バカとテストとスポンサー~愉快な彼らのバカバカしくも素晴らしき日常~   作:アスランLS

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【バカテスト・国語】
()内に適当な言葉を入れて慣用句を完成させなさい。 

・貧乏(  )

意味……生活に余裕がなく、絶え間なく働かなければならな
いこと。


姫路の答え
『貧乏(暇なし)』

蒼介「正解だ。……私見だが、金持ちとて大概は暇ではないぞ」

和真(お前ん家がまさにそうだしな……)


美波の答え
『貧乏(金無し)』

蒼介「……間違ってはいない、いないのだが……」


ムッツリーニの答え
『貧乏(家無し)』

蒼介「悲惨すぎるなそれは……」


明久の答え
『貧乏(飯無し)』

蒼介「以前までのお前だな……」




合体召喚獣(完結)

【飛鳥視点】

 

『アクティブ』のメンバーで集まってテニスをしていたら、愛子からFクラスの教室に来てくれとメールが来た。多分翔子が途中離脱したことと関係しているのだろう。ちょうどキリも良かったので後片付けをして教室に向かう(徹は興味がないのでパス、源太は塾講師のバイトだそうだ。相変わらずこの集まりはまとまりがない)と、何故か秀吉君が優子を見るなり涙目で首を振り出した。

 

「工藤よ……。後生じゃ。姉上は、どうか姉上だけは……!」

「んふふー。ねぇ優子。学園長先生が優子に召喚獣を出してほしいってさ(ぺタ)」

「?どうして秀吉の手を触らせるのかわからないけど、うん、いいわよそれくらい。試験召喚(サモン)」

 

《おかーさん、だっこー》

 

二人を幼くしたような召喚獣が出てきて、近くにいた優子の足にしがみつく。

「えっと…秀吉、何これ?」

「これはじゃな、その」

どこかホッとしたような表情になりながらもよほど説明しずらいことなのか、しどろもどろになる秀吉君。すると、それを見かねた学園長先生が助け船を出す。

「アンタら二人の子供を模した召喚獣さね。良く出来ているだろう?」

「アタシと秀吉の、子供ですか………」

学園長の説明に優子はやや複雑そうな表情になりながらも、じゃれついてくる召喚獣を優しい手つきで撫でている。もともと面倒見の良い性格だったけど、和真と付き合いだしてからより顕著になったね優子。

すると突然、和真がじゃれている召喚獣を後ろから抱き上げて……

「ダハハハハハ!何だこりゃ!?小さいときの優子そっくりじゃねぇかアハハハハハハハ!!!」

召喚獣を高い高いしながら何故か大爆笑し始めた。

いや、笑いすぎでしょ……。

「……ええ、確かにそっくりよ。それは認めるわ。でもね……なんでアンタがアタシの小さい頃を知ってるのよ!?」

和真と優子が知り合ったのは高校からなので優子の指摘はもっともだ。…でも、優子の隣にいるポーカーフェイスと演技に定評のある秀吉君が目に見えて動揺しているから、からくりはなんとなく想像つくわね……。

優子もそのことに気づいたのか、秀吉君をやけに怖い真顔で見据えると……

「ねぇ秀吉、ちょっと教室の外で話があるからついてきなさい」

「後生じゃ姉上!どうか……っ!和真ぁあああ!お主のせいじゃぞおおおぉぉぉぉぉ……」

ドップラー音のような悲鳴を上げながら、秀吉君は優子に連行されていった。

「……すまねぇ秀吉」

優子達の召喚獣を可愛がりつつも、和真が珍しく後ろめたそうな表情になっている。

「それで和真、お前と秀吉は何やらかしたんだよ?」

何があったのか気になるのか、坂本君が和真に問いただす。

「別に大したことじゃねぇよ。俺、人のアルバムとか見て弄り倒すのが割と好きなんだけどよ…」

涼しい顔でとんでもないこと言い出した。

「優子が頑なに昔の写真を見せてくれなくてな。そこで秀吉に頼んでアイツのアルバムを無断で」

「秀吉完全にとばっちりじゃねぇか」

まったくだ。……女の子の秘密を無断でチェックした和真は、後で秀吉君から事情を聞き出した優子にこってり絞られそうね。

「いや~。色んな子がいるね」

「そうですね、明久君」

「気が付いたら随分時間もたってるね。そろそろ帰ろうか」

「はい帰りま…今ですっ。試験召(サモ)-」

「甘いね姫路さんっ(ササッ)」

え?何-

「-喚(ン)……?」

 

ポンッ  

 

吉井君達の方を向いていなかったか何が起きたのかわからないけど、目の前に召喚獣が一体出現する。ついでに今、姫路さんは私に触れているから…

「……あの、姫路さん?なんで私との子供が見たかったの?」

「わわわ……誤解ですっ」

「飛鳥、一部始終から推測するに吉井はどうやらこの試運転に非協力的らしく、突然自分へ伸ばしてきた姫路の手を咄嗟の判断でお前に触らせたんだ」

「あ…そういうことね……」

「お前ともあろうものがまんまと背後を取られるとは……少し疲れているんじゃないか?」

「……いや、ちょっと考え事してただけよ」

我ながら情けない……武道家たるもの考え事に集中して注意を疎かにするなんて絶対ダメなのに……。蒼介はオブラートに包んでくれたけど、梓先輩にさっきの見られてたら「弛んでんとちゃう?」って目が笑ってない笑顔で詰問されてた後鬼のようにシゴかれること間違いなしね……危ない危ない。

 

《こんにちは。いいてんきですねっ》

 

出てきた女の子の召喚獣は、私達ににニコニコと元気よく挨拶をした。

「普通だ……」

「普通だな……」

「…………正常」

私達が来る前はどんな召喚獣だったんだろう?

《おにいさんたち、いっしょにあそんでくれるとうれしいですっ》

「うん、いいよ。一緒に遊ぼう」 

吉井君は私達の召喚獣に優しく接している。彼も面倒見が良さそうね。……それにしても、全体的に姫路さんよりで私の特徴がほとんどないわねあの召喚獣。

《ほんとうですか?やったぁー》

「どんな遊びが良いかな?」

《今からおにいさんをいっぽんぜおいでなげるので、上手いこと受け身をとってくださいっ》

「ごめんね。僕、すごく受け身が下手なんだ」

おっと訂正、バリバリ私の特徴がでてる………いやいやいやいちょっと待って!?私は一般人に柔道技をかけたりはしないわよ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さっきから酷いです明久君っ。どうしておとなしくしてくれないですかっ」

「どうしてって言われても、僕にも色々と事情が……」

「事情ってなんですかっ。坂本君との子供は見たのにっ」

「いや。あれも望んだわけじゃないんだけど」

「もしかして、相手が私じゃなくて、柊君や土屋君や木下君なら平気なんですか?」

「え?う~ん……」

姫路さんにそう尋ねられてしばし考え込む吉井君。

「和真やムッツリーニはともかく、秀吉はちょっと……」

「……………ほほぅ」

「あ。秀吉。おかえり」

そのタイミングで、秀吉君と優子が帰ってきた。

「和真、後で話があるから。……逃げたら本気で怒るからね」

「っ……!……(コクコクコク)」

優子にそう耳打ちされ、和真は若干顔をひきつらせながらも観念したのか頷く。……あの神も悪魔も恐れない和真が好きな子にはこうも頭が上がらないなんて、少し前の自分が聞いたらとてもじゃないけど信じられないでしょうね。

「………………」

ちなみに秀吉君はというと、無言のままどことなく拗ねたような表情を吉井君に向けていた。

「???秀吉、どうかした?」

「いやいや。別に何でもないのじゃが(スタスタスタ)」

「そう?その割にはなんだか機嫌悪そうだけ-」

「(ガシッ)試験召喚じゃ」

「どうしてぇぇっ!?」

流石に予想していなかったのか、秀吉君に不意をつかれた吉井君。というか秀吉君、貴方まさか……。

「普通に可愛いのが出てきたな」

「…………だいたい予想通り」

出てきた召喚獣を見ながら、坂本君と土屋君が呟く。今のところさっきまでのと違って、これといって奇抜な特徴のない普通の召喚獣ね。

《うぅ……。たまには男物の服を着たいよぅ……》

「第一声から特徴丸出しだぁあああッ!!」

そう言えばこの二人、何かにつけて女装させられているって和真も言ってたわね……。

突然、学園長が私達の方に近づいてきた。

「せっかく来たんだ、学園きっての健全アベックのアンタ達も協力してくれないかね?」

「今どきアベックって、ばーさん……」

「揚げ足取るんじゃないよ猫ジャリが」

「誰が猫ジャリだ誰が」

そう言えば、和真と学園長っていつ仲良くなったんだろう……?

「学園長、確かに私と飛鳥は婚約関係ではありますが……正直、余計なスキャンダルのリスクは遠慮させていただきたい」

学園長の頼みをきっぱりと断る蒼介。まあ確かに、この学園は色々と暴走しがちだがら、学生新聞で『生徒会長、神聖な学舎で子作りに励む!』なんてゴシップ記事でも書かれたら、鳳家及び“鳳財閥”の次期後継者の蒼介にとってかなりの痛手だもんね。……私は少し興味あったけど、ここは引き下がりましょう。

「俺もパス。ろくなことにならない気しかしねぇし、何より俺は弄るのは大好きだが弄られるのは大嫌-」

「(ガシッ)サモン」

「優子ぉぉおおお!?何してくれてんのお前!?」

「ちょっとした意趣返しよ♪」

和真も蒼介に続いて断ろうとするが優子に不意をつかれて召喚させられてしまう。

出てきた召喚獣の特徴はというと、髪の色は二人の間を取ったのか、赤みがかった茶色をしていた。あとは……全体的に優子似の女の子ね。

 

《……オイオイてめぇら、誰の許可とって俺を見下ろしてんだよ?ぶっ壊されてぇのかコラ》

 

性格は多分だけれど和真似……おまけにこの荒んだ感じ、私は詳しくは知らないけど蒼介と初めてあった頃の、“破壊神”と呼ばれていた和真そっくりね-ってこれまずくない!?この頃の和真、とんでもなく血の気が多かったらしいし!

 

 

『ア~~キ~~』

『み、美波!?清水さんと一緒にいなくなったんじゃ!?』

『あの子の家まで走って、おじさんに任せて逃げてきたのよ』

『明久君!もう逃げられませんよ!』

『ぐぅぅっ!誰か、助け……』

 

『……雄二。捕まえた』

『ぐぁ!しょ、翔子!?何のようだ!?さっき呼んだから、もう充分じゃ…』

『……サモン。……サモン。……サモン」

『って喚び過ぎだろ!そんなに喚んでも一体しか出てこねぇよ!』

『……あと、三十八人欲しい』

『お前は本気で子供が三十九人も欲しかったのか!?』

『……私はいつでも本気』

『ヤバイ……!コイツ、絶対ヤバイ……!』

 

『ところでムッツリーニ君。子供ができるってことは、当然その前の段階もあるんだよね?つまりコンピューターは僕とムッツリーニ君のソレを予測して』

『…………それがどうした(ボタボタ)』

 

『お主は明久にそっくりじゃな。確かに女装が似合いそうじゃ』

《ボクはおかあさんにもにてるっていわれるよ?》

『待つのじゃ。おかあさんは明久のことじゃろ?ワシは父親で』

《そんなことよりおかあさん、ボクもうスカートはやだよ》

『そんなことではないぞい!?これはワシにとって重大な問題じゃ!』

 

って、目を放した隙に周りは大パニックに陥ってるし!たどうしよう、これ収集つかないわよ!?

「オラァァアアア!!」

《ぐっ…!?親父テメェ……上等だ、原型も残さずぶっ壊してやらぁ-ぐぉっ!?》

「隙だらけだ」

今にも襲いかかってきそうな召喚獣に和真は先手必勝ばかりに蹴り飛ばした。そのまま逆上して和真に飛びかかろうとした召喚獣に、蒼介は足元に木刀を滑り込ませて転ばせる。

「学園長、このままだと!」

「わかってるよ橘!」

私の呼び掛けに学園長が応じて、召喚フィールドを取り消した。あ、危なかった……!いくら蒼介と和真が強いと言っても、10000点を越える点数の召喚獣に殴られでもしたらただでは済まなかったでしょうね……。

「が、学園長先生!?お願いです!あと少しだけ待って下さい!」

「ウチからもお願いします!」

「その気持ちはありがたいけどね、データはもう充分すぎるくらいそろったからねぇ。それにあやうく怪我人が出そうだったからね」

「「でも!」」

「それとも何かい?他の私的な理由で召喚獣を呼び出そうってのかい?」

「「あ。いえ、それは……」」

「それならこれで終いさね。時間もだいぶ遅いからね」

「「はい……」」

目に見えて落ち込む姫路さんと島田さん。そして召喚獣が消えたことで皆落ち着きを取り戻したのか、散らばっていた皆が集まってくる。

「雄二に明久よ。どうしてお主らはあそこまで召喚に抵抗したのじゃ?」

秀吉君のそんな質問に島田さん達も便乗する。

「そうよアキ。……あんなに嫌がらなくてもいいじゃない」

「私もショックでした……」

「……雄二も、酷い。ちょっと傷ついた」

「「…………」」

その質問に対して坂本君と吉井君は沈黙。

すると、近くで聞いていた学園長が口を挟む。

「良いことをひとつ教えてやるよ、悪ガキ共」

「「「良い事……?」」」

「ああ。子供って言うのは、遺伝子情報だけでできるものじゃない。環境や育て方、色々な要素でおおきくなっていくのさ。だから」

そこで、含みのある笑みを浮かべる。

「未来のことが先にわかってつまらない、なんてことはないから安心しな」

「「な……っ!?」」

……学園長、相変わらず底意地が悪い。

吉井君と坂本君、目に見えて動揺してるわね。

「何を慌てているんだい。アタシは子供の人格形成について一般論を述べただけだよ」

「ババァ!さてはこの前の仕返しか!?それが大人のやることか!」

「やり方が汚いですよ!学園で一番偉いくせに!」

「さて。なんのことさね。アタシにはなんのことかサッパリだね」

「「ババァーっ!!」」

「じゃあ、アタシはデータでも揃ったしお暇しようかね。アンタ達もいつまでも遊んでないで、さっさと帰るんだよ」

言うだけ言って学園長はさっさと教室から出ていってしまった。後に残ったのはやけに気まずい妙な空気のみ。

「え、えっと、明久君……。その、えっと……」

「ア、アキってば何変なコト考えてるよの。別に、あんなのは占いみたいなものだから、そこまで気にすることないのに……」

「……雄二は照れ屋さん」

「「誤解だぁああーっ!!」」

「……ん?待つのじゃ、明久よ」

「ん、なに、秀吉?」

「もしや、お主は将来ワシとの子供が出来る可能性があると考えておったのか?」

「いや、だからそれは、その!」

「なぜ口籠るのじゃ!?出来るわけがなかろう!?」

また収集つかなくなってきたわ……。

「あー、危なかった……あのまま続けてたら俺も蒼介もヤバかったな……」

「ごめんなさい和真、ちょっと軽率だったわ……」

「ったく、前回の惨劇から考えてこうなることは予想できただろうに。まぁ何もなかったから別に気にしてねぇよ。……そのかわりだな優子、アルバムの件はどうか無かったことにしてくださいお願いしますこの通り頭下げるから」

「と言いつつ一ミリも下げてないじゃない……ハァ、仕方ないわね。次やったらもう許さないからね」

あっちはあっちで二人だけの世界に入っていちゃついてるし……。

「……長居は無用だな、帰るぞ飛鳥」

「あ、うん」

蒼介にそう言われて私は帰宅準備をする。

ふぅ……色々あったけど、楽しかったな。

それにしても子供か……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いずれ私も蒼介と………………やめよう、顔が熱くなってくる。私も和真のことをとやかく言えないわね……。

 

 




年内最後の投稿です。
正月明けにまた会いましょう。

次回は、和真君と蒼介君が出会い、どのような経緯で今のような関係になったのかという話を投稿します。
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