ハイスクール・フリート ~Sky of liberty~ 作:鮭愊毘
「ケストレル?」
「ああ」
「何の名前だ?」
「ボンド級空母三番艦の名前だ。日米露の三か国による共同開発を予定している」
「ほぉ~」
すると、突然オメガ達のいる部屋の扉が大きな音を立てて開く。
「たでぇ~まー」
疲労した翔だ。
「すまなかったな。どうだった?」
「……後日またやれと……」
「そうか。わかった。……こいつが女と数年以上関わってないの忘れてた……」
「おいコラ」
政宗の呟きにオメガがツッコミを入れる。
~数日後~
翔は再び横須賀女子海洋学校へ向かうことになった。飛行隊のメンバーを連れて。
彼の顔色は前回よりはましになった。しかし緊張は残っている。
「おー!ここが横須賀女子海洋学校か!」
「オメガ……」
一方のオメガは全く緊張していないどころか興奮していたのだった。
今日は講座、というよりは質疑応答である。だが、四人で生徒全員を捌けるわけではないので、特に飛行機に興味を持っていた晴風クラスと武蔵クラスの2クラスに絞り、これらを翔とオメガ、ブロンコとフェンサーで行う。
「今日は忙しい中ブラックファルコンの隊員が来てくださった。質問等はためらわないように」
晴風クラスの教師がこう言うとクラスの全員が元気よく手を挙げる。そして二人は思った。
((いつも暇なんて言えない……))
そして気持ちを切り替えた二人は目いっぱい目を上げている生徒、西崎芽依を指名する。
「具体的にどういう仕事をしているんですかー?」
「飛行機による哨戒、援護、航空ショーだな」
「援護って言ってもミサイルどかーんじゃないからな?そんなことしたら沈んじゃうから。加減するからな」
次にオメガは真剣な眼差しで挙手する宗谷ましろを指名。
「飛行機とはどのような構造をしているのでしょうか?」
彼女の質問に機関科の一同が『それ聞きたかった』と言わんばかりにこちらを見つめる。
「ほほー。中身に興味を持つ子がいたとは」
オメガが感心する中、翔は持ってきたバッグの中から大きな紙を取り出し、黒板に固定する。
「まず、ここに二つのエンジンがある」
「そこ二つあったんだ!」
「……二つを縦に並べる奇抜……じゃなかった、独特な構造のおかげで、下から攻撃されたりしてエンジンが一つ止まっても、速度以外影響が出にくいという利点が生まれた」
紙の横に新たにアメリカのF-14の写真を並べる。
「この、もうすぐ放送開始のアニメ、トップガンに登場するF-14A トムキャット。これは横に大きく離れている。もし片方のエンジンが止まってしまうと……」
「横向きに大きく回り、操縦不能になる危険性があった。だから開発されずにアニメ限定で公に出たんだ」
「そしてここにコクピット、前翼(カナード)、降着装置の格納場所……とこんな感じだな」
この後も何とか時間を潰した第01飛行隊。しかし、このような平穏な日々も長くは続かなかった……