IS学園のマシンガンラバー   作:ひきがやもとまち

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ある方から助言を賜り、好きなように好きに書いてみた作品第1号。
他のも色々予定してますが、とりあえずはこれが最初に出来たので投稿してみました。

最初の1作目なので短めです。


プロローグ「正直ビーム兵器は、ロボットの武装に要らないと思う」

「入学願書 県立碧陽中学三年 篠原美矢

 入学志望先IS学園 操縦者育成コース

 志望理由「IS操縦者になれば、マシンガンが撃ち放題だと聞いたので。以上」

 

 願書を提出した翌日、彼女はIS学園史上初めて入学試験も面接すら受けていないのに学園理事長室へ親ともども呼び出しを受けた、最初で最後の女生徒として長く学園の歴史に名を刻む事になる。

 

 

 

 

「・・・本当に入学してしまったんだなぁ、お前。

 教師が言っていい事じゃないかもしれんが、絶対に執行部の目はどうかしていると思うぞ」

「本当に教師が言って良い事じゃないですねぇ~」

 

 ぽわぽわした笑顔で彼女は応じ、苦虫を噛み潰したような表情で自分を睨みつけてくるIS学園教師織斑千冬の凶眼を華麗にスルーした。

 と言うか、睨まれたことにすら気づいていない。相手の悪意にはとことん鈍いのが彼女という人間だからだ。

 あとそれ以外にも、好意や敵意や害意や憎しみや憎悪や殺意や殺気や嫌悪など、諸々の感情すべてに鈍い。敏感なものなど何ひとつとして持ち合わせていない。

 せいぜいがゲーム内で知り合った仲間たちの感情をなんとなく読める程度が関の山だろう。

 

 ただひとつ優れているというか、ずば抜けているというか、ただ単にイカレているだけと言うべきか、マシンガンに対する愛情だけは人一倍。いや、人万倍ある。有り余っている。溢れ出して街全体を飲み込んでも、まだまだ余裕が残りまくる程ある。

 愛して愛してloveしている。自分が死ぬよりマシンガンが撃てなくなる方が怖いと思う程に愛しまくってる。イカレテマスね。

 

 とにかくマシンガンさえ撃てればそれでよく、モンドなんとかとか、ブリュンなんとかとか、ゴテゴテした名前のものは心底どうでもいい。興味もゼロだ。

 だって、知っててもマシンガン撃つのに役立たないし。

 

 ーーそんな学園きっての問題児になることが入学前から確定している生徒をどうして入学させたのだIS学園執行部・・・。頭涌いてるんじゃないのか?

 むしろ、腐ってるだろ確実に。焼却炉行って燃やして貰えよ、浄化して素面に戻るためにもさぁーー。

 

 世界最強ブリュンヒルデがそんな危険思想に至るほど危険きわまるアブナい趣味趣向の持ち主、それが目前でニコヤカに微笑みかけてくる少女篠原美矢の正体なのだ。

 お巡りさん、この人です。早急に射殺してください。

 

「親呼び出しの際にも聞いたが・・・お前、ISについて何を知ってる?

 いや、あの時に同じ質問をしてから、お前がどれだけ成長したのか気になってな。気を悪くしたのなら謝るがーー」

「マシンガンを撃ちまくれるロボットです」

「なにひとつ成長してないなお前! と言うか、入学前に与えてやった参考書を読まなかったのか!? 電話帳サイズのあれだよあれ!

 あの時から逆算しても最低1回は読破できる時間的猶予があったはずだ!」

「読み終えました。なにぶん初心者なので分かり辛い部分も多く、念には念を入れて四回読み返しました」

「四回!? お前の肉体は、精神と時の部屋と同じ素材でできているのか!?

 ま、まぁいいか。

 ーーで? 読み終えた後の感想は?」

「マシンガンについての記述が少なかったです」

「やっぱりダメだこいつ! 今すぐ退学させろよ! つか入学させるなよマジで!

 学園執行部とIS委員会はいったい、何を考えてこいつの入学を許可したんだぁぁぁっ!!」

 

 織斑千冬、魂の慟哭。

 そしてそれはIS学園教員すべてが胸に抱いた共通の想いであり、立場上口に出すのは憚られるその一言を大声で、しかも雄叫びという形で発した織斑先生に改めて尊敬の念が沸いてくる。

 

 さすがは世界最強ブリュンヒルデ。現役を引退してなお、最強のIS操縦者は健在であるとーー。

 

 どう考えても再認識する理由がおかしいが、余り気にしてはならない。仕様である。

 

「はぁ・・・もうういい、疲れた。お前相手にまじめに話してたら、胃がいくつあっても足りなくなる。もう面倒だからさっさと実務的な方に話を進めるぞ?

 ーー篠原美矢、貴様は今年度IS学園に入学した新入生の中にあって、日本人女子生徒としては唯一の試験官撃破という華々しい戦果を挙げて入学を許可された。

 私としては甚だ遺憾なのだが・・・とにかく、日本政府は貴様の功績と将来性を高く評価し、ここに日本国IS操縦者代表候補の末席に連ねる旨を明記するものである」

 

 世界最強ブリュンヒルデの言葉に、教員たちは顔色を青くした。

 まさかの入学早々国家代表候補入り、これは学園創設以来ほとんど例がない。きわめて異例の事態である。

 それをまさか、こんなトリガーハッピーのキチガイ少女が・・・世も末だと彼女らが思うのも無理はないが、実際に戦って新入生にボロ負けした試験官役の山田先生がぷるぷる震えている前でおいそれと言える内容ではない。大人しく儀式を見守ろうと傍観を決め込んだとて、文句を言われる筋合いなどある筈がない。

 所詮、彼も人、我も人である。誰だって自分の身が一番かわいいのだ。他人のために余計なリスクは負いたくない。正しい大人の判断と言えるだろう。

 

 では、間違った子供の判断とは何なのだろう?

 答えは彼女だけが知っているーー。

 

「・・・まぁ、代表候補とは言っても末席だ。そう重く受け止めるな。専用機を与えられる域に達するには後三十人は越えなければならないしな。取りあえず今はまだ、精進することだーー」

「いや、代表とか候補とか専用機とかどうでもいいので、早くマシンガン触らせてください。撃たせてもください。一刻も早く撃ちたくて撃ちたくてしょうがなくて、思わず足踏みしちゃってるんですから。

 ランナーズハイですよ。光の世界です」

「最低だなお前! 気を使って損したわ! 私の気遣い返せクソガキ!」

「銃弾でお返ししても宜しいですか?」

「駄目だよ!嫌だよ! 駄目に決まっているだろう!?

 お前は一体、どこの国でどうやって生きてきたどういう人間なんだーっ!!」

「日本生まれ日本育ち。生まれも育ちも東京都の中心地秋葉原ですが、それがなにか?」

「なんか、ヤバそうな所からヤバそうな奴が来ちゃったぞオイ!

 どうするんだこれ!? どうすればいいんだこれ!?

 私はこんなのを三年間、面倒見なければならんのかぁーっ!!」

「ご心労、お察し致します。

 あ、これお土産の東京銘菓ハトサブレです。これから三年間お世話になるので、ご挨拶用にと母が」

「お前の母ちゃん確信犯!」

 

 叫び散らし喚き散らす世界最強ブリュンヒルデの狂態は世界で唯一のIS操縦者育成機関、IS学園教員たちをもってしてさえ物珍しさに目を見張るものがあったが、正直見なくて済むものなら見たくはなかった。

 世界最高戦力の使い手たちIS操縦者。その頂点が入学してきたばかりの新入生に翻弄されているのだ。誰であれ未来を悲観視したとしてもおかしくはない。

 

(((これから先、この世界とIS学園はどうなってしまうんだろうか・・・?)))

 

 誰もが不安に悪寒を覚える中、ただ一人気にせず脳天気に笑っている少女は気楽な口調で気楽に言ってのける。

 

「おや、そろそろ1時限目が始まりますよ先生。はやく教室へ移動しましょう。入学最初の授業で担任の先生が遅れたら、生徒たちに笑われます。

 先生の威厳を保つためにも、新入生に舐められないようにこう・・・バシッ!と言ってやってくださいね?」

(((お前が言うな!)))

 

 職員一同の心が繋がり、

 

「・・・ああ、確かにそうだな。それに今日は私の弟も入学してくる。

 姉として弟の前で醜態をさらす訳にはいかんだろうからな。ここはせいぜいハートマン軍曹よろしく、恫喝と威嚇で生徒たちを圧倒してから力付くで公式試合にだなーー」

「ハイル・織斑! 世界に冠たる我らが最強、ブリュンヒルデばんざーい!」

「やめろーっ!!」

「ジーク・織斑! オール・ハイル・おりむーら!

 ジーク・マインヒューラー・千冬・オリムラー!」

「やめてくれ! 本気で止めてくれ!

 なんか自分の今までを全否定したくなってきたからマジで止めてくれ! な?な?

 お願いだから私の今までの人生をナチズムに例えないでーっ!!」

(((あ、自覚はあったんだ・・・)))

 

 再び一致する学園職員一同、心の声。

 今度のは完璧に一致を見ました。繋がるのではなく、完全なる一致です。人類は誤解なく分かり合えたのです。

 それでも人類の歴史どころか、IS学園の歴史からも戦いはなくなりません。むしろ、これから始まります。人類の歴史は戦いの歴史とはよく言ったものです。

 

 こうしてIS学園初のマシンガンlove女子高生、篠原美矢の入学直後は終わりを迎えました。次は1年1組の教室が舞台です。移動時間は五分です。短いですね、ぶっちゃけ要りませんね、なんのために入れるんでしょうね、ごめんなさい分からないです。

 

 なにはともあれ、教室につくまでの間に交わされた美矢のLINE。

 

 シノハラ「IS学園入学なう」

 ヒューイ「おめでとう! これでマシンガン撃ち放題だな!OB!」

 トムトム「羨ましすぎるぜOB!」

 マックス「俺にも一発撃たせろOB! いや、むしろ百発くらい撃ちまくらせろOB!」

 ピーター「OB!OB!OB!OB!」

 

 

 ・・・・・・もう訳わかんね。

 

つづく・・・かもしれない。

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