バカとテストとスポンサー~愉快な彼らのバカバカしくも素晴らしき日常~   作:アスランLS

3 / 40
【ミニコント】
テーマ:淡い希望

明久「ふわぁああ……。
朝は布団から出たくないなぁ……。
布団に入ったまま学校に行けたらなぁ…」

ホワンホワンホワワ~ン

明久『おはよ~和真』フワフワ

和真『布団のまま登校か、楽でいいな』

明久『でしょ~』フワフワ

鉄人『布団で登校など言語道断!教育的指導ォォォ!』

明久『ぎゃあああやめてぇえええっ!?』バッサァアアア



・・・・・・・・・・・・・

明久「やっぱり鉄人って強いね和真……」

和真「?」


如月ハイランド~後編~

【雄二視点】

 

「ねぇねぇ、そこのラブラブなカップルのお二人。キツネのフィーがとっても面白いアトラクションを紹介してあげるよ?」

翔子に関節を極められながら園内を見回っていると、メスらしきキツネの着ぐるみが近寄ってきた。俺達の異様な光景に疑問を抱いていない上にどこかで聞いたような声。

……一応確認しておくか。

「そういえば、さっき明久がバイトの女子大生に映画に誘われてたな」

「えぇっ、あっ、明久君が!?そっそれ、どこで見たんですか!?」

本当にコイツらは、揃いも揃って……。

「おい姫路、アルバイトか?」

「あ……っ!ち、違いますっ!私……じゃなくてフィーは姫路なんて人じゃないよ?見ての通りキツネの女の子だよ」

「まあこの際どっちでもいいが……。じゃあフィーとやら、お前のおススメを教えてもらえるか?」

「あ、う、うんっ。フィーのおススメはね、向こうに見えるお化け屋敷だよ」

姫路は噴水を挟んだ向こう側に見える、廃病院を改造したという話題の建物を指差す。

「そうか……。よし翔子、お化け屋敷以外に行くぞ」

翔子の背中を押して歩き出す。すると姫路が慌てたように俺の腕を掴んできた。

「ままま待って下さいっ!どうしてオススメ以外のところに行くんですか!?」

「どうしてもクソもあるか!お前らの手で余計な仕掛けを施されてる事は明白だろう!わざわざ地雷源に足を踏み入れてたまるか!」

あの和真が関わっている以上、もしノコノコお化け屋敷に行こうものなら間違いなく俺は……。考えただけでも恐ろしい。

それにしてもアトラクションを選ぶ前に姫路に遭遇できて本当に良かった。いくら成績優秀とは言え、姫路はこういう駆け引きに不向きで簡単にボロを出してくれる。

ハッ、まだまだ詰めが甘いな和真。もし俺がお前の立場だったら作戦に姫路は参加させていなかった。こういうところが指揮官としての俺とお前の差なんだよ。

「そ、そんなの困りますっ!お願いですからお化け屋敷に行ってください!」

「断固断る!」

そのお願いとやらのために残りの人生を捧げる気はない。

そのまま姫路が引きずられるようについてくる。邪魔なので振り払ってしまおうか、なんて考えていると、そこに何かが近づいてきた。

 

「そこまでだ雄二!……じゃなくて、そこの不細工な男っ!フィーをいじめると、このノインが許さないぞ!」

「その頭の悪そうな仕草……明久かっ!」

颯爽と登場したのは、さっきも見た雄キツネのノイン。

「失礼なっ!僕……じゃなくて、ノインのどこが頭が悪いって言うんだ!?」

「黙れ!頭部を前後逆につけている奴をバカと言って何が悪い!」

本来可愛らしいであろう着ぐるみの頭部は装着が前後逆になっており、とてもシュールな生き物となっていた。

「……雄二。ノイちゃんはうっかりさんだから」

「うっかりで頭が逆になるキツネはいない!」

こんな滑稽な生物が自然界にいたら、即自然淘汰されてしまうであろう。

『あっ、明久君っ。頭が逆です!ああっ!今小さな子が明久君を見て泣き出しちゃいましたよ!?』

『うわっ、しまった!道理で前が見えないと思った!』

『早く治さないと、坂本君にバレちゃいます!』

まだ誤魔化せると思っているコイツらはつくづくお似合いのカップルだと思う。

「ハイ。すいまセーン。お待たせしまシタ」

ちぃぃっ、明久なんぞに気をとられている内に一番来て欲しくない和真が来やがった。

「坂本雄二サン、お化け屋敷に行って下サイ」

「だからイヤだと言ってるだろうが!」

「断れバ、アナタの実家にプチプチの梱包材を大量に送りマース」

「やめろっ!そんな事をされたら我が家の家事が全て滞ってしまう!」

おふくろは全てのプチプチを潰し終えるまで他のことは何もしなくなるだろう。

もしこの世に神とやらがいるのならば、何故こんな外道に人の弱点を的確に抉る才能なんかを与えてしまったのだろう。

 

 

『ところで明久君。さっき女子大生の声を掛けられていたって聞きましたけど?まさか、大事な作戦の最中に他の女の人と……』

『え?何の事?僕は別に何も……あの、どうして携帯電話を取り出すの?誰を呼ぶ気?』

『美波ちゃんが今すぐ来てくれるそうです。お話、ゆっくり聞かせてくださいね?』

『だ、ダメだよっ!オープン初日で刃傷沙汰なんてここの評判に……ひぃぃっ! なんだかすごい勢いで美波らしき人が走って来てるみたいなんだけど!?』

 

離れた場所でファンシーなキツネの痴話喧嘩という珍しい光景が展開されていた。

「坂本翔子さん、お化け屋敷は彼氏に抱きつき放題ですよ?」

「……雄二、お化け屋敷に行きたい」

「汚いぞ木下姉!翔子を使って罠にハメようなんて!それと勝手に翔子を入籍させるな!ソイツの名字は霧島だ!」

「……大丈夫、すぐに変わるから」

さっきの同情を返してほしくなった。

「では、こちらにサインして下サーイ」

「なんだよこれ?」

「ただの誓約書デース」

誓約書が必要なお化け屋敷ってなんだ?こいつはいったいどんなトラップを仕込んだんだ?

 

【誓約書】

1.私、坂本雄二は霧島翔子を妻として生涯愛し、苦楽を共にすることを誓います。

2.婚礼の式場には如月ハイランドを利用することを誓います。

3.どのような事態になろうとも、離縁しないことを誓います。

4.日本で保障されている人権という人権を妻に献上することを誓います。

 

「……はい雄二、実印」

「朱肉はこちらデース」

「俺だけか!?俺だけがこの状況をおかしいと思っているのか!?特に最後のやつは誰が見ても明らかにおかしい!」

こいつは俺を地獄に叩き落とさなければ死ぬ病気にでもかかってるのか!?そして木下姉、そんな可哀想なものを見る目で俺を見るくらいならどうにかしてこのド外道を止めてくれ!

「冗談でス。誓約書は良いので中に入って下サイ」

「……うん。冗談」

「カーボン紙を入れて写しまで用意しているくせに冗談と言い張るのか!?」

色々言いたいことはあるが、この連中に常識とか容赦とか慈悲とかを求めるのも酷だろう。

「そっ…それでは、邪魔になりそうなのでその大きな鞄をお預かり致します」

「……お願い」

翔子が持っていたカバンを木下姉に預ける。

そう言えばやけに荷物が大きいな。

「……零れちゃうから、横にしないでほしい」

こぼれる?何が入ってるんだ?和真が何か察したような表情をしているが。

「……デハ、行ってらっシャいマセ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「廃病院を改造したお化け屋敷だけあって、確かに雰囲気は十分だな」

「……ちょっと恐い」

「こういうものにあまりビビらないお前が怖がるなんて、珍しいな」

適当に談笑しながらも、俺は周囲への警戒を張り巡らせていた。一階では特に何も起きなかったが、あのサディストがこのまま順調にゴールさせてくれるわけがねぇ。必ずどこかしらで俺を抹殺するトラップが待ち受けているはずだ。

 

【……じの方が……よりも……】

 

冷たい風に乗って幽かに聞こえる声。

「……この声、雄二……?」

「合成音声か、秀吉の声真似か?どっちにしても大して怖くねぇな」

確かに不気味っちゃ不気味だが、和真にしては思ったより普通の演出だな……

 

【姫路の方が翔子よりも好みだな。胸も大きいし】

 

……と一瞬でも考えてしまった時点であいつの思う壺と言うわけか、なるほど。

 

「……雄二。覚悟、できてる……?」

「怖ぇっ!?翔子が般若のような形相に!確かにこれはスリル満点の演出だ!」

俺の馬鹿野郎……!わかっていたはずだろうが……!ここに入ったてしまったら生きて出ることはできないかもしれないと!

そこに何かの仕掛けが作動した。天井に穴が開き何かが落ちてくる。なんだ!?何かこの状況を切り抜けるアイテムか!?

「……気が利いてる」

 

……釘バット?、

 

「畜生っ!よりによって処刑道具まで用意してくるとは!全く趣旨は違うが確かに恐ろしい!」

「……雄二、逃がさない」

釘バットを持った幼馴染に追いかけられるという斬新なアトラクションを満喫(?)していると、またどこからか声が聞こえてきた。

 

【翔子、よく聞いてくれ!】

 

「……何?」

聞こえてきた俺の声に立ち止まって耳を傾ける翔子。

た、助かったのか……?

 

【たとえ誰に批難されようとも、俺はお前を愛している!世界中の誰からも認められなかったとしても、俺は-】

 

「やめろぉぉぉぉぉおおおおお!?」

「……雄二(ポワー)」

確かに翔子からの命の危険は無くなったが今度は羞恥で死にそうだ!間違いない、あの野郎本気でこの俺を抹殺するつもりだ。常日頃から過酷な環境(原因の8割強が翔子がらみ)に身を置く俺は肉体的ダメージや死の恐怖に対しては、悲しいことに耐性がついてしまっている。しかしこういう手口からの攻撃にはまるで耐性が付いていない。チクショウ和真め。恋愛方面には明久以下の感性しか持ってねぇくせに、こういう攻め方だけは熟知しやがって……。

 

【姫路の方が翔子よりも好みだな。胸も大きいし】

 

「……雄二、覚悟」

そして再び訪れる命の危機。恍惚とした表情を浮かべていた翔子はまた般若の顔に。

くそっ、危険の緩急についていけねぇ!しかしまだこういう方向の方がありがてぇ!今のうちに逃げ切って-

 

【たとえ誰に批難されようとも、俺はお前を愛し「やめろぉぉおおおもういっそのこと殺せぇぇぇえええ!!!」

 

そんな感じで、この後も俺は二つの音声に翻弄されながらも、命からがらお化け屋敷を脱出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れサマでシタ。どうでシタ「死ねぇぇぇえええ!!」おぉっと、ずいぶん血の気が多いじゃねぇか」

怨敵の姿が見えるや否や俺は殴り殺すつもりで飛びかかるが、ムカつくことにあっさりと回避されてしまう。

「和真、お前をコロス」

「んだよ、何が気に入らねぇんだよ」

面倒になったのか片言キャラも放り投げてこの鬼畜外道野郎はぬけぬけと俺に文句を言う。人の告白台詞勝手に引用しておいてどこまで面の皮が厚いんだこいつは……!

「キサマあの音声をどうやって入手した!?まさかあのとき録音して-」

「いや、一字一句覚えていたのを書き写して秀吉に読ませた」

あ、こめかみに熱が集まるのを感じる。

「ということは何か?少なくとも秀吉にはあのことが漏れた、と?」

「秀吉だけじゃなくウエディングシフトに参加してる奴は全員知ってるぜ?やっぱあんな熱い告白内容は皆で共有すべきだよな~♪」

 

明久以来になるかな、心の底から人を殺したいと切実に思ったのは……!

 

「くそっ、やはりお化け屋敷だけは避けるべきだったんだチクショウが!」

「何言ってんだよ雄二、助かる望みのあるアトラクションなんてこの俺が用意している筈ないだろ?どのアトラクションを選んでも俺の仕掛けた罠が待ち受けてるぞ」

先ほど指揮官として云々と勝ち誇ってた自分をぶん殴りたい。プレミアムチケットを自分で処理するのを面倒がって明久に押し付けたあの瞬間から、俺はもう詰んでいたのだ。

「……そろそろお昼」

翔子が噴水の上の方に見える多時計を見て、そう呟いた。

『えー、お客様にご案内申し上げます。本日はレストランにて特別ランチが催されます、プレミアムチケットのお客様には特別メニューを用意します』

「あちゃー……」

「へー。特別メニューか」

「それでは、レストランへ案内させていただきます」

園内にアナウンスが流れる。何故だか和真が不都合そうな表情をしているのが気にかかったが、走り回って腹が減ったのも事実なので木下姉の案内についていく。

「ん?翔子、どうした?」

「……なんでも、ない」

「???」

一瞬寂しげな顔をしていたような……? 

 

 

 

 

 

 

木下姉の誘導に従い、しばらく歩くとこじゃれたレストランが見えてきた。そこからさらに中に入り、あるパーティー会場の様な広間に出る。

「此方でございます」

そこら中に丸テーブルが設置されており、前方にはステージとテーブルが用意されている。この雰囲気、レストランというより……。

「……クイズ会場?」

そう、一応テーブルには、豪華な料理が並べられているがそこはクイズ会場のような雰囲気になっていた。

「いらっしゃいませ、坂本雄二様、翔子さま」

ボーイが現れ、俺たちを席に案内する。

まあ、こいつもいるよな当然……。

「秀吉。ボーイの真似事か?」

「秀吉?何のことでしょうか?」

顔色一つ変えずに切り返してくるクラスメイト。こいつ、役者モードになってやがるな。こうなるとそう簡単に化けの皮は剥がせない。もういちいちつっこむのも面倒だし放っておくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

レストランで俺と翔子が特別メニューを食べ終わり、特に仕掛けもないようだと安堵しかけたそのとき。

《皆様、本日は如月ハイランドのプレオープンイベントにご参加頂き、誠にありがとうございます!》

会場に大きくアナウンスが響き渡った。

《何と本日ですが、この会場に結婚を前提としてお付き合いを始めようとしている高校生のカップルがいらっしゃるのです!》

飲んだ水が少しだけ鼻から逆流した。

《そこで、当如月グループとしてはそんなお二人を応援する為の催しを企画させていただきました!題して、【如月ハイランドウエディング体験】プレゼントクイズ~!》

出入り口を封鎖する重々しい音が響く。

この手口は恐らく明久……!おのれ……俺の行動パターンは予測済みということか……!

《本企画の内容は至ってシンプル。こちらの出題するクイズに答えて頂き、見事5問正解したら弊社が提供する最高級のウエディングプランを体験していただけるというものです!もちろん、ご本人様の希望によってはそのまま入籍ということでも問題ありませんが》

大問題だバカ野郎。

《それでは坂本雄二さん&霧島翔子さん!前方のステージへとお進みください!》

ご丁寧にも司会が俺達の席を示したお陰で、観客の視線が一斉にこっちの方を向いた。

「……ウエディング体験……頑張る……!」

「落ち着け翔子。そう言ったものはだな、きちんと双方の合意の元に痛だだだだっ!耳が千切れるっ!行く!行くから放してくれっ!!」

ただの体験だど自分に言い聞かせ渋々壇上に上がり、回答席に座る俺達の前に現れたのは、文月学園を代表するバカ。

「それではクイズを始めます!」

そうだ。クイズをわざと間違えればいいんだ。

残念だったな明久、俺もかつて神童と呼ばれた男。テメェの企みを阻止することぐらい造作もないんだよ。

「では、第一問!」

ボタンに手を伸ばす用意をし、出題を待つ。

さて、どんな問題でもかかってきやがれ!

「坂本雄二さんと翔子さんの結婚記念日はいつでしょうかっ?」

 

おかしい。問題文の意味がわからない。

 

ピンポーン!

しまった。油断しているうちに翔子が勝手にボタンを!だ、だが、いくら翔子でも正解の存在しない問題を答えることなど……

「……毎日が記念日」

「やめてくれ翔子!恥ずかしくて死んでしまう!」

「お見事!正解で~す!」

しかも正解!?

俺は殺意のこもった眼で明久を睨みつけるが、このバカは観客に見えない角度で片目を瞑ってきた。

野郎……!出来レースかっ!どんな手を使っても俺達にウエディング体験とやらをやらせるつもりか!?

上等じゃねぇか……こいつ如きの策に嵌められてたまるか!意地でも間違えてやる!

「では、第二問!お二人の結婚式はどちらで挙げられるのでしょうか?」

ピンポーン!

「鯖の味噌煮!」

「正解です!」

「なにぃっ!?」

バカな!?場所を聞かれたのにこれで正解だと!?

「お二人の挙式は当園にある如月グランドホテル・鳳凰の間、別名『鯖の味噌煮』で行われる予定です!」

「待てぇっ!?絶対その別名はこの場で命名しただろ!強引にも程があるぞ!」

「では第三問!お二人の出会いの場所はどこでしょうかっ?」

ダメだ、聞いちゃいねぇ……!だがな明久、テメェのやり口はわかった。今度は確実に間違えて見える。翔子より先にボタンを押し、間違った解答を……

「……させない」

 

ブスッ

 

「ふおぉぉぉっ!?目が、目がぁ!」

ピンポーン!

「……小学校」

「正解です!お二人は小学校の頃からの長い付き合いで今日の結婚式にまで至るという、なんとも仲睦まじい幼馴染みなのです!」

こいつの目は節穴か!?今の光景をどう見たら仲睦まじいという言葉が出てくるんだ!?

こうなったら最後の手段だ!

「では第四問!」

ピンポーン!

問題文が読み上げられるよりも先にボタンを押し、翔子の妨害が入る前に解答を済ませる!どんな問題だろうが、こう答えれば100%間違いになる筈だ!

「わかりません!」

「正解です!それでは最終問題です!」

詰んだ……!こいつ、俺の解答を無視しやがった……!これではどうやっても問題を間違える事は……!

もはやこれまでかと思ったとき。

 

『ちょっとおかしくな~い?アタシらも結婚する予定なのに、どうしてそんなコーコーセーだけが特別扱いなワケ~?』

 

不愉快な口調の救いの神が現れた。こいつら入場口で和真達に絡んでいたチンピラどもか。和真の口撃を受けても以前と態度が変わっていないとは、思ったよりタフなのかそれともよっぽどのバカなのか。

「あの、お客様。イベントの最中ですので……」

「グダグダとうるせーんだよバカ面!俺達ゃお客様だぞコラァ!」

「アタシらもウェディング体験ってヤツ、やってみたいんですけど~?」

「ですけど~といわれましても……」

「グダグダ言ってんじゃねぇよコルァ!俺達も参加してやるってんだよボケがっ!」

「じゃあこうしよーよ!アタシらがあの二人に問題出すから、答えられたらあの二人の勝ち、間違えたらアタシらの勝ちってことで!」

「そんな勝手な……」

明久の文句も無視して、そのバカップルはズカズカと壇上に上がり、設置してあるマイクを1つひったくる。

 

千載一遇のチャンス到来……!

 

あいつらが相手なら確実に間違えられる。ありがとよバカども、存在そのものが不愉快な連中だったが、最後の最後で俺の役に立ったようだ……!

『じゃあ問題だ聞けよコラッ!』

さて、どんな問題だ?安心しろ、どんなに簡単な問題でも間違えて-

 

『ヨーロッパの首都はどこだか答えろっ!』

 

「………」

言葉を、失った。

『オラ、答えろよ!わかんねぇのか?』

確かにわからないと言えばわからない。俺だけじゃなく、和真だろうが木下姉だろうが姫路だろうが翔子だろうが、例え二年の主席に君臨する俺達Fクラスの宿敵、鳳蒼介をこの場に連れてこようが、この問題に答えることは不可能だ。

なぜなら、俺の記憶が正しければ、ヨーロッパは国というカテゴリーに属していたことは一度もないのだから。

「おめでとうございます。坂本雄二さん、翔子さんに『如月ハイランドウェディング体験』プレゼント~♪」

『おい待てよ!こいつら答えられなかっただろ!?オレたちの勝ちじゃねぇかコルァ!』

『マジありえなくない!?この司会バカなんじゃないの!?』

 

 

 

 

 

 

世界って俺の思ってたよりずっと広いんだな……。

まさか明久以上のバカがこの世にいるとは……。

 

 

 

 

 

 

 

 




【ミニコント】
テーマ:他愛ない悪戯

和真「なあ優子」

優子「何よ?」

和真「良い知らせと悪い知らせがあるんだけど、どっちから聞きたい」

優子「ええっ!?じゃ…じゃあ良い知らせから…」

和真「お前に悪い知らせは無い」

優子「」

和真「……これが良い知らせだ」

優子「じゃ…じゃあアタシが最初に悪い知らせから聞いてたらどうするつもりだったのよ?」

和真「お前に良い知らせなんざねぇって答えただろうな」

優子「なんでそんなアタシの心を弄ぶようなコト言いだしたのよ!?」

和真「ごめん優子、ただの思いつき」

優子「アンタそこに正座しなさい!今日という今日は許さないから!」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。