IS学園のマシンガンラバー   作:ひきがやもとまち

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大分久しぶりの更新ですが、更新です。
ただ体調不良で集中し切れず、満足の行く内容にできてない可能性があるのは、ご承知おきください。
今出せる全力は尽くしましたが、意識がバラけるのが辛い…!

*尚、タグに「学園キノ」を付け足しました。今の状態ではソッチの方が楽。早くガンゲイルが書けるようになりたいものです。


第16話「ユア・ネーム・イズ、どちら様で…?」

 一度は戦死判定を受けかけ、仲間を守るため敵弾から庇った結果とはいえ、それは油断した方が悪くなるのが戦場というものでもある以上、言い訳にも何にもならない自業自得の結果で敗退したと思われていた織斑一夏がギリギリのところで復活し、敗者復活戦でリベンジするため戦場となる海へと戻ってきた時。

 

「うぐうう・・・・・・」「もう痛いなぁ・・・・・・」「なぜ故ですのぉ・・・・・・?」

 

 人の国の領海内で、他国の専用機展開したまま一夏の仲間たち三人娘が、ものの見事に敗れて吹っ飛ばされた姿で、海に浮かんでいました。

 30キロほど離れた海辺には、レジャー用のビーチを併設した和風旅館を臨む海上はメチャクチャで、あちこちに銃弾の跡と切り傷と、爆撃したような砲弾の跡なんかも刻まれており、ちょっとした太平洋戦争時代の史跡を巡るツアーに使えそうな惨状になっています。

 

 この戦いが終わった後、外見だけそれっぽくした船の残骸レプリカを追加で浮かべて、第二次大戦末期の荒廃した世界観を体感するツアーとかに旅館が再利用する未来がくるのかもしれませんね。

 そして永遠に動けなくなった設定の船体には、『HELP』の文字が・・・・・・縁起がよろしくないようで。

 

「ぐっ、うっ・・・・・・!」

《ィィィン・・・ッ》

 

 そんな戦争後設定の船が浮かべられた未来が来るかもしれない海で、紅椿をまとった箒ちゃんが現在進行形で殺されかかってました。

 それは気絶しているはずで操縦者には見えてないはずのシルバリオ・ゴスペルが、両手で箒ちゃんの首を掴んで離さず締め上げている結果でした。

 ギリギリと音を立てて締め上げられ、圧迫された喉から苦しげな声が漏れています。

 

 窒息死させる気なのでしょうか? 少なくとも、首の骨をへし折って殺すつもりはないようです。

 代わりに福音は、セカンド・シフトしてエネルギー状へと形状を進化させた《シルバー・ベル》を発動させはじめて、紅椿の全身を包み込もうとしていきます。

 初陣の時より随分と凶暴になった戦い方は、自分を多対一で窮地に陥れた者たちへの復讐心故なのか? それとも死の淵からスーパーパワーアップして蘇った戦闘力を高めたことで普段より凶暴さが増しているかもしれません。軽い興奮状態みたいなものです。

 

 まぁ、それはともかく箒ちゃんがピンチです。大ピンチです。

 ボウッとした光の翼が輝きを増していき、自分一人に向けた一斉射撃の秒読みがはじまってしまう中。

 

 首絞められて窒息して、酸欠に陥りかけてハイになり始めてた箒ちゃんの頭の中には、ただ一つの光景だけが浮かんでいました。

 

 ――会いたい。一夏に、会いたい。

 ――すぐに会いたい。今会いたい。

 ――ああ、ああ、会いたい。

 

「いち、か・・・・・・」

 

 知らず知らず、その口からは病室に横たわったまま、死にかけていることに彼女たちの中ではなっている少年の名前が出てきました。

 完全に、走馬灯を見始めてますね。

 酸欠に陥って脳機能がおかしくなってくると起きやすい症状ですので、良い子は気をつけなければいけません。

 さらに福音の翼まで輝きを増して、一斉射撃がマジで始まる数秒前であることを見せつけられ・・・・・・ついに箒ちゃんは覚悟を決めて瞼を閉じます。

 

 その瞬間の出来事でした。

 

 ――ィィィィィンッ!?

 

「・・・・・・?」

 

 突然ゴスペルが強力な荷電粒子砲の直撃を受け、掴んでいた箒ちゃんの首を放して吹き飛ばされ、

 

「俺の仲間は、誰一人としてやらせねぇ!!」

「な、何が起きて――あっ!? あ、あっ・・・・・・」

 

 視線の先に、白く輝くパワーアップして姿が変わった純白の機体を身にまとった少年の姿を視界に捉え、箒ちゃんの目尻に涙が浮かびます。

 

 この星の女神様から悪と戦って世界を守るために与えられた力でパワーアップした経緯をスッカリ忘れさせられた状態で、白式第二形態《雪羅》を纏った織斑一夏くんの再登場です!!

 

「一夏っ、一夏なのだな!? 体は、傷はっ・・・! よかっ・・・よかった・・・本当に・・・」

「おう。待たせたな。心配かけたが、もう大丈夫だ。なんだよ、泣いてるのか?」

「な、泣いてなどいない! 心配などもしていなっ・・・いなっ・・・・・・!」

 

 そう、一夏くんです。

 色は純白ですけど、地獄から蘇った戦士・ヘルファイター織斑一夏くんが戦場へと帰ってきたのです!!

 あるいは勇者だから、天国から蘇って復活したヘブン・ファイター織斑一夏の方が正しいのかもしれませんが。天国に逝った人をわざわざ現世に呼び戻すというのも人としてどうかと思わなくもないですが。それだけ世界がピンチだということでしょう。なんでも願いを叶えてもらえる世界ではよくあることです。運命の夜ワールドとか。

 

「リボン、なくしちまったのか・・・・・・なら丁度よかったかもな。これ、やるよ」

「これは・・・リボン・・・?」

「誕生日、おめでとうな」

「あっ・・・」

 

 一夏君は、復活した後に持ってきていたプレゼントを取り出して箒ちゃんに送ります。

 病室で横たわったまま、本来なら死にそうになってた状態から女神パワーで復活して、砂浜の少女のお陰と記憶を改竄されてから目覚めて、仲間たちがピンチに陥ってる光景の記憶は変わることなく維持してたから今すぐ助けに行かなきゃ!!と決意とともに思い立ち。

 

 その後、今日が箒ちゃんの誕生日だったことを思い出して、出撃前には部屋に置いてったプレゼントを取りに戻ってから改めて再出撃してきて、今こうして渡すことに成功しました。

 重傷負って担ぎ込まれた患者さんを、リボン持たせたまま治療する医者はいないでしょうし、いた場合には通報した方がいい気もしますので、今この場でプレゼントを渡すためには仕方のない行程だったことは間違いないのでしょうが・・・・・・わざわざ戦場で戦闘中に渡す必要性があったかどうかはよく分かりません。

 

 あるいは一夏君にとって、戦闘中の戦場で渡すことに意味がある少年だったのかもしれません。

 彼にとって、帰るべき場所とは戦場であり、実際に帰ってきてる場所は戦場でもあり、古い映画をリテイクして戦場のハッピーバースデーをやりたかった可能性も0ではない。確率論は0はないですが。

 

 こういうところが、周囲の女生徒たちから「タラシ」扱いされている原因なのですが、自分では自覚していない『主観的硬派』を貫く一夏くんは今日も主観を貫き、ご都合主義で自分が誕生日イベントで止めてたことは無かったことにして、敵味方全員に向かって宣言します。

 

「じゃあ、行ってくる。まだ、終わってないからな。――再戦と行くか!!」

 

 その宣言が合図であったのか、言った直後にゴスペルが一夏君に向かって急加速してきて正面からぶつかろうとして、そして―――ッ!!

 

 

 ブロロロォォォッ!!

 ばっすんばっすん、ボッスン。

 

『『『・・・・・・・・・』』』

 

 

 ・・・・・・遠くの方から下品な上に古臭くてボロ臭い、型遅れのエンジン音を轟かせながら一隻の船が近づいてきたため、再び戦闘停止状態に・・・・・・。

 敵か味方か第三勢力の参戦か分からない状況変化に、ゴスペルでさえ動きを止めて様子を見る道選んだ戦場に、一隻の漁船がバッスンボッスンドッスンと、今にも壊れそうなエンジンの音と健康に悪そうな色の煙を吐き出しまくりながら、ゆっくりゆっくり一夏たちのいる方へと向かってきておりました。

 

 なんとなく見覚えがあるような気がする漁船でした。

 何というかこう、一度だけしか見た覚えは無いんだけど、重要な場面で見かけたような気がして、でも見た場面が重要なだけで見覚えのある船そのものは別にどーでも良かった気がするから正確には思い出せなくなってて、それで――――

 

「――って、よく見たら昼間の密航船じゃねぇか! なんで戻って来てんだよ、あの人たち!? 死にたいのか!?」

「ぐふゥッ!?」

 

 一夏くん、正解です。大ビンゴでした。

 まさしく昼間の戦いで、箒ちゃんが「犯罪者なんか殺されていい」と見捨てようとしたのを代わりに庇ったせいで自分が死にそうな目に遭う羽目になった、密猟者たちの船が今この戦場へと再び戻ってきてしまってたのです。

 

 そして、トラウマ指摘された箒ちゃんが呻き声を上げて、ちょっとだけ吐血します。

 愛しの一夏くんが助かったばかりですが、逆に言えば死にかかったばかりでもありますので、原因作った張本人の箒ちゃん的にはちょっとキツイ船の再登場となっちゃいましたね。

 

 まぁ、今回の戦いを振り返れば振り返るほど、振り返ってみると―――全ては箒ちゃんが悪かったせいでゴスペルが倒せないまま今の戦闘まで続いちゃってる原因でしたから仕方ない反応っちゃ仕方がありません。

 

 やがて漁船が近づいてきたことで、その姿が肉眼でも正確に見えるようになってきました。

 ハイパーセンサーを使えば、もっと早く正確に見ることが可能だったでしょう。

 

 漁船の舳先には、一人の少女が立っています。

 片足をあげて、何かの上からのっけた状態でギターのような長いナニカの道具を捧げ持ったまま、沈没映画の名シーンと同じような場所に仁王立ちした姿で戦場へとやってくる途中でした。

 

 やがて距離が縮まったことから、うるさいエンジン音に掻き消されることなく聞こえてくる、歌の声が響いてきます。

 

 

『おお――、君たちは見たかー? あの細やかなる笑みをー♪ 風にたなびく硝煙は正義のしーるーしー♪

 彼女こそが女神ー♪ ホントの女神ー♪ マシンガンを撃ちまくれる世界の平和を守る真紅の悪魔ー♪

 大好きなマシンガンを撃てる明日を守るためー♪ 今日女神は戦場へと帰ってくるー♪

 (セリフ)世界初の男性ISなんちゃらは、もう用無しだぜ! ヘイヘイヘイ☆』

 

 

 ノリのいい音楽と共に、複数人が歌ってる声を乗せて流れてきた楽曲は、ネットで話題沸騰中の『謎の仮面ギタリスト』が大会中に歌ってたのを録音した海賊版コピーが出回っているのをダウンロードして、楽曲改造可能な無料ソフトをインストールしてきたマシンガン好きーな爺共が勝手に歌って勝手に改変したもの。

 意外と上手いから、余計にムカつくタイプですね。

 

「「「・・・・・・」」」

 

 

 無言のまま、思わず音源元になってるであろう漁船に立ってる少女の片足のせてるラジカセだけでも吹っ飛ばしたくなって荷電粒子砲の銃口向けてみたけど、威力高すぎて無理なので諦めて、女の子相手でもちょっとだけイライラしながら漁船が到着するのを大人しく待ち。――ようやく到着。

 

「ここまで来れば、もういいでしょう。密航船の人たち、ありがとうございました。

 では、改めて展開。《フローム・マイ・コールド・デーッドハーンズ》!!」

 

 そう叫んで右手を掲げ、光に包まれた直後にIS武装を身にまとって現れた少女は、なんと美矢ちゃんでした!! これはビックリです!

 まさか彼女が密漁船に乗って現れた少女の正体だったなんて誰も想像し得なかった展開ですね! お子様になった名探偵くんでも推理不可能な完全犯罪的展開ですよ!

 

「いや、お待たせして申し訳ない。ですが、私が来たからにはもう安心です!

 共に力を合わせ、皆で日本の平和と、全ての生命の故郷である海を守るため全力を尽くしてマシンガンを撃ちまくりましょう! 地球の未来を守るためにッ!!」

 

『『言うことがデカい! デカすぎる! そして、あの密漁船は何!?

  なんであんなのに乗ってやって来たの!?(ですか!?)』』

 

 そして女子メンバーたち全員から全力ツッコミです。到着までに時間かかってる間に復活したみたいですね。

 女の子には暴力振るわない男の子道を貫く一夏には、怒りにまかせて殴っちゃいけないと自戒する思いが強すぎて言うのさえ控えてたことでも彼女たちには関係ありません。

 全力で聞きます。聞いちゃいます。この状況で聞かない人の方が珍しそうな質問を大声で。

 その質問への回答がコチラ。

 

「はい。援軍に来ようとしたら道に迷って、改めて戦場を感じ取ったから方向転換したら間違ってたので、燃料節約のためシージャックしてきました」

『犯罪だ! そっちがやってることも立派な犯罪行為だよ!(ですわよ!)』

「仕方がありません。マシンガンを一発でも多く撃ち続けるためには、必要な犠牲です」

『恥じ入る気すらなし!? 厚かましいにも程があるッ!!』

 

 自分が愛するマシンガンを撃つためのエネルギー消耗を押さえるためなら、犯罪者に危険を冒させるぐらい仕方がないと割り切ってしまうマシンガンキチガイの少女に、まともな言い訳や正当化の屁理屈など求めるだけ時間の無駄でした。

 むしろ、犯罪者じゃなくても同じことやりそうな女の子なので、本気で無駄です。美矢ちゃんの場合は本当に。

 

 自分が撃ち殺す相手は犯罪にならないよう選んでも、自分が犯罪者にならずにマシンガン撃てるためなら躊躇いなくやっちゃう女の子、それがマシンガン大好きすぎ少女・篠原美矢ちゃんの生き方ライフ。

 

《キアアアアアアッ!!!》

「むっ!? 見たことのない白い機体がタクシー代わりに乗せてもらった漁船さんの方に・・・・・・まさかアレが敵ッ!?」

『『ほら、やっぱりそうなったじゃん!(じゃありませんの!)

  って言うか、敵の姿も知らないまま援軍に来るつもりだったの!?(でしたの!?)』』

 

 そして当然のように当然のごとく、シルバリオ・ゴスペルは昼間に逃げられたときと同じく、密漁船を襲って逃げられたパターンを繰り返させるため、再び密漁船に襲いかかります!

 

 そうなるであろう展開を、箒ちゃんは知ってましたし、セシリアや鈴やシャルロットやラウラなど、映像や音声でリアルタイム情報で見聞きしていた専用機メンバーたちは知らないまでも把握していましたが、美矢ちゃんは全く何にも知りませんでした。

 

 一般生徒として、旅館の自室で待機して、爺たちと一緒にカラオケしてたからです。

 織斑先生の説明を受けておらず、むしろ邪魔者扱いされてたので、ゴスペルの姿も性能も一切全くなんも知りません。

 それでも彼女は倒しに来てます。夜空に向かってマシンガンを撃ちまくって倒せる綺麗な光景を見たくて、見たいだけが理由でゴスペル戦に参戦するため援軍しに来ちゃってました。ぶっちゃけ本来は一人だけで戦う予定でいたぐらいです。

 

 なぜなら彼女にとっての敵とは、『合法的にマシンガンで撃ちまくって問題ない存在』のことです。

 国家や所属や理由は関係ありません。相手が自分たちに向かってくる理由など、知ったところでどーにもならない問題です。

 

 だからこそ彼女は・・・・・・ただマシンガンを撃ちたい。マシンガンを撃って蜂の巣にしたい。

 マシンガンで敵を撃てと叫んでいるのだ、マシンガンが。それが宿命であり運命なのだと、マシンガンの神が人々に向かって教えを説いている。汝、銃を捨ててマシンガンを取って撃て、と・・・・・・。

 

 だから美矢ちゃんは来ました、戦場に。マシンガンを撃つために。マシンガンを撃つためだけに。以上。彼女が戦う理由終わり。

 

「チィッ! 逃がすかよぉッ!!」

『!? 一夏ッ!!』 

 

 敵機の行動に対して、即座に反応したのはツッコミに参加してなかった一夏くんだけでした。

 ツッコむために叫んでた少女たちは、一瞬だけ反応が遅れます。

 一夏のパワーアップした《白式・雪羅》がゴスペルの後を追い、

 

「一夏・・・! 私も戦いたい、共にあの背中を守りたい・・・っ! ――こ、これは!?」

 

 箒ちゃんの機体《紅椿》の展開装甲も赤く光って黄金の粒子が溢れ出し、機体エネルギーが急激に回復していくのを確認し――ワンオフ・アビリティ《絢爛舞踏》が完全に発動します。

 

 そして――ッ!!

 

 

《今だよ美矢ちゃん! 思いを込めて右手を掲げ、ボクの名前を呼んで!!

 君の力で、みんなを守ってあげるために――ッ!!

 何故ならボクは――私たちは、お前のマシンガンなのだからッ!!》

 

「OB応さァッ!!」

 

 

 そして美矢ちゃんは、マシンガンから声が聞こえてきて話しかけられても、全く気にせず不思議に思わず、当然のように右手を掲げて思いを込めて愛銃の名前を高らかに叫び上げます!!

 

 彼女にとってマシンガンが人に話しかけてくる、という現象は決して不思議なことではないからです。

 だって美矢ちゃんは、毎食毎晩マシンガンのエアガンと一緒の食卓でご飯を食べて一緒に寝て、しょっちゅうマシンガンに話しかけて愛を語りかける生活を送っている危ない女子高生なのですから、立場が逆になることぐらいどーって事ありません。

 むしろ相手からも返事来たなら正常なぐらいです。人間の方からだけ一方的に話しかけてるだけなら変態か異常者です。変態で異常者なんでしょうけれども。

 

 

「ヒトノコ君Mk-Ⅱ!! OBカマ~~~ンッ!!!」

 

 

 そう叫んで片手を上げて愛銃であるIS武装を光らせ、ついでに体全身を光に包まれた美矢ちゃんが、通常の姿に戻ってきたとき。

 新たな力を与えられた、ヒトノコくんのセカンドシフトみたいなものは完了しました!!

 

 

「変身完了! 今からヒトノコ君は――《ヒトノコ君(×5)》だぁぁぁぁッ!!!」

 

 

 ――数が増えてました。

 ゴーカート型の銃座に設置された《IS武装マシンガン・ヒトノコ君》が、全く同じ形状を持った同じ姿で、本体の周囲に五体も浮かび上がっています。

 本体なら美矢ちゃんが乗って引き金を握ってる場所には、4人の男女たちが乗ってマシンガンを構えてます。

 

 全員あんまり共通点のない姿をしていて、黒いコンバットパンツにTシャツを着て、フリースのジャケットを羽織っている服装だけは統一されている男女の4人組。

 

 ただ一つ、絶対的に同じ部分の共通点として――すごく楽しそうな笑顔を浮かべている。・・・という一点だけは間違いようがありませんでした。

 まるでマシンガンが撃ちまくれることが嬉しくて嬉しくて仕方がないような。

 『仲間たち』と力を合わせて戦えることが、嬉しすぎて手伝いに来ちゃったみたいな―――そんな時の美矢ちゃんが浮かべてる笑みと同じ笑顔を5人の男女たち全員が、まったく同じように。

 

 

『『『ひゃっはーあああああああははははははははッッ♪♪♪』』』

 

 

 そして、撃ちます。

 マシンガンが5挺もそろった訳ですから当然、一斉射撃で敵機めがけて全員が笑いながら。

 

 ―――白兵戦武装一本だけが切り札になってる白式が、止めさすため斬りかかっていった直後のゴスペルめがけて一斉に―――

 

「てやぁぁぁぁぁッ!! ――って、ん? なんか聞こえたようなって、うわぁぁ!?」

《キィィィィィンッ!?》

 

 どがどがどがどがどがどが!!!

 ズドドドドドドド!!!

 ずががががががッ!!!!

 ズガガン!!! ががががん!! ガガンガン!!!

 

 ものすっげー量の銃弾の雨霰が、ゴスペルに向かって一夏ごと降り注ぎまくってきやがりました!!

 こんな状況下で接近戦なんかやってられません!! 死にます!! 主な死因は味方の援護射撃!!

 

「ちょっ、待っ!? これじゃ戦えな――!!」

『わはははははは♪♪ ひゃっほォォォォォォッ!!!』

「美矢ぁぁぁッ!! ちょっと銃弾セーブしろよ! 俺が死ぬだろうがァァァッ!?」

『どりゃぁぁぁぁぁぁッ!! OBOBOBOB~~~♪♪♪』

 

 そして全く聞いていません。味方の声すら耳に届かず、ただひたすらマシンガンを撃てと叫ぶマシンガンの声のみに耳を傾けるのがマシンガン大好きキチガイ連中の生き様だからです!

 そんなのが女神パワーで召喚されて、仲間たちと一緒にチーム組んでるっぽい状態で同じ行動取ってるわけですからね。他人の声なんか聞こえるわきゃあない。

 すさまじい銃声の嵐による轟音と、撃ってる奴ら自身の笑い声と叫び声とで、本人たちの耳にはマシンガンの声しか聞こえてはいないでしょう。間違いなく幻聴だとは誰一人として思うことすらないままに。

 

《リィィィッ・・・・・・!!!》

 

 とはいえ、ゴスペルだって黙ったままやられはしません。

 密漁船の方は完全に運任せな状態ですが、敵であるシルバリオ・ゴスペルには彼らと違って身を守るため敵を倒す牙があるのですから、それを使って身を守ろうとするのは至極当然な道理。

 

《敵機の情報を再更新。攻撃レベルSで完全に殲滅する》

 

 機械音声で宣言すると、セカンドシフトした今の形態が有する武装であるエネルギー翼を大きく広げ、胴体からも翼を伸ばし、しならせながら自分自身の全身へと巻き付け始める。

 

 “一斉射撃までの秒読みを必要とするエネルギー弾”を、自分の周囲に集めまくった状態でマシンガンの雨霰に晒されまくってくる空気読まない敵の前で。

 

 

『『『――あ』』』

 

 

 と、一夏たちが気づいて声を出したときには手遅れでした。完全に手遅れになりすぎてました。

 一斉射撃しようとしてたエネルギー弾の爆弾を纏わり付かせまくっていたところに、狙いつけることなく撃ちまくって気持ちよければそれでいい奴ら全員の思いを込めた銃弾の雨霰が降り注いできて、そして―――

 

 

 ズドドン! ズババンっ! ズババババババ――――ッン!!!!

 

 と、爆発音を連発させまくりながら、シルバリオ・ゴスペルは自分の武装の《シルバー・ベル》を着弾させまくられて連鎖爆発しまくって・・・・・・《絶対防御》が発動したっぽい操縦者の人だけが海に落ちていって「バッーシャン!」と水飛沫上げる光景を、一夏たちは目にすることになって―――この夜の戦闘は終わりを迎えます。

 

 

 なぜ敵の銃弾を受けまくっている状況下で、最強の攻撃手段とはいえ小型爆弾を発射しまくる攻撃を選択してしまったのか・・・・・・やはり暴走してる人や機械の考えることは、普通の人とは違うようです。

 

 どっかのマシンガンキチガイと同じように―――。

 

 

「フッ・・・・・・綺麗な花火だぜ。

 夏の夜をバックに咲く、マシンガン・フラワー・・・・・・風流だなぁ♡」

 

 

 

つづく




サブタイトルの由来にもなっている、【ヒトノコ君の新機能(×5)】の説明とかは後日に書く予定です。今の状態で考えても、いいものが書けそうにない。

知らない赤の他人たちが、いきなり決戦場に4人も幽霊状態で追加されたら……そりゃ「どちら様?」になりますわな。普通に考えて(お約束否定?)
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