笑顔は太陽のごとく…《決戦の海・ウルトラの光編》 作:バスクランサー
多分アレルギーです。やばいです。
以上です、本編どうぞ。
ーーー「はじめまして、第35鎮守府の提督です。我が鎮守府へようこそ。」
「秘書艦の響です、よろしくお願いします」
「憲兵のヒビノ・ミライです。」
「用務員の長門です、そしてこちらが…」
「あ、あの、普段は長門さんの、お手伝いをしています、レイといいます。何卒よろしくお願いします」
「ふふ、そこまで畏まらなくても大丈夫だよ」
ムサシさんはレイの目線に合わせてしゃがみこみ、よしよしと頭を撫でる。
「あ、ありがとうございます…」
ニコニコと微笑むレイ。ムサシさんも嬉しそうだ。
「じゃあ、早速鎮守府の方を案内しましょうか。ぜひ、レイさんも一緒に来て、手伝ってください」
ミライさんに連れられ、ムサシさんはレイと建物の中へ入っていったーーー
ーーー「こちらが、ムサシさんの部屋になります。何かあれば、いつでも言ってください」
憲兵よりホテルマンのほうがしっくりくるような言い回しである。ひとしきり案内を終えて、ミライは部屋を出ようとする。すると…
「あ、憲兵さん」
「はい?」
「少し時間ありますか?」
「まあ、ありますけど?」
「少し、話しませんか」
ムサシの誘いを快く承諾したミライは、座布団に座る。
「いきなりですけど…お久しぶりですね。別の時空で、ギンガたちと共に戦った以来ですかね。
ウルトラマン、メビウス」
ミライは瞬時に意図を察した。そして、ムサシのもう一つの姿のことも。
「こちらこそ久しぶりです…
ウルトラマン、コスモス。
ゼロから前々から話を聞いていましたが、僕も会えたらいつか、あなたと話したいって思っていました。
まさか、こんなところで会えるなんて…」
「本当に、不思議な縁ですね。何から話せばいいですかね…」
お互い、ウルトラマン同士ということで、知っているようで知らなかったことをたくさん交換していく二人。そして話はいつしか、この鎮守府に来た経緯へと移っていった。
「僕は極東支部のサコミズ長官に、レイさんの調査を頼まれてきた訳ですけど…ミライさんは何故ここに?しかも…憲兵さんとして」
「あ、実は…」
ミライはここまでのことを簡潔に話した。
深海棲艦の勢力が増えていること。
レイの出現。
そしてレイを、地球を守るために、この地球に派遣され、そして憲兵となってこの鎮守府にいるということ。
「そうか…今の深海棲艦は、怪獣との融合体まで出てきているんだね。」
「はい…」
「でも、元はレイさんみたいに、僕らと分かり合える存在なんだよね…
深海棲艦とも、同じように分かり合うことができれば…」
「優しいんですね、ムサシさんは」
「互いに違っても、いつか心の底で理解しあえればいい。出来ることなら、全ての命を助けたい。僕はそんな風に考えているんだ。」
「すごいです…応援してます!」
「ありがとう、ミライさん」
ミライとムサシは、似ているようで異なる。
ミライはウルトラマンメビウスの人間態であるのに対し、ムサシはウルトラマンコスモスと一体化している地球人である。
しかしその違いがあってこそ、互いに様々な意見を交換して、それを深めることが出来ている。
「そう言えば」
「はい」
「ここでは、艦娘の療養をしているって聞いたんだけど…レイさんの調査とは別に、個人的にそっちも気になるんだ」
「あ、それだったら、提督さんの所、行ってみませんか?」
「提督さんの所?」
ーーー「なるほど」
「そうなんです。というわけで、その、お願いします」
ムサシさんが、うちの艦娘たちを療養した際のエピソードを聞かせて欲しいらしい。今日は長旅お疲れ様ということで、ムサシさんによるカウンセリングは明日からだし、ちょうど書類仕事もひと段落付いたところである。
「分かりました、ではまず…」
一人一人のことを、もちろんプライバシーにも配慮しつつ話す。ムサシさんはメモまでとっている。彼曰く、ジュランの怪獣にも時々心のトラブルが起こったり、また傷ついた怪獣を保護した時、その傷が体のみならず心にも到達していることがあったりするらしい。その際の参考にしたい、ということだった。
まあはっきり言って、人脈を紹介して、その人が立ち直らせてくれたこともあるが。
「…なるほど、利根さんはそんなふうなことが…」
利根の件で大きく関わったミライさん、説明に苦労している。当然だ、奇妙な現象が起きたらしいしなぁ。
「それで、今は?」
「今は、千代田という艦娘の療養をしているんです。今、ちょうど演習場でリハビリを兼ねた発着艦練習をしていますね」
「そうですか。
…その、色々頼むようで申し訳ないんですけど…。
その様子、見せていただけませんか?」
ーーー演習場
「だいぶコツが掴めてきたみたいですね。」
「あ、ありがとうございます…」
「ふふ、素直に喜んでいいんですよ?」
鳳翔からの指導は、着実に千代田に力をつけさせていた。最初は難しそうにしていたウルトラメカの扱いも、回を重ねるごとに上達していく。
「では、少し休憩をして、そしてもう一度やってみましょう…あら?」
「すまんな。失礼するぞ」
「提督にミライさん、そして確か…」
「はじめまして。
レイさんの調査に来た、春野ムサシです」
ーーー「というわけなんだ…。決して強制ではないけど…
君のことで、もし何か僕にできることがあったら…力になりたいんだ」
ムサシさんの言葉を聞き、唾を飲み込む千代田。
「…分かりました」
千代田は包み隠さずに、ここに来た理由を話した。彼女は、自身の前にある現実と向き合えているようだ。
「そっか…
よく話してくれたね、ありがとう。」
「ううん、いいの。
私のために、お姉のために、提督やここの人たちがたくさん動いてくれているから…私も早く、その人たちに追いついて、お姉のことを見つけて…成長した私の姿をみせたいの」
「すごくいいことだと思うよ、千代田さん」
「あ、ありがとう…」
少しだけ俯き、赤面する千代田。
「よかったら、少し練習の様子を見させてもらっていいかな?」
「あ、は、はい!」
「ありがとう」
鳳翔がお茶を持ってきてくれた。それを飲みつつ、練習へと戻った千代田を見守る。
「上達がはっきりと目に見えてわかる…」
「きっと、お姉さんのためにも頑張ろうと、一生懸命なんでしょうね…」
練習に励む千代田。
その瞳は、覚悟を決めた強きものだった。
そして…どこか、思い詰めたような瞳でもあったように感じた。
「…」ーーー
ーーー翌日
ムサシさんによるレイの調査が本格的に始動した。もちろん血液検査など以外は体に負担がかからないような内容であり、また時間もさほど長くないので、レイもリラックスしているようだ。
「じゃあ、次にこの事について話してほしいんだけど…」
初日ということで少し心配な面もあり、見学をさせてもらおうかとも思ったが、その必要は無さそうだ。
廊下を行き、窓から外を見る。
今日も千代田は練習に励んでいるようだ。
頼もしく思える反面、やはりその瞳のどこかに影があるのかもしれない、そう思うと心配になる。
「…今は邪魔しないでおこう」
名残惜しくも、俺は執務室へと戻ることにしたーーー
ーーーその日の夕刻 某海域
「撃てーっ!」
第35鎮守府ではない所の艦隊が、深海棲艦と交戦していた。
艦娘から放たれた砲弾がクリーンヒットし、最後の一体となっていた敵の戦艦が沈む。
「敵艦隊撃破を確認しました。只今より母校へ帰投します」
周囲に索敵機を飛ばし、警戒を怠らないながらも、彼女たちは戦いを振り返って、つながりを深めていた。
「さすが、今回も鳥海さんの独壇場だったね」
「他の所の鳥海さんとは、一回りもふた回りも強いからね、当然だよ!」
この艦隊の中心は、他の個体より能力の高い鳥海であった。その戦闘能力から、仲間からも厚い信頼を寄せられている。
「そんなことないですよ。皆さんと共に、今日の勝利も勝ち取れたんですから」
生憎の黒雲だが、微笑ましい光景が広がっていた。
しかし、それは突如として終わりを迎えることとなる…。
「…何、これ…」
「冷たい…。妙ね、霧が立ち込めてきたわ…」
「ねえ、なんかすごい勢いで増えてるよ…!?」
やけに冷たい、不気味な霧に包まれたその艦隊は、完全に身動きが取れなくなってしまった。
「どうなっているの…」
少し経ったあとに、その霧は今度は急激に引いていった。そのことに安堵する艦娘たち…しかし。
その場にいるのは、5人。
「あれ…!?
鳥海さんが、鳥海さんがいない!!」
その状況は、第15鎮守府の千歳の事件と、全く同じものであったーーー
今回も読んでいただきありがとうございました!
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ではまた次回で。