刻の少女は表舞台で踊る   作:夢見屋

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いいタイトルが思い付かない末の若干迷走したタイトル。
お願い、そこにはツッコミを入れないで(懇願


今回ははんぞーくん回です。

正直、原作最初のはんぞーくんシーンを読んだ当初は作者は若干アンチに入ってました。今も好きじゃありませんけど。

あとは色々と省いたり追加したりとしています。
そして、デアラから例の会社が登場です。


問答の行方、二人の処遇

何だかんだと忙しくなった一日が明け、次の日。

 

昨日に引き続きまるで成長を見せない響を優しく(空砲で叩き)起こし、悶える姿にとてもいい笑顔(愉悦顔)をしながら登校する二人。

 

教室に到着すると、席に座り若干眉間に皺を寄せながら深い溜息をつく達也の姿があった。

 

「お早う御座います達也さん。朝からお疲れのご様子ですが、何か有りましたか?」

「あぁ、お早う……。いや、今朝生徒会長に挨拶されてな。昼休みに生徒会室に来るよう言われたんだが…恐らく昨日の件で目をつけられた様だが、な」

「おや、それは大変ですね。見たところ、七草会長は差別主義な方ではなさいませんでしたが…そういった点で注目されているわけでは、無さそうですね」

「面倒臭いことにならなければいいがな」

 

達也の愚痴を聞きながらそんな朝の一幕を過ごしていれば教室には次第に活気がついでくる。登校したエリカや美月も会話に混じり、気付けば予令が鳴った。

 

因みに、本令が鳴る三分前にレオが息を切らせながら教室に滑り込んでくるということがあった。

弄ぶネタができてニヤニヤしているエリカは、その後その事についてレオを突つきまくっていた、ということは言うまでもないことだろう。

 

 

=============

 

 

昼休みも終わり、5限目。

 

1-Eは実習授業の時間であり、実習室には生徒たちが据え置き型のCADに向けて魔法を行使する姿があった。

 

一年生最初の実習授業であって、今回の課題はこのCADを使い台車を三往復させるという内容だ。基礎中の基礎、といった所だろう。

 

やはりというか、そこには監督する教師も居らず、生徒たちが自習形式のように数台のCADを交代で使っていた。

だがまあ、その事について文句を言う人はこの場に居ない上に、実際は教師に見られていると視線が気になって出来ないという生徒も居る。

結果としては、寧ろ居ない方が課題がスムーズに進むといったところである。

 

「で、生徒会室の居心地はどうだったんだよ、達也」

 

順番待ちの列で、今しがたCADを使い終わったレオが達也に話し掛ける。

朝の話の通り、あのあと昼休みになり、E組の教室に達也を迎えに来た深雪と共に生徒会室に行った達也。二科生が生徒会室に入るなんてことは滅多に無いのだろう、やはり何があったかは気になるようだ。

 

「妙な話になってな。風紀委員になれ、と言われた」

 

朝の時と同じように、深い溜息と眉間に皺でいかにも疲れた表情をしながら答える。

 

話を聞けば、最初は深雪が達也を生徒会に推薦したのだが、流石に無理があると却下された。しかし、その後に風紀委員長からの提案で達也を風紀委員に入れたい、という話になったそうだ。

 

あれやこれやと断ろうとすると逆に論破されてしまいどんどんドツボに嵌まっていったようで、深雪を見ても彼女は達也の風紀委員入りに大賛成のようで救いは無さそうだったらしい。

 

「生徒会推薦枠を持ち出してくるとは思わなかったよ」

「生徒会の方々も中々にアクロバティックな人たちですね」

「でも、まさか達也が風紀委員とはなぁ」

「いや、まだ入ると決めたわけではないぞレオ」

 

各々でそれぞれの反応を示すが、別段達也に対して批判的な意見を言うものは誰一人居ない。

達也がそれを自慢している訳ではないと分かっているし(寧ろ割と嫌がっている)、それほど長い交流ではないとはいえこのグループ内では「まあ達也ならいいか」と思えるくらいには達也の性格を買っていた。

 

ただ、皆で愚痴っているなかでエリカは風紀委員長という単語が出てから少しばかり不機嫌になっていたことは、気付かない振りをした。

 

話の途中、不意に「ああ、そういえば」と達也が声を上げる。

 

「狂三と響も放課後生徒会に来るように、と言伝てを預かったぞ」

「あら、そうでしたか。それではわたくしたちも放課後はご一緒に生徒会室へ赴かなくてはなりませんね」

「え?二人はなんで呼ばれたんだ?」

 

達也を含む四人が首を傾げる。狂三と響が生徒会に呼ばれる理由が今一分からない。

 

「それは、わたくしたちの入学審査のお話だと思います」

「入学審査って……え、何々?裏口入学とか?」

「ち、ちょっとエリカちゃん、それは失礼じゃ…」

 

茶化したように冗談を言うエリカ、だが言った冗談は些かブラックジョーク過ぎやしないだろうか。

流石に言い過ぎなのではないかと美月がエリカを嗜める。

 

「ふふ。どうでしょうか、推測してみてはいかがでしょう」

 

狂三は怪しさ前回の笑みではぐらかす。口許を手で隠すという仕草も相まって、胡散臭さ全開である。

 

「…え、いやホントにヤバい感じなの?」

「いえ、流石に裏口入学は有り得ませんが。そもそも、 そんな事は学校側が許さないですよ」

 

魔法科高校は裏口に限らず、そういった不正を絶対に許していない。

魔法という、ある種危険でもあるものを習うのに不正を働くような人に教えるわけにはいかないのだ。適正云々でなく、精神性と何をやらかすのかが分かったものではないという点で。

 

「まあ、わたくしたちは少々事情が有りまして。聞かれて困ることではありませんが…取り敢えずは内緒、ということにしておいてくださいな」

 

「えぇー?教えてよー」とぶーたれるエリカをニコニコしながらスルーする。達也も生徒会室に行くのであれば、どうせ聞かれてしまうのだから特に問題はないのだ。

 

暫くそうして駄弁っていると、タイマーが鳴り出す。

授業終わりまで残り5分のタイミングで鳴るその音に、未だ課題をやってなかったエリカは慌てて課題をやるのだった。

 

 

==============

 

時間はあっという間に通り過ぎ、夕暮れ時の放課後へと変わる。

一年生は早々に帰宅し、二年三年の部活動はそれぞれの活動に向かい、校舎内の生徒の人数はあっという間に少なくなった。

 

ホームルームが終わり、再び達也を迎えに来た深雪と共に生徒会室へと向かう。

 

「それで、実際二人はなんで呼ばれたんだ?」

 

達也も気になっていたようで、エリカたちにされた質問をもう一度投げ掛けられる。

 

「聞かれて困る内容でもないので、詳しい説明は後で聞けると思います」

 

ニコッと笑いながら結局なにも言わない。この場では話す気は無いのだろう。だが、達也も無理に詮索するつもりがあったわけではない以上、それ以上何かを聞いてくることもなかった。

 

 

生徒会室に到着すると、達也は自身のIDカードを認証機に翳す。どうやら昼休みの段階で生徒会室への入室許可を既に得ていたようである。新入生の一生徒にこうして許可を与えるということは、達也(獲物)逃がす(諦める)つもりはない、ということなのだろう。

 

「失礼します」

 

達也に続くように深雪が入り、少し間を置いてから狂三と響も入室する。生徒会室内は大きな会議用テーブルが中央横に置いてあり、壁側には生徒会職務用に使うインターフェイスが三台ほど鎮座している。そして、日当たりが良さそうな窓側には〈生徒会長〉と書かれた置き札が置かれたデスクがある。

 

部屋内には生徒会役員であろう五人がおり、そのなかでも背を向けていた唯一の男子生徒がこちらへと振り向く。こちらへと向けられる視線、特に達也に対して「害意」「敵意」がありありと浮かんでいる。

その姿に見覚えがあると思えば、入学式の折にこちらへと憎々しげに睨んでいた集団でも最も強い視線をぶつけていた人物だった。

だが達也は、そんな視線に怯むこともなく事も無さげなノーリアクションであり、全くの無表情であるポーカーフェイスは更にその人物の神経を逆撫でにしたのだろうその視線は更に強まっていく。

 

が、視線を達也から深雪に移すと一瞬前までの敵意が嘘のように霧散し、にっこりとしながら()()()()()()挨拶をする。

 

「生徒会副会長の服部刑部です。司波深雪さん、生徒会へようこそ」

 

そうして元の位置へ戻っていく服部の剰りにもあからさま過ぎる態度に、司波兄妹の後ろに立っていた二人は片方が内心で呆れの溜め息と、もう片方はそもそも生徒会室に入ることに緊張しすぎて今までのやり取りがまるで頭に入っていない様子だった。

この前の様子や今日の達也の話を聞く限りでは、生徒会は比較的差別意識の少ない人材で構成されているのだろうことは判っていたが、あくまでも比較的少ない、であって全く無い、ではないだろうとは思っていた。が、あの生徒会長に対して副会長の方は嫌に差別的である。

 

生徒会の面々も、今の対応に対して思うところがあったのか、達也と同じポーカーフェイスである真由美と鈴音、含み笑いをしている摩利、ずっとオロオロしているあずさとそれぞれの反応である。

···少なくとも、申し訳なさよりも、面白さからの反応が些か強いと感じるが。

 

「いらっしゃい深雪さん。達也くんもご苦労様。そちらの二人もようこそ」

「よく来たな、お前たち」

 

二人から気軽な挨拶を貰い、場の空気が少しばかり和らぐ。その流れのままに、深雪には生徒会についての説明を、狂三と響には椅子に座って待っているように言い、摩利は達也を連れて風紀委員会本部へと案内する。

だが、再びそこへ待ったが入る。

 

「渡部先輩、待ってください」

「何だ、服部刑部少丞半蔵副会長」

「フルネームで呼ばないでください!」

 

摩利の返事に顔を赤くして返す。どうやら彼にとって、変に長い名前はコンプレックスな様である。そこから話は擦れ込み、さらに真由美も話に入って一応は落ち着くがやはりというべきか、副会長は達也の風紀委員入りを否定する。

摩利の的確な返答にムキになっていき、最後には雑草(ウィード)という禁止用語をなんの躊躇いもなく使い始める始末。

再びピリつく空気が部屋を充満するなか、深雪の声に一同は声を沈める。そこから始まる深雪の、達也を弁護する声は服部には届かず、それどころか「身内贔屓」とまで言われてしまう。

 

「深雪、そこまでだ」

 

更に反論しようとしたところを達也に止められる。達也の顔を見ながら、目尻に涙を浮かべる深雪を横に、達也は服部に啖呵を切る。

 

「服部先輩。俺と模擬戦をしませんか」

「何···?」

 

怪訝な声と、眉間に皺を寄せ一瞬呆気に取られる。だが、達也の言葉を理解すると同時にその表情は更に激烈な表情へと変わり、憎々しげに言葉を放つ。

 

「思い上がるなよ、補欠の分際で!」

 

化けの皮を剥がされたような状態で乱す服部を、達也はフッと笑いながら言葉を返す。達也は服部の言葉に的確に返事を返し、先程とあまり変わらない涼しげな表情のまま、服部に宣戦布告する。

 

「風紀委員になりたいわけではありませんが、妹の目が曇っていないと証明する為であれば、やむを得ません」

 

達也の宣戦布告に乗っかった服部と、真由美によって達也と服部の模擬試合は決まった。

 

===============

 

演習室内で向かい合う二人。方や慢心の塊で目の前の二科生に嘲笑を浮かべる服部と、終始ポーカーフェイスなままの達也。

 

それを見ながら、狂三はただただ詰まらなさそうに息を吐く。

 

この場にいる人たちは知るよしもないが、狂三も響も人ではない。

 

その身は人間にとっての害悪であり、彼女たちの住む天宮市で発生する空間震の元凶である精霊という個体。今でこそ精霊を巡る事件は全て終息し、空間震も無くなり共存という道を歩き始めた彼女らだが、それでも今尚人外の身であることには変わり無い。

 

霊力を持ち、人成らざる身体能力や魔法じみた能力。

士道によって封印された為に失われた不老に近い外見と人外的な寿命。

持っている力はどれも規格外であり、嘗ては化け物として殺害駆除の対象になるほどだった。

 

そんな彼女たちが、人としてはそれなり程度しか持っていない人間が劣っている人間を嘲る姿は酷く滑稽にしか映らない。

所詮は団栗の背比べ。自然災害等しく扱われる人外が人知れず蔓延るこの世の中で、魔法師たちの持つ優越感やプライドなど井の中の蛙の産物でしかない。

 

 

それが、一番の理由。

 

だが、それとは別に詰まらなく感じているのがこの出来レースのような状況。

それは服部が勝って終わりーーーではなく、達也の勝利で終わり、という点である。

 

双方の実力など一目見れば明らか。

服部からは、確かに実力者足る余裕が感じられるが、それだけである。そこに実戦の気配は微塵も感じられない。宛ら世の中の厳しさを知らないエリート、といったところか。

対する達也の、その隙の無い気配には驚いた。生徒会室に入ってから一度たりとも崩れないポーカーフェイスと、今も冷静に相手を見続けている動き。甘さの無い雰囲気。

実力差は分かりきっているのに今も絶対的勝利を信じて疑わない服部を道化(ピエロ)と思ってしまうのは仕方ないだろう。

 

故に、狂三は呆れ返る。酷く詰まらなく思いながらも渋々とこの場に居合わせる。

 

そして審判である摩利の合図と共に試合は始まりーーーー

 

決着は、達也の勝利で一瞬に決まった。

 

==============

 

生徒会にとっては驚きの、狂三や司波兄妹にとっては当たり前の勝利に幕は閉じ、倒れていた服部が起き上って深雪に謝罪をしたことで一応の決着はつき、話しは漸く狂三たちについてへと変わる。

 

「さて。それでは時崎狂三さん、緋衣響さん、待たせてしまってごめんなさいね」

「いえ、お気に為さらず。それで、用件は入学についてですか」

 

始まった真由美と狂三の会話に、摩利がすぐ横で「ちょっといいか」と手を挙げる。

 

「その二人について、詳しいことは聞かされていないんだが」

「ええ、会長。私も気になっていました。特殊な立場の新入生が居るとだけ聞かされていましたが、説明していただけますか?」

 

二人からの質問に部屋にいる人たちの視線は真由美に向けられる。やはり教えていなかったのか、真由美以外は入室時から空気状態だった二人に「何でいるんだ?」と言いたげな表情をしている。その周りの顔に、狂三は「まだ言っていなかったのか」と内心ぼやきながら本日何度めかの呆れ顔を真由美にへと向ける。

そんな周囲の表情にあたかも今思い出したかのように「ああ、そうだったわね」と反応を返す。

 

「時崎さんと緋衣さんは、企業推薦での入学なのよ」

「企業推薦、ということは企業所属のモニターということか?」

「ええ、そういうこと。彼女たちはDEMインダストリーのCAD専属モニターなのよ」

 

魔法科高校にも、推薦入学は存在する。一般中学からの推薦も一校につき一枠ではあるものの存在するし、狂三たちのように企業がデータサンプリングを採るときに雇った人物を企業からの推薦で魔法科に入学させることもある。

会話のなかで「あの···」と小さく手を挙げるあずさは若干目を輝かせながら質問を投げ掛ける。

 

「DEMって、あのDEMですか?」

「ええ、というか他にDEMという名前の会社なんてあるのかしら。処であーちゃん、随分食い気味ね」

 

真由美の言葉に「はい!」と元気よく返事する。

 

「DEMインダストリー。正式名称をデウス・エクス・マキナ・インダストリーといい、本社をイギリスに構えている大手デバイス企業です!CADを始めとした法機の生産・販売にはここ数年前から進出し始めてきた企業ですが、その特徴は他のどの会社にもない独自のシステムとプログラムにあります。まず、この会社は量産型よりも特注生産で造ることを重点としており、何よりCADのデザインが非常に優れているという点が上げられます。ありふれた拳銃型や柄型、ブレスレット型リストバンド型携帯端末型だけでなく、注文次第では小さい物はピアス型という極小モデル、最も大きいものでは日本のプラモデル企業との共同開発で造った等身大ロボット型など、他にも注文に応じて色んなサイズ・形を造れることが目に引きます。そして、それらサイズや形が一般的なものに囚われない理由がDEMが独自で組み上げている従来のものとは全く違うプログラムにあります。そのプログラム自体については企業秘密なので詳しいことは分かりませんが、このプログラムは汎用型・特化型の両方に適応しているという点と、その操作に規定されたモーションなどが全くなく個人のCADの型式に合わせて体の動きで操作したり、特定の動作や言葉で発動したりできるというカスタマイズの自由度にあります。本社がイギリスにあるにも関わらず、そのシェアは堂々の世界第一位であり、日本国内でも大手企業のFLTと普及率が並んでいるほどで···」

「ストップあーちゃん。分かったから、一度止まって?」

 

あずさによるDEMの解説が入る。先ほどの達也のデバイスへの反応もそうだったが、どうやら彼女のデバイスへの関心は異常に高いらしい。DEMについてここまで詳しく知っているとは、中々の驚きである。

まぁ兎に角、あずさの説明通りである。狂三たちはDEMにおけるサンプルモニターと言う立場であり、今年の企業推薦で魔法科高校に入学したのだが、問題はその時期にあった。

 

「彼女たちの推薦が学校に届いたのが、入試から一週間後の事だったのよ」

「そうなると、普通は推薦拒否される筈だろう。入学試験は平等である以上、推薦も同じだ」

「そうね、それが普通の企業ならそうしてたわ。でもDEMほどの企業の推薦だとそうはいかないのよ。そう言うときは例外措置として、通常の試験よりも合格ラインを上げて試験を受けて貰うの」

「それで彼女たちは受かったと。なら問題は入学自体ではないのか?」

「ええ。問題は、彼女たちのクラス分けよ。本来なら二人ともAクラスに入れるほどの実力は有るのだけれど、一科生の枠は無かった。だから二科生の空いた枠に入って貰ったの」

 

この説明に達也は成る程と内心納得していた。暗い話ではないため聞かれて困る事ではないが、説明するには複雑で面倒臭い。何より、二科生の中に一科生の実力の者が混じっているなど、入学までの過程も合わせて他の生徒には面白くない話だと言うのは明白である。

 

「それで、今回来て貰ったのは二人の今後についてなんだけど」

「いえ、このままで結構ですよ。正直、わたくしは一科生と二科生という括りには正直興味も蟠りも有りませんし、それに、E組は割りと気に入っていますので」

「私も今のままでいいですね。それに、狂三さんと一緒に行動したほうが何かと楽チンですし」

 

真由美の言葉に、即答で「今のままでいい」と告げる。その返答と態度から、魔法に対する拘りの無さが伝わってくる。言外に「どうでもいい」と言っているその態度は、真由美たちはさておき先程達也にボコボコにされたとはいえプライドの高い服部には癪に触ったのか、何も言ってはこないが達也の時と同様に此方を睨み付けてくる。

だが、狂三は何処吹く風に涼しい顔でシカトをすることで話を進める。

 

「はい、じゃあこの話はこれで終わりということで」

 

結局特にこれといったことはなく、流れるように話は終わり、狂三と響はもう用事は無いとばかりに達也たちに別れを告げて帰路についた。部屋から出るときも、服部からの視線があったがやっぱり最後まで無視だった。

 

「それにしても、あの副会長さん物凄い噛ませ犬臭でしたね」

「ええ、そして流れるように役目を果たしていましたわね。正直、少し笑って仕舞いそうでしたわ」

「ああ、狂三さんやっぱりそういう反応でしたか。やけに詰まらなさそうにしていたので、もしやと思ってましたけど」

「ええ、詰まらないお方でしたわ。やはり士道さんほど心の広いお方も中々居ないものですわね」

「···いえ、あの人ほどの広さは早々いないと思いますけど」

 

少し遅くなった帰り道では空も暗くなり、辛うじて星がチラホラと顔を覗かせていた。今からでは帰宅時間も夕飯には間に合わないだろう、士道に連絡を入れ外食を取ることにする。

 

お金がないと嘆いている響に、しょうがないと奢ってあげる狂三だった。

 

「但し、五百円以内ですわ」

「じゃあマ○クで」

 

夕飯にしては随分とお手軽だった。

 





DEMインダストリー。

ここ数年で法機の販売に乗り出した企業。前は表向き普通の大手IT企業であり、裏ではリアライザなどを製造していた。
一年前に別会社であるラタトスクと合併。
会社の作る法機に使われているプログラムはラタトスクと共同開発したリアライザの応用技術。

労働時間も給料も確りしているホワイト企業。


というご都合設定で成り立つ会社でした。この世界では基本平和なデアラ側はこんな感じに双方で協力して精霊を保護しよう、ということになってます。
みんな幸せになーれ、という作者の気持ちでこうなった。


デアラ最新刊とバレットの最新刊も出たので買って読んだのですが、バレットの方の情報がまだまだ少ないので今後は捏造やらが増えて書籍のほうと設定が解離してしまいそうな点で悩んでいます。マジどうしよう。
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