バカとテストとスポンサー~愉快な彼らのバカバカしくも素晴らしき日常~   作:アスランLS

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久し振りにこっちも投稿。
今回の視点は迷ったんですが、Aクラスのリトルバーサーカーこと大門徹君に決めました。



週末のプール(前編)

【徹視点】

 

『プール?』

「そ。いつものように明久達がバカやってプール掃除の罰を課せられたんだがよ、掃除した後で自由に使ってもいいって言われたそうだ。そこでだ、お前らも来ないかって誘いに来たんだよ」

 

週明けの放課後Aクラス教室にて、和真がそんな提案をしてきた。ちなみにこの場にいるのは僕、優子、愛子の三人。源太は週末に塾のバイトがあり、飛鳥も鳳も休日はとても忙しいので、休日にはこの四人で集まることがそこそこ多い。まあ愛子は休日にも部活に顔を出す日があるし、僕も趣味のスイーツ巡りがあるのでほぼ毎回集まっているのは優子と和真の二人だろう。まったく、これでまだ付き合ってないと言うのだから驚きだ。

 

「アタシはもちろん良いわよ」

「ボクもOKだよ。和真君、ボクのセクシーな水着期待しておいてね♪」

「愉快に脳が沸騰してるバカは放っておいて、徹はどうだ?泳ぐの得意だろ?」

相変わらず言動に容赦がないな。

「いくらなんでもひどくないっ!?」

「僕も別に構わないよ」

「徹君も流さないで!?」

自慢じゃないが泳ぐのは得意だ。バケモノ二名(鳳と和真)相手では流石に厳しいが、それ以外の『アクティブ』メンバーにはそうそう遅れをとらないだろう(優子とは接戦になるけど)。なんだったら視界の端で何やら喚いている水泳部員よりも速いと自負している。

「あ、当然掃除は手伝ってもらうからな。働かざる者泳ぐべからずって言うしな」

「いや、言わないわよ……」

こいつ全員が了承したのを見計らって言いやがった。最初から労働力増やすのが魂胆かよ。一流の詐欺師は嘘もつかずに人を騙すらしいけど、こいつがまさにそれなんじゃないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう、待たせたかい?」

「いや、大して待ってねぇよ」

「おはよう徹」

そして週末。雲一つない抜けるような青空の下、僕は校門前にいるで立つ和真と優子に手を挙げて挨拶をした。ちなみに愛子は諸事情で少し遅れるそうだ。

僕達が他愛ない話をしてると、

 

「「バカなぁぁあああっ!」」

 

突然絶叫が聞こえてきた。視線を向けてみると、Fクラスの吉井明久と土屋康太(面識は無いがこの二人は色々と悪い意味で有名なので名前を覚えていた)が沈んだ表情のまま地面に突っ伏していいて優子の弟さんと姫路さんがおろおろしていた。とりあえず僕達三人は何があったのか事情を聞くため彼らに近づく。

「秀吉、何があったのよ?」

「姉上か、最近こやつらは完全にワシを女として見ておるようじゃからな。ここらで一度ワシが男じゃということを再認識させようと思ったのじゃが」

「酷いよ秀吉!君は僕のことが嫌いなのかい!?」

「………見損なった……!」

「な、なんじゃ!?なぜワシは責められておるんじゃ!?」

「き、気にしなくていいと思いますよ。木下君」

「アンタも苦労してるのね秀吉……」

大体事情が掴めた、どうやら優子の弟が女性物の水着でないことにガッカリしているようだ。

ふむ……似たような苦しみ(Dクラスのとあるバカが原因)を持つ者として手助けしてあげるのも吝かでないかな。

「吉井、土屋。その辺にしておきなよ。男に女物の水着を着ることを強要するなど、あってはならないことだよ」

「お、お主……」

何故か弟君は感激の眼差しで僕を見ているが、これは僕の心の底からの切実な本音だ。

「何言ってるんだよ!?秀吉は男とか女とかそんな枠組みなど超越した存在……そう!第三の性別『秀吉』なんだよ!」

「ごめん、もうついていけない」

新しい性別を作り出してまでこいつは弟君に女物の水着を着せたいのか……?

「ってあれ?君は……」

「ああ、そう言えば面識無かったね。僕は」

「葉月ちゃんの知り合い?それとも誰かの弟さん?」

 

ピキィッ

 

「明久……さらばだ」

「え?何で和真いきなり十字切ってるの?」

大袈裟だなぁ和真は。流石の僕も初対面の相手をブチ殺したりはしないよ。

「初めまして。二年Aクラスの大門徹だ」

「え?同級生だったの頭蓋骨が砕けそうなくらいいたいぃぃぃぃぃ!?」

「人のこと背丈で判断してんじゃねぇそゴルァァァ!」

以前Fクラスと試召戦争のとき、こいつは僕と和真が対戦していたのを見ているはずなので初対面とは言えない。

だから心置きなくブチ殺せるね♪

「あ、明久君の骨格がミシミシ悲鳴を上げています!?」

「あー、あいつの握力100近くあるからなー」

「他人事のように言っておる場合か!?早く止めねば明久が!」

「無理よ秀吉……。徹は自分をチビ扱いした相手には容赦しないから……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅぅ……ひどい目にあった」

「次、僕を年下扱いしたら今度は砕くから」

「くだ!?……き、気をつけます」

怯えた表情で僕から距離を取る吉井。トラウマを植え付けてしまったかもしれないが自業自得なので謝る気はない。

 

ータタタタタッ

 

「バカなお兄ちゃん、おはようですっ!」

「わわっ!?」

後ろの方から小柄な少女が急に吉井に飛びつき、吉井が驚いたような声を出す。ちなみに僕の恋愛対象は僕よりも背の低い人だがこんな幼い子に手を出すような深すぎる業は持ち合わせちゃない。というか僕の予定ではあと20㎝は伸びる計算なので、今後もロリコンの謗りを受けることは無いだろう。

あ、「そんなに伸びるわけねぇだろ」とか思った奴には容赦するつもりはない。僕はチビではなく、ただ普通の人より成長期が遅れているだけに決まっている。

 

「もう葉月ってば。アキがびっくりしてるでしょ?」

「あ、美波ってことは……やっぱり葉月ちゃんか」

「よう島田、おはよう」

少し遅れて女子がやって来る。どうやらこの女子生徒の名は島田美波、先程の少女はこの女子の妹である葉月という名前らしい。……葉月ってこの子か。つまり吉井は僕をこの娘と同じくらいの年に見えたってことか?

どうしよう、もう一度ブチ殺したくなってきた。

「えへへー。二週間ぶりですっ」

明久の背中で天真爛漫を体現したように笑う葉月ちゃん。流石にこの子にスプラッタな光景を見せるのは僕でも憚れるな……命拾いしたな吉井。

「バカなお兄ちゃんは冷たいですっ。酷いですっ。どうして葉月は呼んでくれないんですかっ?」

「あ、うん。ごめんね葉月ちゃん」

吉井……君は小学生からもバカ扱いされてるのか?

「家を出る準備をしていたら葉月に見つかっちゃて。どうしてもついてくるって駄々こねてきかないもんだから……」

島田さんが溜息まじりに呟く。

「あれ?坂本はまだ来てないの?ウチが最後だと思ったのに」

坂本と言えば、言わずと知れたFクラス代表にして、問題児コンビの片割れである坂本雄二のことだろう。

「いえ、もう来てますよ。今職員室に鍵を借りに行って……あ、丁度戻ってきたみたいです」

姫路さんが説明していると、後者の方から坂本と霧島の姿が見えた。

「おはよう雄二、霧島さん」

「おう。きちんと遅れずに来たようだな」

「……おはよう」

「ん?見慣れない顔がいるな」

僕の方を向いて坂本がそう言った。

「そういや優子はともかく徹は翔子以外のFクラスの面々と交流が無かったな、とりあえずお互いに自己紹介でもしとけよ」

「それもそうだな、Fクラス代表の坂本雄二だ」

「僕は吉井明久だよ」

「………土屋康太」

「木下秀吉じゃ、以後よろしく頼むぞい」

「島田美波よ」

「姫路瑞希です。仲良くしてくださいね」

「ご丁寧にどうも。僕は大門徹、『人の身長をとやかく言う奴は神でも殺す』がポリシーだよ」

僕の自己紹介を聞いてやや引き気味になるFクラス一同。これでも君達が悪気無く地雷を踏まないように忠告してあげたってのに、その反応は解せないな。

「徹は昔身長のことでイジメを受けた過去があってな、それでちょっと敏感になってるんだよ。危ねぇ奴ではないから心配すんな」

和真のフォローで引き気味の表情から同情めいた表情に変わる一同。一応言っておくが僕はそのことを一切引きづってはいない、なぜなら一人残らずブチのめし終えているからだ。

それを知っているからこそ、和真も人のプライバシーを平然と暴露したのだろう。

「小さいお兄さん、可哀想です……」

「おい徹、一応言っておくけど殺るなよ」

「だ、大門!葉月は悪気があるわけじゃなくてね…」

釘を刺してくる和真と慌てふためきつつも葉月ちゃんを庇うように前に出る島田さん。

まったく、二人とも的外れにもほどがある。

「流石に僕より背の低い子に言われても特に怒りは感じないよ。むしろ優越感に浸れるね!」

ふふふ……人を見下ろせるこの感覚は、かくも新鮮で素晴らしい。

「器小っちゃ……」

うるさいな和真。

「……まあそれはさておき、早速着替えるとするか。女子更衣室の鍵は翔子に預けてあるからついていってくれ。着替えたらプールサイドに集合だ」

坂本の言葉通り一旦男女に別れるが、何故か葉月ちゃんが僕達に付いて来ようとする。

「こらこら。葉月ちゃんと秀吉は女子更衣室でしょ。霧島さんについていかないとダメだよ」

「えへへ。冗談ですっ」

「ワシは冗談ではないのじゃが……?」

木下……ややこしいか秀吉で良いか……秀吉はこの扱いがデフォルトなのだろうか。同情する。

「ほら、遊んでないで行くわよ葉月、木下」

「し、島田!?ついにお主までそんな目でワシをみるように!?嫌じゃ!女子更衣室で着替えるのだけは嫌なのじゃ!」

あ、和真も憐れむような目で秀吉を見ている。どうやらこの扱いがデフォルトらしい。

「あの、吉井君と島田さん、うちの弟は歴とした男なんだから流石に女子更衣室で着替えるわけには……」

「あの……それなら、木下君は一人別の場所で着替えるっていうのはどうですか?」

見かねた優子が助け船を出すものの男子更衣室を使わせるまでには至らず、結局姫路の提案が可決された。

「ぬ、ぬぅ……得心行かぬが、この際我慢じゃ……水着姿を見せればきっと皆もワシのことを見る目が変わるはずじゃ……」

などとブツブツ言いながら、秀吉は水着の入った鞄を握り締めた。

「本当に苦労してるようだね……」

「よし。決まったならさっさと行こうぜ。時間が勿体無い」

「うん。そうだね」

「ちゃっちゃと着替えるか」

「………(コクリ)」

 

こうして僕達はそれぞれの更衣室に向かった。

 

 

 




【case.1木下秀吉】
秀吉「どうじゃお主ら!」←トランクスタイプ(女物)  
明久「秀吉!やっぱり僕らの気持ちをわかってくれていたんだね!」 
ムッツリーニ「………永遠の友情と劣情をその水着に誓う」
秀吉「どうしていつもこうなるのじゃ!?」

結論……自らの容姿を自覚し、店員に任せるのはやめましょう(この後優子にシメられます)。

【case.2霧島翔子】
翔子「……えい(ブスッ)」
雄二「ぐあああああっ!?目が、目がぁっ!?」
翔子「……雄二は他の子を見ちゃ駄目」

結論……愛ゆえに仕方なし

【case.3姫路瑞希】
姫路「す、すみません。ちょっと遅れました」←暴れ狂うFカップ
明久・ムッツリーニ「「我が障害に一片の悔い無し……(ドババババババ)」」
姫路「きゃあああ!?ふ、二人とも大丈夫ですかっ!?」

結論……予定調和

【case.4木下優子、島田美波】

美波「瑞希はやっぱりウチの敵だったわ……」
優子「何なの……この圧倒的敗北感」
美波「……!」
優子「……!」

ガシィッ

結論……持たざる者は引かれ合う。
貧乳同盟ここに結成!
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