IS学園のマシンガンラバー   作:ひきがやもとまち

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書いてみたのですが、ダメですね。これは失敗です。正式な9話は書き直しますので暇つぶし用のボツ案として見て頂けたら幸いです。

近所で誰かがピアノ練習している中での執筆は無理がありましたなー、やっぱり。
素人のピアノ演奏は凄く思考を乱れさせられることを始めて思い知らされた戒めの回ですな。


「ラウラ・ボーデヴィッヒの不幸な一日」

「ここ最近の成績は振るわないようだが、なに心配するな。一ヶ月で部隊内最強の地位へと戻れるだろう。なにせ、私が教えるのだからな」

 

 ーー暗い闇の底にいた私を、引き釣り上げてくれた人の声が聞こえてくるーー

 

「どうしてそこまで強いのですか? どうすれば強くなりますか?」

 

 私はその人に聞いた。“あの時と同じように”、弱いから負けて再び『出来損ない』に戻されてしまいそうな私が再び強くなるためにはどうすればいいのかと。どうすれば再び最強の座に君臨できるのかと。

 

 その人は私の質問にーーああ、この表情だ。あの時と同じ、まったく変わらない私の心を「ちくり」とさせたーーそして遠い異国の地である日本にまで大事な物を取り戻すため旅に出ようと奮起させてくれた優しい笑顔を・・・・・・諦めたように歪ませながら投げやりに頭を振って私に背を向けて行ってしまおうとするーーー。

 

「教官!? どこに行かれるのですか!? 待ってください教官!」

「時代は変わったんだよ、ラウラ・・・・・・剣の力だけで時の流れを食い止められる私たち剣士の時代はとうに過ぎていたんだ・・・・・・。

 今の戦場はもう、剣士を必要としてはいない・・・・・・」

「そんなことはありません! 教官の力はまだこの時代に必要なんです! お願いですから私を・・・我々あなたに憧れたすべてのIS操縦者達を置いていかないでください!」

「・・・逝かせてくれ、ラウラ・・・・・・。私はもう、走ることに疲れ果てたんだ・・・・・・」

「教官! 待ってください教官! きょうかーーーーーーーーーーっん!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーはっ!?」

 

 自分の悲鳴じみた叫び声で目を覚ましたラウラ・ボーデヴィッヒは、全身汗みずくとなっている裸体を起こして周囲の風景を確認し、今この場所がIS学園一年生寮の自室であることと、自分が今まで見ていたのが夢でしかなかったことを認識して心の底から安堵のため息をもらしていた。

 

「なんだ夢か・・・。よかった・・・・・・」

 

 人、その言葉をフラグと呼ぶ。ーーだが、しかしフラグは日本の伝統なのでドイツ人である彼女にはあんまし関係ないかもしれない。

 あと、ついでとしてIS学園は名目状どこの国にも属していないので、日本の土地にあるけど日本じゃないから日本の伝統とか関係ないのかもしれません。そこら辺は複雑なんでよく分からんとです。

 

 ラウラは梱夢を思い出さないよう“ルームメイトの寝ているベッドから”注意深く視線を逸らして着替えをすませると食堂に向かって歩き出していく。

 

 今はとにかく一刻も早く、割り当てられ“直されてしまった”元の自室から遠ざかりたかったから・・・・・・。

 

 

「まったく・・・なぜ私がこんな、ぬるま湯のような学校でここまで精神的に追いつめられなくてはならないのだ・・・? 世の中間違ってるだろ絶対に・・・・・・」

 

 ブツブツと愚痴を独り言としてつぶやくのが日常と化してしまっているドイツの代表候補生にしてIS学園の新一年生でもある転校生ラウラ・ボーデヴィッヒ。

 

 彼女の不幸は先月の終わり頃、トーナメントが有耶無耶のうちに中止されて、VTシステムに取り込まれていた自分もなんとか退院できた翌日、放課後から始まったーー。

 

 

「ボーデヴィッヒさん、部屋の調整が付かなかったので、今日おこなう予定だったあなたの引っ越しは延期されることになりました」

「は?」

 

 最初、相手が何を言っているのか分からなかった。分かりたくない、理解したくない、嫌だ嫌だ嫌だと脳が現実を受け入れるのを拒否したからなのが目の見えない原因だったが、通達を届けにきてくれた山田先生にとっては見えなくても察することができる内心の嘆きだったので、素直に心の底から同情した表情を浮かべて教え子の身を案じたものだ。

 

 ーーもっとも。たかが新人教師一人が同情してくれたところで組織の決定の前ではなんの価値も意味もないのであるが。

 

 そのことを知っていたからこそ山田先生は『御愁傷様』の一言を声には出さずに表情だけで伝えてきたのである。「同情するなら変えてくれ!」と言われるのを避けるためである。彼女は年齢的にギリ視聴可能だったから・・・。

 

 

「ですから、昨日お伝えしたボーデヴィッヒさんと『実は女の子だったデュノアさん』を相部屋にして今の部屋からは引っ越してもらうというお話が流れてしまったとのことでしたので、それをお伝えしに・・・・・・」

「ど、どうしてですか山田教官!? いえ、先生! 私はこの日を一日千秋の思いで待ち望み、耐え難きを耐え、忍び難きを忍んできたのですよ!?」

「え~とぉ・・・・・・それは色々と大人の事情というものがあってですね・・・・・・」

「大人の事情では分かりません! 分からなければ納得できません! ことは私の生死に関わる重大事なのですよ!? IS学園は生徒を・・・IS操縦者を・・・兵を見殺しにすると仰るつもりなのですか!?」

「あなた一体なに口走ってるんですか!? ちょ、ま、とりあえず落ち着いてください! 順を追って説明しますから!」

 

 

 追いつめられたドイツ兵のラウラを哀れに思ったのか、かつての同盟国軍兵士の魂が乗り移ったみたいなセリフを大声で叫びだす、敗戦してから政治体制を一新させたのに軍服が昔に戻ってるドイツ軍士官。・・・もしやこれが原因か? 少佐殿よ・・・。

 

 そこから始まる山田先生からのありがたくな~い、寮の部屋割り事情にかんするお話。

 

 

 コミュニケーション能力皆無で平和な日本の知識もほとんどないけど、軍事知識だけは豊富な現役軍人で高校生でもあるラウラの学内における評判は、有り体に言ってよろしくない。

 せめて戦争ボケの学生の学園生活を補助してくれる、世話好きな女子高生でもいてくれたらと学園執行部では前々から議題にあがっており、彼女の退院と同時期に女性であることが発覚したシャルル・デュノアことシャルロット・デュノアが性格的に丁度いいじゃんと言うことになり、部屋割りを変えようと言うことが決定された。

 

「しかも、キツくないし暴力的でもないし優しいし銀髪だし! メインとサブの両方あわせたヒロインなんて最強じゃね!?」

 

 ・・・そんなアホ発言をした理事がいたとかいないとか、真相はIS学園最深部にある資料室に永久保存されてしまったので永久に謎である。Xファイルも真相はなんも明かされないまま終わったし。

 

 閑話休題。

 

 

 とにもかくにもラウラの引っ越しは決まった。

 シャルロットの方も、男と同室なままにして子供でも産まれた日には「国籍とかで絶対揉めるからヤだ」と、主に父親になるであろう男が原因で無理矢理にでも遠ざけてしまおうと全会一致で確定した。

 

 

 ・・・残った問題は、ラウラがいなくなった後釜に誰を当てるかである。

 いったい誰を生け贄に捧げるのか・・・? どこのクラスの誰を? 誰が担当しているクラスの生徒を? アイツが問題起こすと同室のルームメイトも連帯責任で処罰されるかもしれないのに?

 

 ようするに責任逃れの押しつけ合いになったので、一番最初に貧乏くじを引いたラウラに今まで通り貧乏くじを引き続けてもらい、被害の拡大を未然に防ごうという結論に達したというわけです。

 

 倍率一万倍の国立高校IS学園は超エリート校であり、その教職の地位には多額の給料と高物件のお見合い相手・・・そして法的には無関係でも世界第一産業であるIS産業の中心地IS学園にはIS企業が群がってきますので天下り先には不自由しないなどのメリットが山盛り過ぎるのです。

 わざわざキャリアに傷を付けて将来に禍根を残すような真似を、誰もしたくはありませんでした。つまりは『大人の事情(お金の問題)』です。

 

 

「・・・と、言うような理由により僅か一票差の僅差でボーデヴィッヒさんの引っ越しは棄却されることが決定されてしまったのです。不幸な偶然が重なった結果ですし、私としても同情を禁じ得ませんが、一介の新人教師にできることには限界があるんです・・・。

 ボーデヴィッヒさん、本当にごめんなさい。先生が至らないせいで一度約束したことを守れなくなってしまって・・・」

 

 そう言って生徒相手に頭を下げる山田先生、2○才独身。結婚願望ありで、現在すてきな男性との出会い募集中。婚活サイトに登録済みなラウラの引っ越し投票では棄権した難しい年頃の女教師は、これでも国立エリート校の教職に就けた身ですので学生時代は成績超優秀なエリートでありキャリア組。

 

 余談ですが、日本の公務員でキャリアと呼ばれるには一流大学をでて国家公務員試験Ⅰ種に合格する必要があるとのことですけど、ここは如何なる国にも属していない日本だけど日本じゃない場所IS学園なので関係ないですよね、当然です。失礼しました~。

 

 

「ーーいや、ちょっと待ってください山田先生! なにか今、あなたの誠意あふれる言葉使いからは日本人らしい本音と建て前がフリガナとして見えてたような気がしてならないのですが、それについてもご返答を!!」

「・・・・・・ボーデヴィッヒさん、あなたは疲れてるんですよきっと。一晩寝れば直りますから、とりあえず今日のところはお部屋に帰って一休みして明日また改めてお話ししましょう。ね?

 先生も学校側も生徒からの質問と相談にはいつでも乗る準備はできていますからーー」

「嘘だ! 私も軍人という名の公務員だから騙されないぞ! どうせ今日中に背IS来名文書にまとめて既成事実化してしまうつもりだな、そうなんだな! エリート官僚のやりそうな手口ぐらいとうの昔に思い知らされ続けてますからね!」

「・・・・・・そんなことはありませんよ?(^0^)/ウフフ(ちっ、騙されてくれませんでしたか・・・)」

「ほら! また裏表がありそうな笑顔で返答してきた! 白人はトーヨー人の顔を判別しづらいからって騙し続けられると思ったら大間違い・・・・・・」

「・・・・・・オイ、バカ二人。今度はなにが理由で騒いでいる」

 

 なんだか変な方向に話が飛びまくってきたところに真打ち登場、織斑千冬先生が冷徹そうな表情を保ったままツカツカと歩み寄ってこられました。

 

「教官!」

「織斑せんぱーーいえ、先生!?」

 

 彼女を見た二人の表情が、対照的なまでに一変させられました。

 片方は規律と規則を遵守することを尊び、権力には決して屈しない正義の剣士の登場を肉眼で見られた感動に目を潤ませて、

 

 もう片方は、「気になる同姓の先輩のリコーダーを盗みに入った瞬間を目撃されてしまった」後輩女生徒のように引き攣った青い顔で固まってしまいました。

 

 

「ーーーまったく、この学園は私のクラスに馬鹿者を集中させる腹積もりで私を雇ったのか? 別に私は問題児対応係に任命された覚えはないのだがな・・・」

 

 いつも通り気だるげな口調。でも、そこがいい。痺れる憧れる、如何なる強者にも屈することなき強さにベタ惚れしてしまう。

 頼れる教官度々の登場を前にラウラは、勇気百倍! 元気よく織斑教官に学校側が押しつけてきた非道についての相談をーーー今の生徒と先生の立場だと担任の先生にチクってやろうとしに行きました。

 

「教官! 山田先生たちが酷いんです!」

 

 そして、尊敬する教官殿の前では心が子供帰りして急激に幼さを増す外見年齢小学生レベルなドイツ軍少佐殿。

 外見的には幼女軍人でも、中身は飼い犬ペットなワンちゃんなので、取り繕ろう余裕がない場合にはこんなモンです。

 

「・・・なるほど。話はよく分かった」

「本当ですか!? ありがとうございます教官!」

 

 ぱぁっと顔を輝かせて未来の部屋から出ていく自分を想像していたラウラの方に手を置き、千冬先生は優しい瞳で約束してくれました。

 

「よく我慢したなラウラ。あと二年半を待たずして引っ越しさせられるよう私の方でも全力を尽くすつもりだ。だから、それまでは辛抱するのだぞ? わかったな?」

「はいっ! 教官! お聞き届け頂きありがとうございました! お言いつけ通り、小官はあと二年半以内だけ我慢いたします!」

 

 尊敬し、敬愛している織斑千冬先生から『二年半後までには引っ越しさせてやる』約束を取り付けたこちにより有頂天になってしまった彼女は喜び勇んで自室へと戻っていく。

 その歩調は来たときとは真逆に軽やかで、春の野原をスキップしているかのようであったと目撃者の生徒たちは他の生徒たちに語って聞かせている。

 

 

 

「あの、織斑先生? 今が一年次の夏休み直前ですから、二年半が経過したときにボーデヴィッヒさんの部屋割りに意味は・・・・・・」

「言うな、山田先生。私には妹のように可愛がっていた血の繋がらない教え子の今よりも、実の弟の将来における経済的安定の方が大事なのだ。

 ・・・解ってくれ、先生。名目上は治外法権なIS学園が実際にはそうでもないように、私たち学園に勤める教員たちにも人生が・・・家庭があるのだ! 何も背負っていない子供にはわからない!!」

「織斑先生・・・・・・」

 

 先輩の哀愁漂う後ろ姿を涙目で見つめる後輩教師の山田先生ですが、別に彼女が何か背負っているわけでもありません。独り身であり親も健在です。人情物語に流されやすいのも日本人の特徴です。

 

 

 

 その夜。

 

「裏切り者に~♪ マシンガ~ン♪ 裏切っちゃったからマシンガンでタ~キ~♪」

「・・・ぐぎぎぎ・・・・・・。あと・・・あと、二年と四ヶ月と二十九日二三時間三六秒ぉぉぉ・・・」

 

 新曲『裏切り者を処刑ララバイ(作詞作曲編曲演奏ボーカル、ぜんぶ篠原美矢)』を練習しているルームメイトに胃を痛めつけられながら、引っ越しまでの日数を数えて過ごす少女ラウラ・ボーデヴィッヒ16才。

 

 彼女の願いが叶うまでーーーーーあと、二年と四ヶ月と二十九日二三時間三五秒!!

 




謝罪:
今話の件で一番に謝らなければいけない事を書いて先におくべきでした。申し訳ございません。
今回の話は仕事中に考えていた内容を帰り道と帰ってからの二回に分けて書いたモノでしたが、小説を読みながらの執筆ではなかったため文章が小説基準に寄れておりません。折角思いついたからと焦ってしまいました・・・情けない話です。

以降は出来るだけ好きな作品を傍らに置いて気分転換に読みながら書いていきたいと思っております。
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