ハリーポッターと機関銃   作:グリボーバルシステム

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続いて投稿します!!


case47 Death eater and machine gun 〜死喰い人と機関銃〜

クィディッチワールドカップは結局、アイルランドが勝利した。

が、スニッチを手にしたのはブルガリアのクラムであった。

 

この結果にセオドールは興奮し、試合が終わってから5時間も経過しているのにまだ語っている。

 

試合会場のスタジアムから帰ってきたエスペランサとフローラはセオドールの話を天幕の前で焚火をしながら聞き流していた。

 

時刻は0時を回ろうとしている。

1時間前まではお祭り騒ぎだった周囲のテントも、だいぶ静かになっていた。

それでも、時折、歓声が聞こえているため、まだかなりの人数が起きているのだろう。

 

 

「いやー。素晴らしい試合だった。クラムの技はウロンスキー・フェイントっていう技なんだ」

 

「セオドール。それはもう10回は聞いたぞ」

 

「え、そうか?」

 

「ああ。まあでも、確かにワールドカップのプレイはすごかった。素人の俺が見てもわかるくらいには上手いプレーだった」

 

「上手いどころじゃない。あれはもう天才だ!」

 

 

エスペランサはこっそり持ち込んだビールの缶を飲み干して、焚火の中に薪を入れた。

 

そんな時である。

別のキャンプ場から爆発音が聞こえたのは。

 

 

ズドオオン

 

 

「うわ。派手にやってるな」

 

「夜中なのによくやりますよね。うるさくて仕方ありません」

 

 

ズドオオ

 

爆発音に混ざって悲鳴も聞こえてくる。

 

 

「マナーの無い人間がまだお祭り騒ぎしてるんだろう」

 

「その内、魔法省の役員が止めに入るとは思いますが」

 

 

ズドオオオン

 

ズドオン

 

 

悲鳴は大きくなり、爆発音だけでなく火の手も上がる。

エスペランサたちのキャンプ場からは遠くて見えないが、夜の闇が赤く照らされていた。

 

 

「ちょっとやりすぎじゃないか??」

 

セオドールが言う。

 

爆発音は断続的に続き、民衆がパニックになっているのか、悲鳴だけでなく絶叫も聞こえてきた。

 

 

『こちら、アーニーだ。エスペランサ。応答してくれ』

 

エスペランサが持ってきた携帯型の軍用無線機から、隣のキャンプ場で宿泊しているアーニー・マクミランの声が流れてくる。

ワールドカップに来ているセンチュリオンの隊員たちは全員、無線機を携行させていた。

 

「こちらエスペランサ。どうした?そっちのキャンプ場から爆発音が聞こえているんだが?」

 

エスペランサは無線機のマイクを取り、応答した。

セオドールもフローラも不安げに耳を傾ける。

 

 

『大変なことになった。一部の魔法使いが暴走して、手当たり次第にテントを攻撃してるんだ。僕はチョウとセドリックと合流して森に逃げてきたんだが……』

 

「魔法使いが暴走?興奮して騒いでいるだけじゃないのか?」

 

『僕も最初はそう思ったんだが……。奴ら、手当たり次第にテントを焼き払うだけじゃなくて、管理人のマグル一家を拉致して好き放題してやがる。魔法省の役員が抑えようとしているが、マグルを人質にされて上手くいってない」

 

 

エスペランサは驚愕した。

 

「俺もそっちに向かう。無線はこのまま繋いでおけ」

 

 

無線を切った後、エスペランサは天幕の中に入り、万が一の時のために持ってきていた武器を全て取り出した。

 

MP5サブマシンガンがひとつ。

M92拳銃がふたつ。

暗視スコープに予備のマガジン。

スタングレネードとサバイバルナイフ。

 

 

「どうなってるんだ?ただの騒ぎじゃないようだが………」

 

セオドールが焚火の灯を消しながら言う。

 

「どうもそうらしいな。魔法省の役員が大勢いるだろうから、そのうち沈静化するだろうが………。しかし、マグルの管理人一家を拉致しているらしいし、救援に行く必要があるだろう」

 

「ああ。僕たちも行く。武器を貸してくれ」

 

 

エスペランサはセオドールとフローラに拳銃を渡した。

荷物になるため、最小限の武器しか持ってきていないことが悔やまれる。

 

サブマシンガンも拳銃も所詮は護身用の武器でしかない。

加えて、予備の弾薬もそう多くは持ってきていなかった。

 

 

「拳銃の弾丸は一人につき20発程度しかない。サブマシンガンが一番火力のある武器だが、射程も威力も小銃に劣る。無暗に戦闘はできないから注意してくれ」

 

「わかりました」

 

フローラも拳銃に弾倉を装填する。

 

センチュリオンの隊員はエスペランサ、セオドール、フローラのほかに、アーニーとチョウ、そしてセドリックが居る。

少数ではあるが、並の魔法使い相手であれば負けることはないだろう。

 

 

「良し!出撃だ!」

 

 

そう言って3人は爆発音のする方へ走り出した。

 

 

 

 

 

 

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「なんだ……これは」

 

エスペランサは目を違った。

 

数百というテントが燃え上がり、人々が逃げ惑う。

フードを被り、仮面をつけた数十人の魔法使いが歓声を上げながら我が物顔で暴れている。

 

「一体、何者なんだ?」

 

エスペランサは森の中に隠れながらセオドールに聞いた。

 

「おそらく、元闇の魔法使いたちだ」

 

「元闇の魔法使いだって?」

 

「ああ。あの姿……。死喰い人そっくりだ」

 

「死喰い人?」

 

「例のあの人の軍勢です。壊滅していましたが……。一部の死喰い人は逮捕されずにのうのうと暮らしているんです」

 

「なぜ逮捕されなかったんだ?」

 

「例のあの人に操られていた、とか嘘をついたり、賄賂を魔法省に渡したりして難を逃れたようですね。カロー家もそういう人が多いです」

 

「残念ながらノット家もだ」

 

 

ということは仮面の群衆はヴォルデモートの元手下ということになる。

なぜ、彼らが今になって暴れだしたのかはわからないが、非常に不味い事態となった。

 

ヴォルデモートの勢力がこういった形で復活したことがマグル界の対魔法使い専門の軍隊に知られてしまったら………。

 

 

 

ー魔法界は滅ぼされる

 

 

「止めるしかないな」

 

「でも、どうやって?あの人数の魔法使いを敵にしたら流石に適わない。こっちにはまともな武装もないんだから」

 

 

先ほど合流したアーニーが言う。

 

エスペランサたち3人はセドリックたち3人と森の中で合流し、木の陰から仮面の群衆の暴動を見ていたのだ。

 

 

「確かに。武装は手薄だ。拳銃もサブマシンガンも射程は短いからここから狙撃することはできない。かと言ってこのまま何もしないわけにはいかないだろう。見ろ、あれを」

 

 

仮面の男たちは魔法で、攫ってきたマグル一家を宙づりにしていた。

 

一人は管理人の男で、もう一人はその妻。

さらに、幼い子供も2人ほど宙につるされている。

 

 

「許せないですね………」

 

フローラが拳銃を握る手に力を込めて言う。

彼女は、あのマグル一家と同様の宙づり呪文を義父から受けたことがあった。

 

 

「ああ。ここに狙撃銃さえあれば全員、俺が仕留めてやるんだが……そうもいかない」

 

仮面の群衆は先程よりも人数が増え、馬鹿笑いしながら宙づりにされているマグルをはやし立てていた。

子供は空中で回転させられ、管理人の妻は逆さ吊りにされている。

 

魔法省の役人が何名か止めに入ろうとしていたが、マグルを盾にされては手を出せない。

 

 

「とにかく、マグル4人の救出が先だ。俺が囮になる。その隙に、セオドールたちは魔法を使ってマグルを救出しろ」

 

セオドールとフローラは身内に元闇の魔法使いが居る。

もしかしたら、群衆の中にはフローラの義父がいるかもしれない。

 

故に、セオドールとフローラの姿を仮面の群衆に見せるわけにはいかなかった。

 

セドリックたちも親は魔法使いだ。

彼らもまた、銃を使っているところを他の魔法使いにみられるわけにはいかない。

 

だから表立って戦闘が出来るのはエスペランサだけだった。

 

 

「でも、休暇中に魔法を使っちゃいけないんじゃ?」

 

チョウが不安げに言う。

 

「問題ない。この混乱の中だ。ばれやしないさ」

 

「作戦はシンプルだ。俺が囮となり、銃を使ってあの仮面の連中を奇襲する。奴らは恐らく混乱するだろう。その隙をついてセオドールたちは、クッション呪文とフィニートを使ってマグル4人を陰から救出する」

 

「「「 了解 」」」

 

「では健闘を祈る!」

 

 

そう言ってエスペランサは森から躍り出て、暴れまわる仮面の群衆に突っ込んでいった。

 

 

 

(早いところこの暴動を沈静化しないと、魔法界が侵攻される!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ルシウス・マルフォイは仮面の群衆の中に居た。

 

元死喰い人たちが集まり、暴動を起こす計画はかなり前から企画されていて、ルシウスもそれに誘われていた。

しかし、彼は正直なところ暴動に賛成はしていなかった。

 

別に彼に良心があったからではない。

 

マルフォイ家は主義主張はアレだが、礼節は重んじる家であったので、下品な暴動に参加すること自体に抵抗があったのだ。

 

しかし、今回暴れているのは死喰い人の中でもあまり戦力にはならなかった連中であり、魔法省の役人が本気を出せば、一斉に逮捕されるのは目に見えていた。

その事態は避けたかったルシウスはいざという時に元死喰い人を守れるように、しぶしぶ参加したのである。

 

 

その結果………。

 

 

 

「下品極まりない………」

 

 

元死喰い人たちはここ10年以上にわたって暴力を我慢してきた鬱憤を晴らすがごとく暴れている。

 

どこからかマグルの家族をさらってきて魔法で宙吊りにし、それを見て馬鹿笑いしている。

ルシウスはマグルを差別していたが、今は少し同情さえしていた。

 

 

 

そんな時である。

 

 

 

パパパパパン パパパ

 

 

乾いた音が爆発音や悲鳴に交じって聞こえてきた。

 

 

 

「ぎゃあああああああ!!!」

 

 

それと同時に、群衆の最前列で暴れていた数名の元死喰い人が血しぶきをあげて地面に倒れこんだ。

不運なことにその内の一人は燃え上がるテントの中に倒れこみ火だるまになっている。

 

 

「何が起きたんだ!?」

 

「マクネアたちが倒れたぞ!!」

 

「魔法省の攻撃か!?」

 

 

仮面の男たちが動揺し始めた。

 

 

パパパパン

 

パパパパ

 

 

乾いた連続射撃音は続き、今度は群衆の右翼に居た人間たちが10人ほど倒れこんだ。

 

皆、足や腕から血を流している。

 

 

「一体、何が起きている?」

 

 

ルシウスは音がしたほうへ目を向けた。

 

見れば、森の中から少年が走ってこちら側に向かってきている。

そして、その少年が持っている何か鉄の棒のようなものから閃光が走っていた。

 

 

「あれだ!あの子供だ!!森から出てきたあいつが攻撃してきてる!!」

 

「何だって!?」

 

「たった一人の子供に10人が倒されたっていうのか!?」

 

「迎え撃て!!」

 

 

仮面の男たちは一斉に杖を少年に向けた。




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