ピュ「イーんじゃない?」
レイ1「…何でお前だけ…そんなに軽いんだよ;」
栞梅学園へと帰るバスの中、皆はワイワイと騒いでいた。
田野木君はいつもの様な格好で、ファンタムと喋って(?)いた。
田野木『気分はどうだ?』
ファ『上々ですよ。』
田野木『そうか。……やっぱりサッカーは良いよな。』
ファ『寧ろワタシ達…化身からサッカーを取ったら何になります?』
田野木『お手伝いとかか?』
ファ『勘弁していただきたいですね;』
田野木は僅かに笑った。
…大っぴらに笑うと不審者の様になってしまいますし;;
運転手「もうすぐ着き…ま……??」
監督「どうしました?」
運転手「いえ…誰かが、校庭にいる様ですので…。」
監督「試合でもしに来たのかな?…良し、皆…降りるぞー。」
全員「ハイ!!」
その時…田野木は、ファンタムが僅かに息を飲むのが聞こえた。
…聞こえてしまった。
田野木『…どうした?』
ファ『い…え……。何でも…。』
不審に思いつつも、バスを降りた。
皆の後に続いて校庭まで行くと、何やら見慣れない生徒が十二人。
皆…異様な気配だが…中でも異様なのは、中央にいる二人だった。
片方は…純白の仮面を付けている。
背番号は10だった。
そしてもう片方は…漆黒の仮面を付けていて……とてつもない気配を放っている。
純白仮面が口を開いた。
??1「我等はTEAM Q´s。」
漆黒仮面も口を開いた。
??2「化身を持つ者よ…我等と戦え。」
二人は…交互に口を開いている。
??1「そちらが勝てば、見逃そう。」
??2「しかし、我等が勝ったアカツキには…」
??1・2「「我等の、同胞となってもらう。」」
選手は皆、絶句した。
下手をすれば三人ともいなくなってしまう。
あのキャプテンでも、だ。
断ろうとしたキャプテンは…次の言葉を聞いて、世界が暗転したかと思った。
??1「そちらは従うしかない。」
??2「断った場合は……そちらの選手がどうなるか…分かるか?」
全員、従うしか…なかった。
~結局…戦う事に…。~
まずは…キャプテンである神宮寺が、マエストロを呼びだした。
相手は…ムサシだ。
…心なしか、目の色が濁っている。
激しく競り合った。結果は……マエストロの勝利だ。
マエ2『何とか…勝てましたね。』
いつもの笑みが、若干引きつっていた。
次に戦うのは井丸という選手の…レイブンだ。
相手は……ルークBだ。
こちらも同じく、濁っている様な感じだ。
小競り合いの結果は…何と、レイブンが押し負けてしまった。
レイ2『グッ…!!井丸…皆…スマネェ!!!』
井丸「皆…御免…。俺…忘れないからな!」
最後は…ファンタムだ。
出現させたが…やはり表情が引きつっている。
相手は…何故か背番号6の選手だ。
呼びだしたのは…
??3「出でよ…ウキクサ!」
静寂法師ウキクサ。
昔の法師の格好をしていて…若干古臭い言葉遣いだ。
ウキ『懐かしいなぁ…ファンタムよ。』
ファ『いついらいですかね…。出来れば思い出したくも…お会いしたくも無かったんですがね…。』
硬い表情のまま答えたファンタムを…やや心配そうに見上げつつも、田野木はボールを蹴った。
そして―――――――――――ファンタムは、競り合いに勝った。
田野木はやや消耗していた。
そこへ…漆黒仮面が、ボールを強襲した。
田野木は避け切れず、モロにくらってしまった。
ファ『主人!』
神宮寺「田野木!!」
二人の声が重なって聞こえた。
??1「ゼノム…やり過ぎだ。」
??2→ゼノム「フン…これくらい、避けて貰わねばな。」
そして、もう一発。
最早…意識が朦朧としている田野木に、避けられる筈も無かった。
だがそれを、遮るモノが…一つ。
(人間と比べれば)巨大なステッキだった。
ゼノム「化身の癖に…邪魔をするのか…。」
ファンタムはジッと、ゼノムを睨みつけていた。
田野木は…動く気配が無い。
無理も無い…あのボールは、彼の頭に命中したのだ。
救急車の手配などをしている間に、彼等は忽然と姿を消してしまっていた。
そして、ファンタムの姿も無かった。
~魔空間にて~
魔空間では、ファンタムとウキクサが口論をしていた。
ファ「貴方方のチームは人間を痛めつける事を厭わないのですか!?」
ウキ「さぁね。拙僧には分かる筈も無い。」
そして気付けば…ファンタムは周りを囲まれていた。
レイブンが「手を出すな!」と言うのも聞かず
??1「ちょっと黙ってろっての!」
弾かれた。
KPは残っていないから…反撃も出来ない。
魔空間が切れた時…ファンタムはボロボロで…それでも、笑っていた。
嗤っていた。
マエストロが近寄って来た。
マエ2「…大丈夫…では無いね…。」
ファ「ええ。…久しぶりですよ、この状況は。彼等…奴等は何も変わっちゃいませんねぇ。」
そして…急に、言葉を切った。
底無しの海に、おもりを付けて沈む様に。
ロープ無しで谷底へと飛びおりる様に。
マエ2「ファンタムさん?ファンタムさん!!!」
~田野木の意識…~
真っ白で空虚な空間で…田野木は目覚めた。
椅子や机はある。
他には何も無い。
何も…。
田野木「…ここは…??」
??「化身と深く心を通じ合わせた者だけが来れる、不思議な空間ですよ。」
突然の声。
いつの間にか、部屋にはファンタムが立っていた。
田野木「どういう事だ?それに、僕達は…」
ファ「…どうやら、ワタシ達は気を失っている様ですねぇ…。」
僅かに溜息をつく様な仕草に、思わず笑ってしまった。
ひとしきり笑った後、決断を込めて言った。
田野木「ファンタム…一つ、聞いて良いか?」
ファ「何でしょうか?」
田野木「お前…僕の事――忘れないよな?」
ファ「勿論ですよ。…主人こそ、忘れませんよね?」
何かを悟ったのか、ファンタムも同じ質問を返してきた。
田野木「ああ。…それで…」
ファ「分かってます。…主人、いつの日か、目覚めた時…」
田野木「ああ…。約束だ。」
~雷門病院・病室にて~
見舞いに来ていた神宮寺は、田野木の手にコインを見つけた。
それを受け取った時、田野木がうわごとの様に呟いた。
田野木「ファン…タムを……頼…みま、す…。」
神宮寺「田野木!?…ああ、必ず…。」
神宮寺は、病室を後にした。
病室には、静かな呼吸音しか、残らなかった。
レイ1「∑暗い!!」
作「仕方ないだろ、暗い展開好きなんだ!!!」
レイ1「俺のツッコミ無…」
レイヴン以外「次回は栞梅学園の選手の紹介でーす!!!!」