※軽く読める作品を目指して勢いで書いたので、細かいところで史実と合わないところ等があります。(白蓮ちゃんの現在の居城が易京城ではおかしいとか、正確には幽州太守ではないだろう?とか)出来たらそう言うところは目を瞑っていただけると助かります。どうしてもそういうのが許せない方は、戻るのボタンを押すか、心の中で作者を罵倒して下さい。
刻は三国、乱世の時代、世は荒れ、帝の権威は地に落ち、諸侯がこぞって派を唱える時代。
場所は、幽州遼東
ここを治める太守こそ、この物語の主人公である公孫賛…真名を白蓮というごくごく普通の目立たない女の子である。
がんばれ!白蓮ちゃん 『第一話 幽州太守だよ白蓮ちゃん!?』
幽州啄群・易京城・執務室
公孫賛軍の居城であるこのお城の執務室では、今日も今日とて山のような竹簡と向き合う白蓮ちゃんの姿がありました。どうやらこのお城には白蓮ちゃんの他にはこういったお仕事の出来る文官さんはいないようです。
「あー男がほしい…じゃなかった優秀な文官がほしい。ついでに戦闘の指揮出来る武官とそれに軍師もほしいな、あと去年の冷夏で収穫悪かったから兵糧も足らないし、黒山賊との小競り合いで兵も消耗してるぞー。それに劉虞のおっさんは何かとイチャモンつけてきて、グチグチグチグチとうっさいし、あと男がほしい」
おやおやどうやら白蓮ちゃん疲れのせいか、やさぐれてますね。目からハイライトが消えていますよ?
「ああ~もう面倒だから睡蓮(公孫越)にでも全部押し付けて旅にでも出ようかな……いいなそれ。地味な私でも太守勤まっていたんだから睡蓮ならもっと旨くやるだろうし、よしそうしよう」
あらあら白蓮ちゃん、本気で旅支度をする気ですよ?心労からまともな思考能力がなくなったみたいですね。
「何を馬鹿なことを言ってるんですか!姉上」
おやおや扉をバ~ンと開け放って登場したこのちびっこは、白蓮ちゃんの妹の
「やあ睡蓮いい所に来たな。私は旅に出る事にしたから、太守はお前に任せるわ。…だいじょぶ、だいじょ~ぶ、お前なら地味な私より民を旨く纏めていけるさ。ど~せ私なんて地味だし、誰も私の顔なんて覚えてないって、お前が太守になったって誰も可笑しいなんて思わないぞ、アハハハハハッ~」
いやもう聞いてる方が悲しくなってくるほど棒読みなセリフを、貼り付けたような笑顔で首を前後にカクカクさせながら言われると怖いんですけど。
「ああもうしっかりして下さい姉上。太守たる姉上がそんなことでどうするんですか」
ああ睡蓮ちゃん、そんなに激しく白蓮ちゃんの両肩をもって前後に揺さぶると、白蓮ちゃんの首がガックンガックン揺れてやばいことになってますよ。
「オオオアアアァぁア…やめ、やめて睡蓮、わか、わかったから、ゆる、し、きも、わる、吐、く、吐く、ウォェェェ……」
「えぇー姉上!ちょちょっとお待ちを!やば、ここではやばいですって!あ、ま、待って、やめてくだ、あぁぁーーー!!」
―――――――――しばらく、お待ち下さい―――――――――
「ああ、ううん。その悪かったな睡蓮。ちょっと前後不覚に陥っていたみたいだ。もう大丈夫だから」
「いえ姉上がお忙しいのはわかっておりますゆえ。こちらこそ先程は失礼なことを」
うむ、二人ともなんとか落ち着いたみたいですね。
「それでどうした睡蓮。そういえばお前は、星のやつと賊の討伐に出ていたのではなかったか?」
「は、賊三百、無事掃討しました。なお子竜殿の活躍により村民及び我が方の兵に損害はなしです」
「そうかさすがだな星のやつ、睡蓮もごくろうだったな」
「は、有難きお言葉」
「それにしてもお前、未だに星のことを真名で呼ばないのな。星から預けられはしたんだろう?」
白蓮ちゃんの言ってる【真名】というのは、心から信頼に置ける者だけに呼ぶことを許す神聖な名前のことですね。なんでも本人に断り無くその名を呼べば斬り殺されても文句を言えないだとか。物騒ですねえ。
「は、申し訳ありません姉上…しかし私としましては客将に甘んじてる内は、子竜殿の真名を受け取る気も私の真名を授ける気もありませんゆえ…どうかお許しを」
どうやら星さんというのは、白蓮ちゃんの本当の部下というわけではなく【客将】というやつみたいですね。ちなみに客将とは、お客さんとしてお家にお泊めする代わりにその間は武将として働きますよって所でしょうか。
「ああそれはお前の自由だから一々謝まらなくていいぞ。唯単に疑問に思っただけだから。それでその本人は報告もせずに何をしているんだ?」
「それがその…途中までは一緒にいたのですが、ほんの少し目を離した隙にいなくなってしまって…おそらくはまたあそこだと…」
「あそこ?ああ、あの麺屋か!星のやつよほどあそこのメンマが気に入ったのだな」
星さんは、なんでもメンマが大好物だそうで、究極のメンマを常日頃から求めてるのだとか…。まあ趣味思考は人それぞれで。
「申し訳ありません姉上、私の管理不足です。ちゃんと報告を済ませてからにするようにと申し付けたのですが…」
「ああ、まあいいじゃないか。あいつの自由奔放な所は今に始まったことじゃないし、どうせ私が言った所で聞きやしないし、それでもやるべき時はちゃんとやってくれるしな」
白蓮ちゃんはお人よしですねえ。本来なら客将とはいえ、このような態度許されるべきじゃないんですけれどね。ほら、睡蓮ちゃんが頬を膨らましてご機嫌斜めになってますよ。
「姉上、姉上は甘いです!そんなことだから余計に舐められるのですよ」
「まあまあ、そんなに怒るなよ。それより他に何か報告するようなことはなかったか?ないなら私たちも昼食にしようじゃないか」
「…いえ一応あと一つありました。まあ取るに足らない噂なのですが」
「噂?まあいいそれはどんな噂だ?」
「姉上、姉上は【天の御遣い】と言うのをお聞きになったことはありますか?」
「天の御遣い?なんだそれは、聞いたこともないな」
「なんでも“白き衣の天の御遣いが流星と共に現れ乱世を鎮め民を幸せに導く”とか民の中でもっぱらな噂だそうです」
「乱世を鎮めるねえ、私としては民がそんな噂をするほど私が治める地が荒れてると思われてるほうが問題なんだが」
いえいえ白蓮ちゃん、白蓮ちゃんはりっぱに領地を護ってますよ。いくら幽州が洛陽からもっとも離れた北東に位置する『ど田舎』だからって、賊による被害も少なくまた民の信頼も厚いじゃないですか。お隣の袁紹さんの家なんて本人は名門ということに拘ってるけれど、領地は広いけど税金は高いし、賊が横行してるし、太守の本初さんはお馬鹿さんだし民の暮らしはきつくなる一方ですよ。それに比べたら幽州の民は皆毎日を笑顔で暮らしているじゃないですか。それもみんな白蓮ちゃんが民のことを第一に考えてがんばってるからですよ。
ま、地味なので太守としての知名度は袁紹さんより遥かに低いですけどね。
「まあそんな噂が横行するほど今の世の中、民が生きていくには辛い世ってことだな」
「そうですね。幽州だけ見ても問題は山済みです。他州に比べれば少ないとはいえ黒山賊などの賊による被害、干害や蝗、冷夏などの天災による被害…」
「それに烏桓族などの異民族との対立など…考えるだけで頭が痛くなる問題ばかりだよな」
あらら二人とも溜息なんてついて、少し落ち込んでしまったようですね。やはり偉い人ともなると考えることが沢山ありすぎて大変ですねえ。
「ま、悩んでたってしょうがない。私は優秀って訳ではないからな。一つ一つ目の前の事を処理していくとするか!」グウゥ~「…腹が減ってはなんとやらだ、まずは飯だな。ほら睡蓮もいくぞ」
「わっ!とっとと、わかりました姉上。行きます、ご一緒しますからそんなに引っ張らないでくださいよ。姉上ーー!!」
…二人とも行ってしまいましたね。さて幕をあげましたこの物語りこれから先どうなっていくのでしょう。これより時代は戦国乱世へと突入していきます。英雄、英傑が活躍する時代、平凡を自称する我らが白蓮ちゃんは無事生き延びることが出来るでしょうか?次回、そのキーとなる人物が登場します。ではその予告をダイジェストでどうぞ。
【予告】
「桃香様…昼間だというのにはっきりと流星が落ちるのが!」
「うん!愛紗ちゃん私も見たよ。きっとあの予言と関係があるよ…行ってみよう」
「華琳様さっきの光は何だったんでしょうか?」
「ふふ面白そうじゃない見に行ってみましょうか。ついてらっしゃい春蘭、秋蘭」
「雪蓮そんなところにいたのか…どうした何を見ている?」
「さっき北の方角が一瞬昼間のように明るくなったでしょ?きっとあっちに面白いことがあるわ…それこそ孫呉の今後を占うような」
「またお前の勘か?」
「ええ、でもこの勘はきっとはずれない。ついてきて冥琳」
「姉上!先程流星らしき物が天より降り注いだとのことです。もしやあの予言となんら関係が…」
「…そんなのどうでもいいから仕事手伝ってくれよ睡蓮~やってもやっても竹簡が減らないんだよ…星は逃げちゃうし、他にこの案件処理出来る文官うちにはいないし…おかしいんだよ朝から晩まで仕事してるのに、やってもやっても竹簡の山が余計に増えていくんだよ…やってもやってもやってもやってもやってもやってもやってもやってもやってもやってもやってもやっても…うわ~ん、もう嫌だ!お家帰る~!!」
「あ、姉上お気を確かに!」
次回、がんばれ!白蓮ちゃん 『第二話 御遣い様だよ?白蓮ちゃん』
どうぞご期待下さい。
※予告については一部未定な所もあり、実際と大きく異なる場合もありますのでご了承下さい。
感想待ってます。
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