笑顔は太陽のごとく…《決戦の海・ウルトラの光編》 作:バスクランサー
だらけ癖がお友達になりましたとさ。
本編どうぞー。
ーーー第35鎮守府 廊下
微かに戦闘の爆発音などが響いてくる中、我夢と藤宮は適当なスペースを見つけて話していた。
「藤宮…もしかしたら、今かもしれない。
この力を使う時が」
「…我夢。それは本当か?」
「もう決意した。
最後の一回…リナールたちが僕らに託した力を、ここで使う」
藤宮はそれを聞いてもなお、考え込んだ表情が変わらない。
「我夢…今俺達がウルトラマンとして戦うこと…それが何を意味するか、わかっている上での決意なのか」
「…ああ」
ガイアとアグルは、地球が産んだウルトラマン。故にその力は地球に由来する。そしてそこから導き出される最悪の結論を、藤宮は計算していた。
「エネルギーバランスが崩れた今の地球の状況を考えると…そう長くはもたない。満足に戦うことすら、出来ないかもしれないんだ。
いや、それだけならまだいい、最悪エネルギーバランスの崩れの影響をモロに受ければ…俺たちは死ぬかもしれない…。
それでも…行くと言うのか?」
念を押すように聞いてくる藤宮に、我夢は答える。
「僕は…僕に出来る、精一杯のことをしたい。それだけなんだ」
「…お前らしいな」
そう返す藤宮の顔、しかしそれは笑みを浮かべていた。
「行くというなら、俺も行こう」
「藤宮…分かってくれると信じていた」
「最初から俺も分かっていたさ、なんて」
互いに握手をする二人。と、そこへ…
「高山さん、藤宮さん…」
レイがいた。多分自分たちの後を追ってきていたのだろう。
「ごめんなさい、話を聞いてしまいました…
怪獣と戦うつもり、なんですか?それに、死ぬかもしれないって…」
「レイ…」
「嫌です…行ってほしくないです…
二人が死んだら…私は…私は…!」
今にも泣き出しそうなレイの頭に、我夢と藤宮はそっと手を乗せた。
「提督さんや艦娘のみんなは、今必死に戦っている。彼らに出来る限りのことを。
だからこそ、僕も、藤宮も、自分に出来ることをしようって決めたんだ」
「大丈夫。必ずまた、ここに帰ってくるからな。約束だ」
「高山さん、藤宮さん…」
二人を見上げるレイ。頭に置いた手を二人は戻し、レイに敬礼した。
「どうか、僕たちを信じてくれ」
「じゃあ、行ってくるよ」
「…必ず、帰ってきてくださいね」
その言葉に頷き二人は正面玄関の方へと歩いて行く。
「二人とも…どうかお気をつけて」ーーー
ーーー鎮守府正面海域
「まずいわ、押されてる!」
「みんな怯むな!絶対にここで食い止めるぞ!」
不利な戦況の中でも、必死に艦娘たちはブラックギラスとレッドギラスの双子怪獣を食い止めていた。しかし、怪獣はそれを嘲笑うかのごとく暴れている。
「フフフ…ソロソロ我々ノ真ノ力を見セテヤロウ!」
「コレデ全員…終ワリダァァアアア!!!」
ブラックギラスとレッドギラス、それぞれの角から、破壊光線とは別の光線が放たれた。そしてその標的は艦娘たちではなく…海面だった。
「何をするつもりだ…!?」
すると、みるみるうちに光線が照射された所へと海水が集まり、ひとつの巨大な波と化した。
「津波だ…!」
「うそ…でしょ…!?」
全員の顔が青ざめる。そう、ブラックギラスとレッドギラスには、文字通り巨大津波を起こせる津波発生光線というこの上なく恐ろしい能力があるのだ。
その威力は自然現象としての津波を遥かに超え、島ひとつくらいなど簡単に壊滅させられる。いくら深海棲艦や怪獣と渡り合うことが出来る艦娘と言っても、これほどの津波を食い止める力はない。
「みんな、退避するんだ!」
「でも…あの大きさでは、確実に鎮守府や町に甚大な被害が!」
津波という想像もしていなかった事態に、ただ飲み込まれてしまう艦娘たち。このままその体も、鎮守府も町も飲み込まれてしまいそうになった、その時だった。
「行くぞ藤宮!」
「おう!」
鎮守府の埠頭を、海に向かって二人の男…高山我夢と藤宮博也が走る。
「あと一回ッ!」
「最後の一回ッ!」
リナールに託された使命に、その命を燃やし。
レイと交わした約束に、その心を燃やし。
誰かのために、自分のために、命の光を使う時。
光を宿した各々のアイテム…エスプレンダー、アグレイターが輝く時。
二人は全ての思いを、巨人の名に変えて叫ぶ!!
「ガイアァァァァアアアアア!!」
「アグルゥゥゥゥウウウウウ!!」
二つのアイテムから飛び出た、それぞれ赤と青の光が二人を包み、一気に空へと舞い上がる。
赤い光はそのまま、上空で巨人へと姿を変えた。
大地の力を象徴するかのごとき赤き体に走る銀色のライン、胸には黒のラインと蒼き光。
巨人は飛翔した体制のまま、腕をL字に組み、逆転の光線・クァンタムストリームを発射、一気に津波を薙ぎ払って消滅させた!
「えっ!?」
「す、すごい…!!」
驚く艦娘たちや提督、さらには双子怪獣。
「我々ノ津波ガ消サレタダト!?」
「ナ、何者ダッ!?」
しかし、怪獣たちへ反撃の隙を与えず、もう一つ、巨人となった青い光が、双子怪獣へと猛スピードで迫る!
赤い巨人と対をなしたような、深き海のごとき青色の巨人は、そのまま腕から必殺光弾・フォトンスクリューで怪獣たちをぶっ飛ばす!
やがて、二人の巨人はゆっくりと舞い降りるように着地した。
「あれは…!」
ピンチの連続、もうどうにもならない…そんな危機を救ったのは、地球の産んだ二人のウルトラマン!
大地の巨人、ウルトラマンガイア!
海の巨人、ウルトラマンアグル!ーーー
ーーー「提督さん!僕らも行きます!」
「全員で、こいつらを倒しましょう!」
二人のウルトラマン、ガイアとアグルが声をかけてくる。そしてその聞き覚えのある声に、ハッとした。
「高山さん、藤宮さん!ありがとうございます!」
艦娘たちも一段と気合いが入った表情をしている。
「数ガ増エタクライデ調子ニ乗ルナァ!」
「全員マトメテ蹴散ラスマデダァ!」
威嚇の言葉を放ち、こちらに向かってくる怪獣たち。
「行くぞっ!」ーーー
ーーー先行して飛び込むは二人のウルトラマン。ガイアはレッドギラスへ、アグルはブラックギラスへと突撃していく。
「デュワッ!」
「デヤァッ!」
二人同時に、怪獣の鳩尾に鉄拳を叩き込む。思わず後ずさりする怪獣だが、さらに追い打ちをかけるように艦娘たちによる砲撃が再び鳩尾を痛めつける。
「艦載機は背後に回って攻撃!」
「ミサイル発射!」
空母艦娘たちの的確な指示で、艦載機のミサイルが双子怪獣の背中で爆ぜる。
「怪獣はウルトラマンたちが抑えてくれる!俺たちは怪獣の艤装から破壊し、攻撃の芽を摘むぞ!」
「はい!」
全員の奮闘により、海岸と距離が開いたため、俺はすぐさまランドマスケッティからスカイマスケッティへと転換し、上空から攻撃しつつ指揮を執る。
「ファントン光子砲、発射!」
「撃ち方、始めてください!」
「アウトレンジで、決めてみせる!」
一気にこちら側優勢となる戦局。いいぞ、これなら行ける!そう思っていた。
突如、二人のウルトラマンがもがき苦しみ始めるまでは。
怪獣をキックで吹っ飛ばし、再び走り出そうとしたまさにその時だった。
「グォォッ…!?」
「どうした我夢…ヴゥッ!?」
その場に倒れ込むウルトラマンガイア、ウルトラマンアグル。
「高山さん!?藤宮さん!?」
「どうしたんですか!?」
立ち上がれない二人は、双子怪獣にいとも容易く蹴り飛ばされてしまう。
「一体どうしたんだ…!?」ーーー
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
評価や感想など貰えると筆者が喜ぶので、よければお願いしますm(_ _)m
ではまた次回。