6番目のアーウェルンクスちゃんは女子力が高い   作:肩がこっているん

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多少原作の時系列との差異がありますが、ご了承ください。


スプリングフィールド家は陥落しました

〜回想

 

ーーー寝過ごしてしまったんです!起きたら私一人で……

ーーー下着も用意されてなかったんですよ!?考えられなくないですか?

ーーーこれからどうするのか、ですか?むしろどうしたらいいですか?教えてください!

ーーーあ、それより女子力って何か知ってます?私、女子力が高いらしいんですけど……

ーーーねぇ〜!ちゃんと聞いてます〜〜?

 

 

〜side:ナギ in ウェールズ

 

「女子か!」

 

いかん、回想にツッコミをいれちまった。

 

結論から言おう。

あの街中全裸事件から2ヶ月。

俺と、アーウェルンクスの嬢ちゃんは共に一つ屋根の下で暮らしている。

なんでそんなことになってるのかって?まぁ聞いてくれ。

曲がりなりにも嬢ちゃんはあのアーウェルンクスの一人だ。

嬢ちゃんから敵意は感じられなかったが、無害そうだからハイ解放ってわけにもいかないのは事実。

結果、身柄確保という形でこの村、ウェールズまで連れてきて今に至るってわけだ。

わけなんだが……

 

「ナギ、いきなり大声をあげてどうしたのですか」

「もう、ナギさん!ネギ君泣いちゃったじゃないですか〜〜!あ〜よしよし、怖かったねぇ〜」

「ナギ、騒ぐなら外に行ってくれんかのう」

 

なんでこうなったんだろなぁ……

 

昼下がりの平和なひと時。

赤ん坊をあやしている妻と少女、その様子をビデオカメラで撮影している変態を遠目に、ソファーで寛ぎながら俺はそんなことを思っていた。

 

「なぁ、アル。お前はこれでよかったと思うか?」

「よかった……とは?大声出して赤ん坊を泣かせてしまったことがですか?」

 

ちげぇよ!

ま、まぁ……悪かったな、ネギ。大声出しちまって。

 

「俺が言いたいのはだな……」

「わかってますよナギ。敵の手先であるかもしれない少女をこんな身近に置いてしまって果たしてよかったのか……そんなところでしょう?」

 

わかってんじゃねぇか。

昔っから回りくどいなこいつは。

 

「そもそも“魔力封印の術式”を施した故に心配いらないと思ったのか、この村の中でなら好きにしていいと言ったのは貴方ですよ?今さら悩んだところでしょうがないでしょう?」

 

まぁ、そうなんだがな。

 

ーーー“魔力封印の術式”を施しての監視処分。

 

身柄確保、加えて一緒に生活する上で、真っ先に俺が嬢ちゃんに行なった処置だ。

武力は先に抑えておかねぇといけねぇからな。

アルの奴は「なんならギアスペーパーで制約でもさせますか?」と提案してきたが、俺はそこまでは必要ないと言った。

今思うと、スッゲェ甘ぇ判断だったな、俺。

 

「アリカが口を挟まなかったのが意外だったがな……いつ子供が生まれるかって大事な時に、夫が爆弾抱えてきたようなもんなのによ」

「確か「ナギが自分で決めたことなら、妾はそれを受け入れるだけだ。今までもそうしてきた」でしたかね。いやはや、お熱いことで」

 

ごちそう様です、そう言ってニヤけ顔のアル。

こいつマジ殴りてぇ。

 

「アリカがそう言ってくれたことは嬉しかったけどよ、それ以上にすまねぇという気持ちの方が強いな」

「精神的な不安は母体に悪影響を与えますからね……まったくこのバカ夫は」

「んだとてめ「びぃええええええええ〜〜〜〜〜!!!」ぇえ…………」

「んもー!ナギさんいい加減にしてください!よしよし〜ネギ君のパパはおっかないでちゅねぇ〜〜」

「ナギ、出て行け」

「いやぁ、平和ですねぇ(ジーーー)」

 

……俺、この家の主なんだけどなぁ。

そしてアル。やめろ、こんな俺を撮るな。

 

「結果論になりますが、あの時貴方が彼女に下した判断に間違いはなかったと思いますよ?貴方の奥方ともいい関係を築けているようですからね、彼女は」

 

 

 

 

「ベロベロベロベロ〜〜〜、っばぁああああ!!」

「あぅ〜〜〜♪ きゃ!きゃ!きゃ!」

「アリカ様アリカ様!ネギ君笑いましたよ!や〜ん、かわぃいいい〜!」

「ふふ、まったくセツ子は赤ん坊をあやすのが上手いのぅ」

「任せてください!こう見えて私、女子力高いですから!」

 

 

 

 

…………

 

「いい関係通り越してる気がするんだが」

「……そのようですね」

 

そう言ってアルは一旦言葉を区切り、手元のビデオカメラのディスプレイに目を落とした後、「それにしても……」と言葉を続けた。

 

「ここまで彼女が馴染むとは、さすがの私も2ヶ月前、彼女が村で生活を始めた当初は思いませんでしたよ。料理、洗濯、掃除にはたまた赤ん坊の子守りまで……家事の全てを取り仕切るスーパーメイドとして君臨しているなんてね」

「ある意味乗っ取られたな……スプリングフィールド家終わったかも」

 

そう、現在スプリングフィールド家の家庭事情を支配しているのは他でもない、あの嬢ちゃんだ。

 

 

 

ーーータダで住ませていただくわけにはいきません!私にお手伝いできることがあればなんなりと申し付けてください!

ーーー聞けば赤ちゃんが生まれるのはもうじきとのことではありませんか、ナギさんはアリカ様の側にいてあげてください!

ーーーナギさんに台所を任せるとロクなことになりません、ナギさんはじっとしててください!

ーーーお掃除の邪魔です!ナギさん、立ち歩かないでください!

ーーーナギさん、動かないでください!

 

 

 

 

振り返ってみたが、家庭を支配っていうか俺を支配してんじゃねーか!

 

 

 

 

「ッ!〜〜〜〜〜〜!…………はぁ」

 

耐えたっ!

今ので叫ばなかった自分を褒めてやりたい。

もう怒鳴られんのはごめんだ。ネギ、父さんは頑張ったぜ……

 

「よくわかりませんが、おめでとうございます、ナギ」

「……おう」

 

死地から脱した俺は、アルからの心無い賞賛でも心地良く感じるようになっていた。

俺はあらためて妻と子、そして俺の支配者となった少女の方へと視線を移す。

 

 

 

 

 

 

「べろべろ〜〜……妾の時はまったく笑ってくれんのう?」

「アリカ様はまだ照れが残っているんですよ。もっとこう、ベロベロ〜〜〜って、これくらいしないと」

「むぅ……やはり、そこまで吹っ切れんといかんのか」

「ぅあ〜〜〜、ぅう?」

「べ、べろべろ〜〜〜 ……だめか?」

「アリカ様、私のお手本ちゃんと見て! ん〜〜ベロベロベロベロ〜〜〜〜!!!!」

 

 

 

 

 

 

………………

 

大丈夫だよな?この家本当に乗っ取られてねぇよな!?

 

「まさかこれが嬢ちゃんの手口なんじゃ……」

「それならそれで私としては大歓迎なのですがね……フフ」

「お前は始めからまったく警戒してない感じだったもんな」

「何を言うのですかナギ。さすがに貴方が彼女を連れてきた時はキモを冷やしましたよ……まさか、サウザンドマスターともあろうものが少女を連れ込むなど……それも妻が出産間近の大事な時期に」

「俺が連れてきて早々に自己紹介を済ませ、「セクストゥムなら、あだ名はセッちゃんですね」とか抜かしたロリコンに言われたくはねぇ!アリカもそれを受けてか「セツ子」とか呼んでるし、つーかもう原型とどめてねぇじゃねーか!」

 

「フフフ……」

 

何笑ってんだこいつ。

ちなみに、嬢ちゃんと自己紹介をした時にはすでに片手にビデオカメラを持っていた。

それ以来、暇があればずっと嬢ちゃんを撮影している。

このロリコン。

お前が捕まれ。

 

「まぁ……仮に、この状況が彼女の狙いなのだとしても、正直メリットが浮かびません。我々に危害を加えるつもりなら、とっくにやっているでしょう」

「そりゃ、寝首を搔くチャンスなんてたくさんあったな」

 

なんせ毎朝嬢ちゃんに起こされてるからな。

料理作ってるのも嬢ちゃんだし。

アリカと交代でネギの子守りもしてるし。

嬢ちゃんがその気がだったら俺たちとっくに死んでたなぁ……

 

 

 

 

 

 

「アリカ様もっと舌を動かして!上下だけではなく、左右の動きも混ぜるのです!」

「ベロベロベロ〜〜〜/// ベロロロロロロロロ///////」

「はい!そこで両手グーにしてダブルピース用意!溜めて溜めて〜〜〜〜〜〜はい、解放!!!」

「っばぁああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜////////」

「きゃっきゃっwwwwwwwwきゃっきゃっwwwきゃっww」

「おお!笑った!セツ子、やったぞ!ネギが笑ったぞ!」

「ええ、笑われましたね♪」

 

 

 

 

もうやめてくれ!!!!!

 

 

 

 

♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡

 

 

 

〜セクストゥム in ロンドン

 

今日は、ナギさんとロンドンの街までやってきました。

なんでも2ヶ月前の街中武装解除事件の弁償をしていただけるとのこと。

ナギさんが「あのダメにしちまった服の弁償をしてやる」と言ってきた時はなんのことかわかりませんでした。

ウェールズの村での慌ただしい毎日過ごしていた私は、そのことをすっかり忘れてた模様。

ナギさんはなんだかんだ気にしてくれてたんですね。

 

「ナギさん、早く早く!置いていきますよ!」

「おい、走り回るんじゃねぇ!だぁ〜〜〜ったく、ガキかオメェは……いや、ガキだったな」

 

ちなみに、ナギさんは現在サングラスにキャップを着用しての参戦。

ナギさん曰く「捕まりたくないから」とのこと。

街中武装解除事件の時に大勢の人から顔を見られましたからね。

まぁ、一番の被害者は大衆の面前でひん剥かれた私なんですが。

 

「お〜い、一旦どっか座ろうぜ?俺くたびれちまったよ」

「ええ〜、まだ午前中ですよ?サウザンドマスターともあろう方がだらしない。ハァ、少し早いですがこのままランチにしましょうか」

「嬢ちゃん、言っとくが金払うのは俺だぞ?そこんとこ……」

「これも弁償の一環ですよ。さぁナギさん、いきましょういきましょう」

「……へいへい」

 

まだまだ、これくらいでへばってもらっちゃ困ります。

時間はたっぷりあります。

今日は思う存分楽しむんですから。

 

 

 

ファミレス内

 

「ムムム……」

「嬢ちゃんまだ決まんね〜かよ〜。なんでもいいから早く頼もうぜ、俺腹減っちまったよ」

 

やってきたファミレスにて、備え付けのメニューを見ながら唸るセクストゥム。

 

「ちょっと黙っててください、気が散ります」

「そこまで真剣なことかよ!?」

 

もう、ナギさんったら事あるごとに大声出すんですから……

ウェイトレスさんにオーダーを済ませ、再びメニューを見つめる私。

 

「たった今料理注文したってのに、もう次食う物悩んでんのか?」

「ナギさん、これは重要な事なんですよ?スプリングフィールドの食卓事情に関わることなんです」

「ウチの食卓事情に関係って……ぁあ、なんだっけか、例のインストールってやつか?」

 

電子精霊を用いた、アーウェルンクス・シリーズに備わった固有の情報検索能力。

電子精霊を駆使することで不特定多数の情報をその場で得ることができる便利機能です。

 

「知りたいことがあったら頭の中の電子精霊が勝手に調べてくれるんだっけか?そりゃ便利だな」

「それだけじゃありませんよ?この能力には、自身のスキル拡張機能も備わってるんです」

 

例えば、「車を運転できるようになりたい」という漠然としたことにも、この能力は力を発揮します。

「車の運転」には知識のみならず、技術面の問題が出てくるのですが、そこで電子精霊たちの出番。

電子精霊が、知識と技術の間に存在する問題を自動補完して、「技能アプリケーション」としてパッケージ化。

それをインストールすることで、自分のスキルを増やすことができるのです。

 

「私の家事スキルもみんなこの能力で得たものなんですよ」

「てことは、調べればなんでもできるってことか?なんだそのチート」

「なんでも、ってわけにはいかないんですけどね」

 

インストールされたスキルは、自身の身体性能に依存するみたいです。

例えば魔法なんかもインストールできるんですが……

 

「私は水属性のアーウェルンクスなんで、雷系の魔法をインストールしたところで使えないですし」

 

そもそも水系魔法すら1個もインストールしてないんですけどね。

なんせ使う場面なんか今までありませんでしたし。

 

「使えたら使えたで、それこそ本当のサウザンドマスターになっちまうな」

「ナギさんはサウザンドマスター(笑)ですからね」

「うっせ」

 

会話はそこで一旦切り、再びメニューを見始めるセクストゥム。

ナギは、それを黙って眺めていた。

 

 

 

 

♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡

 

 

 

 

ファミレスを出て、ナギさんと午後のショッピングを楽しんだ後、私たちは公園の芝生の上で休んでいました。

 

「今日は楽しかったです!こんなにたくさんお洋服も買えたし」

「代償に俺の小遣いが消し飛んだけどな」

「私もお洋服消し飛ばされましたし、おあいこですよ」

「まぁ、いいけどな」

 

セクストゥムは買い物袋からお洋服を取り出し、体の前で合わせる。

 

「似合いますか?ナギさん?」

「……おう、似合ってる似合ってる」

「本当に思ってますか〜?」

 

ナギは芝生に寝そべりながら、セクストゥムのそんな様子に苦笑しつつ、空を仰いだ。

 

「なぁ、嬢ちゃん」

「はい、なんですか?」

「嬢ちゃんは……これからどうしたい?」

「いきなりなんですか?」

 

真面目なお話でしょうか?

私はお洋服を買い物袋に戻し、ナギさんの横に腰をおろします。

 

「嬢ちゃんは今の生活楽しいか?」

「ええ!もう毎日が新しい発見の連続で……」

 

アリカ様も、村のみなさんも優しいですし。

アルさんは……優しすぎて、逆に怖いところがありますが……

何よりもネギ君が可愛いくて可愛くて。

あ〜、私も赤ちゃん欲しいなぁ……

 

「ハハ、そうかい。そりゃよかった」

「はい!今更ですが……私、ナギさんに会えてよかった……」

「うん?」

「今の私があるのも、ナギさんが居場所を作ってくれたから……」

 

ナギさんに会わなかったら、きっと何をしたらいいかもわからない人形のままだった。

ナギさんが居場所を作ってくれたから、私は人として生活することができた。

 

「だから、ナギさんにはとっても感謝しているんです!ナギさん、ありがとうございます!」

 

セクストゥムは満面の笑みでナギに感謝の言葉を述べる。

その笑顔はまさしく、年相応の少女の笑顔だった。

 

 

 

〜side:ナギ

 

……こりゃあ、俺の今までの心配は無駄だったな。

 

「嬢ちゃん、ちょっとここで待ってろ」

「え?ナギさんどこ行くんですか!……あ〜、ひょっとして照れちゃったとか?」

「ば〜か、ちげぇよ!いいから大人しく待ってろよ」

 

俺は走ってその場を離れ、その足で街へ向かった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「ナギさんおかえりなさ〜い!もう、こんな少女を一人待たせるなんてひどいです!」

「……ちゃんと待ってたな」

 

俺は街であるものを買い、またまた走って公園まで戻ってきた。

なんつーか、俺、この街で走ってばっかだな……

 

「待ってろって言ったのはナギさんじゃないですか」

「いや、ここで嬢ちゃんがいなくなってたら、なんつーかドラマチックだったのになぁ……と」

「?何言ってるんですか?」

 

ホント何言ってるんだろうな俺。

 

「そんなことより、ホレ」

 

俺は嬢ちゃんにたった今買ってきたものを渡す。

 

「あれ?また街に行ってたんですか?なんです?これ?」

「い〜から、中見てみろよ」

 

嬢ちゃんは買い物袋からソレを取り出す。

 

「あ〜!これ、あの時私が見てたぬいぐるみ!」

 

買ってきたのは、俺と嬢ちゃんが初めて会ったあの場所で、嬢ちゃんが食い入るように見ていた、猫?と思われるぬいぐるみ。

 

「てっきり、今日それ買うもんだと思ってたんだけどよ。嬢ちゃんすっかり忘れてたな?」

「う……あの時、ナギさんに会ったことの衝撃の方が大きくて、完全に忘れてました」

「あんだけ食い入るように見てたんだぜ?俺が近くまで来ても気づかないくらい……そんだけ欲しかったんだろ?」

「はい!もうビビッっときました!私の中の女子力が、こう……ビビッと」

 

だったら忘れんなよ……ったく、調子の狂う嬢ちゃんだな。

 

「俺、明日からしばらく家空けるからよ。ちなみにアルもな」

「え?しばらくって、どこに行かれるんですか?」

 

ぬいぐるみをキラキラした目で眺める嬢ちゃんにそう伝えると、キョトンとした表情で嬢ちゃんは答える。

 

「仕事だよ。俺は魔法使いだぜ?最近はアリカが身重だったから俺はずっと家にいたが、本当なら各地を飛び回って大忙しなんだよ」

「ナギさんは今魔法関係者の間で一番の有名人ですもんね。普段のナギさんからはとてもじゃないけど、想像できませんが……ぷぷ」

「なぁ〜に笑ってんだ、よっと!」

「ひゃあ!?ちょ、ナギさん髪の毛かき回さないでください〜〜〜〜!うが〜〜〜!」

 

嬢ちゃんの頭をガシガシと撫でる。

嬢ちゃんの「うが〜」という反応に満足した俺は、その場に腰を下ろす。

 

「てなわけでよ、家のこと、アリカとネギのこと頼むわ」

「任せてください!って、さっきアルさんも行かれるって……」

 

そう、俺とアルが二人とも嬢ちゃんの側から離れる。

それが意味することなんて、さすがの嬢ちゃんでもわかったみてぇだな。

 

「その……よろしいのですか?」

「信じてるぜ、嬢ちゃん」

 

正直なところをいうと、いくら嬢ちゃんに信用があるといっても、アリカとネギを俺の目の届かないとこにおくのは不安だ。

ただな、こればかりは、嬢ちゃんを信じるしかねぇ。

だから……

 

「信じてる」

 

俺は嬢ちゃんの目をしっかりと見て、今一度そう言った。

 

「…………」

 

嬢ちゃんは一瞬不安そうな顔を浮かべるが、すぐに表情を引き締め、しっかりと頷いてくれた。

 

 

 

 

 


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