バカとテストとスポンサー~愉快な彼らのバカバカしくも素晴らしき日常~   作:アスランLS

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【バカテスト・保健体育】
流血して倒れている人がいます。119番に電話をする前にやらねければならないことは何か?

愛子の答え
『周囲の安全を確認し、その後止血する』

蒼介「正解。まあ当然だな」


雄二の答え
『辞世の句を読ませる』

蒼介「助ける努力をしろ」


ムッツリーニの答え
『「次はテメーがこうなる運命だ」と宣言する』

蒼介「誰だお前は」


明久の答え
『「ククク……こいつは四天王の中でも最弱」と不敵に笑う』

蒼介「だから誰だお前は」







合体召喚獣③

【雄二視点】

 

「さて。それじゃあ一旦その子を戻すよ」

ババァがフィールドを消し、再び起動する。その過程でしょうゆ(仮)は姿を消す。

「この俺が……なんて恥ずい真似を……!」

く、屈辱極まりない……!一分前の俺と、ついでに明久にドロップキックの一つでも喰らわせてやりてぇ……!

「じゃあ、今度こそウチが-」

「吉井ぃっ!」

突如ドガン、と扉が壊れかねない音を立てて開かれてい「て、鉄じ…西村先生!?」

教室に入ってきたのは鉄人ことFクラスの担任にして最大の天敵、補習担当の西村宗一。

なんだ?今日はいつにも増して凄い剣幕だな。

「貴様に聞きたいことがある。たった今、校内で持ちきりになっている噂についてだ」

「へ?噂?」

「恍けるな!貴様が体育館で叫んでいた不純異性交遊についてだ!」

不純異性交遊だぁ?さっきまで逃走モードだった明久にそんなことしている余裕は流石に-

明久「不純異性交遊って…げっ!」

心当たりあんのかよ……。

「それは違うんですよ鉄人先生!僕の話を-」

「西村先生、邪魔しないで下さい!今度こそウチとアキの子供を見るんですから!」

「そうですよ西村先生!その次は私と明久君の子供も見るんですから!」

「……僕の話を、なんだ。吉井」

「いえ……。なんか、ここから持ち直すのは難しい気がしてきました……」

なるほどな、だいたい読めたぞ。大方体育館で姫路と島田が合体召喚獣への協力を渋る明久に「何故自分と子供を作ってくれないのか」と大声で問いただしたんだろうな。まったく…この二人は流石に明久ほどじゃないにしても、場をややこしくすることにかけてはたぐいまれなる才能を持っているな。

「あら?学園長、西村先生。Fクラスで何を?」

明久がどう説明するか頭を悩ませていると、学園主任の高橋女史と、

「あれー?吉井君達、また何か面白いコトやってるのかな?ボクも混ぜてよ」

Aクラスきってのトラブルメーカー(確信犯)の工藤が教室にやって来た。まずいな、よくない流れだ……。

「そういえば、聞いたよ吉井君~。また変なコトやったんでしょ?主に坂本君と」

明らかに面白がっている工藤。前回もこいつが来てから被害が数倍に拡大したんだよな…なんとか上手いこと追い返せないものか……。

「よし。論より証拠。高橋先生、ちょっといいですか?」

「?なんですか?」

「後ろのロッカーを動かしたいんですけど、僕の点数だとちょっと力が弱くて。すいませんが、お願いできませんか?」

「わかりました。それでは、試験召(サモ)」

「ほいっ(ササッ)」

「喚(ン)」

明久は召喚のタイミングに合わせて、高橋女史の手を鉄人の腕に触れさせる。それから数秒待つと…

「こ、これが鉄人と高橋女史の……!」

「格闘少年、と言う感じじゃの」

「…………強そう」

魔方陣の中から一人の子供が出てきた。

細身ながらも鍛えぬかれたような身体で、鉄人を幼くしたような顔立ちは全体的に鉄人譲りの武人の印象が強く見える。どれだけ治安の悪い国に連れて行こうが絶対に誘拐されなさそうだなコイツ……。

戦く俺達に、鉄人が冷めた目をして問いかける。

「……吉井。これはどういうことだ」

「説明どうぞ、ババァ長」

「これはアンタらの子供をシミュレートした召喚獣さね」

「……学園長。貴女はまたそういうことを……」

鉄人は大して驚いた様子も無く、呆れたように額に手を当てた。このババァの突飛な行動でどれだけ苦労しているのかがわかる反応だな。

「あまり高橋先生には似てませんね」

「そうね。全体的に西村先生って感じ」

「いや。よく見ろ姫路、島田。ちゃんと高橋女史の特徴も引き継がれているぞ」

「え?どこどこ?」

「手に眼鏡を持っているだろ」

「それだけ!?」

この人外教師は遺伝子まで人外のようだ。というかせめてかけろよ眼鏡!?なんで握りしめて棒立ちなんだよ!?

「まったく……。学園長、このような冗談は困ります。もう少し教育委機関の長としての自覚を持っていただかないと」

「冗談で作ったワケじゃないよ。それにこれは御門のガキンチョの発案さね」

「また御門先生か………学園長に入らないこと吹き込む暇があるなら少しは私生活を正してくれないものか……」

 

「(にゅっ)仕方ねーだろ西村のオッサン。身に付いた性分てぇのは、早々直らねーもんなんだよ」

 

「「「うわぁっ!?」」」

鉄人が御門のおっさんに対して愚痴を溢したとたん、教室の窓からおっさんが顔だけ教室に入ってくる。相変わらず髪が所々はねまくってたり、教師とは思えないほど目が濁っている。そんな怪しいおっさんが多分窓の外で張り付いているのはもう一種のホラーだ。つかムッツリーニ顔負けだな。

「御門先生、前にも言いましたがそのような危険行為は控えてください!うちの生徒達が真似をしたらどうするんです!」

「はいはいわかったわかった…今はねみーからよ、アンタの説教臭い長い話を聞く気は無いんだ。……つーわけで、俺はここでフェードアウトさせてもらうわ」

鉄人の鬼の剣幕もどこ吹く風、おっさんは両足で窓枠にへばりついたような体勢にチェンジし、おもむろに鉤縄を取り出す。

 

ヒュンヒュンヒュン……ガキンッ!

 

「あっこら御門先生!?……ハァ……あの男は……!」

「西村先生、あのガキンチョの一挙一動を気にしてたらキリが無いさね…」

斜め下らへんの窓枠に鉤縄を引っかけ、ターザンの要領で

一回まで跳んでいってしまった。

あのおっさん、仮にも教師……それも学年主任だと言うのに、俺達Fクラスに負けず劣らずの問題児のようだ。さらに驚くべきことに、どうやらあのおっさんあんなナリして和真顔負けの頭抜けた運動神経を有しているようだ。就任して2週間前後で問題児担当の鉄人に幾度となく追い回されているようだが、噂では一度として捕まったこと無いらしい。

それと、あのオッサンにはもう一つ秘密が-

 

「こんにちは。ママでちゅよ~」

 

「「「!?!?!?」」」

耳を疑うような台詞に俺は思考を強制中断してそちらの方に首を向ける。ちなみに俺以外の奴も同じ行動をしたようだ。

「どうかしましたか?」

しかし、そこには書類。小脇に抱えていつも通りに立っている高橋女史がいるだけだった。

「高橋先生。今何か……」

「?何のことでしょうか?」

特に変わった様子も無く、普通の態度の高橋女史。

俺達の聞き違い……か?

「……まぁ、いっか。とにかく鉄人。コレで分かってもらえましたよね?子供って言うのはこの召喚獣のことなんですよ。別に不純異性交遊ってわけじゃないんです」

「そうだったのか……。いや、すまないな吉井。どうやらあの噂に付いては俺の誤解だったようだ。それと、西村先生と呼べ」

「分かってもらえて何よりです。鋼鉄の西村先生」

「余計な枕詞をつけるな」

「それより、アキ!いい加減アンタも……」

「そうですよ明久君!どうしてさっきから」

 

「おいでおいで~。だっこしてあげまちゅよ~」

 

「っ!?!?!?」

バッ

「何か?」

「高橋先生。今、妙な声が聞こえたんだが……」

「いえ。私には何も聞こえませんでしたよ西村先生」

「そ、そうか……」

高橋女史にそう断言されて、納得いかないような顔をしつつも、とりあえず引き下がる鉄人。そして皆が視線を高橋女史から外したところで、

「なんでしょうね?おかしなパパでちゅね~」

「「「絶対気のせいじゃなぃぃいいいっっ!!」」」

やっぱりさっきから聞こえたあれ、全部高橋女史なのか!?い、意外すぎる……!

「意外です……。高橋先生って実は子煩悩だったんですね」

「ウチもびっくりしたわ。もっとこう、バリバリのキャリアウーマンのイメージだから」

「?私が何か変なコトでも?」

「自覚ないんだ……」

「それよりも学園長先生。この召喚獣、そろそろ消していただけませんか」

「何を言ってるんだい西村先生。これも研究のうちさね。我儘言うんじゃないよ」

「ぐ……」

「そうですよ西村先生。そんなに嫌がらなくてもいいじゃないですか」

「姫路……。さてはお前、面白がっているな?」

「先生。これもこの学校の大事なイベントの為です。協力しないと」

「島田。顔がにやけているぞ」

「ははっ。照れても可愛くないですよ鉄人」

「目を閉じて歯を食い縛れ」

「なんで僕だけ殴られるんですか!?」

お前を殴るのに理由なんざ不要だろ?

「まったく……付き合っていられん」

「あ、パパ…ではなく、西村先生。待って下さい」

「高橋先生……。その呼び方は誤解を招くので、今度は絶対に止めて頂きたい」

「失礼しましたパパ先生」

「いえ。敬称を付けろと言う意味ではなく」

なんて会話をしながら、鉄人と高橋女史は教室を出て行った。おい、今回の趣旨は合体召喚獣だった筈だろ?完全に喰われてたぞさっき……。

「まぁいい。これでとりあえず俺と明久の下らない誤解は解けただろう」

「そだね。良かったよ」

さて、これにて一件落着…

「んふふ~。皆でボクに黙ってこんな面白いモノで遊んでたんだね?」

そうだ、こいつがいたのを失念していた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「工藤さん。ここは一つ、これで手を打ってくれないかな」

「コイツを好きにしてくれて良いから、俺達は見逃してくれ」

「…………っ!?…………裏切り者……っ!!(ジタバタ)」

「ん~、どうしよっかな~?」

俺と明久は一時共闘のアイコンタクトを交わし、逃げようとするムッツリーニを即座に拘束、そのまま工藤の前に差し出す。工藤がムッツリーニを憎からず思っているのは知っているから、ここは男らしく生け贄になってもらおう。

……よし、念のためさらにもう一枚カードを切る!

「工藤。これで足りないなら秀吉もつけよう」

「なぜにワシまで!?」

「そこまで言うなら仕方ないカナ?じゃあ…サモンっ」

「…………っ!(ジタバタ)」

工藤が喚び声をあげると、二人の子供を模した召喚獣が出てくる。全体的なベースは工藤で、目はムッツリーニそっくりの男児だ。

「まぁ、外観は普通だよね」

「そうだな。問題は……」

「性格じゃな」

このエロの権化二人の子供って時点で、もう既にパンドラボックス臭が凄いんだが……。

「俺の予想では、二人のエロをコンピューターが処理しきれなくて、一周回って生真面目な子供になっているって感じだな」

「あはは。流石にそれは無いでしょ」

「うむ。いくらなんでも無理があるじゃろ」

「だよな。俺も言ってみただけだ」

流石にそれは荒唐無稽過ぎるしな。

俺達が笑い合う中、召喚獣が言葉を発する。

 

《……子曰く、命を知らざれば似て君子と為るなし》

 

「「「……………はい?」」」

子供にしてはやけに毅然とした口調。

 

《……礼を知らざれば似て立つなし》

 

「おい……。これって」

「……多分、論語(ろんご)」

「論語って、確か……」

「儒教における四署の一つですね。漢文の教科書に載っていたりする中国の思想書ですけど……」

「「「ホントに一周して真面目になったーっっ!!」」」

なんてことだ、既に明久より教養あるぞこいつ!?

「お前らどんだけエロいんだよ!」

「…………なんのことだがわからない」

「あははー。照れちゃうよ」

もうこれ子作りというより錬金術の域じゃないのか?

そして、俺達の会話をよそに、召喚獣はまだ何かを呟いてやがる。

 

《……言を知らざれば似て人を知るなし》

 

「ところで、これってどういう意味なんだろう」

「えっと、命と礼を知ることの大切さを説いた一文ですね」

「……『人生とは、為すべきことを為し、人の心について思い、天寿を全うすることである』と言う意味」

姫路と翔子が明久に説明をする。

死ぬまでの間に自らがやるべきことを見つけて成し遂げろってことか。非常に深い言葉だが、まさかこんなチビに説かれるとは-

 

《……すなわち、我が天命は究極の性行為の為の追求にある(ボタボタボタ)》

 

「「「って更にもう一周してやっぱりエロだーっ!!」」」

「…………俺には全く似ていない」

ムッツリーニの否定は今更過ぎるので誰もツッコまなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、次は誰と誰の子供を見せてくれるのかな?」

仕切り直して、工藤が俺達を見渡す。

まだやんのかよ……。

「今度こそ、勿論ウチと」

「話は全て聞かせて頂きました」

「え?ちょ、なに!?なんで美春が」

「(ガシッ)サモンですっ」

「いやゃぁああー!」

 

ポンッ

 

《ママ、だーい好き!》

出てきたのはドリル状のポニーテールを下げた女児。

「え?えっと、ありがと……なのかな?」

その召喚獣に抱きつかれた島田は少し困惑していた。

ふむ……今までのパターンから考えると、この後の展開は多分…

《ホントにママのこと、だいだいだいだーい好きっ!》

「あ、あはは……。そう言われると、なんだか照れるわね」

 

《ホントに大好き!…………一人の女として》

「いやぁあああーっ!この子怖いぃぃーっ!」

…こうなるよな。

 

「いくら娘でも、お姉様は渡しませんっ!」

《ふふーんだ!おかあさんなんてもうトシだもんねーだ!》

「トシじゃありませんっ!そっちが幼すぎるだけですっ!

《ママはきっとロリコンだもん!》

「いいえ!お姉さまは女子高生が大好きなんですっ!」

年齢以前に性別が同じだってことはもうツッコミ禁止か?……禁止なんだろうな。

「もうウチこんな家庭耐えられないっ!」

「あっ!待って下さいお姉さまぁぁーっ!!」

《まってよ、ママー》

 

「まったく、お主らはいつも騒がしいのう……」

「ダメだよ木下君。自分だけは無関係、って顔してちゃ」

「んむ?そうは言うが工藤よ。実際にワシはこういった騒ぎにはあまり関わりが無いのじゃ」

「大丈夫大丈夫。ちゃんとボクが木下君にも楽しめるように手配しておいたから、ね?」

「いやいや。ワシは特にそのような騒ぎになるようなネタは…」

 

「(ガラ)どうしたの愛子?アタシに用事って……って、何よ秀吉。なんでアンタはアタシの顔を見るなり涙目で首を振ってるのよ」

「……!(ピーン!)俺の面白センサーが反応してやがる!何か愉快なことやってただろお前ら!」

「お前とはかれこれ小学生からの付き合いだが、そんなセンサーは初めて聞いたぞカズマ」

「ネーミングもこれ以上無いほど雑だし、絶対今適当につけたでしょ……」

 

工藤によって新たに追加されたメンバーは木下姉、和真、鳳、橘、の『アクティブ』メンバー達だった。

 

 

……物凄く不安なんだが。

というか不安しかないんだが。

 

 




御門「あー?そんな仕事サボりまくって大丈夫かって?人聞き悪いこと言うんじゃねーよ、さっさと終わらしてから好き放題してるんだよ」
鉄人(確かにそうだけども!)

御門のおっちゃんは一言で言うと“超有能な怠け者”。真面目に取り組めば常人の10倍、全力で取り組めば30倍は仕事ができますが、本人のやる気は皆無なので手を抜いて3倍程度しか働きません。それでも3倍は働いてくれているので文句をつけ辛い……と、タチの悪さが天元突破しています。
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