あと、もう一つの謝罪として久しぶりの更新なのに美矢ちゃんが出ません。最後の次回予告にチラッとだけ出る程度です。
次回は頑張ります。
六月の最終週も終盤に突入し、IS学園学年別トーナメント大会も絶頂期を迎えている頃、その日最初の試合は今大会ベストカードと呼ぶにふさわしい盛り上がりを見せてくれていた。
ズゴォォォォォォォォォォォッ!!!
ーーガキィンっ!!
「開幕直後の先制攻撃か。わかりやすいな」
「・・・そりゃどうも。以心伝心で何よりだ」
試合開始直後から玄人向けの技イグニッション・ブーストを発動しあって、ぶつかりあい。
「私を忘れてもらっては困る」
「ーー邪魔だ」
「な、何をする!」
好きなもの同士でペアを組み参加するのが前提のタッグマッチで、サポートに回ろうとしていた味方機の足にワイヤーブレードを絡めて投げ飛ばし、
「お待たせ!」
「シャルル・・・助かったぜ。ありがとよ」
「どういたしまして」
「箒は?」
「お休み中」
専用機持ち二人で、専用機持ち一人と量産機一人とを分断して一対一を二つ作り出し、量産機の方をくだしてから黒一色の悪役風なフォルムを誇るドイツの専用機一機を相手に二人がかりで波状攻撃を仕掛けてくる、正義の騎士風な白の機体と爽やか美少女の操るオレンジの機体。
「無駄なことを!」
「ああ、なんだ。忘れているのか? それとも知らないのか? 俺たちはーーふたり組なんだぜ?」
「!?」
世界初の男性IS操縦者が悪い笑顔を浮かべながら堂々と言ってのける「戦いは敵より多くの数をそろえた方が勝つ」『数量差、絶対の法則』に、試合を見ていた観客たちは恐怖した。
「これが男性IS操縦者のやり方か・・・!!」
・・・忘れられがちではあるが、トーナメントが個人戦ではなくタッグマッチになったのは一夏たちの暴走が原因であり、ルールそのものは急遽変更されたものだ。当然ながら観客たちに事前通達などしている時間的余裕はないし、ポスター等も刷ってしまった後である。
セシリアたちの助力もあって変更手続きだけは正規の手順に則り正当に行われたものではあるが、観戦しにくる観客たちへの説明と、理解を得るための努力を徹底させるまでに至るには決定的に人員が足りなすぎていた。
ーー誰か、予定していたイベントの内容を大幅に変更するのが如何に大変なものなのかと言うことを、決定さえすれば後は自動的に事態が進んでいくと思いこんでいるサムライ脳筋女教師に教えてやれる気の利いた奴はいなかったのか!?
大会運営委員会メンバーが、寝不足で充血しきった真っ赤な瞳で慟哭している事実を知ることもなく、アリーナに併設されているピット内では元世界最強IS操縦者にして、引退後も超人気選手であり続けている織斑千冬先生が後輩の副担任山田真耶を相手にこんな会話を交わしあっていたりする
「やっぱり織斑君ってすごいです。二週間ちょっとの訓練であそこまで連携が取れるようになるなんて、才能ありますよ」
「ふん。あれはデュノアが合わせているから成り立つんだ。あいつ自体は大して連携の役には立てていない」
・・・・・・・・・知らぬは本人ばかり。
誰でも人のこと『だけ』は、よく見えているものらしい。
ーーまぁ、何はともあれIS学園タッグトーナメント大会は良くも悪くも大盛況な様である。
「「おおおおおっ!!!!!」」
一夏とシャルロット、二人の声が重なってシャルロットが左手拳をきつく握りしめ、六九口径サイズの巨大な杭、対ISパイルバンカー《シールド・ピアース》を、ISを装着しているとは言え外見年齢小学生レベルのラウラの腹に向かって全力で叩き込む!
攻撃がヒットする瞬間。ほんの一瞬だけではあったが、一夏以上の美男子で男にも女にも見える男の娘IS操縦者シャルル・デュノアが微笑んでいた。
眩いほどに、罪深い、その微笑み。
ーーさながら死を宣告する天使の様相であったと、人は言う・・・・・・。
ーーーーーズガンッッッッ!!!!!!!!
「ぐううっ・・・!!!!」
バリアでは防げない痛覚に、幼い容貌を歪ませるラウラ・ボーデヴィッヒ。
だが、地獄に墜ちた罪人に罰を与えて悔い改めることを迫る断罪の天使は、この程度で許してくれるほど甘くはない。
パイルバンカーはリボルバー型の武器であり、弾が切れるまで連射が可能なのである。
ズガンッ! ズガンッ! ズガンッ! ズガガガンッッ!!!
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
ーーもはや、観客たちに声はない。
ただただ、幼い合法ロリの少女が美男子の男の娘に連続で杭を打ち付けられ、苦悶によじる姿を唖然茫然自失としながら見ている事しかできない。
誰かは分からないが、観客の内の一人がボソリとつぶやくのが耳に入り、鼓膜に空しく響きわたる。
「・・・IS操縦者にとって『負ける』のは、悪いことだったんだな・・・・・・」
ーー余談になるが、ペアでの戦いにはチームワークが必須であり、出会って間もない一年生同士では多くの場合うまくいかずに関係破綻の一因になると言われており、IS学園のカリキュラムでもチーム戦の授業が本格的に始まるのは一年間の寮生活を終えた二年次からだ。
その為にランダムでルームメイトが決められているのだし、タッグマッチも好きな者同士、仲の良い者同士で組むよう推奨してもいる。
要するにタッグマッチにおける一年組にはガチバトルを期待して見に来ている観客など一人もおらず、参加者たちも一年生たちには遊び半分で参加しても良い空気が漂っていたし、経験豊富な二年生以上の生徒が一年生を相手に連携などと言う高等技術を求めたりもしていない。
断言するが、タッグでの試合形式で一年生に求められていたのはチームワークを確立するための信頼関係構築であり、仲の良い友達の癖とか相性とを計り今後に活かせるよう努力していくことである。
決して相手選手を本気でボコリにいき、倒すために叩きのめすためにタッグトーナメントを開催したのではない。
ーーと言うか、スポーツに怒りや憎しみ持ち込むなコラ! 正々堂々、みんな仲良くのスポーツ精神遵守しろ!
戦争は勝てばいいもんだけど、スポーツはそうじゃねぇんだよぉぉーーーっ!!!
次回予告!
「う、うおおおおおおおおおおおおおおっっ!!」
「なっ!? ボーデヴィッヒのISが黒に染まるだと!」
「ヴァルキリー・トレース・システムかっ!!」
「どけよ、箒! 俺はあいつとIS、どっちも一発ぶっ叩いてやらねぇと気が済まねぇっ!」
『非常事態発令! トーナメントの全試合は中止! 状況をレベルDと認定、鎮圧のため教師部隊を送り込む! 来賓、生徒はすぐに非難すること!』
「非常事態! 試合も中止! 巻き込む観客は一人も居なくなった!
そして何より、的が敵だから撃ちまくってしまって構わない! マシンガン勝利!
敵がそこにいるのなら、弾ある限り撃ちまくる!
それが我ら! 全日本マシンガンラバーズの戦術だーーーーっ!!!!!
ヒャッハーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!」
つづく
*説明と謝罪をし忘れておりましたが、今回は忘れてた事を思い出して焦ってましたのでヒトノコ君のパワーアップは次話になります。
予告を裏切ってしまい、申し訳ございませんでした。