ハリーポッターと機関銃   作:グリボーバルシステム

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申し訳ありません!!!


先日、プリズマ☆イリヤの映画を見てきました。
面白かったです。


感想とかお気に入りとかありがとうございます!


case 17 VS Pixie fairy 〜vsピクシー妖精〜

新学期が始まった。

 

学期の初めというのはバタつくもので、生徒も教職員も慌しい。

新しい時間割の制作や授業準備など、教師の仕事は山積みである。

 

だが、教師の一部が慌しくしている原因はフォード・アングリアの衝突によって損傷した“暴れ柳”の修復が原因だった。

 

 

着校日。

何故か9と3/4番線に入れず、ホグワーツ特急に乗り損ねたハリーとロンは空飛ぶ車であるフォード・アングリアによってホグワーツにやってきた。

 

そして、彼らは車を見事に暴れ柳に衝突させたのである。

 

いくらホームで待ってもロンとハリーがやって来ないと心配していたエスペランサとハーマイオニーはこの話を聞いて驚き、そして呆れた。

 

 

 

 

加えて、空飛ぶ車は一部のマグルに目撃されており、ロンの父親であるアーサーは魔法省で尋問を受けたそうだ。

 

魔法省というのは行政でなく司法関係も行うことが出来るらしい。

魔法界は極端に人口が少ないので政府機関は全て魔法省に集約しないと人材が不足するのだろう。

魔法省職員は政治家という肩書きに付け加えて裁判官という肩書きも持てるようだ。

それはさておき………。

 

 

空飛ぶ車での着校と暴れ柳の破壊を行ったハリーとロンに対し、ロンの母親から吼えメールが届いたり、ロックハートとツーショットの写真を撮影して(しかもサイン入り)生徒に配ったりと波乱万丈な学期初めを迎えたハリーは見るからに疲れた様子だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着校から3日目の午前1番の授業は闇の魔術に対する防衛術である。

 

教師はギルデロイロックハート。

正直なところ、エスペランサはロックハートの魔法使いとしての腕前がどの程度なものかはっきりと分かっていない。

 

見るからに無能そうな人間であるが、教科書となった彼の本を読む限り、トロールや狼男と渡り合えるくらいには優秀な魔法使いらしい。

性格に難はあるが、本に書いてあることが全て本当なのだと仮定すれば教師として不足は無いだろうとエスペランサは思う。

 

 

防衛術の授業のはじめにロックハートは自分の本を取り上げて「私だ」と言った。

 

女子生徒はうっとりしている反面、男子生徒は苦笑いである。

 

「ギルデロイ・ロックハート。勲3等マーリン勲章、闇の魔術に対する防衛術連盟名誉会員、そして、週間魔女で5回連続チャーミングスマイル賞受賞。もっとも、妖怪バンシーを笑顔で追い払ったわけではありませんけどね」

 

随分な肩書きである。

最後のはいらないとしても名誉戦士といった肩書きは簡単にもらえるものではない。

意外と優秀な人物なのかもしれないとロックハートに対して少々期待していたエスペランサである。

 

「全員、私の本を買い揃えたようなのでちょっとしたテストを30分で行おうと思います。皆さんが私の本をちゃんと読んでいるか調べさせてもらいますよ」

 

そう言ってロックハートはテスト用紙を生徒に配った。

 

エスペランサは一応、全ての本に目を通しているが、自信は無い。

それでも6割くらいの得点は狙えるのではないかと思い、配られたテストの問題に目を落とした。

 

 

 

1、ギルデロイ・ロックハートの好きな色は何?

 

2、ギルデロイ・ロックハートの密かな大望は何?

 

3、ギルデロイ・ロックハートの功績でもっとも偉大だと思うものは?

 

4、ギルデロイ・ロックハートの………

 

 

 

 

「なんだ……これ」

 

 

エスペランサは絶句した。

 

これはテストとして破綻している。

 

 

54個ある設問の全てがロックハートのことに関するものだった。

 

 

 

周囲を見渡せばほぼ全ての生徒のペンが止まっている。

 

 

このようなテストを30分も行うのは時間の無駄だと彼は思った。

ただ、他にすることも無いので適当に回答することにする。

 

 

 

1、ロックハートの好きな色は?    解・OD色

 

2、ロックハートの密かな大望は?   解・童貞卒業

 

 

 

 

 

 

 

30分後、答案を回収したロックハートはそれをパラパラとめくり、呆れたように言った。

 

「私が好きな色を知っている人は殆ど居ないようだね。ライラック色であると「雪男とゆっくり一年」で書いているのに。誕生日の理想の贈り物は魔法界と非魔法界のハーモニーですよ」

 

 

男子生徒の大半は呆れてものも言えない状態だった。

 

 

「ところが、ミス・グレンジャーは私の密かな大望を知っていました!それになんと、彼女は満点です!!!すばらしい!グリフィンドールに10点」

 

 

そう言われてハーマイオニーは赤面していた。

 

 

「おいおい。マジかよ」

 

 

薄々は気づいていたが、やはりハーマイオニーはロックハートのファンだったらしい。

 

それにしても、こんなテストで満点を取るほど本を読み込んでいるとは恐れ入る。

エスペランサは密かにハーマイオニーを尊敬した。

 

 

 

「さあー気をつけて!魔法界でもっとも穢れた生き物と戦う術を教えるのが私の役目です。この教室で君達はこれまでに無い恐ろしい目にあうでしょう!でも、安心してください。私が居る限り君達に危害は及びません」

 

 

ロックハートは机の下から布の被った鳥かごを取り出した。

 

 

「おお。やっとそれらしい授業がはじまるのか」

 

 

呆れていたエスペランサだったが、ロックハートが闇の魔術に対する防衛術らしい授業をしようとするのを見て少々喜んだ。

 

それまで笑っていたディーンやシェーマスはもう笑っていなかったし、ネビルは縮み上がっている。

 

 

 

「さあ!どうだ!捕らえたばかりのコーンウォール地方のピクシー妖精!!!!」

 

 

 

ロックハートは布を取っ払い、鳥かごの中の生物を露にした。

 

 

 

鳥かごの中には20センチ程度の群青色をした如何にも悪そうな妖精だった。

鳥かごの中で暴れまわる妖精は生徒に悪態をついたり、歯をむき出しにして威嚇したりしている。

 

 

そのピクシー妖精を見てディーンとシェーマスは大爆笑した。

 

 

「先生。その妖精のどこが危険なんですか??」

 

 

笑いながらシェーマスが言う。

 

 

ピクシー妖精は「幻の生物とその生息地」という教科書にも記載がある。

故にホグワーツ二年生は皆、その存在を知っていた。

 

凶暴な性格をしているが、その実、大した戦闘力もなく、少し魔法が使える程度の子供でも軽く倒せてしまう生物である。

 

 

 

「思い込みはいけません。連中は厄介な小悪魔です。では君達がこの妖精とどう戦うかお手並み拝見といきましょうか?」

 

 

ロックハートはそう言って鳥かごからピクシー妖精を解き放った。

 

 

 

 

ピクシー妖精は単体では脅威にならない。

 

しかし、籠の中に居た妖精は30匹近く居た。

凶暴な性格をした30匹の妖精が一斉に解き放たれれば、どうなるかは予想がつく。

 

 

 

「あーあ。もうめちゃくちゃだ」

 

 

ピクシー妖精たちは四方八方へ飛び回り破壊活動を行い始める。

 

ガラスを割り、生徒を引っ張り上げ、教科書を破る。

インク瓶は投げられ、ゴミ箱をぶちまけ、ネビルを天井にぶら下げてしまった。

 

 

 

ガラス片の雨をかわしながらエスペランサは鞄から銃を取り出す。

 

 

今のところ生徒に負傷者は出ていないが、このままでは誰かしらが負傷する。

妖精の投げるガラス瓶や、振ってくるガラス片は十分な凶器となり得るだろう。

 

 

杖を奪われて逃げ惑うロックハートを視界の隅に入れながら、エスペランサは短機関銃を構えた。

 

 

 

UZI短機関銃。

 

 

イスラエルが開発した短機関銃であるUZIは優れた性能と生産性の高さから世界各国で使用されている。

銃弾は9ミリで、発射速度は毎分600発を誇る銃だ。

 

有効射程は200メートルと短いが屋内で使用するには十分な性能である。

発射機構がオープンボルト方式であり単純な為、魔法での量産にも向いていた。

 

加えて、このUZIには魔法で細工がしてある。

 

亡きクィリナス・クィレルはM3グリースガンに魔法をかけ、銃弾が目標に自動で向かっていくようにしていたが、このUZIにも同様の魔法がかけてある。

 

クィレル先生が改良したホーミング機能付きM3グリースガンをエスペランサは戦いの後で回収し、かけられた魔法を解析した。

複雑な魔法がかけられていて、解析にはかなりの時間が必要とされたが、どうにか解析し終わった。

 

クィレル先生が銃にかけた魔法は「銃に射手の思考を読み取らせ、射手の思い通りの方向へ向かうようなプログラムを弾丸に施す」というものだった。

要するに弾丸がミサイルで銃がCIC(combat information center)の役割を果たすようにさせている訳だ。

 

彼はその解析したクィレル先生の魔法を他の量産した銃にもかけたのである。

よって、現在、エスペランサの持っている銃は全て銃弾の自動追尾機能が施されていることになる。

 

 

エスペランサはグリップ左側の切り替え軸を連射にあわせ引き金を引く。

 

 

 

パラララララララララララララ

 

 

 

乾いた音と共に9ミリの弾丸が連続して銃口から飛び出した。

 

 

飛び出した弾はそれぞれが意思を持ったかのように空中を動き回る。

 

 

ある弾丸は教科書を引き裂いていた妖精の脳天を貫く。

ある弾丸はガラスを割る最中だった妖精の手足をもぎ取る。

ある弾丸はインク瓶を生徒に投げつけていた妖精の腹に大きな穴を開けた。

 

 

発射された約30発の9ミリ弾は全てピクシー妖精に命中したのである。

 

 

エスペランサは狙いを定めていない。

ただ、「ピクシー妖精に全弾命中させたい」と思っただけである。

 

UZIはエスペランサの「妖精に全弾命中させたい」という思考を読み取って、その通りにプログラミングした弾丸を発射させた。

 

 

教場内を縦横無尽に飛び回っていたピクシー妖精の総数は僅か数匹にまで減少している。

 

9割以上の妖精が銃弾に撃ち抜かれ、見るも無残な姿で床に横たわっていた。

教場内の壁は妖精の血によって赤く染められている。

 

生き残った数匹のピクシー妖精は完全に戦意喪失して、部屋の隅で震えあがっていた。

 

 

「上出来だ。魔法は正しく機能したみたいだな。これで対魔法使い戦は格段にやりやすくなった。クィレル先生には頭が上がらないな」

 

 

空になった弾倉を銃本体から抜き、新たな弾倉をガチャリと装填しながらエスペランサは満足そうに言った。

 

狙いを定めなくても銃弾が自動に敵へ向かっていく銃は今後、仮に魔法使いとの戦闘になった場合に相当な戦力になってくれるに違いない。

 

また、マグルのテロリストや過激派集団との戦闘でも十分活躍することが見込まれる。

 

 

 

 

 

パラララララ

 

 

 

 

 

生き残りの妖精を銃撃で一掃し、エスペランサは妖精同様に教室の隅で震えあがっているロックハートに声をかけた。

 

 

「先生。言われた通りピクシー妖精を駆除しました。敵勢力は完全に沈黙。何匹か息のある個体は確認できますが、戦闘能力は完全に奪ったものと見て間違いないでしょう。状況終了です」

 

 

「ひ……え?なっ……………!!!???」

 

 

ロックハートは教室を埋め尽くすピクシー妖精の死体を見て絶句していた。

 

見れば他の生徒たちも恐怖でひきつった顔をしている。

 

 

 

「先生?」

 

「ひっ!?」

 

 

ロックハートは30匹余りのピクシー妖精をたった数秒で全滅させたエスペランサを見て後ずさった。

 

 

「あー……そ、そうですね。ミスター・ルックウッドは良く……やりました。あー……グリフィンドールに10点あげましょう。では授業は終了です!私はこれにて」

 

 

そう言い残してロックハートは逃げるように教室から走り去っていった。

 

 

シェーマスやディーンをはじめとした生徒もエスペランサから逃げるように教室を出ていく。

 

ラベンダー・ブラウン等の一部の女子生徒は失神していた。

 

 

 

「こりゃマーリンの髭だ。あっという間にピクシー妖精がミンチになっちまったぜ」

 

地獄絵図となった教室を見渡してロンが言う。

 

 

ハリーたち3人はエスペランサの戦闘を間近で見た経験がある為、他の生徒よりもショックを受けていないのだろう。

 

ミンチになったピクシー妖精の散乱する光景は爆薬で吹き飛ばされたトロールという光景よりも少しばかりマシなものだったに違いない。

 

 

「エスペランサの戦いは何回か見たけど、何度見ても………慣れないね」

 

顔を青くさせたハリーが言う。

 

「中東の紛争地帯の爆撃後はもっと酷いぞ」

 

「でもこれはやり過ぎよ。ロックハート先生の用意したピクシー妖精も使い物にならなくなってしまったし………。先生、気を悪くしてなければよいのだけれど」

 

 

ハーマイオニーはロックハートの心配をしているようだった。

 

 

「おいおい。ハーマイオニー。あの先生はピクシー妖精相手に何にも出来なかった無能だぜ?」

 

「そうだな。ロンの言う通りだ。この程度の生物に後れを取るようじゃ、教師として失格だな」

 

「そんなことないわ!先生は生徒に経験をさせたかっただけよ!無能じゃないわ!」

 

 

エスペランサとロンの会話を聞いてハーマイオニーは憤慨する。

 

恋は盲目とはまさにこのことだろう。

 

 

 

「あ……あのさ。よかったら僕をここから降ろしてくれない?」

 

 

 

不意に天井から声がして、エスペランサたちは上を見上げる。

 

妖精によって天井に吊るされたネビルがそこに居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ヴォルデモートとの戦闘によって手持ちの弾薬と爆薬のほとんどを使い果たし、いくつかの銃器を放棄せざるを得なかったエスペランサにとって新たな銃と弾薬の開発は必要不可欠であった。

 

ヴォルデモートとの戦闘後、エスペランサは意識を失ってしまっていたために“エレクト・テーレム”の魔法によって展開された数十挺の銃と爆薬は回収できていない。

 

夏休み前に一度、賢者の石が置かれていた部屋に足を運んだが、展開した銃や爆薬はかけらも残っていなかった。

おそらくダンブルドアが回収したか、もしくは投棄してしまったのだろう。

 

約1年間もの時間をかけて作り上げた銃と弾薬のほぼ全てを彼は失ってしまったのである。

 

ヴォルデモートは撃退できたので銃の損失はそこまで手痛い物とは思わなかったが、それでも火力が不足している現状は何とかしなくてはならない。

 

 

フローラ・カローからもらった鞄の中に入れていた武器弾薬は全て喪失。

かろうじで残ったのは戦闘時にエスペランサが身に着けていたクリスマスプレゼントとして送られてきたM16A2やベレッタ、手榴弾、戦闘服などに加えて、予備戦力として寝室に保管していた若干の武器だけだった。

 

プレゼントのM16A2。

G3A3が1挺。

ベレッタが2挺。

手榴弾5個にスタングレネードが2つ。

これにクィレル先生の改良したグリースガンが銃器の全てであった。

 

銃弾は全て合わせても500発に満たない。

 

 

エスペランサは休暇で隠れ穴に居る間も時間があれば武器の開発を行った。

無論、クィレルが改良したグリースガンの魔法の解析も同時並行でやった訳である。

 

そして、完成したのがホーミング機能付きのUZIとクレイモア地雷であった。

 

 

エスペランサは現在、フィルチに教えてもらった隠し扉の裏の秘密の通路にて武器の開発を行っている。

 

秘密の通路は元々薄暗かったが、エスペランサが電池式のランタンを(ランタン程度のマグルの道具ならホグワーツ上の中で使えることが最近分かった)幾つか吊るしたことで明るく照らされている。

 

他にも作業台やら工作道具などを持ち込み、秘密基地のような状態になっていた。

 

今開発しているのは対戦車榴弾や迫撃砲などの重火器である。

 

対戦車榴弾に関しては屋内戦にも対応できるパンツァーファウスト3を採用。

RPG-7やカールグスタフと違い、パンツァーファウスト3はバックブラストではなく、カウンターマスという重りを後ろに放出することで反動を抑えているので、屋内の狭い場所でも発射が可能だ。

 

迫撃砲は屋外の戦闘を意識して作成した。

 

銃や対戦車榴弾よりも遥かに射程の長い迫撃砲は遠距離から無防備な魔法使いを粉砕することが出来るし、不意打ちも可能だ。

複数人の魔法使いを相手に十分な威力を発揮できる。

 

この他にも新たに対戦車狙撃銃の開発に着手した。

 

今まではG3A3といったバトルライフルにスコープをつけて狙撃銃としていたが、トロールなどの生物相手には威力が不足している。

故に12.7ミリの弾薬を使用する対戦車ライフルを開発した。

 

12.7ミリの対戦車狙撃銃はハーグ条約によって対人用に使用することは禁止されているが、魔法界では国連の法など無効だろう。

 

 

「新たな銃と榴弾の開発も目途が立ったし、弾薬も十分とは言えないが戦闘可能なだけの数は揃えた。あとは榴弾を使った訓練をするだけだな」

 

 

対戦車榴弾は歩兵の使う武器だが、迫撃砲は砲兵の使う武器である。

使い方は知っているものの、彼は実戦で実際に使ったことは無い。

 

何回か訓練を積まなければ砲弾を命中させることは出来ないだろう。

 

 

「今学期はこれらの武器を使った戦闘をしなくて済むと良いんだけどな…………」

 

 

エスペランサは出来立てほやほやの81ミリ迫撃砲L16(81R)の黒光りする砲身を撫でながらそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最近、NHKの映像の世紀にハマってます。
大戦時の兵士って何であんなに詩的な文章が書けるんでしょうか。


秘密の部屋の前半部分は割と駆け足で終わらせるかもです。

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