ハリーポッターと機関銃   作:グリボーバルシステム

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大変遅くなりました!
気が付けばオリンピックの時期という……

休暇に入りましたのでそこそこ投稿出来ると思います!
感想ありがとうございます!


case86 Guns, wands, prophecies 〜銃と杖と予言と〜

予言の部屋を後にしたエスペランサ達は幾つかの部屋を抜けて不気味な脳みその入れられた水槽のある部屋まで後退した。

脳みその入れられた水槽の他には無数の机や木箱、その他にもよく分からない魔法道具が乱雑に置いてある。

一体何を目的とした場所なのだろうか。

 

死喰い人に追いつかれないように全力疾走した為にハリー達は息を切らせている。

距離にしたら500メートル程度しか走っていなかったが、運動をするという習慣の無いホグワーツの生徒の体力不足は深刻だった。

 

唯一、息の切れていないエスペランサは後方を警戒する。

 

「おかしい。俺はてっきり姿現しで先回りされると思っていたのだが……」

 

M733を構えながら彼は疑問を口にした。

 

「確かに……変ね……」

 

肩で息をしながらハーマイオニーが言う。

 

「敵の狙いはハリーの持つ予言だ。奴らは何が何でも予言を奪いに来る筈」

 

敵の数は残り8人。

半数近くの死喰い人は倒したものの、ドロホフやベラトリックスといった主戦力は温存されたままである。

それ以上にエスペランサが気掛かりとしていたのは、あの場にアエーシェマ・カローとヴォルデモートが居なかった事だ。

 

彼は手持ちの残弾を確認する。

5.56ミリ弾にはまだ若干の余裕があったが、ベラトリックスやドロホフを相手にした場合、銃弾が不足するのは目に見えて明らかだ。

 

 

ドーン!

 

 

背後の扉が轟音と共に吹き飛ばされ、黒煙の中から緑色の閃光が無数に放たれる。

 

「アクシオ・掩蔽物!」

 

咄嗟にエスペランサは呼び寄せ呪文を行使して、部屋の中に雑然と積まれていた机や木箱を呼び寄せた。

 

飛来した緑色の閃光はそれらに衝突して破裂する。

 

緑色の閃光。

それはすなわち、死の呪い、アバダケダブラだ。

 

死の呪いに対して盾の呪文は効果がない。

故に死の呪いを防ごうと思ったら、何か障害物をぶつける他に術は無い。

咄嗟に盾の呪文ではなく呼び寄せ呪文を利用したのはその為だ。

 

「早い!もう追いついてきた。どうする!?」

 

「何でも良いから物陰に隠れるんだ!」

 

最初に扉を蹴破って出てきたのはドロホフだ。

エスペランサは射撃を開始する。

 

眩いマズルフラッシュ。

タタタンという射撃音と共に撃ち出される5.56ミリ弾。

 

だが、ドロホフに続いて出てきたルシウスがすかさず盾の呪文を展開して銃弾を防いだ。

盾の呪文で弾かれた弾丸が部屋の壁を削り取る。

 

「防御と攻撃で役割分担してるのか!?」

 

エスペランサは空になった弾倉を抜き、新たな弾倉を銃に装填した。

この調子で連射していれば弾薬はすぐに底をついてしまう。

 

ドロホフ、ルシウスに続きベラトリックスをはじめとした他の死喰い人達も続々と部屋に侵入してくる。

基本的に2人1組となり、片方が盾の呪文を展開、もう片方が攻撃するという連携をしていた。

この戦い方をされてしまうと、途端にエスペランサは不利になる。

 

単独戦闘を好む死喰い人に誰かが入れ知恵をしたのだろう、と彼は思った。

 

「伏せろ!」

 

エスペランサの言葉にハリー達は机の下に伏せた。

間一髪で彼らは死喰い人の魔法攻撃を避ける。

 

「ペトリフィカストタルス・石になれ」

 

机の隙間からハーマイオニーが呪文を放った。

敵の防御が薄いところを突いたその攻撃は死喰い人の1人に直撃する。

 

「ナイスだ!ハーマイオニー!」

 

ハーマイオニーの反撃に士気を上げたダンブルドア軍団達は各々、得意な呪文で反撃を開始する。

 

「調子に乗るんじゃないよ!クソ餓鬼が!」

 

怒り狂ったベラトリックスがハーマイオニーの潜む場所をまとめて吹き飛ばした。

恐らく、爆破呪文のコンフリンゴが使われたのだろう。

 

しかし、ベラトリックスの使用する爆破呪文の威力は通常のそれを遥かに凌駕していた。

 

「ロン!ハーマイオニー!」

 

ハリーが悲鳴をあげる。

 

エスペランサは匍匐前進で倒れたロンとハーマイオニーに近づいた。

運良く爆破呪文の直撃を免れたのだろう。

外傷は軽い火傷と骨折程度だった。

 

「大丈夫。脈はあるよ。意識はないけど。まだ死んでない」

 

先に到着していたルーナが驚くほどの手際の良さで2人の状態を確認していた。

 

頭上はドロホフの扱う紫色の炎とベラトリックスが乱射する魔法が行き交い、とても反撃出来る様子ではない。

 

近くの机が砕け散り、炎が舞う。

 

「これじゃジリ貧だ。ハリー!机と瓦礫を集めて掩蔽にしろ!その後、集中砲火をした後にフォーメーション・デルタで後退する!」

 

「えんぺい?ふぉーめーしょん?」

 

「っ!?」

 

エスペランサはハッとした。

ここに居るのはダンブルドア軍団だ。

センチュリオンの隊員では無い。

センチュリオンで使用していたフォーメーション等、ハリー達は知る由もない。

 

ここにセンチュリオンの隊員がいれば……。

エスペランサは心の中でボヤく。

 

ここにいるダンブルドア軍団を統率して組織戦闘を行うのは不可能だ。

逆に敵が組織戦闘を行なっている以上、こちらが不利。

 

だが必ず勝機はある。

 

「ハリー。予言を貸してくれ」

 

「う、うん。でも、どうするんだ?」

 

エスペランサはハリーから渡された水晶玉に「そっくり呪文」をかける。

水晶玉が複製された。

 

「俺がこいつを投げて注意を引く。その隙にジニーとルーナはロンとハーマイオニーを引っ張って次の部屋へ後退。ハリーは思いつく限りの呪文を乱射しろ」

 

そう言いながらエスペランサは倒れていたロンとハーマイオニーに軽量化の魔法をかけた。

センチュリオンでは重火器の重量を軽くする為に使っていた魔法だ。

これなら2人を難なく担ぐ事が出来る。

 

「あんた魔法の腕も優秀なのに何でレイブンクローじゃないの?」

 

「元々俺は頭より先に身体が動く質なんだよ。3カウント後に行動開始だ。3、2、1!」

 

エスペランサは銃を乱射しながら立ち上がり、水晶玉を掲げる。

 

「こんなもの、お前らにくれてやる!」

 

そして、水晶玉を死喰い人達へ投げつけた。

 

「何っ!」

 

突然、机や木箱の残骸の中から立ち上がって水晶玉を放り投げたエスペランサを見て、ルシウスは驚愕する。

 

彼の主君であるヴォルデモートの命令は予言の確保だった。

 

その予言が失われれば、ルシウスはおろか、他の死喰い人も只では済まされないだろう。

 

「馬鹿者!攻撃をやめろ!ベラトリックス!お前もだ」

 

ルシウスは焦って他の死喰い人に攻撃を止めさせ、呼び寄せ呪文で放り投げられた予言を手に入れた。

 

彼は安堵して予言を握りしめる。

 

「馬鹿者は貴様だ。ルシウス。その予言は偽物だぞ?」

 

攻撃を止めていたドロホフが呆れたように言う。

ルシウスは予言である水晶玉を見た。

 

見た目はそっくりだが、水晶玉は何の予言も発さない。

 

「餓鬼の悪知恵に騙されるとは貴様も堕ちたものだ。それに、ほら見ろ。ポッター達はとうに逃げ出したぞ?」

 

ドロホフは部屋の奥を指さした。

机等の残骸の奥にある部屋の入り口が空いており、そして、エスペランサやハリー達の姿は見えない。

 

ルシウスが攻撃中止を宣言した隙に全員、逃げ出したようだ。

 

「あのエスペランサという餓鬼。奴はポッター共と違って人を殺す事を躊躇わない。正義を振りかざして殺しを躊躇う騎士団の連中とは違う。正直、嫌いではないタイプの人間だ。だが、奴を生かしておけば、我々の犠牲は増えるばかりだぞ?」

 

ドロホフが言う。

 

彼は戦闘力を買われて死喰い人の幹部に上り詰めた男だ。

戦闘センスも抜群だが、敵の戦力の分析にも長けていた。

彼は敵戦力の中で最も脅威なのがエスペランサだと見抜いている。

 

「所詮は唯の学生だ。この人数でかかれば恐る事はない」

 

クラッブが言う。

その後ろでゴイルも頷いた。

 

彼らはビンセント、グレゴリーの父親である。

 

「そうさ!逃げるしか脳の無い小僧どもに何が出来る」

 

「甘いですな」

 

言い争う死喰い人達の背後からアエーシェマ・カローが現れる。

見れば、オーガスタス・ルックウッドも一緒だ。

 

「おやおや。随分と重役出勤じゃないか。我々がポッター共と一戦交えている時に後ろでコソコソしてた割には生意気な口を利くねえ」

 

ベラトリックスがアエーシェマに食ってかかる。

だが、彼はベラトリックスを無視した。

 

「既に半数近くの仲間が奴に殺害された。エスペランサ・ルックウッドを侮ってはならんと、私は忠告した筈だが?」

 

「その忠告は聞いた。確かに、奴の武器は強力だ。何せアバダケダブラを連射してくるような武器だからな」

 

「そう。ルックウッドの強さの根源は奴の持つマグルの武器、そして、戦闘に特化した知恵だ。だが、それにも弱点はある」

 

「弱点…だと?」

 

「敵を知らねば戦には勝てん。奴の持つ武器と知恵にも限界はある。それに気付かない程、お前達は愚かではないはずだ。違うか?」

 

アエーシェマはニヤリと笑いながらそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不気味なアーチのある部屋は他の部屋よりも広い。

ここを部屋と呼んで良いかは甚だ疑問なところだ。

 

天井も部屋の奥も見渡せない。

部屋の広さが一見、分からないのだ。

 

暗い空間に十数メートルの高さのアーチが置かれているだけで、他には何も無い虚無の空間。

まるでこの世の終わりを具現化したような部屋だ。

 

既に体力が限界に達していたハリー達はアーチの手前で地面に倒れ込む。

 

「休んでる暇なんてないぞ!すぐに敵は追ってくる」

 

だが、ハリーもジニーもルーナも倒れ込んでしまって動けない。

長年、まともに運動をしてこなかった魔法使いが1000メートル以上の距離を全力疾走したのだ。

立ち上がれないのも無理はない。

 

魔法界で行われるスポーツはほとんどが箒を使用したものだ。

持続走を可能にする体力の錬成は出来ない。

 

「エスペランサ……君は…大丈夫なの?」

 

「当たり前だ。200キロ行軍をした後ならまだしも、1000メートルを軽く走った程度で倒れる歩兵なんて戦力にならん」

 

そう言いつつ、彼は元来た道の方を警戒する。

 

ハリーとジニーは若干、体力に余裕がありそうだが、ルーナは今にも吐きそうにしていて戦力にはならないだろう。

ロンとハーマイオニーは相変わらず気絶したままだ。

 

命に別状は無いにせよ、熱傷と骨折を負っている二人はすぐに治療しなくてはならない。

 

「居たぞ!あそこだ!」

 

「クソっ!もう追いついたのか!いや、姿現しを使ったのか」

 

死喰い人が続々と部屋に現れる。

 

ドロホフを先頭にして、ベラトリックス、ルシウス、それにアエーシェマ・カローも居た。

エスペランサは新たな脅威の出現に多少の焦りを感じた。

 

「ポッター以外は殺せ。何としてでも予言を奪い取れ!」

 

死喰い人の一人が先走って死の呪いを放つ。

 

エスペランサは咄嗟に地面に伏せ、攻撃を躱した。

そして、伏せ撃ちの姿勢を取り、反撃の射撃を開始する。

 

「グアッ」

 

銃弾を受けた死喰い人は地面に倒れた。

だが、致命傷にはなっていない。

エスペランサの銃には自動追尾の魔法がかけられていたが、目標を常に目視しなくてはならないという制限がある。

こう乱戦になり目標が多くなると上手く機能しない。

 

「クラッブがやられた!死んではいないが、使い物にならん。クソっ」

 

「愚かな……。勝ち急ぐからそうなるのだ」

 

血を流して倒れるクラッブを横目に、アエーシェマは軽く杖を振る。

 

それだけの動作で凄まじい威力の衝撃波が起きた。

 

「広範囲の攻撃が来るぞ!伏せろ!」

 

エスペランサは叫ぶ。

 

アエーシェマの魔法によって発生した衝撃波は地面や壁を削り、無数の破片を発生させる。

勢い良く飛んできた破片をエスペランサとハリーは辛うじて躱したが、ジニーとルーナは被害を受けてしまった。

 

全身に瓦礫の破片を受けた二人は悲鳴をあげることもなく、地面に倒れる。

 

「ジニー!ルーナ!」

 

「馬鹿野郎!伏せてろ」

 

慌てて駆け寄ろうとするハリーをエスペランサが地面に押さえ込んだ。

 

二人の頭上を緑色の閃光が飛んでいく。

 

この場で戦闘可能なのはエスペランサとハリーのみ。

対して死喰い人側にはアエーシェマやドロホフといった脅威が無傷で存在する。

 

(乱戦に持ち込んで敵が混乱したところを各個撃破する予定だったが……。アエーシェマがいるとなれば話は別だ)

 

エスペランサは思考を巡らせつつ、アエーシェマに銃撃を浴びせた。

だが、銃弾は魔法で簡単に防がれてしまう。

 

死喰い人は接近戦に慣れていない。

故に、死喰い人達を殲滅しようとするなら接近戦に持ち込んで撃破すれば良い。

それがエスペランサは考えていた勝算だった。

しかし、アエーシェマ・カローの登場で接近戦はほぼ不可能になった。

アエーシェマはエスペランサに接近戦をさせないように大規模魔法攻撃を間髪入れずに放ってくる。

 

これでは近く事も出来ないし、敵の魔法攻撃を防ぐだけで精一杯だ。

ハリーとエスペランサは同時に盾の呪文を展開させて魔法攻撃を防ぐ。

 

「降伏して白旗でも揚げたらどうだ?そうすれば仲間の命だけは助けてやらん事もないぞ?」

 

アエーシェマが言う。

 

「降伏なんてクソ喰らえだ。死喰い人がハーグ陸戦協定を遵守するって言うなら降伏してやるよ」

 

「口だけは達者だな。だが、このままではジリ貧だぞ?お前の持つ武器の火力も無限ではない筈だ。最早、十分な残弾があるとも思えん」

 

これは図星であった。

 

先程までは余裕のあった5.56ミリ弾も底を尽こうとしている。

エスペランサが死喰い人相手に戦えていた理由は近代兵器というアドバンテージがあったからだ。

それが使えなければ形勢は極めて不利になる。

 

今もハリーが盾の呪文を展開しているうちに銃撃を行う事で、辛うじて攻撃を受け流すことが出来ているのだ。

 

(どうする?どうすれば状況を打開出来る!?)

 

「エスペランサ!後ろだ!」

 

ハリーが叫ぶ。

 

いつの間にか背後に回り込んでいた大柄の死喰い人がエスペランサに杖を向けて今にも呪文を詠唱しようとしていた。

 

(まずい!躱せるタイミングじゃない!?)

 

反撃する余裕はもう無い。

 

だが……

 

 

「ぐあっ!?」

 

「何!?」

 

大柄な死喰い人の右手の手首から先が杖と一緒に吹き飛ばされた。

あまりの激痛に死喰い人は倒れ込む。

 

「待たせたね!救援に来たよ!」

 

見れば部屋の入り口からM24を構えたネビルが走ってくる。

そして、その背後からはキングズリーやムーディー、トンクス、ルーピン、シリウスが続々と雪崩れ込んで来るのも見えた。

 

「シリウス!良かった、無事だったんだ!」

 

ハリーが安堵する。

 

神秘部に入らずに待機していたネビルはエスペランサの指示通り、助っ人を連れて戻ってきた。

 

死喰い人側は新たな敵の出現に少なからず動揺していた。

 

「クソ!闇払いの連中か!」

 

「構わねえ!たかが数人増えただけだ!」

 

ムーディとキングズリーはありったけの攻撃呪文を死喰い人に浴びせる。

 

しかし、ドロホフとアエーシェマはそれらを全て防いだ。

一方でシリウスはルシウスを負かす勢いである。

 

トンクスとルーピンは2人がかりでベラトリックスを追い詰めようとしていたが、他の死喰い人の応戦に手こずっていた。

 

敵味方双方の魔法が飛び交う中、ネビルはエスペランサの元に走り寄る。

 

「ごめん!救援が遅れた」

 

「構わねえ。危うく俺もやられるところだった」

 

「敵の数は?」

 

「アエーシェマを含めて残り8人ってところだ。こっちはハリー以外、全員が戦闘不能だ」

 

ネビルは倒れているロンやハーマイオニー達を見る。

全員、息はあった。

 

「この機を逃す訳にはいかないね。ベラトリックス・レストレンジの頭蓋に7.62ミリ弾をぶち込むチャンスなんてそうそうない」

 

ネビルはニヤリと笑い、M24のスライドをガチャリと引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キングズリーやムーディが加勢したところで死喰い人の優勢には変わらなかった。

 

アエーシェマとドロホフが強過ぎるのだ。

 

しかし、死喰い人達の目的はあくまでもハリーの持つ予言の入手である。

闇払い達の加勢で予言の奪取が困難になったのは彼等にとって痛手だった。

 

「貴様、ドロホフか。もう一度、アズカバンに送ってやろう」

 

ムーディはドロホフに杖を向ける。

 

「マッドアイ……。貴様の時代は終わったんだ。ロートルは引っ込んでろ!」

 

「死喰い人の時代も既に終わってるのだ!大人しく牢獄でくたばっていろ」

 

「ほざけ!」

 

ムーディの放つ失神光線を軽く凌いだドロホフは逆に彼の顔面に失神光線を直撃させた。

今のムーディに全盛期の強さは無い。

 

失神光線を受けて気絶したムーディにドロホフはとどめを刺そうとする。

 

だが、

 

 

バシッ

 

 

彼の腕を何かが高速で掠めた。

 

そして、その腕を激痛が走る。

見れば、右腕の皮膚が抉れていた。

 

「何だ!?」

 

ドロホフは周囲を警戒し、そして、こちらに銃口を向けているネビルの存在に気付く。

 

「あいつか!?」

 

ドロホフはネビルに杖を向けた。

そして、無言で魔法を放とうとする。

 

しかし、彼が魔法を放つより前に彼の腕に銃弾が撃ち込まれた。

 

あまりの激痛に思わず杖を落としてしまう。

 

「俺の…無言呪文よりも速い攻撃…だと!?」

 

無言で呪文を放つ速さには絶対の自信があったドロホフ。

だが、M24の初速は彼の魔法発動速度を軽く上回っていた。

 

M24SWSの初速は868m/秒。

1988年に開発された最新鋭の狙撃銃はベテランの死喰い人をも驚愕させる能力を持っている。

 

マグルの武器の性能に驚愕していたのは死喰い人側の人間だけではなかった。

 

キングズリー達の出現に動揺し、数人の死喰い人は隙を見せてしまう。

その隙をエスペランサは見逃さなかった。

 

M733の引き金をリズミカルに引き、2人の死喰い人を無力化する。

戦闘に特化したマグルの武器にキングズリー達も少なからず驚いていた。

そして、死喰い人を殺す事に何の躊躇いもしないホグワーツの生徒の存在に恐れも抱く。

 

戦闘の最中、主君の任務を忠実に守ろうとしていたのはルシウスだけになっていた。

 

「予言だ!予言をポッターから奪え!」

 

ルシウスはハリーに襲いかかる。

しかし、その行手をシリウスが塞いだ。

 

「そうはさせん。マルフォイ。ハリーに手を出すな。私が相手になってやる」

 

「死にかけの駄犬がよく吠える!」

 

ルシウスはシリウスに魔法を連射したが、それは全て防がれた。

 

「エクスペリアームズ!」

 

シリウスの横からハリーが助太刀をする。

多勢に無勢。

ルシウスはハリーの武装解除呪文を受けてしまい、杖を失った。

 

「良いぞ!ジェームズ!」

 

シリウスは杖を失ったルシウスに失神光線を直撃させる。

 

勝ち誇るシリウス。

だが、その背後をベラトリックスが襲った。

 

「アバダ・ケダブラ!」

 

緑の閃光がベラトリックスの杖から噴出し、シリウスに命中する。

そして、彼はアーチの向こう側に消えていった。

 

「シリウス!シリウス!」

 

ハリーが叫ぶが、返事はない。

 

シリウスを殺害したベラトリックスはニヤリと笑うと、神秘部の外へ逃走を始めた。

 

「逃がさない!ぶっ殺してやる!」

 

復讐の鬼と化したハリーは杖を握りしめてベラトリックスを追いかけた。

 

ベラトリックスを追いかけ始めたハリーの姿をエスペランサとネビルは目撃する。

 

「あいつ!単独でベラトリックスと戦おうとしてるのか!」

 

「どうする?隊長……」

 

「ハリーを援護する。ついてこいネビル」

 

「了解!」

 

エスペランサとネビルは銃を片手に走り出した。

 

 




シリウスはやはり退場させるしかありませんでした。
乱戦は書くのが難しいですね。
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