「今回はいろいろとご迷惑をおかけしてすみませんでした」
ユリシーズちゃんとの結婚をクノンちゃんにぶっ壊されてしまい、再度クソ親父に勘当を申し渡され、またも島流しの刑に処された。
そして、今現在俺が謝っている相手は雪姫姉さんこと不義雪姫。近所のお姉さんで「祭」の関係者、そして俺のお師匠さまだ。
「いえ、今回の騒動のクノンの行動は確かに正義の味方だったと思います。もともとコルナール家にも原因があったことですし、私も自分自身で決断し、協力したのですから若が謝る必要は無いと思います」
そう言って、雪姫姉さんは特に気にした風もなくどこか安心したような顔をして海を眺めていた。
クソ親父もそうだったのだが、せっかくのチャンスをぶっ壊されたのに反応が淡白すぎる。俺はユリシーズちゃんから内容を聞いていたから納得できたが、親父は知らなかったはず…
いや、知っていたのか。知っていたからこそ相手の思惑にあえて乗った。クソ親父のやりそうなことだ。
てゆーか、知ってたなら先に教えろよ。仮にも結婚するのは俺だったんだぞ?
そんな風に愚痴を思い浮かべながらも、どうにかなった安心感からか、親父に対する一応の信頼からか、めでたしめでたしで終わって良かったという思いもある。
「まあ、それはそれとして、若はどこかお変わりになりましたね」
今度は雪姫姉さんから話題を振ってきた。
「そう、ですか?確かに技のキレや体力なんかはさらに良くなった気はするんですが」
急な話題の転換に驚きながら、少しズレた回答をしてしまった自分が少し恥ずかしいが、自分では気付けないことを教えてもらえるとても興味のある内容だった。
雪姫姉さんは呆れたようにため息をついた後、どうゆうことか教えてくれた。
「違います。肉体的なことではなく、精神的なところです。若は今まで何かをするために理由を探していました。そのせいか、あなたは義賊を継がないなどというふざけたことを宣った訳ですが、今は晴れた顔をされています。いつか見た覚悟が決まり、目的を見つけたような顔をしています」
そう言われると、ストンと腑に落ちた。
確かに、クノンちゃんのカッコ良さを見て、ユリシーズちゃんの強さを見て、憧れてしまったのかもしれない。もう自分が持っていないモノがとても眩しくて、羨ましく思ったのかもしれない。
「そう、ですね。年下の女の子たちにいつまでも負けてられませんし、大先輩ともしっかりとお話しできましたし」
「大先輩、ですか?」
「はい。すごい人でしたよ」
今生霞さん。俺の前に幸せ荘202号室の住人だった人で、今は「粋」として親父たち「祭」のお手伝いをしている。
霞さんは七々々ちゃんを好きだからこそ俺に犯人は教えないと言い、俺に七々々ちゃんをよろしくと言ってくれた。
そんな大先輩も、とてもカッコよくて強かった。
「よく分かりませんが… あ、あと1つだけ聞きたいことがあります」
「は、はい。俺に答えられることならなんでもどうぞ」
雪姫姉さんは顔を赤くして、少し照れたように疑問を投げかけてきた。
「ボスに、若の力になれと言われたのですが、どうして私と椴松なのですか?」
ここはとぼけるべきか、真面目にするべきか…
「先に言っておきますが、真面目に答えてくださいね」
俺のことをよくお分かりで。
いよいよ誤魔化さなさそうなので真面目に答えるとしますか…
「1番信頼が置けるからですよ。雪姫姉さんは青い宝石の時に俺のことを信じてくれたじゃないですか。鷲さんは、そうですね…なんででしょう?」
「そうですか。分かりました」
少し驚いたような顔をして、また顔をいつものクールな彼女の顔に戻った。
そんな時間を乗せながら、フェリーは大海原を進んでいた。
七重島に着くと雪姫姉さんはすぐにどこかへと行ってしまった。
「若、あの、フェリーに誘っていただいた時、嬉しかったですよ」
照れた顔を隠しながら、そう言い残して…
みなさん久しぶり!待った!?
待ってない?泣きそう
なんか、毎回投稿頻度が残念すぎてごめんなさい…
でも、逆に考えてください!
自分の書くペースに慣れてしまえば、投稿頻度の早い人のものを読む時、とってもお得な感じがします!
そんな訳無いですねごめんなさい。
また伸びると思います。
それではまた!