笑顔は太陽のごとく…《決戦の海・ウルトラの光編》   作:バスクランサー

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自分って文才ないなー(今更)。

軽い自虐ネタから始まりましたが、何が言いたいのかというと
いつもこの作品を読んでくださってありがとうございます、ということです(唐突)。
UAもいつの間にか10,000突破、重ねて感謝申し上げます。

完結はまだまだ先の話ですが、
ストーリーはこの話がターニングポイントとなります。

何卒これからもよろしくお願いしますm(_ _)m。

それでは本編どうぞ。


レイと仲間たちの章 〜前〜
特異点から


 ーーー第35鎮守府 執務室

「…長門、最近レイの様子はどうだ?」

「やはり気づいていたか…。どうもムサシさんたちから深海棲艦についての話を聞いて以降、どこか元気がないんだ」

「…ショックだったんだろうな、余程。今は…とりあえずあいつの反応を待とう。落ち着くための時間が必要だ」

 夕方、仕事が早く終わり、秘書艦の響は既に帰している。そこへやって来たのは長門だった。

 彼女曰く、ムサシさんから深海棲艦についての話を聞いて以降、レイの元気がないのだそうだ。

 こちらとしても打つ手がなく、今は長門にレイのことを一任している状況である。

「…とりあえず、出来ることを探すしかないか…」

「ああ。とりあえず、またレイの部屋に行って話をしてみようと思う」ーーー

 

 ーーーレイの部屋

「レイ?入るぞ。」

「あ、長門さん…どうぞ」

「すまないな。食堂で、間宮から饅頭と茶をもらってきて、一緒に食べようかと思ってな」

「わざわざありがとうございます…」

 お盆に積まれた数個の饅頭をちゃぶ台の真ん中に置き、湯気を立てている湯のみを渡す。向かい合って座り、早速自分も美味しそうにそれを啜りながら長門は尋ねた。

「どうだ?少しは落ち着いたか?」

「…はい。前よりは、だいぶ…。

 本当にすみません、お仕事をこちらのわがままで断ってしまって…」

「気にすることは無い。これでも少しは、お前の気持ちは分かっているつもりだ。ゆっくり休めばいいさ」

「あ…ありがとうございます…」

 お茶を啜り、レイは言葉を続けた。

「…以前北斗さんに言われたように、そばにいなくても、私は今も仲間を信じ続けています。

 でも、あの話を聞いて…みんなの心が、どんどんその面影すら無くしているって…」

「そうか…」

「それに」

「?」

 きょとんとする長門に、レイは更に告げる。

「最近…ちょうど一週間前くらいからでしょうか、夢を見るようになったんです。

 深い海の底で…私の仲間たちが住処を追われ、私に助けを求めている…最近はずっとこの夢ばかり見るんです。何か意味があるように思えて仕方ないのですが…」

 …って、すみません、こんな話まで聞いていただいて、とおずおずと謝るレイ。一方、レイの話を聞いた長門は…

「なるほどな…

 よし、提督に相談しに行くか」

「え?でも、そんな申し訳ないですし」

「何が申し訳ないんだ?」

「えっ…

 それは、その…」

 自分で言い出したことなのに、レイはうまくそのあとの言葉を思いつくことは出来なかった。

「レイ、前も言っただろう?

 我々はみんなお前の味方だ。全員でお前を、そしてお前の仲間たちも、必ず守り抜いてみせる。

 何かあったら、何でも遠慮なく言ってくれ。力になりたいんだ。」

「長門さん…」

 じっと長門を見つめるレイ。

「とにかく、提督の所に行ってみよう。」

「…はい!」

 二人は部屋を出て、執務室へと向かったーーー

 

 ーーー執務室

 長門から、レイが最近見ているという妙な夢の話を聞いた。

「私からしても、意味の無いもののようには思えないんだ。近頃毎日見ているというし…」

「提督さんとしては、どう思いますか…?」

 聞いた限り、出せる結論は一つ。

「おそらく夢の内容は事実だ。深海棲艦はますます、超深海生命体たちの住処を襲っているに違いない。レイの仲間たちは、何とかして助けを求めているんだろう。」

「何か…何か仲間たちを助けられる方法はないのか?提督。」

 そう聞いてくる長門。

「…残念だが、情報が少なすぎる。場所が分からないし、仮に分かったとしても未知の海底までどう救助すればいいのか…。」

「そんな…。」

「なんとか、なんとか手がかりだけでも」

 レイと長門は机に乗り出してきた。その心情は痛いほど分かるが、今自分が返すことができる答えは、彼女たちの望むものでは無い。歯がゆかった。無力感を感じながらも、俺は言うしかなかった。

「…まず最低限度、確実に超深海生命体たちと情報交換できるようにはならないとな…。居場所の他にも、どれくらいの数がいるのか、付近の深海棲艦の状況とか…」

「私のテレパシー能力は、距離が離れている以上今は使えない…なんとか海に私を出すことはできないんですか?」

「…出たとなれば、一斉に深海棲艦たちが寄ってきてしまう。リスクが大きい」

 押し問答が続いてしまう。本当は、こんなこと話したくないのだが…。

「ごめんなレイ…だが貴重な情報をありがとう。出来る限り急いで策を考えるようにする。」

「ごめんなさい提督…」

「『ごめんなさい』はこの件に関しては言うな。レイは謝るようなことはしていないじゃないか。

 これも俺の…俺たちの仕事だ。」

「提督…」

 とは言え、暗いムードが漂う執務室。長門が悔しさを言葉に滲ませる。

「スマホとかなら…場所を変えれば電波とか良くなって、使えるんだけどな…」

 

 だな…ん?

 レイ?レイどうした?

 

「それだよ!それだ!」

「それって?」

 突然大声を出したレイに驚きながらも、俺はその真意を聞いた。

「…提督さん、明日連れて行って欲しい場所があります」ーーー

 

 ーーー翌日。

 ジオアトスに長門、レイ、そして秘書艦の響を乗せて、レイの案内である場所へと向かった。

「確か…ここを右で…あ、ここです!」

 ジオアトスを停めた、そこには。

 

「…何もない…よ?」

「レイ、なぜこの場所に行きたかったんだ?何か関係があるのか?」

 と、

「あー!」

「わっ!?長門さん?どうしたんですかいきなり」

「ここって確か、北斗さんに言われて、レイが仲間たちの声を聞いたっていう所じゃないか!」

「そうなんです。

 長門さんの昨日の言葉で、閃いたんです!」

「言葉って…さっき鎮守府を出る前に司令官が話してくれた、『スマホとかなら場所を変えれば』っていう?でも、それとなんの関係があるのかい?」

 疑問符を浮かべる響、その時俺はあることを思い出した。

「…なるほど、そういうことか。」

「え?」

「ここは、所謂電波特異点なんだ。それも、レイのテレパシー波に関してのな」

「電波…特異点?」

「ああ。

 絶対に双方の電波…というか波長が伝わらない状況下でも、例外的にあるポイントだけ、互いに波長を伝え合うことができる場所がある。それが、電波特異点というものだ。

 かつては、ここより遥か遠く離れた惑星ギレルモへ、宇宙人によって連れ去られた特捜チーム・Xioのルイ研究員とチームの基地が、ウルトラ・フレアによって消滅したある研究所の跡地を通じて、通信することができたという例があるんだ」

「そうか!もし、レイが仲間たちの声を聞いたことに、電波特異点の地理的要素があるなら!」

「ああ。希望はあると見ていいだろう。

 この近くにはかつて、電波の研究所があったらしいからな。まあ、沿岸部に位置していたこともあって、深海棲艦によって破壊されてしまったが」

「とにかくやってみよう!」

「わかりました!」ーーー

 

 ーーー数分後

「…どうだ?レイ」

「ダメです、聞こえません…。感じは掴めているんですけど、なんというか、ノイズが混じっているというか…あの時はちゃんと声を聞けたのに、なんで…。」

「提督、何か考えられる原因はあるか?」

 長門の問いに、俺はエレキングが襲来した時の情報を思い出しながら、暫定的な結論を出した。

「おそらく…あの時から時間が経ったが故に、超深海生命体の方から発せられる波長が弱まっている可能性がある。それにあの時襲ってきたエレキング、その磁力操作能力が波長を伝わりやすくしていたとなれば…尚更聞こえづらいだろうな。

 ただ、条件的には揃っている場所だ。ここが電波特異点と見て、間違いはないはずなんだが…」

「なんとか、コミュニケーションをとることは出来ないのかな…」

「…波長を増幅したりすれば、可能なのかもしれないが…専門的な知識が必要となる。

 とりあえずもう少しこちらで試してダメだったら、俺が少しこういうことに詳しい研究所や機関を探してみるよ」

「ありがとうございます、提督さん」

 その後も、周辺の様々な場所を試してみたものの、状況は変わらず、この日はそれで終わりとなったーーー

 

 ーーー第35鎮守府

「はい、そうですか…すみません、はい、失礼します」

 大本営極東支部に許可をもらった上で、俺は研究所や機関を探しては、片っ端から電話をかけていた。

 だが、虱潰しにやるしかなく、いくつかの所は嫌味っぽく応対された所もあった。

「あぁ…随分と久しぶりにメンタルをここまで削られた気がする…」

 そこへ響がやってくる。

「司令官?無理しないでよ?

 ボルシチ作ってきたから、よかったらこれ食べてひと段落しようよ」

「ありがとう響、気が利くな。」

 そうだな、ここは一休みすべきだろう。

 俺はスプーンでボルシチをひと口、口の中に流し込んだ。

「はぁ…温かくて美味しい…。

 ありがとう響、疲れも吹き飛ぶよ」

「喜んでくれて私もうれしいよ、司令官」

「ああ。

 …あれ響、一人称『私』にしたのか?」

「あ、うん…最近、スポコンの他に少女マンガ読み始めたんだけど…すごくハマっちゃって」

「なるほど。」

「おかしいかな?まあ、一人称が本来は『私』なんだけどね…」

「まあ、自分の言いたいものでいいんじゃないか?」

「そうだね。

 …やっぱり、自分は『僕』でいいか」

 久しぶりにこんな日常的な会話をした気がする。ボルシチと合わせて、いい息抜きになった。ありがとう響。

 ちなみにその時、「時代劇とか歴史小説にハマったら『拙者』とか『わらわ』になるのか…?」などと思ったのは内緒であるーーー

 

 ーーーその後

「ここも、ダメか…」

「数はあるけど、やっぱり難しいか…」

「事情を下手に話して、誤解される訳にもいかないからな…」

「もう少し分野を広げて当たってみる?」

「うーん…とりあえず、リストをざっと見てからにしよう」

 そう決めて、結構分厚いリストを、パラパラとめくりながら眺めていると…

 

「ん…んん!?」

「どうしたの?」

「いや、もしかしたらここなら…っていう所が見つかったんだ」

「え!?本当かい!?」

「ああ、ここなんだが…」

 指さしたそこに書かれていた文字は…。

 

「城南大学附属物理学研究所

 

 所長・高山我夢

 副所長・藤宮博也」ーーー




最後まで読んでいただきありがとうございました。

評価や感想いただけると励みにも参考にもなりますのでよければお願いしますm(_ _)m。

また次回お会いしましょう!
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