劇中で登場するミレニアムブリッジは謎のプリンス開始時点では建造されていません。
映画ではガッツリ出てきましたが。
まあ、そこはフィクションということで…
ネビルとスーザンはミレニアムブリッジ建設現場に到着した。
二人は積み上げられた資材の裏に隠れ、狙撃の態勢を取る。
「あれだ……。見ろ。コーマック達が敵をこっちに誘導している」
テムズ川沿いの道路の向こう側から派手な爆発音が聞こえ、黒煙が確認出来る。
そして、その上空を遊撃班の二人が飛んでいた。
爆発音はだんだんと近くなる。
興奮気味のスーザンはまだ敵が見えていないにも関わらず、飛び出して攻撃を仕掛けようとした。
ネビルがそれを慌てて止める。
「離して!もう待てない。こっちから仕掛けに行く」
「馬鹿言うな。そんなことをしたら、ここで待ち伏せをして敵を殲滅する作戦がパーだ」
スーザンは怒りに我を忘れていた。
その姿が、かつてベラトリックスに対して敵意を剥き出しにする余り冷静さを失ってしまった自身の姿と重なる。
「冷静になるんだ。スーザン。君の気持ちは分かるが、君一人が飛び出して戦いに行ったところで、返り討ちに遭って終わりだ」
「そんなの……やってみないと」
「良いかい?敵は5人で、しかも魔法使いなんだ。複数人の魔法使いを敵にした場合、いくら近代兵器を持っているからといって単独で戦えば勝ち目はない。確実に敵を仕留めるのなら、狙撃や奇襲をするしかないんだ」
ネビルはM24の脚を立てて伏せ撃ちの姿勢を取った。
スコープ越しに黒煙に包まれつつある道路の向こうを覗く。
黒煙の中からグレイバックと人攫い達が姿を表した。
「来た!グレイバックとその徒党に間違い無し!」
ネビルは引き金を引くタイミングを計る。
敵は5人。
1回の狙撃で全員を倒せはしないだろう。
だが、敵の指揮系統を乱す事は出来る。
頭であるグレイバックを初撃で倒してしまえば良いのだ。
M24のスコープを覗き、グレイバックの頭に狙いを定める。
先の魔法省の戦闘でネビルは少なからず戦闘慣れしていた。
故に冷静な思考を保てている。
だが、横でM733を構えていたスーザンはその限りでは無かった。
彼女も最後の戦闘には参加していたのだが、その時はひたすらにヴォルデモート目掛けて掃射していただけだ。
本気で敵を殺傷するのはこれがはじめて。
焦りと恐れ、そして、それを上回る怒りの感情で冷静さは消し飛んでいた。
「うああああああ!」
遮蔽物から身を躍り出し、スーザンは銃を敵に向けて乱射し始めてしまう。
タタタタタタタタン
軽快な音とともに5.56ミリ弾が発射され、人攫いの一人が宙に舞う。
驚くべき反射速度でグレイバックは盾の呪文を展開させた。
「馬鹿!これじゃ狙い撃ちされるぞ!」
ネビルは我を忘れて乱射するスーザンを物陰に戻そうとしたが、その前にグレイバック達が反撃してくる。
「くそっ!」
咄嗟に飛来した敵の魔法を避けて地面に伏せる。
「スーザン!伏せろ!」
ネビルの声を聞き、スーザンも急いで近くのテナント裏に隠れた。
間一髪で敵の攻撃が逸れる。
見れば、生き残っていた3人の人攫いが防御に徹し、グレイバックがひたすらに攻撃を仕掛けてきていた。
人攫い達は基本的にチームで動く。
つまるところ、死喰い人より連携した戦闘が出来るのだ。
彼等の戦い方はどちらかと言えばセンチュリオンのそれに近い。
3人がネビル達狙撃班とコーマック達遊撃班の攻撃を防ぎ、グレイバックが大規模な攻撃を仕掛ける。
この連携プレイはかなりの練度であった。
「洒落くせえ!これでも喰らいやがれってんだ!」
グレイバックは渾身の魔力を込めて浮遊呪文を建設途中のミレニアムブリッジにかける。
すると、ミレニアムブリッジは橋桁の根本からメキメキと宙に浮かびあがった。
建設途中とは言え、宙に浮いたミレニアムブリッジは重さにすると数十トンはある。
それを軽々と魔法で浮かび上がらせたグレイバックは、ニヤリと笑った。
ネビルもスーザンも銃撃はしているが、杖を構えていない。
グレイバックは銃について事前知識は無かったが、どうやら攻撃のみに特化した武器であるという事は理解出来た。
簡単に言えば、アバダケダブラしか使えない杖のようなものだ。
それならば恐れる必要は無い。
杖を構えていない彼等にグレイバックの大規模な攻撃を防ぐ手立ては存在しないのだ。
グレイバックは杖を一振りして、宙に浮かび上がらせたミレニアムブリッジをネビル達のいる場所に叩きつけた。
幸いにもネビルは生きていた。
グレイバックによってミレニアムブリッジが叩きつけられる直前、彼はテムズ川に飛び込んだのだ。
叩きつけたミレニアムブリッジによって路駐してあった自動車は片っ端から爆発し、街灯は飴細工のように折れた。
道に面したテナントの窓ガラスは粉砕され、直撃を受けたアスファルトはボロボロになっている。
フナサカがこの光景を見たら「まるでゴジラが現れたみたいだな」と言うに違いない。
テムズ川に飛び込んだが、すぐに対岸に泳ぎ着いたネビルはなんとか陸に上がった。
戦闘服が水を吸い込んでいるため非常に重い。
それに、川に落ちた時にM24を落としてしまったらしく、彼は今丸腰だ。
肺に入っていた水を無理矢理吐き出した彼は周囲を見渡す。
「げほっ。スーザン……。戦闘はどうなっているんだ?」
見ればスーザンも川に避難していたようで、ネビル同様にずぶ濡れの状態で岸に上がってきていた。
彼女は咄嗟に銃のスリングを首からかけたため、銃自体を川に落としはしなかったみたいだ。
「大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫。ごめん。私のせいでこんな事に……」
「気にするな……とは言えないな。だけど、今は体勢を立て直す方が先だ」
ネビルは腰のホルスターから拳銃を取り出す。
水に浸かってはいたが、ベレッタはそんなことで作動不良を起こすほどヤワな銃ではない。
「あそこだ!居たぞ!まだ生きている」
対岸から人攫いの一人がネビル達を指差して叫んでいる。
すかさずグレイバックは攻撃を仕掛けてきた。
だが、ネビルは至って冷静だった。
「これだけ時間を稼げば充分だったな」
見ればライン川沿いの道路を1台の車が爆走してきていた。
シルバーの車体をしたその車はマグル界でセフィーロと呼ばれているものだが、運転しているのは紛れもなくエスペランサだ。
車の窓からスクリムジョールが身体を乗り出し、杖を構えている。
ライオンのような髪を風に靡かせながら、彼は人攫い達に向けて魔法攻撃を仕掛け始めた。
グレイバック達も爆走する自動車から次期魔法大臣が攻撃してくるとは思いもよらなかったのだろう。
対応が遅れてしまう。
スクリムジョールの放った呪文が人攫いに直撃し、人攫いは弧を描きながらテムズ川に落下した。
「敵は残り3人だ!3方向から追い詰めろ!」
車から降りたエスペランサがM733を乱射しつつ、ネビルやコーマック達に指示を飛ばす。
コーマックとチョウは空中で弾倉を交換し、再び銃撃を再開した。
ネビルとスーザンは川岸から道路に戻り、グレイバック達と距離を詰める。
5挺の銃によるクロスファイアに加えて、スクリムジョールの容赦ない魔法攻撃を防げる魔法使いはそうそういない。
生き残っていた人攫いの一人が倒れ、一人がスクリムジョールの魔法によって捕縛された。
「クソ!ここは退却するしかねえか……」
退き際を見誤るほどグレイバックは愚かではない。
勝算が無いことを思い知った彼は姿眩ましをして逃亡する。
そして、グレイバックが姿眩ましをした直後、ネビルとスーザンが捕縛された人攫いの元へ駆けつけた。
アスファルトは抉られ、周囲からはガソリンの燃える臭いがする。
スクリムジョールの魔法によって捕縛された人攫いは近づいてきたネビルとスーザンの姿を見るなり、恐怖で震え出した。
「グレイバックは逃走したか……。しかし、こいつは……」
魔法の縄で捕縛され、地面に震えながら横たわる人攫いを見てネビルは軽くショックを受ける。
彼はどう見ても成人前の魔法使いだ。
歳は15くらいだろうか。
だが、ネビルはその人攫いの顔に狼人間の特徴が見え隠れしている事にも気付く。
「お前、狼男だろ?」
「ひっ……。そ、そうだ。お、俺は非登録の人狼だ」
「やはりな。その歳でホグワーツに入校していないとなると、魔法省に住民登録をしていないんだろう。その理由は狼人間だから。職にもまともに付けず、グレイバックの傘下に入った訳だ」
「あ、ああ。た、頼む。殺さないでくれ。助けてくれ」
必死に涙を流しながら命乞いをする歳下の人攫いにネビルは少し同情した。
英国内での狼人間の立場は悪い。
まともな職にも就けず、グレイバックの徒党に加わる者がほとんどなのだ。
「今までたくさん殺して、今回も殺そうとしていたのに……。自分は命乞いをするの?」
スーザンが銃口を人攫いに向けつつ言う。
生い立ちに同情はすれど、彼等は敵に違いない。
「わ、悪かった。俺が悪かった。殺すのだけは……。俺たち人狼はこうでもしないと生きていけなかったんだ」
「じゃあ生きなければ良いでしょ?」
彼女は引き金を引こうとする。
だが………。
「スーザン?どうした?」
「………駄目だ。やっぱり撃てない。こんな姿見せられたら撃てないよ……」
スーザンは銃を下ろしてしまう。
彼女の手は震えていた。
そうこうしているうちにエスペランサ達も駆けつけてくる。
「どうした?グレイバックは逃げたか?」
エスペランサは辺りを見渡す。
「ああ。グレイバックは逃げた。一人、捕縛したのは良いんだけど、こいつはどうする?やはり、とどめを刺すか?」
「………いや。殺すのはやめた」
エスペランサの言葉にネビルもスーザンも驚いた。
彼はこういう場合でも問答無用で引き金を引く男だ。
「一応、理由を聞いてみても良いか?何も、この人攫いに同情した訳じゃないんだろ?」
「無論だ。だが、こいつはグレイバックと繋がっている人攫いだからな。利用価値はある。記念すべき捕虜第一号に決定だ」
「捕虜にするの?」
エスペランサは銃口を人攫いに突きつけた。
人攫いは縮み上がっていたが、それでも、自分が殺されなくなった事を理解して若干、安堵したようだ。
「これがマグルの世界ならハーグ陸戦協定に従って認識番号などの情報以外は黙秘出来るんだけどな。残念ながら、魔法界にそんなルールは無い。さて、今ここで俺に殺されるか、それとも人攫いのアジトの場所を残らず吐いて生き延びるか。どちらか選ばせてやる」
「そ、そんな!そんな事をしたらグレイバックに俺が殺される!」
「じゃあ今ここで死ぬか?」
「わ、わかった。全て吐く。それで良いんだろ!?」
「良し。少なくともお前が俺達に協力する限り、命の保障はしてやろう」
エスペランサは銃口を下ろした。
「で、こいつはアズカバンに送るのか?」
「いや、アズカバンはすでに吸魂鬼に見捨てられている。つまるところ、監獄としての機能はゼロだ。だから別の場所に移送する」
センチュリオンにとってグレイバック傘下の狼人間や人攫いの情報は喉から手が出るほど欲しいものだ。
折角、人攫いを捕虜に出来たのだから最大限利用するのが好ましい。
ふと、エスペランサの目に浮かない顔をしたスーザンが映った。
彼ははじめて戦場に出た時の事を思い出す。
生き残る事に必死で数多もの命を奪った。
最初に射殺した敵の顔は今でも鮮明に覚えている。
それでもPTSDにならずに再び戦場で戦う事が出来たのは当時のエスペランサにとって軍隊という世界が己の全てだったからだ。
だがセンチュリオンの隊員達は違う。
彼等は戦闘に慣れていないし温室での生活を知っている。
今後、このような戦闘が続いていけば必ず精神を壊す隊員が出てくるだろう。
ロンドンの街は血と炎の臭いがした。
人攫いの血も燃え盛る炎もやがてやってきた魔法省の職員によって跡形も無く消されてしまう。
しかし、センチュリオンの隊員達の鼻腔にはいつまでもその臭いがこびりついて離れなかった。
コーネリウス・ファッジは元魔法大臣だ。
元というのはつまるところ、スクリムジョールが魔法大臣になったことを示している。
センチュリオンがロンドンで死闘を繰り広げてから1週間が経とうとしていた。
ファッジは魔法大臣が交代したことをマグル界の首相に伝えるため英国首相官邸の執務室に向かおうとしていた。
向かうと言っても交通機関を使ったりするのではない。
ダウニング街10番地にあるマグル首相の執務室には煙突飛行ネットワークが繋いである。
ファッジは英国マグル界首相に会う時、このネットワークを使用していた。
マグルの英国首相と魔法大臣は無論、交流がある。
1707年に英国魔法省が設立されてから300年近くの間、マグルの首相と魔法大臣は繋がり続けてきた。
例えば、エヴァンジェリン・オーピントンはヴィクトリア女王のマブダチであり、クリミア戦争に介入した。
お茶汲みから出世したレナード・スペンサームーンは第二次世界大戦期にチャーチルと良好な関係を築き、国難を乗り越えている。
ファッジと現英国首相の関係性は可もなく不可もなくといったところだろう。
しかし、ファッジは心の中でマグルの首相を下に見ている節があった。
彼が純血主義者というのもある。
何より、魔法の事を何も知らないマグルの首相は無知であると見下していたのだ。
それはさておき、今回ファッジが英国首相に面会する理由は魔法大臣交代を伝えるためだけでは無い。
ヴォルデモートが復活したことを伝えるためでもあった。
本来なら次期大臣のスクリムジョールも連れて来たいところだったのだが、彼はセンチュリオンという組織との会合に行っているのだ。
煙突飛行ネットワークを使い、英国首相の執務室に転移したファッジはいつものようにフレンドリーに挨拶する。
「おお、首相閣下。お会いできて嬉しいですな。前回会ったのは……ワールドカップの時でしたな」
ローブについた灰を落としながらファッジは英国首相を見る。
だが、そこに居たのは英国首相だけでは無かった。
もう一人、男が立っていた。
「ええと、首相?そちらは誰です?」
「ああ。この男は、そうだな。君達で言うところの闇祓いだ」
「闇祓い……?」
ファッジは混乱した。
マグルの首相は魔法界の事を何も知らない筈。
何故、闇祓いなんて知っているのか。
それに、今日の首相は以前会った時よりも遥かに落ち着いている。
赤い絨毯が敷かれ、小綺麗に整理整頓された執務室の中央にあるソファに英国首相はゆったりと座っていた。
以前は狼狽えて不安そうにしていたのだが、今日は違う。
彼はソファに座りながらファッジの事を完全に下に見ていた。
その余裕の源は恐らく、首相の横に立つ男のせいだろう。
「あー。どうです?首相はこの頃は忙しいので?」
「ええ。そうですね。相変わらず本土中の天候は悪いままですし、胡散臭い殺人事件もいくつか起こってます。それに先日は建設を開始したばかりのミレニアムブリッジが崩落しました」
「首相。それらは全て魔法使いが関わっている事案です。ボーンズとバンズの殺人事件は明らかに死喰い人によるものですし……」
「悪天候はアズカバンを捨てた吸魂鬼の所為で、ミレニアムブリッジは人攫いとの戦闘によって崩落したんですよね」
首相がファッジが言い終える前に言葉を続けた。
「な、なぜマグルのあなたがそれを知っているんです?」
首相はニヤリと笑う。
「あまりマグルを侮らないで頂きたい。ヴォルデモート卿が復活したのも、死喰い人が好き勝手始めたのも私は既に知っている」
ヴォルデモートという単語を聞いてファッジは軽い悲鳴をあげた。
その姿が滑稽だったようで英国首相は思わず笑ってしまった。
「たかだかテロリストの名前を恐れるとは、それでも一国の元首ですか?」
首相の横に立つ謎の男が言う。
「君が誰なのか知らないが、例のあの人は君達が思っている以上に強大で凶悪なのだ」
「そうは思えませんけどね。奴はただの狂ったテロリストだ」
男が鼻で笑う。
ファッジはこの謎の男の雰囲気が、何故だかエスペランサ・ルックウッドに似ているように思えた。
見たところスーツ姿の職員にしか見えないが、立ち振る舞いに隙がない。
まるで、歴戦の戦士のようだ。
「私の名前は、そうですね。スミスとでも呼んで下さい」
「なるほど。本名は明かせないわけですな」
「名前すら軍機でしてね」
英国首相はソファから立ち上がり、執務机に置かれていたマグル界の新聞を手に取る。
その新聞には英国内で最近起きた残忍な殺人事件が一面で報じられていた。
「今月に入ってから魔法使いに殺された同胞は10人。あなた方がマグルと呼ぶ人々が既に10人殺されている。ヴォルデモートとやらの手下が派手に暴れて、罪の無い市民が命を落としている」
「嘆かわしい事です。我々魔法省も手を尽くして死喰い人達を追っているのですが……」
「手を尽くして……ねえ。私はこの1年間、魔法省やあなたが何をして来たのかをスミスから知らされました。どうやら、あなたは保身のために脅威から目を背け、危機を知らせる賢者達を追放し、無実の者を死に追いやり、そして国を危機に陥れたそうじゃないですか」
英国首相の目に怒りの感情が見え隠れする。
ファッジは何も言えない。
首相の言葉に嘘は無かったからだ。
「……………」
「あなたは国というものを知らないのだ。魔法大臣の職務は魔法界をマグル界から守るというものであり、あなたは英国魔法界という国を守る使命があった筈だ。だが、あなた方魔法使いは国防についてあまりにも無頓着なのだ。故にヴォルデモートとやらに屈服する」
「あなた方マグルに魔法界の事は分からないでしょう!マグル界を治める事と、魔法界を治める事は違うのです!」
「同じだ。国家元首の役目は国民の生命と財産を守る事だ。この地位になるまでに汚い事もした私だが、この信念だけは変わらない」
英国首相はこの一年間で魔法界の現状を全て知った。
魔法省がハリー・ポッターとダンブルドアにした仕打ちも、ヴォルデモート復活を握り潰すプロパガンダも、腐敗した政治も……。
それまで首相は魔法界を恐れていたが、それらを知って考えを改めた。
英国魔法界は危険だ。
このままではマグル界が脅かされる。
そう思ったのだ。
「良いかここは私の国だ。英国は私の国なのだ。そして、その国に住む市民を守るのが私の仕事だ。あなた方魔法族は随分と好き勝手にしてくれたみたいだが、私の愛すべき国民を殺害したということは、つまり、我々への宣戦布告ということになる」
「ち、ちょっと待って下さい首相!魔法省はマグル界と敵対はしない。我々は何としてでも例のあの人と死喰い人を何とかします。決してあなた方マグルが心配する必要はありません。我々魔法省はあなた方の味方なんです」
ファッジは慌てた。
首相は明らかに魔法界を敵視し始めている。
「まだ分かっていないようですね。この国に紛れ込んでいる異物は死喰い人だけではない。魔法族自体が異物なんですよ。そして、我々はその異物を許しはしない」
英国首相ジェイコブはそう言い切った。
今までは割と原作準拠でやっていましたが、この辺りから原作との相違点が生じてきます。