艦隊これくしょん -The world of the afterlife- 作:Garuda
「1番から3番、射撃用~意……………
伝声管に向かって大声を張った。俺の射撃指揮の元、艦首側に位置する25mm機銃3挺が、敵偵察機に向けて射撃を開始する。
俺が敵機を
一つ目は、
ここは2隻が流れ着いた仮設基地であるため、恐らくだが近隣に位置する陸軍の守備隊を偵察する目的があるのだろう。その点を考慮すると、相手がここに日本海軍の戦闘艦がいると思っていないと判断した。
それと一概には言えないが、現時点で海上を低高度で飛ぶということは、相手が油断若しくは戦闘機等に発見されない為か、何らかの理由で
二つ目は、
現在の日出の影響等もあるが、それとは別に
一般人からすれば、“25mm”という弾丸の大きさから、【威力が高い】ということは容易に想像がつくだろう。…しかしながら、こいつには【様々な欠点】が見え隠れしている。威力こそある程度は申し分ないが、如何せん【銃座の旋回性能・一弾倉あたりの総弾数・連射速度・射程距離・射撃要領】と、上げればきりが無い。正直言って、対舟艇用の方が良いと思うこともある。…無論、それは航空目標に対する評価であって、俺個人の見解としては、全体的に優れているほうだろう。撃たれる側からすれば、射撃による制圧効果は否めない上に、1発でも当たればひとたまりも無い。
…だが制圧効果はあれど、如何せん弾幕形成能力には欠ける。
そこで俺は、
敵偵察機であるPBY-4は機速が遅く、機体形状は比較的大きい部類だ。その為、元の世界では巡航速度が初期の
そして三つ目は、結論から言おう。
同時に
だがこればかりは、俺自身どうする事も出来ない。
避けようと思えば避けられるだろうが、その代償は陸軍と海軍…あるいはここの島民を含めた
正確に述べると、俺は
しかし、
それでも俺は
【指揮官がしっかり構えていないと、部下は不安に駆られる。ドッシリと偉そうに構えろとは言わないけど、“馬鹿な指揮官、敵より怖い”という言葉がある。これから小隊をまとめる身となる君たちは、先輩幹部からの助言を受けながら、一部隊の指揮官を務める事になる。時に己の判断を信じる事も必要だが、自己完結せず、部下となる
戦闘開始前。
俺は連隊配置後、数日経った時に開かれた
しかし、
初実戦に於いての戦闘指揮を執ると同時に、内心では誰でも起こりえる
私はその時、艦橋から一部始終を見守っていました。
彼が銃座についた時からずっと…。も、もちろん戦闘指揮も執っていましたよ!?
彼は夕張さんの砲術長が発した号令を誰しもが振り向く程の大声で制止すると、彼女に代わって対空戦闘指揮を執りはじめました。私が艦橋に居たこともあり、彼が夕張の後部甲板で発する言葉・号令を一言一句も聞き逃す事無く耳にする事ができ、本来は砲塔も使用するところを、彼の号令に基づいて機銃のみとしました。そもそも、あの時間から予備で動かしていた物以外、直ぐさま未稼働の
敵機来襲と同時に、彼の号令で夕張さんの艦首にある3挺が射撃を開始しました。
敵機はこちらが撃って来ないので油断したのでしょう。
機体は一瞬、左右にブレつつも直ぐに態勢を立て直しますが、ここで再び彼の号令。
「4番から10番、射撃用~意……………
上下の制限が無い広範囲の弾幕形成。
翻そうにも、艦首からの追随射・艦中央の弾幕が放たれており、敵機は回避するのに苦労しています。
急激に高度を落として高角機銃の射角から逃れようとしますが、そこへ残りの銃座が号令と共に自由射撃を開始しました。…偵察機とはいえど、流石に可哀想にも思えてきます。これには敵機も為す術なく命中弾が出てきます。
…しかし、もう既に夕張さんの船体中央まで機体は差し掛かっており、墜ちる気配はありません。
そして、いよいよ私の艦首に差し掛かると思い、射撃命令を配下の妖精へ出した矢先、今まで撃たなかった“彼”が射撃を始めました。射撃間隔は短く、少し撃っては角度を素早く変えて銃撃を加えていました。その異質な射撃に、私は素晴らしく感じると共に怖ろしかったです。弾帯に曳光弾が混じっている事と、比較的気象条件が良かった事もあって、まるで敵機に弾丸が吸い込まれて行くような弾道を見る事が出来ました。それは次々に敵機を貫き、最終弾を撃ち終わる前に左翼の
「各銃座!一斉射撃!!」
「各銃座一斉射!逃がすな!!」
私の指示を副長
その時でした。
こちらが撃った数発の弾丸が、右翼のフロート・
甲板上では皆が歓声を上げており、私も脅威が去った事にひと安心と言った所です。
ふと夕張さんの後部甲板を見ると、彼が隣にいた乗員に何かを話してから装備を抱えて艦首へと走って行きます。…どうしたんでしょう?
射撃開始から約10分程度で戦闘が終わり、皆が安堵の表情を浮かべていた最中、彼は艦橋に上がり込んで来るや開口一番「内火艇を出してくれ!!」と言ってきた。彼が上がってきた時に、当初こそ私は砲術長の件に関して叱責しようと思っていたの。でも私はその一瞬で、彼がこれから何をしようとしているのか。理解するのに全くと言って良いほど時間はかからなかった。
先程の件に関しては後で問いつめることにし、直ぐに内火艇を一艇降ろすよう
「…艦長、彼は本当に…何者なんでしょう?」
準備を進める中、副長が私に問いかけてきた。
「急に……と言うわけではないわよね…。正直、私にも分からないわ。俄には信じがたい事だけど、日本人なのに帝国軍人ではなく“自衛隊”という組織にいたって言う話……そして、私達が惨敗した第二次世界大戦。でも、確証こそ無いけどこれだけは言える。個人の見解としては、彼は少なからず何かを変える力を持っていると思うの。」
…半信半疑だが、私はそう答えた。
彼はまだまだ解らないところばかりだが、少なくとも信用しうる人物に値すると感じていた。副長は苦笑いすると、
「…“女の勘”ですか。まぁ、艦長の勘は大体当たります。艦の方は任せて下さい、お気を付けて。…艦橋要員、気をつけ!艦長に~、敬礼!!」
副長はそう言って、
艦橋にいる他の要員を含めて私に敬礼してくれた。
みんなからの気合いが伝わってくる。
「ありがとう副長、みんな。行ってくるね!」
それに負けんばかりの声を張りつつ、
彼らに答礼すると、
自分は隣に
…。
まさか、あんなことになるとは思いも寄らなかったです。
当該地点に到着し、内心“これは生き残っていないな”と思っていました。どうするのかを男に聞くと「油膜を避けながら操船してくれ」と言い、愛用の銃を下向きに
表情こそ強張った印象を受けましたが、何処か哀愁感を漂わす雰囲気が最終的に見受けられました。
…無理も無いと思います。
敵は善悪の違いはあれど、自分たちと変わらない
後に知った事ですが、男はこれが“初の実戦”だったそうで、下士官の身である自分も少なからず同情はします。五月雨艦長と話す機会があり、その際この事を告げた所
「…その気持ち、五月雨にも分かります…私もそうでしたから……」
と、意味深な発言をしておられました。
ある程度見回した頃、男が何かを見つけたようで、指示された方向へと操船しました。
…案の定、敵兵の死体を発見しました。
内火艇を亡骸から見て右側に操船し、その横で停船させると、男は操舵席左側に着いて敵兵をしばし見つめていました。
敵兵は、銃弾に貫かれてこそいなかったものの、身体は機体の残骸によって腹部を大きく抉りながら突き抜けており、背中から飛び出た残骸の切っ先が水面下に浮かび上がっていました。身体の損傷は墜落時の衝撃をもろに受けており、内出血や一部の四肢に大きな切り傷、細かい破片が刺さっている状態で、誰がどう見ても“死んでいる”と言い切れるほど、見るも無残な有様だったのを憶えています。…階級は大尉のようで、創傷こそなければ顔立ちの良い男の敵
…男は亡骸を見つめ終えると、哀愁感を漂わせながらも、見事な
これには自分や隣にいた艦長も驚くと同時に、すかさず同じように黙祷を捧げました。別の世界で
男………いえ、彼は黙祷を捧げ終わり
「…
その意味は自分にはよく分かりませんでしたが、“確認”ということから、攻撃評価に近いことを発したのでは?と考えました。…まぁ、その後に聞いた話で意味は全然違っていましたけどね。そしてその時、
「……夕張さぁん、五木2尉ぃぃ!どうしたんですかぁぁあ!!」
五月雨艦長が手を振りながら、配下の
艦長や呼ばれた彼も振り返り、艦長は手を振りながら「大丈夫よぉぉぉぉ!!!!」と声を張り上げ答えました。彼も振り返り様に声を上げようとしましたが、何かを見たのか直ぐさま驚いた顔をすると
「五月雨!!逃げろォ!!!!」
彼が咄嗟に叫んだ時には既に遅かったです。
「きゃあ!!!!」
生き残りであるもう1人の敵兵が、五月雨の内火艇後部から乗り上がると、その場にいた五月雨艦長を捕らえて海面に飛び込みました。五月雨艦長は悲鳴をあげながら水面下に没し「艦長!!」と五月雨の
「……っぷぁっ!」
数秒と経たない間に五月雨艦長が海面に現れますが、その後ろにはナイフを構えた
「───────っ!!」
敵兵が喚いていますが、自分達にはそれが分かりません。
「艦長を離せ!!武器を捨てるんだ!!」
五月雨乗員の1人が三八を構えつつ怒号を張ります。それに呼応して他の乗員も各々の銃を構えますが、以前として敵兵は態度を変えません。五月雨艦長も抵抗しますが、しっかり拘束されているようで抜け出せません。とうとう敵兵は、五月雨艦長の首元にナイフを突き立てながら陸地側へ下がろうとしていました。
「…ひっ!」
これには五月雨艦長も動揺し、か弱い悲鳴を上げます。
これに五月雨乗員も我慢ならず「馬鹿な真似はよせ!」「やめろ!」「艦長に手を出すな!」等の怒号の嵐です。敵も言葉が通じないことに苛立ちを露わにしており、一触即発の事態でした。
「みんな撃たないで!いま撃ったら駄目よ!!」
と言うだけで精一杯でした。
…状況は悪化し続けるかと思っていたその矢先、
彼がその流れを止めました。
「HEY, FREEZE!! Hold right there we are Japanese Imperial Navy, TOSS YOUR WEAPON!!!!」
(おい、止まれ!!その場から動くな、我々は帝国海軍だ、武器を捨てろ!!!!)
彼のその言葉を聞いて、
自分を含めた全員が彼の方を向きました
「WHAT THE HELL' S GOING ON!?」
「Captain, I got the radar. ...TAO, Unknown inbound Emergency tango bearing 1-7-0 air track fourteen!!」
「General Quarters, General Quarters. All hands man your battle stations!」
「What is that?」
「Impossible...There is nothing like this!!」
Next time,
Combined Fleet Girls Collection-The world of the afterlife-
Ex edition - file 1. USS Nathan James -ネイサン・ジェームズ-
So...whim of God or necessarily? We still don't know.
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ガルーダ「…えぇ、まず投稿日詐欺をしてしまい申し訳ありませんでした。作者のガルーダです。仕事がたて込んだり、震災(北海道)にあったり、ちょっとばかし体調を崩したりした挙げ句、読者側に戻って作品を延々と閲覧していた結果がこれです。大変申し訳ありません…。」
ガルーダ「意外にも、当作品を見て頂いてる人が多くいらっしゃるようで自分でも驚いています。並びに、重ね重ね自分の都合で投稿が遅れてしまいすみませんでした…。」
五月雨「っもう!提督はだらしがないんですよ!!決めたことは、キチンとやり遂げないといけないんですから、しっかりして下さいね!!」
ガルーダ「面目ないです。(大見得切ったわりに取っ捕まったドジっ娘は誰だっけな…」
五月雨「…………。」
ガルーダ「……え、えぇっと(裏声)次回はちょっと趣向を変えて、この作品に新たに登場する作品のお話を書いてます(((」
ガルーダ「次回は、とある海外ドラマに登場する艦が出てくる英語重視の話です。英語がズラリと並ぶ小説は自分が初めてだとおもいますが、作者は殆ど専門的な用語にしか精通しておらず、日常英会話はほぼ皆無なので誤った文章を書くかもしれません。その点に留意して頂きつつ、どなたか分かる方がいらっしゃれば【ここはこう言う発言ですよ】と仰ってもらえれば幸いです。」
ガルーダ「正直、他の物でも良いかな?とも思ったのですが、その海外ドラマを見入ってしまった挙げ句、折角出すなら英会話じゃなきゃ駄目だろ!という理由だけで次話(外伝)を書いてます。←」
五月雨「…まぁ、こんなひとですけど、温かい目で見てもらえると嬉しいです。」
ガルーダ「では、また次話でお会いしましょう!」ノシ
五月雨「…提督はこっちですよ。」ニコニコ
ガルーダ「oh...」