艦隊これくしょん -The world of the afterlife-   作:Garuda

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自らの意思と総氏神によって、
艦娘が存在する世界に転生した五木亮司は、
艦長である艦娘と兵員妖精に、自身が作った食事を提供する事によって信用を勝ち取ることに成功する。

一部の水兵とも良好な関係を築く事が出来た五木だったが、それと同時に、これから先の出来事に一抹の不安を覚えるのであった。





※本編には一部、
残酷な表現やグロテスクな描写が含まれます。
苦手な方は閲覧をご遠慮ください。


Act. 4  総員、戦闘配置 -All hands, man your battle stations-

──“…………!……ッ!!!!”──

 

 

──“!?……………!!!!!”──

 

 

──“……!!……!!………ッ!!!!”──

 

 

 

 俺は夢を見ていた。

(まぶた)を閉じてから暫くした頃、視界は白黒で彩られた世界を映し出し、同時に数多くの兵士が様々な様相でその場に広がっていた。

既に息絶えている者や辺りを駆け回る者、怒号を放っているのか大口を開けてる者など様々だ。

周りの音は全く聞こえはしないが、その状況から切迫した雰囲気が否応なしに脳裏まで直に伝わって来る。曳光弾(えいこうだん)が混じっているのか、機銃や砲弾の雨が目に見えて飛び交うものの、それらは何一つ俺自身には当たらずに擦り抜けていく。嫌でもこの状況を見てとれば、誰しも真っ先に感じることだろう。

 

 

 

 

ここは“戦場”だと。

 

 

 

 

 実際、俺もそう思った。

 

飛来した砲弾による直撃を受けて跡形もなく吹き飛ぶ者、直撃を受けずともその余波によって四肢や頭を吹き飛ばされた者、はたまた銃撃によって身体にいくつもの穴を空けて絶命した者。とても夢とは思えないほど現実味(リアリティ)が高かった。

 

…しかし、火薬の臭い・砲爆音・銃声・人の声。それらは一切聞こえない。まるで、昔に撮られた無音の白黒映画を観ている感覚と似ているが、これには、その後に在るべきナレーションも後付けの音声すら無い。普通の人間にとっては、無音だとしても、その光景を見ればたちまち恐怖心に駆られると同時に、本当に夢なのか? と一瞬でも思ってしまうだろう。…だが俺は違った。

 

 

 

(これは、帝国陸軍と……何処が戦っているんだ?)

 

 

 

 夢だと確信していた俺は、次に“誰が誰と戦っているか”という推察に至っていた。恐怖が無いわけではないが、単純にこの“夢”の事を気にとめていた。

周囲にいる彼らは、その容姿から大日本帝国陸軍ということだけ、辛うじて判別することは出来たが、戦ってる相手は遠いのか姿は確認できない。

 

視点は固定されていないようなので、

俺は顔を動かしながら情景全てを隅々まで見渡してみる。

 

 

 白黒ではあるが、立っている位置から右側の中間に海岸線、遠くの方には海が見え、さらにその先には煌々と照らされる太陽が見える。日の出のように見えることから、右は“東”と仮定した。だから必然的に身体が向いている方向は、大まかではあるが“北の方角”だと判断する。

 

 

しかし、それだけだ。

 

 

東寄り、あるいは西寄りなのかまでは、流石にこの判断材料から決定付けることには無理がある。

場所もまた然り。

現在地は山々が周囲に見えはするものの、

島か何処かの沿岸に居るのかさえ見当もつかない。

見えるのは陸地と海。そして、眼前で今も戦っている兵士達。

 

 

 

 

 ふと何気なく、足元を見やる。

そこには、誰かが持っていたであろう三八式歩兵銃(さんはちしきほへいじゅう)が落ちていた。

 

 

(………まさかな……。)

 

 

頭では“あり得るわけがない”と思いつつも、

今の状況によく似たとあるFPSゲーム(Battlefield1)の冒頭部分を予感していた。

 

 

 

恐る恐る、三八(さんぱち)に手を伸ばし……掴んだ。

 

 

 

 

いや、掴めた(・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 すると突然、 

それまで感じることの無かった事が次々と起こった。

 

激しい目眩に駆られたと思えば、途端に吐き気を催してくる。それまで感じられなかった五感の全てが、一気に俺の身体へ襲いかかって来たからだ。周囲の音や空気、状況が手に取るように判る一方、それまで経験する事の無かった戦場特有の……言葉だけでは言い表せない死臭にやられ、俺はその場に吐瀉物(としゃぶつ)を盛大に撒き散らした。

 

 

「おい!!しっかりしろ!!!!」

 

 

大声で怒鳴られると同時に、身体を左側へ勢いよく引っ張られる。直後に銃弾が右側を何発も通り過ぎたと思えば、今度は走れと急かされる。

俺は気力を振り絞って、俺を助けたそいつと一緒に前方15(15m)の位置にある塹壕まで駆ける。その間も銃撃が止むことは無く、ひたすらにこちらを撃ち殺そうと見えない相手は攻撃を続けてくる。

 

命かながら、俺とそいつは塹壕まで辿り着く事が出来た。…俺にとっては夢であり、転生したと言っても死人には変わりないのだが、ここまで来ると俺も“本当に夢なのか”?と疑い始める。だがそんなことより、俺を助けた奴に礼を言うのが先だと考え、呼吸を整えながら顔は下向きのまま、助けてくれたそいつに声を掛ける。

 

 

「…すまない、助かっt「この大馬鹿野郎がァ!!」っ!」

 

 

礼を言おうとしたが、突如として胸ぐらを掴まれ、そのまま思いっきり顔を殴られた。滅茶苦茶いてぇ…。

 

 

「テメェ!あんな所で吐いている場合か!!敵の良い的だぞ?!死にてぇのか!!!!」

 

 

……死にてぇのか…というか、既に逝ってますけどね。

まぁ、吐いてた事に変わりは無い上、普通ならあんな所に居れば死んだも同然だったから否定はしないが。…ん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……あれ?俺ってこんな声(・・・・)

だったか?

 

ってか、何で俺の声が上から聞こえるんだ(・・・・・・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

俺は驚き、咄嗟に顔を上げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには憤怒する自分が居た。服装は陸上自衛隊の物であり、紛れもなく自衛官としての自分だった。

 

殴られた時こそ顔を認識する事が出来なかったものの、

今ならハッキリと見られる。

 

俺は何が何だか分からず、唯々呆然と不届き者を叱る自分を見つめる事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

────────────────────…………………

 

 

 

「………何なんだいまの…………。」

 

 先程の出来事で、俺は反射的に飛び起きた。

背中には嫌な汗を掻いておりとても不愉快極まりない。

それと同時に既視感を覚えた。

まるで既に体験したことが有るような感覚だ。…いや、だった(・・・)

 

 

…あり得ない!あり得るわけが無い!!

 

そもそもこんな戦いを生前に経験した事などすら無い。

…なのに………何故、

 

 

 

………五木二尉、どうかしましたか?

 

 

小声で声をかけられる。航海士 妖精(中尉)の声だ。どうやら起こしてしまったらしい。

 

 俺はいま、二段ベッドの一番上に寝ているので、必然的に振動が下の者に伝わってしまう。顔を乗り出して下を覗くと、

薄暗い部屋の明るさでも、ハッキリと判るくらい目元を擦りながら、寝ぼけ眼でこちらを気に掛ける中尉の顔が見えた。

 

 

…あぁ、中尉。起こしちまったか、悪い。…少し嫌な夢を見ちまってな。

 

 

俺はそんな中尉の顔を見ながら、起こしてしまった事を小声で謝罪し、起こしてしまう原因を軽く説明した。その際、彼とは反対側に寝ている航海長を横目に見たが、爆睡な上に大きないびきを掻いている。それに付随して寝相が悪いおかげでとんでもない有り様になっていた。…滅茶苦茶だらしない。

 

 

それは驚きますね…。でも大丈夫ですよ、自分は見張りから戻って、つい1時間前に寝床に入ったばかりですし。それに、あと1時間もしたら夜明け(0500)です。0600(マルロクマルマル)になったら起床ですから、あと約2時間、ゆっくり休んで下さい。

 

 

彼はそう言って俺に向かってサムズアップしてきた。腕時計のライトを点け、時刻を見やると0353(マルサンゴーサン)と表示されていた。飛び起きた事も相まって、腕を垂れ下げると共に、うつ伏せに項垂れる。

 

 

…もう直ぐで夜明けなのか……、分かった。寝れるか分からないけど、休むことにするよ。

 

 

そう言って中尉にサムズアップを返す。それに応えるかのように、中尉は笑顔を見せると再び目を閉じる。

 

俺は身体を枕元に戻そうとしたが、その際、背中に違和感を覚える。枕元を見やると、左右のイヤフォンが乱雑に置かれていた…いや、取れたが正しいな。寝る前にスマホで曲を聴きながら寝てしまった為、寝ている途中で取れてしまったのだろう。

 

 

時間的に余裕はあるが、曲を聴く気分にもならなかったので、俺はイヤフォンを退かしてスマホから端子を取り外す。きれいに束ね、戦闘服の左胸ポケットにイヤフォン・スマホの順で仕舞うと、態勢を仰向けに変えて目を閉じた。

 

気遣ってくれた中尉の為にも、疲れてしまった自分()の為にも、兎に角いまは身体を休めなければと思いながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…だがそれも、突如として本艦(夕張)から鳴り響いた警告信号(短音5回の汽笛)によって崩れ去った。

 

 

直後に対空戦闘用意(航空機防御)ラッパが流れ

 

 

対空~戦闘用~意!!!!!」と、

当直士官から号令が掛かった。

 

 

俺や中尉、爆睡していた航海長も直ぐさま飛び起きて身支度を整える。先程会話していた俺と中尉は、反射的に動いた為に少しだけ身体を痛めたが、悠長な事はしていられない。身支度が整った者から、次々と自分の担当部署へと駆けていく。

 

 

俺は愛用のイーグル(89式小銃)を手に取り、甲板へと急ぐ。実は前日に、万が一戦闘になった場合は、機銃要員として着いてくれと夕張に頼まれていた。ルートは予め教えられており、迷う事無く進むことが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

「急げ急げ急げ-!!!!」

 

 

「こっちにも弾ぁ持って来ぉい!!!!」

 

 

 甲板上では怒号が飛び交っていた。

ところどころで揚弾作業が進められている。辺りは明かりが差し込めて来ており、地平線には、今にも目を瞑りそうな輝きを放つであろう太陽が昇る寸前だった。

朝方と言えど暑さは日中に近い暑さだ。

…風が無いせいもあって、汗を掻いた戦闘服のままだと不愉快極まりないが、そこは仕方ないと俺は割り切り、作業の邪魔にならないよう、彼等を避けながら艦尾へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 現地に着くとそこには、

自衛隊では見慣れた重機関銃(・・・・・・・・・・・・・)が備わっていた。

 

 

ブローニングM2重機関銃

 

 

またの名を“Caliber .50(キャリバーフィフティ)”や“.50 Cal(フィフティーキャル)”と呼ばれており、俺は実際に聞いたことは無いが、米軍では“Ma Deuce(マデュース)” 、“Big Mama(ビッグママ)”と呼ばれてるらしい。

自衛隊では、“口径”の英語をそのまま使用したキャリバー、HMG(エイチエムジー)MG(エムジー)と呼んでおり、入隊したての自衛官候補生や一般曹候補生(自候生や2士の新隊員)には一環して【12.7mm重機関銃(M2)】と教育している。

 

 

…少し、と言うかかなり(・・・)話がズレるが、

俺は“MG”という呼称は嫌いだ。

Machine Gun(機関銃)”と混同する上に、別の機関銃の名称と同じ頭文字になるからだ。

 

俺は正直、隊内で“MG”とだけ言われたら、

隊内用語で連装機銃(同軸機銃)と呼ばれている74式車載7.62mm機関銃を除いて、

汎用機関銃の62式7.62mm機関銃(無い方がマシンガン)

或いは、一昔前まで軽機関銃と呼ばれていた分隊支援火器であるMINIMI(M249)と、コイツ(ブローニングM2)が頭に浮かぶ。唯一許せるのはHMG(重機関銃)だ。自衛隊にある重機関銃は、これだけ(ブローニングM2)だけだしな。

 

 

ここで更に深く掘り下げる事にしよう。

何故“軽機関銃”と呼ばれていた(・・・・・・)のか。

 

 

 今日(こんにち)までの、歩兵が有する機関銃の部類は、

“軽機関銃”、“中量(級)機関銃”、“重機関銃”の3種類に分かれていた。

それが現代では、7.62mm級小銃弾を使用し、

かつ持ち運びが容易い空冷式の機関銃を“汎用機関銃(General purpose machine gun, GPMG)”と、差す事が多くなった。

対して、5.56mm級小銃弾を使用する、軽量・短射程の機関銃は主に分隊支援火器(Squad Automatic Weapon, SAW)と、分類されるようになった。

 

これは、機関銃そのものの運用構想が大いに関係している。

 

 

 

 

 

 話を戻そう。こいつは夕張曰く、対舟艇(たいしゅうてい)用に実験的に搭載されていた為、元々の輸送任務が終わったら取り外される予定だったらしい。流石は兵装実験軽巡と言われるだけはある。

…しかしながら、弾薬その物は大量に搭載しており、この場には1200発(API 800発、TB 400発)徹甲焼夷弾(Armor Piercing Incendiary)曳光弾(Tracer Bullet)があった。特にAPI(徹甲焼夷弾)に関しては、その焼夷効果によって航空目標にはとても有効だ。彼らが一般的に使用している25mm機銃と比べれば豆鉄砲だが、役立たずとは謂わせない。この時代の物は、生前居た部隊で使っていたQCBタイプ(簡易銃身交換型)ではないものの、扱い方は教育を受けているため大丈夫だ。

 

 

 

 俺は即座に銃座へ付くと、遊底覆いを開放し、遊底に付いている給弾機構が左側になっているかを確かめる。これを確認しなければ、弾が正確に装填されない。次に、槓桿(こうかん)を引ききって薬室内を点検する。弾や汚れは見当たらなかったため、槓桿を戻してから撃発し、遊底から飛び出た撃針を上から確認。最後に全ての点検を終え、弾込め準備完了だ。

 

 

 俺の直ぐ近くには、弾薬手として付いてくれている女の子の妖精が居た。“宜しく”と軽く挨拶し、相手もそれに頷く。元々は衛生兵長(看護科) 妖精のようだが、今回は俺の補佐として付いてくれているらしい。見た目が中学生くらいで緑髪のショートヘアーの彼女は、“150発です!”と言ってリンクで繋がれた50口径(12.7x99mm)弾を適切な位置に引っ掛ける。

 

 

150発!!

 

 

俺は大きく返事を返すと、遊底覆いを閉じ、槓桿を1回だけ引いて半装填(はんそうてん)の状態にする。

 

 

半装填よぉぉし!!!!

 

 

周りに聞こえるよう、更に大きな声で発声した。

まだこの状態では撃てない。

 

 

 実はこの重機関銃(ブローニング M2)には“安全装置”が無い。その為、撃てないようにするには、槓桿を一度引き、薬室内が空な事を確認して遊底と薬室の間に木製等で出来た“T型ブロック”を(はさ)めるか、今の状態(半装填)又は弾薬そのものを装填しないのが基本だ。他にも様々なアタッチメントを着けた際には、それぞれ別な方法で安全装置を掛ける事は出来るが、銃本体(・・・)はこれしか方法が無い。…射手自身が安全装置とはよく言ったものだ。

 

 

 

この間にも不明機(・・・)は刻々とこちらへ近づいてくる。後方に停泊している五月雨を見ると、向こうも対空戦闘の用意は整ったようだ。

 

 

 

 

 

 約40分が過ぎた頃、

この対空戦闘を指揮する者が大きな声で報告してきた。

 

 

「航空目標、艦首より左20度(ひだりふたじゅうど)から接近中!距離、12000(ひとじゅうふたせん)!!」

 

 

距離は約7.5mile、目視できる距離まであと僅かだ。

俺と彼女は艦尾に居るため、

直ぐさま報告のあった方向へ銃口を向ける。

その際にも注意喚起は忘れない。…だが、

 

 

「…クッソ、日が出て来やがった!」

 

向いた方向から見て右10度くらいの位置、

忌々しいほど眩い光を放つ太陽が姿を現していた。

 

 

 

【逆光】だ。

 

 

 

サングラスでもあれば良いが、

生憎、そんな物は無い。俺は目を細めつつ、水平線から来るであろう機体を見つけようとする。

 

 

その時だった。

 

 

 

「機影確認!!高度、低し!!!!」

 

誰かが機影を確認した。俺も声がした方を向き、そいつの目先を凝視した。逆光によって捉えずらかったが、機影を辛うじて認識出来た。

 

 

 

PBY カタリナ

 

 

当時の連合国各国で対潜哨戒、沿岸警備、海難救助などに用いられていた飛行艇だ。

巡航速度こそ遅いが、エンジン換装を行ったPBY-4の場合、4,110mile(6614km)もの長い距離を飛行できる厄介な相手だ。

 

 

「目標の国籍知らせ!!」

 

 

「航空目標は……PBY-4 、機体塗装、黒。深海棲艦の哨戒機です!機数1!!当基地に向け、低速で接近中!!!!」

 

 

国籍はハッキリした。この世界でのおおよそ共通の敵であろう奴らだ。…しかしながら、哨戒機とはいえ奴もこいつ(ブローニング M2)30.cal(M1919)を装備している。油断は出来ない。俺は自然と、銃尾板部(じゅうびばんぶ)握把(あくは)に力が入ってしまう。これから行うのが実戦だからだ。恐怖はある。

 

 

…そして今更だが、

こいつ(50.cal)で本当にやれるのか不安が出て来た。

架台(がだい)は対空用銃架ではなく、船舶用の360°回頭可能な銃架(じゅうが)照準具(サイト)も元々備えられている物で、対空用照準具では無い。…ほぼ全ての事が、最終的には俺の実力と運次第とは如何な物か……。1度目を閉じ、深呼吸して気持ちを落ち着かせると、俺は次の行動に移る。

 

 

重機関銃~、全装填弾込め!!

 

 

大きく発声した後、再び槓桿を引き、手放す。

“ガシャ、コン”という重厚な音の後に、“カランカラン”とリンクが落ちた。

 

 

全装填よぉぉぉし!

 

 

射撃準備完了、これでいつでも撃てる。他の銃座は既に装填済みの状態であるため、必然的に俺が最後だ。…しかし、射撃準備が出来たもののまだ距離があり過ぎる。いま射撃すれば、散発的な制圧効果しかない。

 

 

…各銃座、打ち方よぉぉぉい!!!!

 

 

だが違った。俺の装填でも待っていたのか、あの馬鹿(対空戦闘指揮官)、この距離から撃って当たるとでも思ってるのか?

 

 

各銃座、打ち方、待てぇ!!

 

 

俺は咄嗟に、母音を含めてそいつよりも遥かに大きい声量で射撃態勢のまま待機するように発令した。

まさか、自身の号令が昨日今日の人間に止められるとは思っても見なかったのか、一瞬唖然とした顔を見せたが、直ぐにキッと顔をしかめる。俺は相手が反論するよりも早く、間髪を入れず怒鳴りつけた。

 

 

馬鹿がァ!!この距離で散発的な射撃をする奴があるか!!!もっと引きつけてからにしやがれ!!!!敵に回避させる(いとま)を与える気か!?…俺が指揮を執る、お前は銃座の補佐にでも着いてろォ!!!!!

 

 

こうなると、最早どちらが本当の指揮官か分からない。

俺に怒鳴り散らされた指揮官は、俺の高圧的な態度に反発するどころか、怖じ気づいて固まってしまっていた。しばらくしてから近くの銃座に向かって行ったようだが…まぁ、見た目は大学生くらいの女性(妖精)指揮官だったから仕方ない。後で謝っておくとするが、何で後部甲板で指揮を執っていたんだ?阿呆なのか?…まぁ、これから俺がやるだけで根本的には彼女と大差無いが。

 

 

……各25mm機銃座、これより五木2尉が統制射撃の指揮を執る!目標、敵性偵察機!…艦首、1番から左舷3番銃座、距離1200(せんにひゃく)追随射(ついずいしゃ)!4番から中部10番銃座、右舷6・8番を除き艦首射撃5秒後に固定射、上下制限無し!11番以降、16番銃座の指示の元、船体より左20(にじゅう)度から自由射撃!!準備完了したならば後部16番銃座まで報告!!!!

 

 

 各銃座の妖精達は、先ほどの一悶着があったものの、俺の飛ばした指示を素早く口頭伝達ないし、伝声管を使って自らも指示通りの行動をとる。2分と経たずに、艦首から伝声管を通して準備完了の報告が舞い込んできた。俺はそれに答えると、他の銃座も準備が整った。敵偵察機も有効距離まであと僅かだ。

 

 

 

「は、早く撃たないとやられます!」

 

 

隣では弾薬手の衛生兵長が恐怖に駆られていた。

元々戦闘要員でもないので無理も無い。

 

 

「まだだ、まだ引きつけるんだ。大丈夫、誰もやらせはしない。…各銃座、間もなく射撃を開始する!

 

 

衛生兵長を励ましつつ、全員が指示通りの行動をとれるよう焦る気持ちを抑えさせる。

 

 

 

 

 

 

 

…そして、敵機が有効射程に入った

 

 

 

 

 

 

1番から3番、射撃用~意…………()てぇぇぇえぇ!!!!!

 

 

 

 

 

その号令と共に、25mm機銃が雄叫びをあげた。

 

 

 

 

 

 




「…艦長、彼は本当に…何者なんでしょう?」


「その気持ち、五月雨にも分かります…私もそうでしたから……」


「We are Japanese Imperial Navy, toss your weapon!!!!」




次回、
艦隊これくしょん -The world of the afterlife-

Act. 5  対空戦闘ト非常事態 -Emergency “Tango”-


 あなたはこの世界で、何を思うのでしょうか?



──────────────────────

五月雨「提督の皆さん。お疲れ様です!白露型駆逐艦 6番艦の五月雨です!…ほら、提督も早くこちらに!」


Garuda「はいはい。…改めまして、作者のガルーダです。まず始めに……投稿期限が遅れてしまい大変申し訳御座いません(土下座)

元々は読者の立場であったために、他の作者さんの小説を見たり誤字報告したり、仕事が終わっても手付かずの状態だったりした結果こうなりました(血涙)。


…謝罪はこのくらいで、
本作品である【艦隊これくしょん -The world of the afterlife-(ザ ワールド オブ ジ アフターライフ:来世の世界)】、楽しんで頂けてますでしょうか?

あまり文才が良いとは言えないので、至らない点があるとは思いますが、感想なり評価なり付けて頂ければありがたいです。


次話から本当の意味で不定期投稿になります。
物語は未だ不透明な所がありますが、
今後明かされていきますので今暫くお待ち下さい。


…ちなみに、次話ではうちの初期艦でもある五月雨が活躍するそうです。ドジっ娘だけど大丈夫かな……?ボソッ」


五月雨「んもぅ、提督!!…だ、大丈夫です、みなさん!わたし、がんばっちゃいますから!」


Garuda「では、次回の『対空戦闘ト非常事態 -Emergency “Tango”-』をお楽しみに!ノシ」
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