮こまってしまう。

「……蒼介君、アキ君の教育で貴方にとやかく(パサァッッ!)言われる……筋合いは……」

さっきよりもさらに速いスピードで繰り出された突きは、玲さんの髪を掠めていった。今のは……あと1㎜ズレてたら頬が抉れてたわね……。

「……次は当てるぞ。それと一つ言っておく、貴様が私より年上であることなど、今は微塵も考慮するつもりはない」

「う、うぅ……」

他の三人ほどではないにせよ、流石の玲さんもかなりの恐怖を覚えたのか、おとなしく正座することを受け入れた。

 

「ねぇ和真……代表、どうしちゃったの?」

「ボクも気になるな……いつもとはまるで別人だよ……」

再び四人に喝を入れにかかる代表から目をそらしつつ、アタシと愛子は何かしら知ってそうな和真に問いかける。

「……なんてことねぇ、ただぶちギレてるだけだ。おおかた明久達を呼吸が止まるレベルまで拷問したことがソウスケの逆鱗に触れたんだろ。……ソウスケがああなった以上アイツらしばらく解放されねぇな」

うわぁ、すごい他人事……。まあそれはそうと、あともう一つ気になっていることが……。

「なんか、翔子と姫路さんが必要以上に怯えてるんだけど……」

「アイツのあのキレ方、料理指導中の母・藍華さんそっくりだからなー。おおかたトラウマでも刺激されてんだろ」

「なんであの二人が代表のお母さんにトラウマがあるのよ?」

「アイツら週一で料理の修行のため料亭『赤羽』に通ってるからなー。あの人手加減とか微塵もしないタチだし、随分熱心に指導されたんじゃねぇの?」

「「ああ、納得……」」

『貴様!なんだその不細工な魚の捌き方は!恥を知れ愚か者が!』みたいな叱咤激励を受けながら料理修行なんて、少なくともアタシは絶対嫌だ。

 

結局四人が解放されたのはそれから1時間ほど経った頃で、代表の心をへし折る叱責を延々と聞かされ続けた四人は、よっぽど怖かったのか終わる頃には全員泣きじゃくっていた。

 

何があっても代表だけは怒決してらせないように気をつけよう。今日アタシはそう心に誓った。

 

ちなみに吉井君達は二人の尽力によりなんとか息を吹き替えしたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 




蒼介君はよほどのことがない限りキレませんが、もしキレさせたら阿鼻叫喚の地獄絵図ができあがります。
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