金髪さんのいる同盟軍   作:ドロップ&キック

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今回はあのお方が語り部です(^^
ついでに言えば、R-15タグとキャラ改変タグが久しぶりに仕事をし始めたみたいですよ?

なので、そういうのが苦手な方にはあんまりオススメしませんです。

というか……見方によっては甘くてちょっと怖い話?(えっ?



第026話:”閑話・駄目提督製造機がアップを開始したようですよ?”

 

 

 

「ただいま、アンネ」

 

「おかえりなさい。ウェンリー様♪」

 

”だきっ”

 

軍大学から戻ってきたウェンリー様に飛びつくように抱きつく私、アンネローゼです♪

気分はご主人様の帰りを待ちわびるワンコ♪

それともこの場合は、”犬娘(わんこ)”って言うべきかしら?

ウェンリー様の飼い犬……存外、いい響きかも。

 

あっ、ごめんなさい皆様。そしてはじめまして。

今回の語り部は私、アンネローゼ・ミューゼルでお送りしますわ。

 

一応、軽く自己紹介しておくとラインハルトの姉で、ウェンリー様の婚約者(フィアンセ)です♪

自慢はお母さん譲りの金髪かな?

 

”くんくん”

 

はぁ~……ウェンリー様の匂い……

 

「汗臭くないかい?」

 

「いいえ。とってもいい匂いですわ♪」

 

うふふ。

まだ下宿を始めたばかりの頃は、こうして抱きつくと照れてしまって、顔を真っ赤にして硬直してたっけ。

でも、今は……

 

”きゅ”

 

抱きつく私をそっと……羽根のようにふわりと優しく抱きしめてくれる。

照れたり恥ずかしがってる顔も可愛いけど、でもこうして温もりや吐息を肌で感じられるほうがずっといい。

私の鼓動とウェンリー様の鼓動が重なるのが、とても心地いい。

 

「ウェンリー様は森の匂いがするね……」

 

「アンネは花の匂いがするよ」

 

ああ、やっぱり私ってウェンリー様が大好きなんだなぁ……

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「大学でそんなことが」

 

「ああ。バグダッシュ大尉……悪い人物じゃないよ」

 

本日も日課日課♪

といってもそう大したものじゃないんだけど。

 

お夕飯とお風呂のあと、ウェンリー様を私の部屋にお誘いするのが私の日課だ。

そして、ソファーで寝転がるウェンリー様を膝枕してさしあげるのも。

 

ウェンリー様はこうして今日何があったかを私に話してくれる。

正確には、最初は私からおねだりした。

だって、どんなことをしているのか気になるじゃない?

最初は戸惑っていたけど、「私はそんなに面白い話はできないよ? 特に女性が喜ぶような話題は苦手だ」と少し困った顔をしながら了承してくれた。

 

 

 

きっと日ごろ勉強がとても大変なのだろう。

黒くて柔らかい髪を撫でてると、すぐにウェンリー様はトロンとした目になってくる。

 

その半分眠るような無防備な表情はとてもお気に入りだ。

ウェンリー様はまだお若いけど、ただでさえ温和な表情がもっと柔らかく、そして幼くなってしまう。

印象で言うなら、まるで木漏れ日でまどろむ仔猫みたいだ……

 

「ウェンリー様、もうお(ねむ)の時間みたいですね?」

 

「みた……いだ……ごめん、アン」

 

こっくりこっくりと船を漕ぎ始めるウェンリー様……

私の膝枕で、すぐに眠たくなるほどリラックスしてくれる愛しい人……

 

「いいのです。ウェンリー様、いつものようにこのまま眠ってください♪」

 

「うん……」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

”すぅ……”

 

程なく小さな寝息を立て始めるウェンリー様……

 

「可愛い人……」

 

うふふ。

でも、そんな無防備でいいんですか?

誘ってるって思っちゃいますよ?

 

「いえ、誘ってるんですよね?」

 

ウェンリー様は深く深く眠る殿方だ。

ちょっとやそっとのことで起きはしない。

 

「うふふ……ウェンリー様ぁ」

 

私はブラウスの前ボタンとブラのホックを外し、むき出しの乳房をウェンリー様の口元に近づける。

 

”ちゅばっ”

 

「あん……♪」

 

思わず甘い声が漏れた。

だって、しょうがないでしょ?

誰より愛しい殿方が、先端にむしゃぶりついてるんだもの。

そう、それは赤ちゃんがお母さんのおっぱいを吸う姿そのままだ。

 

(まだ、母乳が出ないのがちょっと残念かも……)

 

でも、それは後のお楽しみよね?

そう遠くない将来、私のお腹の中にウェンリー様との赤ちゃんが宿るもの。

 

「ウェンリー様、大丈夫ですよ。アンネローゼがついてます。貴方がどれほど望んでも得られなかった物は、全部私が与えてあげます♪」

 

ウェンリー様は物心がつく前にお母さんを亡くしてしまった……

そして、男寡の宇宙船暮らしで、母の愛も母性も知らずに育った。

 

(そして、全てを失った……)

 

ひどい宇宙船事故だったらしい。

その後、生活の為に入った士官学校だって女性が多いとは言えない。

 

その女性経験の少なさ、拙さ……ううん。十分な母性愛を与えられなかったことがウェンリー様の内面に暗い影を落としている。

それが歪みとなり、女性に対する自信の無さに繋がってるんだと思う。

 

出会った頃のウェンリー様は、本当に私をどう扱っていいかわからなかったみたいだ。

不自然なほどに女性慣れしてない、異常なほど奥手なウェンリー様……

 

だから私は強引に出た。

私は狡い。だってウェンリー様が押しの一手に弱いことをわかってて押し通したんだもん。

 

でも、後悔なんてしてない。

後悔なんてしてやるもんか!

 

私は愛してしまったのだ……この人の歪みさえも。

 

「だから、私に溺れてくださいね?」

 

だから私は与えよう。

お母さんが与えられなかった無償の愛を。

 

ウェンリー様に取り戻させるんだ……愛されて当たり前の時代を!

 

だからもっともっと、私に甘えてください。よりかかってください。

だって、

 

「ウェンリー様……私の可愛い赤ちゃん」

 

きっと私も歪んでる。

でも、それがどうしたというのだろう?

 

「愛してます」

 

それ以上に大切な事なんて、きっと無いんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ウェンリー様は誘い受け♪(by アンネローゼ・ミューゼル

このシリーズのアンネローゼは、結構すっとんでる娘……というか、考え方によっては別の作品とは違う意味で、ちょっと怖い娘です(^^

実はこの第026話には、もう一つサブタイ候補があって、それは”銀河の歴史を変えたのは誰?”ってものでした。

ヤンが女の膝で熟睡するって時点で、もう正史からかなり狂ってますからね~(笑

きっと、彼女の”()()”は、これからもずっと……



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