笑顔は太陽のごとく…《決戦の海・ウルトラの光編》   作:バスクランサー

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疲れた…。
今はそれしか言えないです。

相変わらずの不定期更新ですみません。
本編どうぞです。


海域の攻防

 ーーー少し時を遡り 洋上

 日向たちは懸命に戦った。

 しかし、アリゲラの能力はあまりにも高すぎた。

 

「「全機、攻撃開始!」」

 ストライクビートルやマットジャイロのミサイル攻撃を恐るべき機動力で全てかわし、同時に肩のパルス孔から放つ光線で全てを海にたたき落とす。ならばと砲撃を仕掛ける日向だが、アリゲラは海に潜って回避。

 しかし、この艦隊には対潜能力が高い雷巡の木曾、そして以前おおとりゲン…ウルトラマンレオによる直々の特訓により、類まれなる強さを持つ島風がいる。

「野郎!くらえっ!」

「五連装酸素魚雷、行っちゃってー!」

 木曾、島風の魚雷弾幕。やがて、水柱が上がった。

「やったか…!?」

 しかし、その水柱は、魚雷が命中したことによるものではなかった。水柱の中から、アリゲラが飛び出してきたのだから。

「おぅっ!?」

 驚く島風。あれほどの魚雷をかわされたのだから、無理もない。そして飛び出してきたアリゲラは、その尻尾から光弾を放つ。当たってもおかしくない距離だが、その高い身体能力で、なんとか2人とも避けた。はずだったのだが…

「嘘っ!?」

「あの光弾、追尾機能があるのかよ!?」

 避けたはずの光弾が、こちらに向かってくるではないか!

「このっ!」

 ギリギリのところで木曾は機転を利かせて、接近戦用の剣の艤装を使い、光弾を真っ二つに斬った。しかし光弾の威力は高く、剣の刃はボロボロになって、使い物にならなくなってしまった。

「2人とも大丈夫!?」

「何としてでも奴を止めるぞ!撃てっ!」

 飛鷹、日向も加わり、飛び回るアリゲラを全力で迎え撃つ。しかし、アリゲラは嘲笑うかのように全ての弾をかわしきり、そして彼女たちの上スレスレを超高速で通過する。そのあまりのスピードは、万物を吹き飛ばす衝撃波さえ起こせるほどだ!

「ハッハッハ!私ノ力ヲ思イ知ッタカ!」

 攻撃を受け続けて中破した日向たちを見下ろし、声高々に笑うアリゲラ。

「まだだ…!

 絶対に貴様を…ここで食い止める…!

 利根たちのところへ、行かせはしない…!」

 強い視線を向け、艤装を構える日向たち。

「ナルホド、囮カ。考エタナ。ダガ!」

 アリゲラは両手を広げ、飛行体制に入った。

「コノ私ノスピードノ前二ハ、全クノ無意味ナノダァッ!」

 再び衝撃波を巻き起こし、気付けばアリゲラは日向たちの視界の遠くへと去っていった。そこに残された日向たちは、利根へ通信を送ることしかできなかったーーー

 

 ーーーそして今。

「分かった、日向たちもよく持ちこたえてくれた!全速でこの海域を脱出する!」

 通信を受けた利根たちは、速度を一層あげる。しかし、もう既に彼女たちはアリゲラに狙われていた。

「逃ガスカァァァッ!」

「は、速い!」

「こうなったら!ガッツウィング1号、迎撃開始!」

「僕も援護します!ファントン光子砲、発射!」

 先程筑摩が飛ばしていたガッツウィング1号3機が、ミライのスカイマスケッティが、アリゲラに攻撃を仕掛ける。だが、アリゲラは急加速し、それさえも全て避けていく。

「姉さんも!」

「わ、分かったのじゃ!」

 利根も砲撃でアリゲラを狙うが、艦載機攻撃よりスピードで劣る砲撃が当たるはずもない。利根はカタパルトを見た。

「だめじゃ…まだ…吾輩は…!」

 なんとか勇気を出そうとするも、どうしてもカタパルトを動かそうとできない。そしてその隙を、アリゲラは見逃していなかった。

 

「ソロソロ犠牲者モ、出ソウト思ッテイタトコロダ…!」

 

 まずい!アリゲラは本気で利根を沈めにかかっている!

「やめろぉぉぉっっ!!」

 それを察知したミライは、叫びながらスカイマスケッティを急旋回させる。

「ミライ殿っっ!?」

「煙幕弾、投下っ!!」

 ほぼゼロ距離から放たれた煙幕弾は、アリゲラの周囲を煙で包む。

「ヌンッ!?」

 煙で前が見えないアリゲラ。超音波で位置は探れるにしろ、少しでも時間は稼げたはずだ。

「利根さん、日向さんに連絡を!とにかく合流して、脱出しないと!やつは今回、一人残さず消し去る気です!」

「分かったのじゃ!」

 連絡を入れる利根。幸い近くに日向たちが移動していたため、すぐに合流できた。全員で船を護衛しつつ、全速で鎮守府へ向かう。だが、中破艦が多く、なかなか思うように進めない。第102泊地の面々も、資材不足で艤装を展開できないのだ。

 そしてそんな中、最悪の事態が…

 

「奴が追ってきた!!」

 遠くに見える黒い点が、だんだんその大きさを増していく。しかし、もうまともに戦えるのは、ミライ、利根、筑摩の3人だけだ。

「仕方ない…ここは僕たちで食い止めます!日向さんたちは、船を護衛して、急いで鎮守府へ向かってください!」

「…分かった!」

 そうは答えたものの、日向たちも、ミライたちが心配だったが、今はそうする他なかったーーー

 

 ーーー「発射!」

 スカイマスケッティのミサイルがアリゲラのコースを塞ぎ、利根、筑摩の砲撃がそこを攻撃する。

「よしっ!」

 しかし、今のアリゲラには深海棲艦の強力な装甲がついている。そう簡単に倒せるほどのダメージは与えられない。

「少シ当タッタカラッテ、調子ニ乗ルンジャネエ!」

 アリゲラは体を高速回転させ、同時にパルス孔から光線を連射。一瞬で広範囲に、そして三次元的に弾幕が形成される。それは筑摩を的確に捉え、回避しようと必死にあがくスカイマスケッティを掠める。

「ああああああっっ!」

「ぐわっ!武装システムダウン!」

「筑摩っ!?ミライ殿!?」

 利根は大破した筑摩をなんとか支える。意識はあるが朦朧としている。

「大丈夫じゃ、吾輩が守ってみせる…!」

 しかし、もはや彼女の心は限界だった。アリゲラの攻撃から逃れられない今の状況に、地獄の過去が重なる。そして、自分はまだ、壁を乗り越えられない…

「…ぐぅ…だ、駄目じゃぁ!

 やっぱり、吾輩は…!吾輩はぁ…!」

 無力感に、ついに涙が出てきた。自分が不甲斐ないせいで…負のスパイラルにはまった利根の涙は、とどまること無く溢れ続ける。

「ハハッ!貴様ラカラ片付ケテヤル!」

 アリゲラの目がこちらをロックオンした。絶望に染まった利根は、動くことすらできない…

「姉さん…!」

「すまん筑摩…!吾輩が…吾輩がダメなせいで…!やっぱり吾輩は…役立たずだったんじゃ…!」

 

「そんなことはない!!」

 

 声が響いた。ミライだった。海面に着水させたスカイマスケッティの上から、利根に呼びかける。

 

「利根さん!あなたは強い人です!

 あなたの持つ心の強さに、僕は幾度となく感動しました!

 だから!

 絶対に諦めないでください!

 勝利を、未来を信じる心を持ち続ける限り!

 

 不可能すら、可能にできるんです!」

 

「ミ…ライ…殿…!?」

 

「ホザケェッ!

 コイツラモ、貴様モ、そして逃ゲタアイツラモ、全員マトメテブッ殺シテヤル!」

「そんなことはさせない!」

 ミライはアリゲラに強く叫び、左腕を構える。すると、そこに燃え上がる炎のごとき赤のアイテム…メビウスブレスが現れた。

 

「利根さんは…みんなは…!

 

 僕が守るっっ!!!」

 ミライはメビウスブレス中央、ボール状のクリスタルサークルに右手をかざし、そして勢いよく擦るようにその手を振り下ろし、それを回転させた。そして、エネルギーのほとばしるメビウスブレスのついた左腕を、天に突き上げ、自身の真の名を叫ぶ!!

 

「メビウーーース!!」

 

 彼の身体は光の玉と化し、アリゲラに思い切りぶつかる。

「グワッ!?」

 アリゲラを吹っ飛ばし、そしてその光は利根たち2人を優しく包み込み、アリゲラと距離を置いた海上に退避させた。同時に、光の玉はだんだんと、巨人の形を成していく。

「ミライ…殿…?」

 利根が。

 筑摩が。

 アリゲラが。

 そして、遠くの日向たちが、避難艇に乗った第102泊地のメンバーも。

「あれは…!」

 立ち上がる巨人の姿に、目を奪われていた。

 

「大丈夫かい、利根さん」

 巨人は、優しく利根たちを見下ろす。

 時の流れを見つめるかのような、銀色の目。

 胸の中央には、体に埋め込まれたような菱形の青い灯が輝いている。

 銀色の体には赤色が走り、まさに無限の力を体現しているかのごとく。

 その巨人の名を、利根は知らない。

 でも自然とそれは、彼女の口から出ていた。

 

「…ウルトラマン、メビウス…!」




今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

感想や評価もらえると励みになります、よろしくお願いしますm(_ _)m

ではまた次回!
利根の章も、クライマックス目前です!
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