投稿が遅れており大変申し訳ありません。
転勤や妻の第二子出産を控えバタバタしており引き続き投稿が遅れるかもしれません。
感想等いただき大変嬉しい限りです。
引き続きよろしくお願いいたします。
丘の上にある廃城は昔はさぞかし立派な城だったに違いない。
しかし、長年放置されていたのだろう。
草木に覆われ、所々崩壊している。
よく良く観察してみると、明らかに人為的に破壊された壁などがある。
もしかしたら、昔、ここで戦闘が行われたのかもしれない。
エスペランサを先頭にして隊員達はアデレートの足跡を辿りながら、朽ち果てた城の中に入る。
城の中は瓦礫と草木で埋め尽くされている上に、光が入らずに暗い。
「ホメナム・レベリオ 人現れよ」
ザビニが呪文を唱える。
しかし、何も反応しない。
「おかしい。レベリオ系統の呪文が反応しない。となると付近にアデレートは居ないことになる」
「そんな筈はないだろう。足跡はこうして城の中に繋がっているんだから」
アデレート・カローのものと思われる足跡は城の奥に繋がっていた。
レベリオ系統の魔法を使えば居場所が特定できると思ったが、それができない。
対策の魔法を施したか、すでに姿眩ましで逃げたかのどちらかだ。
姿眩ましであれば発動に伴う音で気付くはず。
移動キーは予め移動キーとなる物を城の中に配置しておく必要があるが、見たところアデレートが城に入るのは今回がはじめてだ。
エスペランサも不安が皆無かと言われると嘘である。
まず、暗く狭い廃城の中は近接戦闘には向かない。逆に待ち伏せする側には非常に有利な地形となる。
長年放置されていたせいで草木や蔓が生い茂る城中での戦闘は好ましくない。
「いっそのこと城ごと榴弾で消し飛ばずのはどう?」
重火器の扱いに長けたダフネが提案した。
残してきたハンヴィーにはまだ対戦車榴弾や誘導弾が積んである。
「敵の死体を確認するまでが遠足だ。榴弾で吹き飛ばしたらそれが出来なくなるし、恐らく、姿を眩まして逃げるだろうな」
エスペランサはそう答えた。
フローラとザビニがルーモスとレベリオを唱えて、敵を索敵しつつ、他の隊員が銃を構えて城中に侵入する。
フローラとザビニは魔法での戦闘の方が得意であるため、戦闘になった際は盾の呪文等で援護に回り、その他の隊員が攻撃要員となる。
これはあらかじめ決めてきたことだ。
生い茂る蔓や崩れ落ちていた天井等を魔法で除去しつつ、隊員達は奥へ進んでいく。
「隊長……あれを」
朽ち果てた城の奥の部屋に埃まみれの肖像画が置かれていた。
高さは2メートルを超える。
「肖像画のようだな。誰の肖像画なのか?」
「経年劣化で原型を留めていないから分からない」
隊員達は肖像画に近づく。
アデレートの物と思われる足跡は肖像画の場所で消えていた。
そして、肖像画からは妙な気配が漂っている。
エスペランサは足元に転がっていた石を肖像画に向かって投げた。
驚いたことに、石はブラックホールに吸い込まれるように肖像画の中に吸い込まれてしまう。
「アデレートはこの肖像画に吸い込まれたのか?」
「罠かもしれん。深追いせずに撤退すべきだ」
ザビニが冷静に判断する横で、ネビルはM24に装着していたスコープを取り外した。
そして、そのスコープを不気味な肖像画に押し当てる。
「何をするつもりだ?」
「石が吸い込まれた先をスコープで覗けないか試してるんだ」
「なるほどな。何か見えたか?」
見ればスコープの半分程が肖像画に吸い込まれていた。
「……見える。初期の必要の部屋みたいな……少し大きめの部屋が見える。いや、部屋というよりは大広間のような……」
「危険性はありそうか?」
「見渡す限り敵影は無し。どうする?突入する?」
「ああ。突入する。エントリーはクロスフックで行う。総員、了解か?」
「「「了解」」」
エスペランサの号令で隊員達は一斉に肖像画に体当たりする。
感覚としては9と3/4番線に入るのに近かった。
ぬるま湯の中を潜り抜けるようにして、肖像画の向こう側の空間に躍り出た隊員達を待っていたのは、アデレート・カローの攻撃である。
それぞれの守備範囲に銃口を向けるようにして展開した隊員達は、襲いかかってきた死の呪いを咄嗟にかわした。
「敵は3時の方向!アデレートのみ!」
「了解!火力を集中して殲滅しろ」
肖像画の向こう側の空間に遮蔽物は存在しなかった。
大広間のような薄暗い部屋だ。
そして、アデレートは当然のように待ち伏せしている。
しかし、センチュリオン最古参の隊員達の連携は見事な物であり、瞬時にフォーメーションを組み直した後、それぞれが小火器で反撃を開始した。
6つの銃口から放たれる銃弾を全て防ぐことができなかったアデレートは、手足に5.56ミリ弾を受けて膝をつく。
「血を裏切る奴等め!私が死のうとも、闇の帝王は貴様らを一人残らず駆逐してくれるわ!」
最後の抵抗として死の呪いを放とうとした彼女であったが、フローラが咄嗟に使った武装解除呪文で杖を吹き飛ばされてしまう。
その隙を逃すまいと、エスペランサはM737の引き金をリズミカルに引いた。
「ぐっ」
アデレートの眉間に3発の弾が命中。
短い悲鳴とともに冷たい床に彼女は倒れ込み、そして、二度と起き上がらなかった。
「敵は沈黙。他に敵はいないか?」
「居ない。遮蔽物もないから隠れることもできないだろう。目眩しの呪文を使っていれば別だろうが……」
エスペランサは周囲を見渡す。
神秘的とも言えるこの空間に存在するのは見事な造形の壁面と、巨大な4つの肖像画のみ。
その肖像画には誰も写っていない。
『何やら物騒な連中が入ってきたと思えば……私の子孫が混じっていたのか』
不意に頭上から声が聞こえ、隊員達は銃を構え直した。
「敵襲か?」
「隊長、あそこだ。肖像画だ」
ネビルがM24を構えながら報告する。
見れば肖像画の一つに男が写っていた。
丸みを帯びた顔をしており、服装等からはかなり昔の人間と思われる。
「総員、撃ち方控え。銃を下ろせ。ただし、周囲の警戒は継続しろ」
『ふむ。立場を弁える頭はあるようだな。かなり血は薄まっているものの、お前の魔力からは私の力の片鱗を感じることができる』
お前とは誰だろう?とエスペランサは思ったが、隊員達が自分を注視していることに気付く。
「悪いが人違いだろう。俺の出身は英国ではないし、マグルの世界育ちだ。それに、杖ではなくこいつの方が手に馴染む程度には魔法使いからはかけ離れている」
エスペランサは軽く、M733を叩いた。
金属音が大広間にこだまする。
『いや、間違いない。お前には私の血が混じっている。でなければ、この地図の間に入り込む事もできなかっただろう』
「地図の間……」
『本来ならお前達来客側が先に名乗るべきなのだろうが、敢えて私から名乗ろう。私はチャールズ・ルックウッドだ』
「ルックウッドだと!?」
「隊長と同じ氏……。いや、ルックウッド家は英国内にはまだ残っているが」
隊員達は驚きを隠せないようだが、エスペランサは至って冷静だった。
自分が英国魔法界で名高いルックウッド家の血が混じっている可能性はセオドールが言及していたし、仮にそうだとしても彼の生き方に何ら影響を与える事はなかったからである。
エスペランサにとって魔法界の血という概念は反吐が出る程に嫌悪すべきものだった。
「だからどうした?俺にとって家系や血という概念は何の得にもならない情報だ」
『なるほど。生意気だが、骨のある祖先のようだ。別にお前にルックウッド家としての誇りを持てだとか、そういった話をするつもりはない。お前達がこの空間に来た事自体が事故のようなものなのだし、おとなしくホグワーツに返そうと思う。しかし、ホグワーツに危機が迫っているのはお前も肌で感じているのではないか?』
「ホグワーツが危機なのは今に始まったことじゃない。敷地内にバジリスクが野放しになっていたり、吸魂鬼が彷徨いたり」
『そんなことより遥かに大きな危機だ。それこそ魔法界の存続に関わる程のな』
校内にバジリスクが野放しになっていた件を「そんなこと」で片付けることのできる危機というものにセンチュリオンの隊員達は心当たりがあった。
いや、英国魔法界の善良な市民は誰も彼もが危機を感じているだろう。
「肖像画はそんなことまで悟ることができるのか?」
『我々は特別だからな。私が望むのはホグワーツの永遠の繁栄だ。お前も、お前の仲間達もまたホグワーツで学ぶ者だろう。であれば、ホグワーツを……頼む』
「頼まれるまでもなく、ホグワーツには我々が駐屯している拠点がある。その拠点は我々の火力の神通力でもあるから、当然、敵襲から守ることにはなるが……」
『目的は何でも良い。ホグワーツがお前にとって少しでも"居場所"であったのなら……訪れる厄災から守ってくれ。それを約束してくれるのであれば、お前達を無事、ホグワーツへ戻してやろう』
「約束しなければホグワーツへは戻れないということか?」
『そう受け取られても構わんがな』
「であれば、約束しよう。そもそも、我々の拠点があるホグワーツが敵に制圧されては元も子もないからな。ホグワーツについても防衛の対象とする」
『では頼んだぞ?我が祖先よ』
肖像画の中にいるチャールズ・ルックウッドがそう言うや否や、奥の壁面が白く光る。
そして、瞬く間にエスペランサをはじめとした隊員たちは光に吸い込まれた。
光が収束し、やっと目を開けるようになる。
エスペランサは目を開けるや否や銃を構えた。
「ここは……?」
薄暗い部屋だ。
埃の被った本が乱雑に積まれているのが見える。
カビの臭さが鼻をつくが、それは紛れもなくホグワーツ独特の臭いであった。
「隊長。ここはホグワーツの図書室では?」
「ホグワーツの図書室だと?」
「確かにここにある本はホグワーツの所持品みたいですね」
フローラが埃まみれの本を手に持つ。
よく見れば周囲の壁もやはり、ホグワーツの壁に似ていた。
何名かの隊員が銃に取り付けられていたライトを点灯させる。
また、何名かはルーモスの呪文により周囲を確認し始めた。
「向こうに階段がある。おそらくは図書室の禁書の棚に繋がっているはずだ」
「何でそんなことがわかるの?」
ザビニの一言にダフネが反応した。
「一昨年、禁書の棚に忍び込んだからな。少々、調べ物があったんだが、運悪くピーブスに見つかって逃げる羽目になった」
「グリフィンドール生みたいなことしてるね」
「そんな悪さをするのはグリフィンドール生の中でもポッター一味と双子のウィーズリーくらいなもんだ」
「無駄口を叩く暇があるなら周囲を警戒しろ。まだ作戦は終わっていない」
エスペランサが釘を刺す。
階段を登り終えると、暖かい照明に照らされた図書室が目の前に広がってきた。無論、禁書の棚であるため、生徒は存在しない。
禁書の棚の区画から出た隊員一行は間違いなくここがホグワーツの図書室であることを確かめた。
休日であるため、図書室には勉学に勤しむ学生がチラホラいたが、その中に小銃を携行しているセンチュリオンの隊員もいた。
「隊長!どうしてこんなところに!?今、総員で隊長たちを捜索していたんです!」
入隊間もない下級生の隊員が走り寄ってくる。
他の隊員たちが携行していた無線機で本隊に連絡を取り始める。
すると、5分も経たずにセオドールをはじめとした本隊の隊員達が図書室に現れた。
もちろん、マダム・ビンズは「図書室で何をしているんですか!」と喚いていたが、隊員達はそれを無視する。
セオドールは彼にしては珍しく安堵の表情を浮かべていた。
「隊長。無事でなによりだ。ハンヴィーが先程、ホグワーツに戻ってきたんだが、戻って来たフナサカやロルフ等の隊員から聞いたところ、敵を追って廃城へ突入してから行方不明になったと聞いていたからな」
「フナサカ達は無事に帰って来ているのか?」
「ああ。無線で隊長達が行方不明になった旨を連絡してきたから一時撤退の命令を出した。フナサカは渋ったが……。彼ら残留隊員5名の戦力では手薄故に引き上げさせた。それでもって、2個小隊を臨時で編成し、増援しようとしていた矢先に、図書室に隊長が現れたと聞いた訳だ。……なぜ、図書室に居たんだ?移動キーの設定はしてないはずだ」
「それについては話すと長い。だから任務の結果について先に伝える。アデレート・カロー含む敵はすべて殲滅。村に居た一般人に死者はなかった。突入した隊員は全員異状なしだ」
「それは何より。エドワードとハミルトンも医務室に運んだが、命に別状はないとのことだ」
その報告にエスペランサは安堵の表情を浮かべる。
この時点をもってフェルドクロフト奪還作戦は事実上、終了した。
フェルドクロフト奪還作戦の成果かホグワーツ周辺の貿易路の麻痺は若干マシになっている。
魔法薬の材料等が流通するようになったのが良い例だとフローラはエスペランサに報告してきた。
戦争において兵站の確保は必要不可欠な条件である。
軍事学ではロジスティクスと括られるこの概念であるが、古くは1838年に発表されたジョミニの戦争概論等で触れられている。
ロジスティクスの定義は「軍事的行動を実施するための手段を提供すること」とされ、弾薬から糧食まで、あらゆる物資の所要量の算定、調達、配分を基本的な要素としている。
ロジスティクスの研究に力を入れていた米軍の申し子であるエスペランサはもちろん、孫氏の兵法に心を奪われているセオドールやザビニが運営するセンチュリオンにとっても、補給戦は重要な位置に存在していた。
魔法は食料や薬草を作り出してくれない。よってこれらを確保するルートを維持することは戦争に勝つために常に考えなくてはならない事項だった。
それにヴォルデモート陣営が気付かない、というよりも考えもしないのは魔法界の戦争そのものに対する研究がマグル界より遥かに遅れているためである。
これはザビニの言葉だったが、戦争だけでなくあらゆる概念に対する関する研究はマグル界の方が何百年も進んでいるとのこと。
これは魔法界が魔法で何でも解決できてしまうことに対して、マグル界はそもそも魔法という概念が存在せず、この世の事象を自分達の知識で解明しようとするという差にあるのだと彼は分析していた。
故に、ザビニをはじめとした諜報部隊はマグル界の研究され尽くした知識を涵養しつつ、魔法界に当て嵌め、さらに発展させようとしているのだ。
諜報部隊が魔法界に謂わばシーレーンのような輸送路を確保し、それを防衛するための戦力と戦略を確保しようとしているのが良い例である。
話は変わるが、死喰い人を含めたヴォルデモート勢力は基本的に統率が取れていない。
フェルドクロフト周辺における蛮行もヴォルデモートが指示したことではなく、アデレード・カローらが勝手にやり始めたことらしい。
つまり、彼等を攻撃したところでヴォルデモートが援護に来る可能性は低い。
ヴォルデモート自身が死喰い人幹部を除いて信奉者をあまり重要視していないというのもある。
フェルドクロフトに野営していた死喰い人らが殲滅されたと聞いたヴォルデモート勢力の面々はホグワーツ周辺に展開するのを恐れたようで、今のところ他の勢力の侵攻は認められない。
これはセンチュリオンが抑止力として機能したのだとセオドールは分析していたし、結果として輸送路の確保が達成できている。
「少数勢力が多数勢力に勝つためには、少数を誘き出し、こちらの主力で撃破していく。今のところはこれがセンチュリオンの主戦略だな」
セオドールは手元の資料を見ながら淡々と言う。
ザビニ達諜報部隊が必死で集めた敵勢力をまとめた資料である。
彼を知りて己を知れば百戦殆うからずという孫子の兵法にあるように、センチュリオンは敵味方の戦力分析に力を入れている。
「敵の損耗率が2割に達すればとりあえず目的達成ってところか?」
「いや、現代戦では確かに損耗が2割に達すれば部隊は壊滅したと判定される。だが、ヴォルデモートは組織としての戦闘を重要視していない指揮官だ」
エスペランサの問いにセオドールは冷たく返答した。
マグル式の戦略は確かに有用であるが、対ヴォルデモート戦では上手く機能しないこともある。
まず、魔法という不確定要素。
そして、ヴォルデモートという超火力。
この二つがある限り、セオリー通りの戦い方では勝てない。
ランチェスターの法則による戦力差を1人で覆してしまうのがヴォルデモートという存在だ。
「それはさておき。隊長が行ったという地図の間についてだ。ホグワーツの歴史にも登場しない場所だが、これは非常に興味深い」
セオドールの関心事は今、エスペランサが体験した地図の間での出来事だった。
「地図の間か。言い得て妙だな」
「秘密の部屋を含めてホグワーツには謎が多いと思っていたが、まさかそんな場所があるとはな」
「俺も驚きだよ。あれ以来、地図の間に行こうとしても入り口は完全に隠されてしまって辿り着けない。フェルドクロフトの城も同様の状態だ」
「秘密の部屋みたいなものだな」
「秘密の部屋は行こうと思えば行ける場所だ。実際、バジリスクの毒を追加で調達するために第2小隊を派遣したこともあるし、予備弾薬の備蓄倉庫にもしている。廃材置き場や燃油庫も増設中だ」
図書館の禁書の棚の奥底を捜索しても、再び地図の間の入り口を見つける事は出来なかった。
代わりに城の隅々で隠し部屋を見つけたり、杖十字会の連中に喧嘩を吹っかけられたり(センチュリオンの隊員で会員の者は少なくない)した。
隠し部屋は漏れなく資材庫やらレクリエーション室に徴用し、フィルチに一括管理させることにしている。
「とりあえず分かった事としては隊長にルックウッド家の血が流れているということだな」
「それについては俺も半信半疑だ。何せ俺は中東の出身だからな。見た目は白人だからアラブの血は流れてなさそうだけど。それに、ルックウッド家といえば英国魔法界では名家なんだろ?俺との接点が思いつかん」
エスペランサとセオドールは現在、必要の部屋駐屯地の端にある娯楽室にいた。
クリスマス休暇が終わると、姿眩ましの特別教室が魔法省主体で開かれることになった。
だが、センチュリオンの隊員は独学、もしくは、スクリムジョールのコネで殆どが習得できてしまっている。
そのため、暇を持て余した隊員は自主訓練をするか、こうして必要の部屋で休んでいるのだった。
スクリムジョールはセンチュリオンにとって力強い味方であったし、エスペランサにとっては戦友だ。
しかし、スクリムジョールとダンブルドアは折りが悪いらしい。
スクリムジョールが必要の部屋に長期間滞在することをダンブルドアはついに認めなくなった。
なので、スクリムジョールと元闇払いの隊員達は基本的に魔法省で通常勤務をしている。
魔法省には敵のスパイも大量にいる(リータ・スキータ談)ため、センチュリオンから大臣護衛の分遣隊を派出していた。
ちなみに、魔法省には分遣隊の他にも広報班、輸送支援班、諜報部隊等を密かに配置していたりする。非戦闘員がメインだ。
これら隊員の管制は基本的にザビニに任せている。
「そう言えば隊長。彼女とはどうなんだ?」
「彼女って?」
「フローラに決まってるだろ。クリスマスとかデートに誘わなかったのか?」
「別に。フェルドクロフトの攻略もあったからな。事務連絡程度にしか会話もしていない」
セオドールはやや呆れつつ溜息を吐いた。
「隊長に期待した俺が馬鹿だったか」
「何だよ。言いたいことがあるならはっきりと言え。確かに、フローラと俺は男女の仲ではある。だがな、互いにセンチュリオンという戦闘部隊の幹部だ。私情を挟み過ぎれば風紀が乱れる。有事である今、隊長の俺にとってフローラは部下隊員の一人でしかない」
「それは、本心で言っているのか?」
「もし、彼女が戦闘中に命の危険に晒されたとしても、彼女を助けるために作戦を失敗させることがあってはならない。それはお互いに確認し合っている」
そう言いつつもエスペランサは実際にそのような局面になった時、決断できるかは分からなかった。
久々の投稿になりました。
お待ちいただいていた方には大変申し訳ありません。