体調不良で書けなかった昨日の鬱憤から、昼までに出来てた分に付け足したものを投稿しました。
間が空き過ぎて色々忘れて変わってるかもしれませんが、おいおい直してきますのでお許しを…(陳謝)
夏でした。それはどこからどう見ても夏の学校風景でした。
太陽は東の空に眩しくそこそこの角度まで昇り、夏の大地とコンクリート製の校舎と学生寮をそりゃもう暖めまくってました。熱すぎるぐらいに。
「あっつぅ・・・・・・」
そんな真夏のIS学園寮で、中国代表候補生のヒンヌ――もとい、慎ましくも奥ゆかしい体格と背丈の持ち主である凰鈴音ちゃんは廊下を歩きながら、暑っ苦しそうに暑っ苦しそうな声で呻くように呟き捨てています。
色々と最新設備がととのっているIS操縦者の育成高校であるIS学園ですけど、部屋の一つ一つにはエアコンが設置されてるのに、なぜか廊下には入っておらず、大陸に広い領土をもつ中国のたぶん寒い北の方のどっか出身の鈴ちゃんには昔から大嫌いだったみたいです。
「まったく・・・・・・昔から、この国の夏はクソ暑いったらありゃしないわね。やっぱりアタシも国に帰った方が良かったかも・・・・・・。
でも帰っても両親いないし、軍施設で訓練やらされて面倒で暑いのは変わんないのよね~・・・・・・」
今は八月。
海での臨海学校で予期せぬ死闘が行われてから、夏休みが始まって少しだけ時間が経った夏の一日。
IS学園は世界で唯一のIS操縦者育成のための学校機関ですので、IS操縦者になりたい生徒たちは世界中の色んな所から日本のIS学園までやってくる以外に手段は多くありません。
そのため夏の長期休暇中には、多くの生徒たちが実家の母国に帰省するため寮の中は静かなもの。
そんな普段と違って静かになって、羊さんたちが自主的に沈黙したくなりそうな廊下を鈴ちゃんは、先程からグチグチ言いながらも歩き続けておりました。
「夏休みになっても母国に帰省したくない理由“だけ”」を口にすることで、「クソ暑いから大嫌いな日本の夏のIS学園にいる理由」については誰も聞いてないけどはぐらかしながら。
誰かに対して言い訳しつつ、夏の空気がムンムンしている廊下を、とある男子生徒の自室がある方へと進み続けています。
ちなみに、女性のみが動かせるはずのIS操縦者育成のための学校に、男子生徒は一人だけです。一人いれば充分です、鈴ちゃんにとってはですけれども。
(・・・あいつホントにいるんでしょうね、まったく・・・。
大体なんで、あたしから誘わなきゃいけないのよ。本っ当に昔っから甲斐性のないヤツなんだから!)
「まったく・・・・・・そもそも、あたしはこの国の人間じゃないし。
最初は両親の都合で連れてこられて、次は祖国の都合でここに来てやってるだけなんだから、もう少し感謝して気を遣って欲しいもんだわ本当に」
そして呟きながらも、『人に聞かれてたら噂になって恥ずかしいし♡』な感じの理由で本音の方は心の中だけの独白に収めて、万が一聞かれても問題ない言い方した方のグチだけ声に出し、地味に保身を図るヘタレぶりを発揮する鈴ちゃん。
「だったら帰れよ」とかの空気読めないツッコミをしてくる他人が物理的にいなくなってるIS学園寮内で、彼女は自分で決意した意志を貫き通すため進軍を続け、自分がやめようと思うまで進軍し続けながら理論武装して、自己正当化もし続けます。
日本に来るとき、「学園内でISを展開するのは本当にやめてお願いします」と何度も懇願したのに一度か二度ぐらいしか守られてない、中国政府の高官の人は泣いていい。
基本的に、自分に都合の悪いほうに関連した記憶は思い出さないのが鈴ちゃんブレイン。
(――そう、そうね。やっぱり、あいつから誘いに来ればいいのよ。そうすべきなんだわっ。
あたしから誘いに行って、焦れて擦り寄ってきた安い女だとか誤解されたら、恥ずかしいしムカつくし!)
挙げ句の果てに、目的地まであと少しというところで思い直してUターン。
他人が決めたことを押しつけられて従わされるのは嫌いだけど、自分が決めたことを貫くことも実はあんまり多くなく、けっこう途中で後戻りしてなかったことにしやすいのが彼女の特徴の一つ。
しかも、その結果。
「お、鈴じゃねーか。どうした?」
「い、い、一夏!? な、なな、なんでアンタここにいんのよ! 部屋じゃなかったの!?」
やっぱ部屋に戻ろうとUターンした直後に、目的地で“たまたま偶然に遊ぶことになった”という形を取ってデートに誘うつもりでいた意中の相手の幼馴染みにバッタリ不意遭遇してしまって、頭真っ白になってしまうというパニックに見回られ。
「いや、レポートの提出忘れてたから届けてきたとこで――ん?
なんか持ってるみたいだけど、何持ってんだ?」
「へっ!? コレ!? なな、なんでもないわよバカァっ!」
とテンパった末に盛大に自爆して、自分の計画も台無しに木っ端微塵。
咄嗟のときの予想外な事態に弱すぎるのも、鈴ちゃんの72ある欠点の一つ。他の70個はどんな欠点かは内緒です。
女の子は秘密が多いので、今後増えたり減ったりするかもしれませんが、秘密なのでバレない。女の子の秘密は政治家向きで便利そう。
「ふーん? ま、いいや。とりあえず俺の部屋にでも寄っていくか? 暑い中歩いてきたならエアコンつけるぞ」
「え!? え~と・・・ま、まぁ、そうね。じゃあ折角の誘いだし、アンタの部屋に行ってあげるから、飲み物出しなさいよ」
「へいへい、麦茶でいいよな?」
「冷たけれりゃ何だっていいわよ」
ですが結果的に、相手の鈍感さに助けられ、デートに誘えるチャンスを提供される形となったみたいですね。ラッキーです。
夏の思い出として、二人きりで一日を過ごせるため、友達から高値で買い取ったキャンセル品の特別入場チケットを片手に握りしめながら決意を胸に、鈴ちゃんは思い人で幼馴染みの男の子についていきながら、『今日こそは!』という想いも新たに部屋の中へ!!
(とにかく! 今日はいつもとは違うのよ! うん!!)
そして二人は閑散とした寮内を、一緒に並んで歩みはじめる。
凰鈴音にとって、臨海学校が終わって学園での戦争(デート)は、ここから始まる――!!
そして、夏が終わりました。早いです。
何事もなく終わった、健全極まりない女子高生の夏でしたからね。特に語るようなことは何もありません。
一応、『ウォーターワールドでIS展開して物損被害事件』とか『喫茶店強盗メイドと男装執事に降伏事件』とか、幾つか普通の人では経験できない出来事があるにはあったのですが・・・・・・彼女たちの恋愛ストーリーにも物語の大筋にも全く関係してない、成功すらしなかった事件モドキばかりでしたので、マクガフィンです。
物語には関係ないですし、別に彼女たちでなくても問題なかった余談でしかない話ですので無視していいでしょう。
歴史は勝者と成功例で創られてくものです。
「歴史は勝者が創るものではない」と言ってた勝者たちがいましたけど、実際には勝者だけが生き残って創ってましたので、やっぱり勝者が創ってくもんなんでしょう。悲しい現実です。
(注:マクガフィン。脚本の中でのアイテム。登場人物にとっては重要だけどシナリオ的にはなんでもいい設定上の存在のこと。空を飛ばないものだけを指す)
という訳で、今は9月3日。
「でやあああああっ!!」
「くっ・・・!!」
「逃がさないわよ、一夏!」
学園内にあるISアリーナでは今日も、イギリス戦艦の異名を持った世界唯一の男性IS操縦者と、夏のアバンチュール計画に失敗した少女たちが激しくぶつかり合っておりました。
怒りの感情をぶつけてる訳じゃありません、訓練です。念のために。
「最初にシールドを使いすぎたわねっ!」
「まだまだぁっ!」
一組二組の合同でおこなわれていた二学期初の実戦訓練は、最初こそ一夏くんが押してはいたものの、徐々に鈴ちゃんの方が巻き返してきて不利になってきてました。
そうなってた理由は単純明快。
「無駄よ! この甲龍は燃費の良さと安定性を第一に設計された実戦モデルなんだから!」
「ぐぅっ! くそおおっ!!」
一発当てようとしたらエネルギー切れで自滅した白式が、射撃武器でも外れたらエネルギー減りまくる銃が追加されて、外れる回数増えて自滅しやすさがパワーアップしたからでした。
まぁ、今まで剣一本だけで戦ってきた剣術少年が、いきなり強力な銃を手に入れたので、剣と一緒に使って戦おうとしてる時点で無理あると言えばあったのですが。
『背中にも目をつけろ』とか『輸送機で敵機を落とせ』とかの無茶振りされるよりかは多少マシと言えなくもなく。
世の中は、白いロボットで戦う少年たちに時々スゴク厳しい。
「フッ! しょせん白式はIS開発過程で生まれた欠陥機! 訓練も受けてないアンタでも動かせてセシリアと戦えてたのが、その証拠よ! けど、あたしの甲龍は違うわ!
これこそ実戦を想定して造られた、本物の第三世代専用機なのよ! そしてその機体をあやつるあたしは、中国人民を守るために選ばれたエリートパイロットなんだわ! アンタと違って!!」
「そこまで言うか!? って言うか、その変な格好付けは似合わないし変だって、再会したとき言ったはず――」
「うっさい! 《衝撃砲》ッ!!」
「なっ!? しま――うわぁぁぁぁぁぁッ!!!」
そして試合終了のブザーが鳴りました。一夏くんの負けです。
最後辺りの連射は、夏に何もなくて終わらせられた怨みとか籠もってませんでしたよ? 訓練ですからね? 中国人、怨んでないとかのウソ吐かない。
「ふっふっふ、これであたしの2連勝ね。ほれほれ、なんか奢りなさいよ。出来るだけ高いヤツを特に」
「ぐう・・・あ、足下見やがってチクショウ・・・・・・はぁ。それにしても、なんでパワーアップしたのに負けるんだ。なんか理不尽だ・・・」
「だから燃費悪すぎなのがアンタの機体って、言ってんでしょうが。ただでさシールドエネルギーを削る仕様の武器なのに、それが二つに増えたんだから尚更でしょ」
「うーん・・・・・・」
訓練終わって、他のメンバーたちと一緒に学食へとゾロゾロ移動して、全員一纏めになった場所で昼食兼反省会を開きながら、一夏くん的には自分の新たな機体について思いを馳せずにはいられません。
彼の専用機である白式は、臨海学校を突如襲ってきた暴走ISシルバリオ・ゴスペルとの戦いの中で、一度は敗北したものの夢の中で出会った少女の力で生まれ変わり、新たな武装も身につけて《白式mkーⅡ》もとい、《スーパー白式》でもなく《白式デルタプラス》でさえもなく。
《白式・雪羅》として大幅にパワーアップを遂げることに成功していました。
・・・・・・実際には、この惑星を四大魔王宇宙の側近の一人である六大暗黒将軍宇宙の力によって悪の心を増幅された人間たちから守るため、この星の女神様から選ばれた勇者として与えられた力でパワーアップした結果だったんですけれども。
敵に正体を気づかれぬよう、日常生活を問題なく送るために記憶を調整されて、偽りのパワーアップ理由こそが真実だったと信じ込まされている一夏くんの中では、ホントにそれが事実になってますので気にしません。
どっちが真実でも結果は変わりませんが、同じですが。
それでも真実は一つで、真実だと信じ込まされた偽りの記憶こそが唯一無二の真実です。人の心と記憶は難しい。
「そうですね。やはり織斑くんはマシンガンを撃つべきだと思います。マシンガンは単発での命中率は低いですけど、数撃ちまくれば当たりまくって、撃てば撃つほど楽しい気持ちになれる幸せを運ぶ銃ですから是非持つべきでしょう。
昔の偉いシンガーソングライターな幕末志士も、『汝、刀を捨てて銃を持つぜよ。銃を捨ててマシンガンを持つでゴワス』という名言を残してもいます。
だから刀も銃も捨てて、マシンガンに武器を切り替えるべきです。むしろマシンガン以外なにも要りません。織斑くんはマシンガンの弾が届く範囲の人たちを守れれば充分なんだと私は思う」
そして、女神に選ばれた勇者の支援射撃要員な女の子が、今日も今日とてマシンガン愛だけを語って、自分の興味ない分野についてはノー介入ノー意見のスタンスを貫き通しまくってました。
ご存じ、マシンガンを愛してloveする変人少女・篠原美矢ちゃんです。
この子も一応、一夏くんと同じで女神様から力を授かってパワーアップしたときに女神の声を聞いてはおり、記憶を改竄して調整されたのも同じではあるんですが・・・・・・改竄される前の時点で『マシンガンの神様がお告げを受けた』としか思ってなかった変人ですので、普通の生活続けるため変える必要ありませんでした。
変える前から普通の生活を、まったく送れてなかった女の子だからです。0に何を掛けても0にしかならないのと同じようなものです。
仮に彼女が記憶を残していて突然、「マシンガンの神様の声を聞いた」とか言い出しても、周囲の人からは「ああ、またか・・・」としか思ってくれない人は多分1人もいません。1人いたら充分すぎます。警察か救急車を呼びましょう。
「いや、俺の《白式》だと《雪羅》になった今でも武装までは変えられないみたいだから・・・」
「なんだ、マシンガンじゃないなら何でもいいです」
「・・・・・・」
そして自分の興味ある分野が関係ないと判った瞬間に興味失います。パワーアップした一夏くんの悩みは美矢ちゃんにとって『何でもいいんじゃね?』扱い。
他人事なんて所詮そんなものですよね。分かりますが、分かると世間的に色々リスクあるので、分かりません。
「ま、まぁアレだな! そんな問題も私と組めば解決だな!」
「ざーんねん。一夏はあたしと組むの。幼馴染みだし、甲龍は接近も中距離もこなせるから、白式と相性がいいのよ」
「な、何を勝手な! それならこのわたくし、セシリア・オルコットも遠距離型として立候補しますわ。白式の苦手距離をカバーできましてよ?」
「ちょっと待て! 幼馴染みというなら、私の方が先のはず! そ、それになんだ・・・白式と紅椿は絵になるし、その・・・・・・お、お似合いなのだ・・・・・・(ポッ♡)」
そして更に、ここぞとばかりに意中の相手が悩みになってる欠点につけ込んで、自己アピールするため利用してくる一夏くん大好き少女たち。
みんな一夏くんが好きで付き合いたいから言ってる提案でしたが、自分が付き合えるのに利用すること優先ですので、根本的解決になれない提案ばっかりでしたが。
でも仕方がありません。相手の弱みにつけ込んで、徹底的に攻めて攻めて攻めまくって首都を陥落させるのが昔から続いてきた戦争であり、追い詰められた相手から譲歩案を言い出させるのが近代における戦争での勝ち方というもの。
勝つためなら、敵である相手国の事情なんか、利用できる部分以外は知ったこっちゃありませんし、問題解決なんて敵国同士の間は疫病神もいいところ。
自分たちが勝つまでは欠点に悩み続けて、勝った後で解決して欲しいと願うのは、いつの時代あらゆる戦争において変わることのない人類史のカルマというもの。
彼女たちもまた、恋愛闘争という名の戦場に立つ兵士たちの一人。
戦争は勝って終わらないと賠償金支払いとか領土割譲とかで負担ばかりが大きくなって、一片の領土も手に入らない意味ない行為で終わるもの。
だからこそ彼女たちは戦争に勝つため、相手の思いを射止めて独占するため、恋人の地位という敵国首都を占拠して『love&peace』の旗を打ち立てるため、思い人である男の子の悩みに付け込みまくって売り込むことを躊躇うことは決してないのです。
『この戦争に勝てば、歴史は我々を許してくれるはずだ。
だが、もし敗れれば歴史は我々を許してはくれまい』
byヨーゼフ・ゲッベルス
――さぁ、諸君。私達のデートを始めましょう・・・・・・戦争よ!!
我々は戦争(デート)が大好きだッ♡
ですが戦争というものは、当事国の人たちはともかく第三国の人から見れば、必ずしも危機意識とかを共有できないのが現実でもあるもので。
「んー・・・・・・でもなぁ、別に最近ペア参加のトーナメントとかないしなぁ。
でもまぁ、もしあった時にはシャルと組むかな」
「へっ? 僕!? え、え、なんで!? どうして・・・かな?」
「前に組んでるからな。初めてのヤツと組むより勝率上がるだろ?」
「あ、そう・・・・・・そういうことだよね、うん。分かってたから大丈夫・・・」
急に話題振られて、一瞬だけ期待に輝く光を相手の瞳に宿らせながら、アッサリと掌返して絶望の淵へと突き落とす。
上げては落とし、進ませては突き落とす、『自分のことだけ考えてる優しさ』の一夏くんは今日も通常運転です。
「ふぅ・・・・・・平和だ。敵が襲ってくることはなく、味方同士で揉めていても付け込んでくる外敵はどこにもいないから、迎撃に出る必要もない。
やはり戦いの勝利によって手にした平和とは、素晴らしいものだったのだな・・・・・・ずずぅ~~~」
そして今日もまた、一夏くんたちの集団から付かず離れずの距離を保って、要するに一人だけ皆と一緒に行動して巻き込まれたくないから様子見と危険察知に徹している、ドイツの代表候補生にして最強部隊の隊長でもあるラウラちゃんだけは、恋愛戦争の当事者に立候補したがらなかったので平和な日常を謳歌できておりました。
大国同士がひしめき合って国境を接し合う、一夏くんという中心地区を奪い合うための恋愛戦国時代を形成しているIS学園一年生の美少女代表候補生たち。
ですが、今の彼女たちは知りません。
二学期の始まりと一夏くんのパワーアップは、新たな敵の登場と戦闘の激化をもたらす序曲であったという事実を。
今はいい・・・・・・ですが既に、IS学園には第二第三の敵が現れようとしています・・・。
この宇宙を我が物にしようと地球征服を企んでいる、四大魔王宇宙の側近の一人である六大暗黒将軍宇宙の力によって悪の心を増幅された人間たちから、この星と平和を守るため戦え選ばれし勇者たち!!
世界の命運は今、彼らの刃とマシンガンを愛する心に委ねられてしまった後なのですから!! クーリングオフする力は女神様に残ってないらしいので!!
「と言うか、接近と中距離は白式でも対応可能なんですから、要らないでしょう? だったら甲龍自体が一夏さんには無用なんですし、鈴さんも帰っていいんじゃありません?」
「なんですって!? もういっぺん言ってみなさいよ未完成のくせに!」
「なんですってぇ!? 完成して頭打ちになってる特徴なし機体持ちの分際で! これだから単機で多くの機能を持たせたがる東洋人の庶民は貧乏くさいですわねッ!」
「なんですってなんですって!? ムキー! 何よその超選民思想的な西洋人のブルジョア思考! 超ムカつく! この前の決着、今こそつける!」
「フフン。まぁ確かに特化型も万能型の完成タイプも一長一短はあるが、世界で唯一エネルギー回復が可能な私の紅椿と比べれば、どちらも支援機には力不足というもの――」
『『黙ってなさいよ!(ですわ!) この前の海で味方を死なせかかった仲間殺しのくせに!!』』
「グハー!? そ、そそそれは言わない約束だろうが!? 私だって好きで一夏を危ない目に遭わせた訳じゃない! 会わせた訳じゃないもん!・・・グッスン・・・(T_T)/~」
「平和だ・・・・・・ズズズゥゥ~~」
「平和ですねぇ。こんな平和な良い日が続いていると、マシンガンが撃ちまくりたくなりますね。
小川はせせらぎ、鳥たちがさえずり合って、穏やかな日差しが降り注ぐ平和な森の中に――マシンガンの発砲音が響き渡る! そして鳥たちは地に落ちて、川は染まる!! 全ては運命だった!!
・・・・・・そんな平和な世界が、いつまでも続くといいですよねぇ~。ズズゥゥ~」
こうして穏やかにIS学園2学期が始まって最初の数日は過ぎ、そして終わる。
とりあえず―――そろそろ警察呼んだ方がいいのではないだろうか? もしくは自衛隊の治安出動を。
危険思想の持ち主ばかりが大量な、IS学園の昼下がり。
パチン!――と。
・・・・・・どこかでナニカを閉じるのを、鳴らす音が響いてきます。
「風が――吹き始めたようね。そろそろ私も動くとしましょうか・・・フフフ♪」
怪しく不敵に微笑みながら、暗い室内でテレビに映された一夏くんたちの食事風景を眺めている彼女は、敵なのか? 味方なのか?
今はまだ、一夏くんたちは誰も知りません・・・・・・。
翌日には全校集会で皆一緒に知ることになりますけど、出会うまでは予言者以外は知ることができないから知らないのです。当たり前ですけれども。
つづく
オマケ『ヒトノコくんに目覚めた新たな能力』
前回でゴスペル撃破時に使われたナゾの現象。
美矢ちゃんの仲間たちのマシンガンを愛して撃ちまくりたいと偏愛する想いを召喚し、一時的に質量を持った残像として構築する特殊能力。
段階的に覚醒していくのを予定している能力で、最初は人数、次に銃器で、その次はまた人数。
最終的には全員が自分の愛するマシンガンに変換した状態で召喚され、更には一人一人が召喚能力を手に入れて、もの凄い数の縦列射撃が可能になるのを、愛が極まった状態を究極系と考えております。