刻の少女は表舞台で踊る   作:夢見屋

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くるみんヒロインの小説が少ない!
ならば自分で書けば良いじゃない!

ということで見切り発車で始めたこの小説。どこまで続くか分かりませんが、のんびりやっていこうと思いますのでヨロシクお願いします。

それではきょうぞうさんによる魔法科高校の始まり始まり。



序幕
斯くして、舞台の幕は上がる


魔法。

 

 

それは、お伽噺の産物。人の空想から産まれた、人の夢見た力。

 

杖を持ち、魔方陣を描き、呪文を唱えれば摩訶不思議な現象を起こす。炎を操り、風を起こし、水を凍らせ、雷を落とし、大地を造り上げ、光を産み出し闇を照らす。

物理法則を無視したその魔的な力は森羅万象遍くものを書き換え、それら全てを己の力へと変える。

 

伝承上、物語の英雄達はその力を持ち要り全てを救い、逆に全てを奪う。正義とも悪ともとれるが、魔法というものを当たり前のように使っていた。

 

歴史上、過去の偉人達はこの世にそれら幻想の力を人の力にしようと何度も研究を続けた。そしてその過程で、様々なモノが産まれていく。

 

ニコラ・テスラによる電磁技術の発達。

世界で初めて空を飛んだライト兄弟。

ワットが造り出した蒸気機関による産業革命。

錬金術から出でた科学技術や医療技術の発展。

 

文明の利器だけでなく、その技術や法則の数々。食品のフリーズドライ製法やインスタントに缶詰め。自動車や電車、船など。

 

それらが産み出されたのは副産物だったのか、そうでないのかは置いておくとしても、人類史においてそれらは確かに、それ以前には実現不可能だと言われていたものを、人の手に届く領域へと動かしたのだ。

 

 

そんな人類が生き続けて2000年と少し。ついに、魔法という概念を人の領域へと届かせた。

 

 

その切欠は何だったか、西暦1999年に世間を騒がせた人類滅亡の予言を実現しようとした狂信者集団によるテロを、一人の特殊な力を持った警官によって阻止されたことから始まった。

そしてその事件を発端に、世界はまるでウィルスが感染したかの如くの速さで魔法の実現へと加速していった。

 

それから約90年。世界は魔法技術の発展の過程で起きた第三次世界大戦によりその人口を大きく減らし、世界情勢も大きく変化した。

 

それでも安定した世の中は、今や魔法が当たり前となった世界になった。

 

魔法は才能の有無に差を付けられ、持つものと持たざるもの、魔法師と一般人。徹底的な実力主義によって格差は生まれ世の中はまた少しばかり険悪な関係へと移ってゆく。

 

 

 

さて、そんな世界となった西暦2095年。国立魔法大学付属第一高等学校、略して魔法科高校。実力主義のその学校に、二人の異端な兄弟が入学する。

誰もが見惚れる美貌と内面、そして実力を兼ね備えた文武両道・才色兼備。大和撫子を絵に描いたような妹と、それに対して見劣りする劣等生の、しかしその実は特異な力を持っている兄。

 

二人の入学によって波乱に満ち溢れることになるその年の魔法科高校には、更にもう一人、異質な存在が入学してきた。

 

 

その美貌と内面、どこか気品に溢れた物言い。何処か変わった笑い方と、深紅の右目と普段は前髪によって隠された左目、そしてそこに描かれた()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

その正体は人の形をとった、しかし人ではない生き物。過去、とある街を中心に起こった自然災害の実態。人の身には余る力を持ち、そして世界の裏側に隠されてきた存在。

 

 

精霊。

 

 

そして、存在達の中でも異質な、影と時を司る力を持った少女。彼女たちの中で最も人を殺したとされる人物。識別名を「悪夢(ナイトメア)」とされた、最悪の精霊と言われた少女。

 

なんの因果か、どんな理由か。彼女は魔法科高校という舞台に上がる。幕裏にいた存在は、表舞台で優雅に踊り歌い、そして笑う。

 

 

――さぁ、さぁ。それでは、わたくしによる物語(デート)を始めましょう。

 

 

刻の少女は、表舞台で優雅に踊る。

 

 

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