ハイスクール・フリート ~Sky of liberty~ 作:鮭愊毘
「だが、訓練ばかりしてはいられないぞ」
「え?」
「……先に言っておく。申し訳ない。実は明後日、横須賀女子海洋学校の生徒がここに来るんだ」
「「「「…………え?」」」」
「社会科見学ってやつだ」
「「「「…………」」」」
その後、四人の言葉にならない叫びが聞こえた。何故なら、ブラックファルコン本部・大河重工ははっきり言ってだらしがなかった。そこらへんに服が脱ぎ捨ててあったり、大河重工の受付以外は色々なものがちらかりまくっていたからだ。
「坂井少佐!ここお願いします!」
「よし!」
職員は政宗に対する恨み言を吐きながらせっせと掃除をしていく。
~二日後の夜~
23:58
第01飛行隊の面子は政宗によって招集されていた。
「横須賀女子海洋学校は大河重工、ブラックファルコン本部の順で見学、昼休みを挟んで午後はブリーフィングルームで戦闘機の解説、最後にお前たちの飛ぶ姿を見せようと思う」
「なかなかいいんじゃない?」
「……で、オメガ」
「?」
「お前の機体は明日使えないからな」
「……え?」
「あっちからの要望で機体をより間近で見れる機会をつくってほしいとのことだ。お前の機体は日本、いや世界から見てもトップクラスの頑丈さを誇る戦闘機だ。それにエンジンを見せるために少しバラすからな」
「いやァァァァァァ!!」
「オメガの戦闘機が頑丈だから……?展示とあまり関係ないのでは?」
夜のテンションで言ってることがおかしい政宗に苦笑いする三人。
結局、展示用の機体は格納庫の奥で埃をかぶっていた一号機になった。
~社会科見学当日~ 9:00
「楽しみだねシロちゃん!」
「……確かに楽しみといえばそうだが……」
「『午前は自由に見学』ってすごい適当ですね~」
ブラックファルコン本部まで向かう途中、心を躍らせる生徒たち。しかし、到着した瞬間、
「あの……岬さんですよね?」
入口の警備の隊員が明乃に話しかける。
「は、はい……」
「ぼ、僕と握手してくだ「バカヤロー!俺が先だ!」」
「んだとゴルァ!!」
もう一人の隊員と口論になる。実を言うとブラックファルコンというのは性別に関係なく就ける職にはなっているのだが、戦闘機とかいう未知の物体に関与したくないのか、まったく女性が就こうとしないのだ。
悪く一言にまとめると『こいつらは女に飢えている』のである。
が、次の瞬間、
「「なにさらしてくれとんじゃこの戯けがぁぁ!!」」
「「アバーー!!!」」
駆けつけた翔と政宗による飛び蹴りを食らう。
翔が自らが蹴とばした人物を確認すると
「お、オメガ!?」
「隊長……」
自分の部下だとわかり、政宗は
「おい」
「「!!」」
鋭いまなざしの政宗にオメガともう一人の隊員が震え上がる。
「やっぱ展示の機体、お前の機体で。それと二人共彼女たちのエスコート」
「「ハイヨロコンデー!!」」
「あれ?」
政宗たちが初っ端からやらかしている中、明乃はあることに気づく。そして、政宗に近づくと
「政宗さん……ですよね?」
明乃に気づいた政宗が、
「お!明乃か?しばらく見ないうちに大きくなったな!どうだ?学校の方は」
「岬……さん?まさか……」
「司令……まさか……」
ましろとオメガがそれぞれ明乃と政宗を見る。
「その人と付き合ってるんですか!?」
「その娘と付き合ってんの?」
「ちゃうわ」
政宗がすぐにそれを否定する。