更識家の流夏君   作:NO!

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流夏君、大好きなヒーロー物の続きが気になり、ご機嫌は良くないみたいです。

 ある日の夕方、ここは更識家の広間。広間には更識家の人達がいました。ですが……。

 

「う〜〜や〜〜」

 

 更識家の長男、流夏君が目を輝かせながらテレビを観ていました。そして、彼が観ているのは……。

 

『バトルライダーキック!』

 

 テレビには数人の全身白タイツに囲まれながらも戦う、赤い人がいました。

 夜六時半から放送されている、男の子に大人気アクションヒーロー、バトルライダー。

 マフラーを付け、バイクに跨がる特撮ヒーロー。悪い奴を挫き、弱き者を助ける正義のヒーロー。

 流夏君はそのヒーローに釘付けであり、ファンでした。その証拠に、手にはソフビ人形を持っており、それもバトルライダーでした。

 流夏君は観続けていましたがこれは再放送であり、過去の話でもあったのです。

 そんな流夏君に両親の楯無さん、刀奈さんは微笑ましそうに見ていました。春奈ちゃんは刀奈さんの腕に抱かれていましたが授乳されていました。

 

「ふふっ、流夏、相変わらずバトルライダーが好きね」

 

 刀奈さんは流夏君に訊ねますが流夏君はテレビを観ている為、訊いていませんでした。

 それだけ、バトルライダーに集中してるみたいです。

 

「ははっ、流夏の奴、すっかり気に入っているみたいだな?」

 

 お父さんの楯無さんが流夏君の頭を撫でます。流夏君は楯無さんの行動に気づき見上げますがキョトンとしていました。

 

「あう〜〜?」

「ははっ、まだまだおこちゃまだな?」

「う〜〜」

 

 流夏君はキョトンとしましたが直ぐにテレビの方を観ます。画面にはバトルライダーが白タイツの人達を全員倒しましたが禍々しい怪人と一騎打ちしていました。

 そして、バトルライダーは怪人に崖に落とされそうになっていました。それを観た流夏君は慌てて。

 

「う!? う〜〜っ!」

 

 流夏君はテレビに近づき、画面を叩きます。止めろ〜〜! と訴えているみたいです。

 

「お、おい流夏!?」

 

 楯無さんは流夏君の行動に驚き、慌てて流夏君を止めます。流夏君はやめませんが必死にバトルライダーを助けようと怪人を叩いていました。

 刀奈さんは苦笑いしていましたがナレーションが流れました。

 

『大ピンチバトルライダー! バイトテロネズミの猛攻により、絶体絶命に陥ってしまった! はたしてバトルライダーはショックーのフレンドマートのバイトテロによる壊滅攻撃作戦を止める事は出来るのだろうか!?』

 

 そして、続く、と。画面は切り替わり、次回予告が流れました。

 

「う〜〜!?」

 

 流夏君はショックを受けました。危ない状況の中で終わってしまったのです。しかし、流夏君には分からないみたいでした。

 

「う〜〜う〜〜!」

 

 流夏君は画面を叩きますが次回まで持ち越しの為、出来ませんでした。楯無さんは苦笑いしながら彼を引き寄せます。

 

「流夏、もう終わったんだから、諦めろ」

「う〜〜」

 

 流夏君は少し悲しそうに唸っていました。

 

「フフッ流夏、仕方ないわよ?」

「そうだぞ? 再放送だからまた放送されるし、それまで待てるか?」

「う〜〜」

 

 流夏君はまだ唸っていますが再放送と言っても一週間後です。それに、台風や緊急速報、野球中継で急遽中止ってこともあります。

 最悪、二週間後と言う事もありますが流夏君は待つ事は出来るかどうかも彼次第なのです。

 

「う〜〜らい〜〜」

「ハハハ……」

 

 流夏君はテレビを観ます。画面にはニュースが流れていますがバトルライダーの事が頭から離れる事は出来ませんでした。

 

「う〜〜ん、流夏、ふぅ……」

 

 楯無さんは頭を掻きますが流夏君がこのまま、テレビからはなれる事は出来ないと感じました。

 すると、刀奈さんはある事を思い出したのです。

 

「そうだわ貴方、明日休みでしょ?」

「えっ? 明日は休みだけど、それがどうしたんだ刀奈?」

 

 楯無さんは刀奈さんを見ます。彼女は微笑みながら。

 

「実は明日、タツヤが半額セールをやってるのよ。そこでバトルライダーを借りたらどうかしら?」

 

 

 翌朝、ここは大型ビルが並ぶ中、沢山の車が走る道路。その中には楯無さんと流夏君、運転手の三人が乗ってる黒い高級車が走っていました。

 

「成る程、奥様にDVDを借りてきたらと言われたんですね?」

「ああ、ごめんな」

「いえ、おきになさらずに……それよりも」

 

 運転席には運転手、助手席には楯無さんが座っていましたが二人は会話していました。すると、運転手は何かを思い出したかのようにミラーのほうを見ます。

 そこには、後頭部座席にはチャイルドシートに座りながらも暗い顔をしている流夏君がいました。一言も喋らず、いつものあ〜〜う〜〜と言わないのです。

 

「流夏様はいつもあんなで?」

「いや……まあ、バトルライダーのことでな?」

「成る程、まあ、借りてくれば、それでよろしいのですね?」

「ハハハ……そうしてくれ、タツヤはもうすぐか?」

 

 二人は苦笑いしながら会話していましたが車をタツヤに向けて走らせていました。

 

 

「よしよし、ぱ〜〜」

「きゃっきゃっ」

 

 そのころ、更識家では刀奈さんは春奈ちゃんと遊んでいました。二人はお留守番ですが刀奈さんは春奈ちゃんと遊べて、嬉しいのと、春奈ちゃんはきゃっきゃっと笑っていました。

 そして今日は流夏君はご機嫌斜めで、春奈ちゃんはご機嫌がいいみたいでした。




 次回はレンタルビデオやで軽く騒動です。
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