IS学園のマシンガンラバー   作:ひきがやもとまち

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今日は久しぶりに体調が良くて、テンションも高過ぎたお蔭で色々と書き進められました。
その内の一作として、マシンガンラバーも更新です。

本当はもっと長く書いて、美矢ちゃんたちが出揃うまで書く予定だったんですが…そうすると次話がメッチャ短くなりかねないため途中で止めて更新することにしました。
今作主人公の活躍は次話で!


第15話「原作主人公の章:ドレッシィ・ホワイト・アルファ――ッ!!を忘れるな!!」

 

 ざぁ・・・・・・。ざぁぁん・・・・・・。

 

 そこは近くからも遠くからも波の音が聞こえてくる、海の上でした

 蒼い空と青い海だけが延々と広がっており、ここが海で、今が夕暮れ時であることしかサッパリ分かりません。

 

 そんな海の上に浮かぶような姿で、暴走した軍用IS《銀の福音》は丸くなって浮かんでいました。

 海上200メートル。箒ちゃんたちが待機命令破って独断出撃して、まだ死んでないけど思い人の少年の仇討ちのためコッソリ抜け出して飛び立った旅館から30キロほど離れた沖合上空で、ステルスモードに入って待機中だったからです。

 

 海上というのは、身を隠せる場所は少なく、しっかりと弾を防げる安全な場所も少ない上に見晴らしも良い、遠距離狙撃するには狙いやすいという、極めて特殊で待ち受けるのには不向きな戦場です。

 

 ・・・・・・なんでこんな、だだっ広くて上からでも下からでも不意打ちできそうで、レーダーの索敵圏外からなら四方八方から包囲体制敷き終えた状態で戦闘開始できそうな、デメリットばかり多すぎる場所で浮かんだまま待機してるんでしょう? この暴走した軍用ISは・・・。

 暴走したヤツの考えることは、人だろうと機械だろうとよく分かりません。

 

 そして今、日本海だか太平洋かは分かりませんけど、鮮やかな夕日が水平線へと沈んでいく中で、銀の福音はふいに何かを感じ取って顔を上げました。

 

 その瞬間。

 

 

 ドッゴォォォォォォォォッン!!!!

 

 

 ・・・・・・砲撃の直撃による爆発が起きました!

 超高速で5キロ離れた位置から『八十口径レールカノン』で狙撃され、頭部に強烈なヘッドショットを食らわされたのです。

 

「初弾命中。…野獣、死すべし・・・・・・続けて砲撃を開始する!」

 

 それは両肩にレールカノンと、四枚のデッカいシールドを装備したラウラちゃんから放たれた一弾でした。テスト予定だった新装備『パンツァー・カノニーア』を装備しています。

 

 最近、誰かさん目当てで日本の映画とかアニメを密かに見始めたらしい彼女は、なんかの作品の影響受けたらしい格好よさげなセリフを呟きながら次弾を装填し、続けて発射。

 

 ですが敵とて、黙って撃たれっぱなしにはなってくれるカカシではありません。

 

「敵機接近まで、四〇〇〇・・・・・・三〇〇〇――くっ! 予想よりも速いかッ!」

 

 こちらからの攻撃に対して、二撃目からはエネルギー弾で撃墜しながら高速接近してきます。

 狙撃銃ではなく狙撃砲とか言うよりかは、普通に敵の射程外から撃てるティーガー戦車のISバージョンで攻撃してるだけと言った方が正しいかもしれないシュヴァルツェア・レーゲンに乗るラウラでは、機動力特化の福音から急加速で接近されると逃げるのは流石に無理というもの。重戦車のティーガーは、動きが遅いので停まって撃つことが多かった傑作戦車でしたからね。

 

 ですが、ラウラの顔に焦りはありません。

 むしろ、口元に不敵に笑っています。暴走してる福音の戦術コンピューター頭脳では人の表情の違いは分かりませんし、見えませんが、それでもラウラは笑っていたのです。

 

 その理由は、最初に放った一撃にありました。

 あれは先制攻撃でありながら、実は“釣るため”の誘いの一弾でもある攻撃でもあったのです。

 

 キィィィィィィィッ・・・・・・ン、ドキュ――――――ッン!!!

 

『アレは害獣・・・・・・人が操るISではなく、人に害をなす害獣ですわ・・・』

「セシリアかッ!」

 

 ラウラに伸ばされ、避けられそうもなかった福音の右手を撃墜して止めたのは、『ブルー・ディアーズ』のセシリアによる、ステルスモードからの一撃でした。

 彼女用の新装備、強襲用高機動パッケージ『ストライク・ガンナー』が追加されています。

 

『害獣は――駆逐しますわッ!!』

 

 そして彼女も、思い人が死んでないけど仇討ちの激情を瞳に宿して、心に炎を灯して情け容赦なく敵を撃ち続けます。

 英国貴族として秋の鹿狩りで慣らした腕と、尊うき者の勤めとして尊ばれる復讐のため、彼女は銀の福音を、中に人が乗るISではなく人に害をなす暴走した害獣として、確実に仕留めるため正確無比な射撃攻撃を連発し続ける!

 

《敵機Bを確認。排除行動へと移る》

「遅いよ」

 

 敵機B(注:セシリアのこと。飛ぶ物だけを示す)からの射撃攻撃を避けるため、回避運動を取った直後の福音を、背後から穏やかな声と共に衝撃が襲います。

 

 それはセシリアの背中に乗ってステルスモードで密かに接近してきていたシャルロットから、ショットガンによる近接射撃でした。

 

 一瞬だけ姿勢を崩されますが、即座に体勢を立て直すと福音は《シルバー・ベル》による反撃を背後の敵へと食らわせますが、しかし。

 

「おっと。悪いけど、この『ガーデン・カーテン』は、そのくらいじゃ落ちないよ」

 

 シャルロットもまた、新装備である専用防御パッケージに身を包み、防御力が大きく向上していたため大したダメージは与えられず、かえって反撃を誘う隙を与えるだけになってしまいます

 

 ダジャレを言いたいのか、新装備の性能を誇りたいのか、またはその両方とも違うような口調で言いましたが、性能は本物らしく全くダメージを負った様子が見られません。ラビット・スイッチ使ってアサルトライフルを呼び出して、さっさと反撃開始を優先するほどです。

 

 不意打ちに対する反撃を呼び水として逆用され、敵が用意した戦場へと引きずり込まれたことに遅まきながら気付いたらしい福音の機械頭脳は、ようやく一時後退による仕切り直しを決断。

 

《・・・・・・優先順位を変更。現空域からの離脱を最優先に》

 

 とご丁寧に宣言した上で、全方向に向かってエネルギー弾を発射。全スラスターを開いて全速力での離脱を試みます。

 撤退時に弾薬をデタラメに狙いをつけて、全方向にばら撒くのは目眩ましとか、追撃の足を止めさせる等の効果があるものですけど、宣言してから後退するなら“退くフリ”をして追撃を誘って迎撃するか、その危険性があると見せかけた方が有効かもしれませんでしたが、銀の福音の戦術コンピューターはどうやら性格悪くないタイプの戦術を好んで採用する型のAIだったみたいですね。

 

「させるかぁっ!!」

 

 ざぱぁぁぁッん!!と、海が割れて水柱を立たせながら、盛大に水飛沫を撒き散らしつつ海の中から現れたのは、愛する男を傷物にされた恨みで怒りに燃える海神ポセイドンならぬ海坊主、でもなく。

 

 赤い赤い機体に乗った、罪悪感の地獄から蘇ってきた女、篠ノ之箒の『紅椿』と、その背中に乗る小さなツインテール少女、凰鈴音の『甲龍』赤い色は、怒りと正義と熱血の証をもつ本命二人の登場です。鈴の方には機能増幅パッケージ『崩山』が追加され中。

 

 余談ですが、箒ちゃんの紅椿だけは登場当初と全く変わらない姿のまま、追加装備は一切なしの負けた時のまんまでリベンジしにきた仲間はずれ状態になっちゃってましたが、違います。

 紅椿が、もともと世界中が開発中の第四世代機だったから、機体そのものが新装備なだけです。

 

 決して一人だけ仲間はずれで、専用機もなければ国家代表候補でもないのに、エリートたちグループに混ざりたがってる一般生徒のまま今まで通り変わってない訳じゃありません。ボッチじゃないです、現実です。コネ採用の最新鋭機乗りはボッチじゃない。

 

「離脱する前に叩き落とす!!」

 

 ドゴン! ドゴン! ドゴン! ドゴゴゴゴンッッ!!!

 

 甲龍の衝撃砲と追加された二門の砲口、合わせて四門の大砲を纏めてぶっ放し、敵に勝るとも劣らぬ弾丸の雨を降らせてから距離を置く鈴。

 

 尚、箒ちゃんは機体をフル稼働できるまで至ってないためエネルギー不足に陥りやすいため、今回もまた鈴ちゃんを乗せて飛んできたタクシー役です。

 少なくとも今のところタクシーだけで攻撃してません。不完全な状態で迎撃のため動かされた赤い炎のような存在は、エネルギー問題が起きやすいのがお約束です。巨神兵とか。

 だから待機です。今はまだ。

 

「やりましたの!?」

「――まだよ!!」

《シルバー・ベル最大稼働――開始》

 

 これだけやって、まだ倒されてなかった福音が遂に全力稼働。

 両腕を左右いっぱいに広げてエネルギー弾を一斉発射し、反撃に移ります!

 

「くっ! これはちょっと・・・・・・、きついね」

「ラウラ! セシリア! お願い!」

「言われずとも!」

「お任せになって!」

「おのれぇぇぇ!!!」

 

 

 斯くして、銀の福音VS復讐に燃える4人の少女たちとの戦いは、第二ラウンドへと移行します!

 ここまでは彼女たちの作戦勝ちでしたが、敵が予想外に粘ったため、ここからは各々の判断によって臨機応変に行き当たりばったりで対処するしかありません。具体的にはこうです!↓

 

 

「箒! 僕の後ろに!

 ――前回の失敗を踏まえて、展開装甲の多用したことから起きたエネルギー切れを防ぐため、防御時にも自発作動しないよう僕が設定し直して機能限定状態にある箒の紅椿を後ろに下がらせ、集団戦闘の利点を最大限に生かそうと役割分担した僕だけど、福音の異常な連射を立て続けに受けたことで防御専用パッケージでもさすがにキツくなってきたのは否定できない!

 バキィィッン! そうこうしている間にも物理シールドが一枚、完全に破壊されてしまった! このままでは長くは保てない! どうすればと苦戦の中で必死に考え続ける僕シャルロット!! くぅぅっ!!」

 

「足が止まればこっちのもんよ! 

 ――セシリアとラウラから交互射撃されて動きを止めた福音に、直下から突撃するあたし!

 蒼天牙月による斬撃の後、至近距離からの拡散衝撃砲を発射! 狙いは頭部に接続されたマルチスラスター!

 もらったズバァァッン!! エネルギー弾を浴びせられながら、それでも怯まず斬撃を止めずに切り続ける! 同じく拡散衝撃砲の攻撃も止めずに、互いに傷つきながら相手の片翼を奪い取った!

 だけど、片翼だけになりながら、それでも福音は止まらない! 姿勢を立て直して、あたしの左腕に回し蹴りを叩き込むと一撃で腕部アーマーが破壊されて、海に叩き落とされるあたしは鈴きゃあああッ!?」

 

「鈴! おのれ!!

 ――海の叩き落とされた仲間の怒りも込めて、私は両手に刀を持って福音に斬りかかる!

 シャキィィッン!! 鈴を落とした時の急加速で一瞬反応を失っていたらしい福音の右肩に刃が食い込む!

 獲った!と勝利を確信する私! だが、そう思った刹那、信じられないことに福音は左右両方の刃を掌で握りしめる!

 なっ!? 刀身から放出されるエネルギーに装甲が焼き切れるのが怖くないのかと驚愕する私は、刀を引っ張られて両手を広げた無防備な状態を晒してしまう!

 不覚! 誰かが私に「武器を捨てて回避しろ」と告げるが、ここで引いては何のために得た紅椿力か分からなくなってしまう!

 残された翼から放たれたエネルギー弾が触れる寸前、私はグルンと機体を一回転させ、その瞬間に爪先の展開装甲が私の思いに応えてエネルギー刃を発生させ、かかと落としの要領で残る翼も切り落とす!

 ついに両方の翼を奪い取った福音は、海面へと落ちていく姿を見送る私は箒だハァハァ・・・・・・」

 

「無事か!?

 ――先のタッグマッチで頭数に利用してしまった箒に慌てて声をかける私!

 箒は乱れた呼吸をゆっくり落ち着かせながら、「私は・・・大丈夫だ。それより福音は――」と確認のための問いかけを優先して、「私たちの勝ちだ」と誰かが言おうとした気配を感じた瞬間、海面が強烈な光の球によって吹き飛ばされる光景を目にして――バカなッ!?

 これは一体、何が起きているのかと混乱したらしい箒に向かって、私は驚愕の答えを叫び返す!

 まずい! これはセカンド・シフトだ!! 私が箒に叫んだ瞬間には無機質なバイザーに覆われた表情の読み取れない福音から、確かな敵意を感じさせられ私たち格IS操縦者へと警鐘を鳴らすのが聞こえたが―――遅かった!

 まるで獣のような咆哮を発して、私に向かい飛びかかられて、足を掴まれてパワーアップしたエネルギー弾の翼に抱かれる私はラウラぐわぁぁぁぁッ!?」

 

「な、何ですの!? この性能は軍用とはいえ、あまりに異常なッ。

 ――再び高機動による射撃を行おうとしていたところで、ラウラさんが直撃を受けて、阻止しようとしたシャルロットさんまでもが吹き飛ばされる姿を目撃してしまい、思わず動きを止めてしまったわたくし! その隙を見逃さずに、銀の福音が爆発的な加速で眼前に迫られてしまいましたわ!

 くっ! 迎撃しようにも長大な銃では接近戦に弱い、一端後退してから撃つしかありません! そう思い、距離を置いて銃を上げようとしましたが、その方針を真横に蹴られてしまい、次の瞬間には一斉射撃を受けて反撃らしい反撃もできずに蒼海へと落ちていくしかないセシリアですわキャアアアアアッ!?」

 

 

《キアアアアアアアア・・・・・・!!!》

 

 

 

 ――という感じに、それぞれの主観視点で描いた自分の一人称で語る戦いの物語があったなら、そういう風に記されてたかもしれないし、記されてなかったかもしれない展開の末。

 

 結果として、昼間に一夏と箒2人と戦って負けそうになり、箒がヘマして命拾いしたけど、勝った後も補給を受けることが出来ないままステルスモードで節約しながら、IS装甲を展開し続けてはいた敵を相手に、新装備を追加してエネルギーも満タン近い4人の第三世代機持ちの国家代表候補生&病み上がりの第四世代機持ちのルーキー1人で完全包囲した状況で不意打ちしかけて、一度は追い詰めてからパワーアップされた敵1機に、ラウラとシャルロットとセシリアの3人が倒されて戦線離脱させられるという窮状に陥らされてしまうという惨状を呈してしまった―――という事になるわけですが。

 

 

「私の仲間を――よくも!! うおおおおっ!! って、な!?

 また、エネルギー切れだとぐわぁぁっ!!!」

 

 

 今、オマケとして箒ちゃんが倒されたメンバーに追加されました。残りは鈴ちゃん1人だけです。1人いれば充分よ!

 

 ・・・・・・と、本人は言いそうな性格してますけど、絶対に不足です。足りなすぎます。負けです、この時点で既に確実に。

 

 果たして、この結果は銀の福音が強すぎると評すべきなのか、各専用機乗りたちが弱すぎただけなのか、判断に迷う状況ですよね・・・・・・。

 

 

「ぐっ、うっ・・・・・・すまない、一夏・・・。

 これまでか・・・、情けない・・・・・・」

 

 

 銀の福音に首を締め上げられ、ギリギリと圧迫された喉から苦しげな声を漏らす箒。

 紅椿の全身を包み込みながら、ぼうっと光の翼が輝きを増していき、一斉射撃への秒読みがはじまる光景を見せつけられる中。

 

 箒ちゃんの頭の中に思い浮かんでいた景色は一つだけ――。

 

 

 ―――会いたい。

 ―――一夏に、会いたい。

 ―――すぐに会いたい。今会いたい。

 ―――ああ、ああ、会いたい。

 

 

「いち、か・・・・・・一、夏・・・・・・一夏・・・・・・っ!!」

 

 

 さらに輝きを増す翼を前にして、覚悟を決めて瞼を閉じた箒ちゃんの瞳から、一筋の涙が落ちた時。

 

 少女たちのピンチを助けるため―――。

 

 

 

 

 

「今、純白の騎士が天空の彼方より舞い降りる!!!」

 

 

 

 

 

 ・・・・・・いや、お前じゃねぇって!?

 

 先代の異世界から召喚されてたらしい、ポン刀振り回して悪と戦って被害撒き散らす、純白の正義の騎士からの応援メッセージと共に、今主人公が舞い降ります!

 本当ですからね!?(マジで)

 

 

 

つづく




止まってたのを更新できたので、バケモノ執筆に戻ります(休み時間に書きました)

……しかし今更ですけど、今作みたいなの書いてるからダークなの書きづらくなってたのかもしれませんね……あまりにもギャップあり過ぎてました故に…。
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