IS学園のマシンガンラバー   作:ひきがやもとまち

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悪ふざけは控えようと決意した矢先に盛大な悪ふざけを書いてしまった・・・私はもうダメなのかもしれませんね。
と言う訳でセシリア戦です。一応言い訳させて頂くと、テンパってたんです。ストレス解消したくて気持ち良く書きたかったんです。ただそれだけですので余り責めないでやってください・・・。


第2話「原作バトルに向かって撃て!」

 IS学園第三アリーナは今、期待の新人篠原美矢とイギリス代表候補生セシリア・オルコットによる試合を前にして熱気と歓声に包まれて・・・いなかった。

 

 まぁ、それも当然のことで急遽決まったよく分からない組み合わせのよく分からない理由で行われる、国家代表候補専用機と学園が保有し管理している量産型を貸し付けてもらっただけの訓練用機との一騎打ちに、いったい何処の誰が期待すると言うのだろうか? どう考えても無理がある。ありすぎる。

 

 その為、通常であるなら学園教師公認の元で行われるISを使った実践形式での模擬戦闘は大半の生徒が注目し、大勢の見物客が押し寄せてアリーナの客席を覆い尽くすのだが、今日の試合に関して言えば客の入りは四割弱程度。半分以上の席が空いていた。

 

「・・・物寂しい・・・イギリスの公式試合であるなら満員御礼間違いなしのわたくしの試合が、この体たらく! やはりあなたは許せません篠原美矢! ここでわたくしが引導を渡して上げます! 覚悟なさい!」

「マッシンガン♪ マッシンガン♪ 撃て撃て撃て撃て撃っちまくれ~♪

 ばんばんばん! ぎゃー、やったー!」

「だぁかぁらぁー・・・人の話を聞きやがれって言ってますでしょうがーーーっ!!!」

 

 イギリスお嬢様、アリーナ中央でIS展開しながら絶叫。観客席の女の子たちが何事かと慌て騒いでいるが本人は気にすることなく相手を睨みつけたまま、愛用のライフルを扱くので忙しい。

 

「うっふっふ・・・久しぶりに血を吸わせてもよい相手を見つけましたわよ「スターライト」。存分に処女の生き血を啜り、味わいなさい。

 戦争は地獄で違法ですが、これはISバトルで合法です。

 ーー野獣・・・・・・、死すべし・・・・・・」

 

 客席には聞こえない声量での呟きだったが、操縦者=生徒たちの安全を見守る上で必要だからと教職員が詰めているピットには対戦相手双方の声が全てリアルタイムで届き、録音されている。

 

 たまたまその場に居合わせた織斑一夏少年は、一見すると(見た目だけは)お淑やかでお嬢様風のセシリアが放った呟きに、思わずドン引いていた。

 

「ち、千冬ねえ・・・今のはいったい・・・?」

「馬鹿者、ここでは織斑先生と呼べ。・・・彼女の実家オルコット家は、長い歴史と伝統を持つイギリスの名門だ。当然、彼女も今は亡き御両親から貴族の嗜みとして様々な知識と教養を教え込まれている」

「・・・つまり・・・?」

「・・・・・・狩猟は英国貴族の嗜みだ」

「・・・oh my God・・・」

 

 一夏はあまりの衝撃に、思わずハリウッド男優みたいな表情を浮かべて英語でショックの大きさを表現してしまう。

 普段は見られない渋い驚愕の表情を見て思わず、きゅんっ! と胸をトキメかせたのは、彼と同じくたまたまその場に言わせた(と言う名目でくっついてきた)一夏のファースト幼馴染みこと篠ノ之箒である。

 大きな胸を両手で押さえて息を荒げながらも、恋する少女は片思いの男の顔から片時も視線を離さない。

 要するに試合が行われるアリーナの方はガン無視である。まったくもって眼中に無い。

 

 ・・・ちなみに試合の勝敗如何に関係なく、勝ち残った方と織斑一夏はこの後対戦することになってはいるのだ。本人も忘れかけている状況だが。

 

 

 ーーなんかこっちはこっちで、どうしようもなかった!

 

 

 

 

 

「ーー臆病風に吹かれる事なく、逃げずにここまで来たことだけは誉めて上げましょう」

 

 アリーナ中央、上空に位置して眼下の美矢を睥睨しながらセシリアは、なんかラスボスの魔王みたいなことを言い出していた。

 

「ですが人はそれを勇気とは呼びません。蛮勇と呼びます。勝てない相手に正面から挑むのは無謀の極み。賢明なものなら、まず立ち至ることない愚考でしょう。

 ですから最後のチャンスをあげます。降伏なさい。

 今ここで武器を捨てて投降するならば、痛い思いをせずにピットへ戻れーー」

「うおおおぉぉぉぉっ!!!!

 これはまさかMG42!? スゴい!

 整備課の人にIS用マシンガンが欲しいって言ったら渡された銃が、まさか「ヒトラーの電動ノコギリ」だったとは!

 これは付いてる! 私には今、マシンガンの神様が幸運とともに降りてきている!

 ありがとうマシンガンの神様! オープンボルト! 略してOB!」

「あなた人の話を聞く気ないでしょ!? 聞きなさいよわたくしの考えた前口上を!

 参考にするために読んだ「シャーロック・ホームズ」シリーズが無駄になってしまうでしょう!? 全巻まとめ買いするのに幾らしたと思ってますの!?

 て言うか! 高いんですのよ日本の物価! 本一冊600円以上とかあり得ませんでしょう!?

 もっと消費者意識を分析して物の単価を決めてですね・・・」

 

 セシリア・オルコット、ここに来てまさかの説教タイムである。

 忘れられがちだが彼女の母は女尊男卑以前より女の身でありながら会社経営をいくつも手掛けて成功させているビジネスウーマンだった。企業エリートなのである。

 その母を尊敬し敬愛するセシリアもまた、実家の資産運用を一人で一手に担い行っている企業経営者である。日本の経済政策と経営方針には言いたいことがダース単位であるのだ。

 

 ーーが、今は試合前である。開始のベルが鳴る寸前である。余計な話を持ち出している暇は一切無い・・・はずである、たしか。

 

「だいたい日本の企業は仲良しごっこの度が過ぎるのです。もっとビジネスライクに徹して取引相手を選別しなければ、これからの時代グローバル社会で世界に進出することは出来ーー」

 

 ビーーーッ!

 

「くっ! まだ話の途中でしたのに!

 ーーとはいえ、試合開始のホイッスルが鳴っては仕方ありません。終わらせて差し上げます。

 お別れですわねっ! 食らいなさーー」

 

 どどどどどどどっ! がががががががががっ! ずどどどどどどどどどっ!!!!

 

「わひゃあぁぁっ!?

 ど、どうして試合開始前から銃座を据えておくんですのよーーっ! それじゃあ先制攻撃できるマシンガンが圧倒的に有利でしょうが! もっと空気を読みなさい野蛮人!

 そんなことでは世間から注目される一人前のIS操縦者には成れなくってよーー」

 

 ずがががががががががががががががががががががががががががががががががっ!!!

 

「たまには人の話を聞いていただけませんことーーーっ!?」

 

 セシリア・オルコット、試合開始直後に放った掛け声とともにライフルを持ち上げてから狙いを定め、銃口を相手に向けた後に余裕が有ればもう一声付け足した上で発砲するつもりだったのだが、予定は大きく崩され悲鳴を上げながら必死扱いて逃げまどう羽目に陥る事となる。

 

 ここでセシリア・オルコットが現在進行形で晒している醜態について、一応の弁護を兼ねた補足説明をさせてもらう。

 

 言うまでもないことだがISは戦争時において使う純粋な意味での「戦闘兵器」ではない。モンド・グロッソ等の公式大会において使用される「スポーツ用品」である。

 グローブやミット、もしくはバットや竹刀でもいいが、とにかく敵を殺すために使われる問答無用の殺傷兵器ではなく「試合に勝つために敵選手を倒すための道具」なのだ。

 

 当然、これらの担い手には相応しい挙措と精神、戦い方や相手選手への礼儀。すなわち「スポーツマンシップ」が求められ、それらを兼ね備えた「国の恥にならないよう留意しつつも試合に勝てる」強い選手だけが国家の代表選手に選ばれ、国際大会へと駒を進められる。

 IS産業が世界産業の主力を担う現代においてIS操縦者、とくに国家代表選手に選ばれるには勝つだけではダメなのだ。「魅せる勝ち方で」勝てなければ意味がない。そうでなければ自国のIS人気が下がってしまう。

 儲けるために大枚払って育成した操縦者が「卑怯上等。勝った方が正しい、負けた方が間違い。勝てば官軍、負ければ賊軍。勝利はすべてを正当化する」等と言った戦争賛美じみた思想の持ち主であったり、または其れを臭わせるような勝ち方・戦い方をする選手だったならば、最悪IS委員会による査察が入り「アラスカ条約違反」の名目で探られたら痛いだけの腹を探られまくられかねない。

 

 国と政府と政治家たちは諸々の理由により国家代表IS操縦者の選抜基準には能力主義を掲げているものの、実際には勝つことのみに特化した選手は候補止まりであり、決して代表に昇格することはあり得ない。

 その逆に国家が代表に求めるのは正々堂々とした立ち居振る舞いと、優美で華麗な「魅せるのに適した」バトルスタイル。そして他を置いて優先すべきは見目麗しい「美しさ」。

 

 女尊男卑の象徴ISは、圧倒的高性能で敵を寄せ付けない「強さ」によって世界最高戦力の地位を獲得したが、その性能は「アラスカ条約」によって活躍の場である戦場を奪われたことで別物にすげ替えざるを得なくなってしまい、モンド・グロッソという国際技術見本市のような場所で性能を披露し売りに出さねば意味を成さなくなってしまった。

 

 強いだけで人気は出ても、利益を生まねば国家と政府は興味を示さない。

 利用価値があるから買うのだ。買ったからには値段相応の使い出がなければ鉄クズなのだ。現実は非常である。

 

 よって、セシリア・オルコットに限らず世界中の国家代表及び代表候補者たちはIS戦闘を「スポーツ」として習い、敵を倒すに際して出来うる限り優美で魅せることを強調して教育されている。

 大仰で見栄えのいい動きと台詞も教習期間に教えられたものなので、別段彼女が苦労知らずというわけはないのであしからず。

 

 

 ーー長くなってしまったが要するにセシリアは、敵が目の前にいるから試合前に銃座を設置し、開始のベルが鳴ったら即座に撃ちまくる戦い方を「IS戦闘」として教えられていないし、大会などで戦った相手にもこんな手法で挑んでくる相手はいるはずも無く、経験がない。

 

 おかしな話だが今現在、セシリア・オルコットは稼働時間がものを言うと評されるIS操縦において総稼働時間三〇〇時間をかるく超過していながらも、「生まれて初めて戦う相手を前にしている」状況にある。落ち着いて対処せよと言うのは流石に酷だろう。

 

 とはいえ戦っている相手に敵の事情を考慮してやらねばならない理由など、万に一つもあるわきゃ無い。問答無用で設置しておいた銃座にマシンガンMG42を固定すると試合開始のブザーと同時に回答無用で撃ちまくり始めた。マシンガンバカの本領発揮である。

 

 今、篠原の頭にあるのは只一つ。

 

「うおおおおお! 気持ちいいぜええええええ! ひゃはああああ! しねー!」

 

 ーー訂正。只の一つも頭に存在してはいなさそうだ。

 彼女は今、マシンガンを撃っている。思い切り撃っている。

 それだけで十分なのだ、満足なのだ、連なる音と振動を感じる心があるのなら、それ以外なにもいらないのである。

 無我の境地だ。ガンジーとは真逆すぎるがな。

 

 ゲームでは常にマシンガンを武器に選んできたとはいえ、本気の実戦で敵を相手に戦闘したことなどあるわけない彼女にとって今回の試合は福音でした。彼女はあのとき確かに神の声を聞いたのです。ーー機関銃の神様の声をでしたが・・・。

 

「入学して最初のIS操縦実習がマシンガン撃ち放題の模擬戦闘だなんて、すごくラッキーだったわ! ああ! 機関銃の神様ありがとう!

 お礼に私、ひたすら撃ちまくる!」

 

 ドドドドドドドドドド! タタタタタタタン! ズドガガガガガガガガガガ!!!

 

「うひょえぇぇぇぇぇっ!?」

 

 セシリア・オルコット、今や逃げるだけで精一杯の状態である。

 

 ちなみに蛇足だが、このとき篠原が使っている量産型IS《ラファール・リヴァイブ》は試合開始よりこの方、一歩たりとも動いていない。ただ立ち止まってマシンガン撃ちまくってるだけである。

 むしろ操縦者の方が、叫んだり笑ったりと色々忙しくて大変そうなくらいだ。機体そのものはなにひとつとして出来ることがない。

 ご自慢のパワーアシストシステムも通常の機関銃を銃座に設置して据え付けた上で撃ちまくられては出番がまったくない。ぶっちゃけIS必要ないんじゃないかと思えるほどには役立っていない状況にある。

 

 注:ISが使用する射撃装備の多くは戦車や戦闘機に搭載されるか、生身の人間が使用する場合は「固定した場所に据え付けるか、複数名の部隊規模で運用する物」を携行型に作りなおした物。

 

 実は彼女が使用しているMG42(もどき)は元がドイツ軍歩兵が使用し携行もしていた汎用機関銃であり、IS兵装とは名ばかりで、ISバリアを破るのならともかくエネルギーを削り取るだけなら通常兵器で十分すぎるからと、一切手が加えられていないごくごく普通のMG42汎用機関銃だったりする。

 

 何故そんなものがIS学園装整備課の倉庫に眠っていたのかは不明だが、まぁ何処にでも居るのだろう。マニアが。

 

 そんな訳で今試合中において行われている彼女の戦い、その全ては彼女の力によるものだ。あるいは彼女のマシンガンへの愛情によるものだ。ラブってラブってloveりまくった結果である。

 

 

 

 ーーそんな度を超したマシンガンバカである彼女が“それ”の声を聞くのは、もしかしたら必然であり当然の帰結でしかなかったのかもしれない。

 

 ひたすら笑いながらマシンガンを撃ちまくり、ひたすら喚きながら逃げまどうセシリアを

カトンボの如く撃ち落とそうとしていた彼女の耳にーー否。

 

 

 

“美矢の心の世界”に、渋くてバリトンのある赤い彗星ボイスが轟き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『篠原美矢よ。人として、本当の愛を知ったお前に私も応えよう。

 戦え、篠原美矢! いや、共に戦おう!

 なぜなら私は、お前のマシンガンなのだから!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・もう、訳わからん事になってるが一応書いとく。

 この作品は《インフィニット・ストラトス》の二次創作だ。

 誰がなんと言おうとお《インフィニット・ストラトス》なのである。

 

 異論反論は一切認めないし受け入れない。以上!解散!

 

 

 

意味不明な状況だが、それでも次回へつづく

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