「キャァァ〜〜!」
「織斑様〜〜っ!」
「握手して〜〜!」
「み、みなさん! 落ち着いてください! ちゃんと対応しますから!」
あれから数分後、楯無さんはファンに囲まれていました。実は楯無さんは流夏君の為にバトルライダーを借りようと運転手の松岡さんと言う男性と一緒にレンタルビデオ、タツヤに来たのです。
しかし、楯無さんの事を知っているファンが楯無さんに気づき、叫んでしまい、こうなってしまったのです。
楯無さんはファンの人達に囲まれていましたが流夏君と松岡さんは離れた場所にいました。彼らは楯無さんにファンが来たから先に行っててくれと言われたのです。
「あう?」
流夏君はお父さんが沢山の人に囲まれている事に疑問を抱き、首を傾げました。どうしたんだろ〜〜? と思っていました。
「ははっ、流夏様、私たちは先に入りましょう?」
「う〜〜?」
「ははっ、大丈夫ですよ、ささっ」
松岡さんは流夏君を連れて、店内へと入りました。
「フアァァ〜〜!」
あらあら、流夏君ったら店内に入るや否や、目を輝かせながら声を上げました。
店内には何百ものDVCとCD、アクション、ホラー、SF、恋愛と言った様々なジャンルに別れながらも棚全体を埋め尽くす程、ありました。
店内には人が沢山いました。数人の店員さんに、大半お客さんが大半です。お子さん連れや一人、カップルもいました。
お目当ては何かは分かりませんが流夏君もお客様なのです。
流夏君は未知の世界に入ったと感じていましたが流夏君を抱っこしている運転手、松岡さんは微笑んでいました。
「流夏様、気になるようですがお目当ての物はアニメコーナーにありますよ?」
「あう?」
「分からないのも無理はありませんが、そこまで連れて行きますね?」
松岡さんはそう言った後、流夏君を連れて、アニメコーナーの方へと歩きました。
「う〜〜あう?」
すると、流夏君はある物を見て、指差します。
「どうしましたか?」
松岡さんは立ち止まり、流夏君が指差した方を見ました。
「……っ!?」
おや? 松岡さん、突然、声を上げると徐々に顔を真っ赤にしました。そして、慌てて足早で離れます。
「り、流夏様、あ、あれは知らない方がよろしいのです! ま、まだ早いのですよ!?」
「う〜〜?」
「ささっ! 早くアニメコーナーへと行きましょう!」
松岡さんはそう言いながらも恥ずかしそうでした。彼が、流夏君が指差した物の正体を知っているからです。
……あら、私も言えません……! だって、あれは……ピンクの暖簾でしたから……。
「う〜〜」
「さっ、バトルライダーと言う物を探しましょう」
流夏君は松岡さんと一緒にアニメコーナーの方へと来ました。そこには数人の子供達がいましたがなぜか大人もいました。
大人が借りる物は色々ですがここは省略させてもらいます。流夏君は松岡さんに抱っこされたまま歩きました。
「えっと……ビックマンに、戦隊もの……あっ、あった」
松岡さんは流夏君を抱っこしたまま探しました。途中、アンマンマンやジャガえもんと言うアニメもありましたが流夏君の目的はバトルライダーです。
流夏君もレンタル物を始めて目にしますが松岡さんはある物を手に取り、それを流夏君に見せました。
「う〜〜!?」
流夏君はある物、DVDを見て驚きました。そして、ニパッと笑いました。それはバトルライダーでした! 流夏君は昨日の事もありましたがとても嬉しそうです!
流夏君は手を伸ばしますが松岡さんは微笑みながら。
「落ち着いて下さい流夏様、私が確認致しますので」
松岡さんは流夏君を抱っこしたままDVDの背面を確認しました。
『ポイ捨ては禁止! ポイステポークの豚になるビームが飛ぶ!』
『やっさんの怒り! キャクビキギュウの騙しの人さらい!』
『抹茶を使ったホワイトケーキ消滅の危機! カビダシゴキブリの悪質行為!』
『俺は風評被害だ! ヒボウバエの魔の語り!』
背面にはそう書かれていました。しかし、それを見た松岡さんは。
「下らねえ作戦ばかりだなおい……」
松岡さんは色々と突っ込みたかったのです。しかし、怪人のデザインはなぜか良い物ばかりで、題名は色々とあれですが松岡さんはこれじゃないと思い戻しました。
「あう?」
「あっ、流夏様、これじゃないみたいです」
松岡さんは流夏君を降ろしました。流夏君はその場で立ちますが松岡さんは。
「私が探しますが流夏様はその場を動かないでくださいね?」
松岡さんは流夏君が見たい物を見つけるべく、探し始めました。しかし、バトルライダーは全部で50巻もあり、見つけるのは、一苦労です。
「…………う〜〜」
でもでも、流夏君から見れば暇でしょうがないのです。流夏君は少しほおを膨らませますが辺りを見渡します。
周りには人がいますが自分よりも年上の子供達もいました。皆、お目当ての物を探していますが流夏君は待っているだけです。
松岡さんは流夏君の為に探している為、相手にする暇はありませんでした。
「う〜〜」
流夏君は暇と思い、そしてパパを捜しに行こうとその場を離れてしまいました。
「これでもない……えっ? 『器物破損は悪い事! モノコワシコウモリの破壊電波!』、色々と凄いな、おい」
松岡さんはバトルライダーの物をまだ探していました。それも、流夏君に気づかず、気づくのはまだまだ先でした。
「あう〜〜」
流夏君は店内を歩いていました。皆、DVDを探していますが借りたのを決めた人や、まだ悩んでいる人もいました。
流夏君から見れば関係ないのですが彼は一通り歩いていました。
理由は色々ですがパパを捜しているのでした。でもでも、どこにもいませんでした。
まだファンに囲まれているのかな?流夏くんから見れば分かりませんが、そうかもしれませんね?
「……う?」
すると、流夏君はある物に気づきました。それは、松岡さんが教えず、そして気になっていた物でした。
あれはなんだろ〜? 流夏君はそう思っていました。でも、あれは澪ちゃんの店にある物と全く同じ物でしたが色はピンクでした。それも十八と書かれていたのです。
それは……あら、いやだ! 私は何を言ってるのかしら!? だってそれは……あらあら! 流夏君が……!
「…………パパ〜?」
流夏君は気になっていましたがテクテクとピンクの暖簾の方へと入って行きました! 大変です! このままじゃ流夏君が!
「流夏様ーーっ! 流夏様ーーっ!」
その頃、松岡さんはバトルライダーを捜している最中、流夏君がいなくなった事に気づき、流夏君を探していました! 必死に彼の名を叫びながら走っていますが流夏君はいません。だって彼は……しかし、松岡さんは青ざめているのです。
「どうしよう……このまま流夏様に何か遭ったら……!」
松岡さんは最悪の展開を予想してしまったのです。流夏君が誘拐される……それでは楯無さんや刀奈さんの怒りを買い、悲しみに暮れさせてしまうのです。
流夏君は大切な更識家の長男。無垢な存在で自分たち部下にも可愛がられる存在。それを……松岡さんはそう思ってしまいました。
「流夏様……!?」
松岡さんは、ふと、ある物を目撃しました。それは。
「あっ、ま、まさか……!」
松岡さんは顔を真っ赤にしました。それは、彼自身も気づいていましたが流夏君がさっきまで気になっていた物でもありました。
でもでも、流夏君がそこにいる可能性も高いのです。彼はそこにいるのか? 否、そこにいる事を願いたい。松岡さんはそう思い、ずっと見ていました。
「ねえママ〜〜あの人、ずっとあれを見てるよ?」
「しっ! 人を指差しちゃいけませんし、見てはいけません!」
近くにいた親子連れが松岡さんを見ます。しかし、松岡さんは一瞬だけビクッとしますが顔を真っ赤にしていました。
「(ヤバい……このままいたら、私があれを借りると思われてしまう……!)」
松岡さんはそう思いました。ですが、流夏君を見つけるのが先であり、松岡さんは。
「(いや……! 流夏様を見つけるのが先だ! ここは、男らしく!)」
刹那、松岡さんはピンクの暖簾の方へと向かい、いざ! 男たちの花園……いやいや、流夏君を探しにゴーー! でした。
ですが〜〜松岡さんが暖簾をくぐった直後〜〜。
「あう?」
流夏君がいました! それもピンク暖簾の方とは少し離れた場所で歩いていたのです! そうです! 流夏君はあの時、入ってすぐに出たのです! そして、パパを捜そうと辺りをうろついていたのです!
松岡さんはそれに気づかず、流夏君がまだあの中にいると思い、探していました。
「あれ? 流夏?」
「う? ファァァ〜〜!」
流夏君に声をかける人がいました。そうです! 楯無さんでした! 彼はファンたちの相手から何とか終わり、戻ってきたのです!
彼は流夏君と松岡さんを捜していましたが流夏君に気づき、声をかけました。
流夏君はお父さんと逢えて嬉しいみたいですが必死に手を伸ばしていました。楯無さんは微笑みながら流夏君を抱っこします。
「フアァァ〜〜」
流夏君はお父さんに抱っこされていますが甘えていました。やっと逢えたからですが楯無さんは松岡さんに気づきます。
「あれ? 松岡さんは?」
楯無さんは松岡さんが近くにいない事に気づきました。
「流夏様ーーっ! 流夏様ーーっ!」
「えっ!?」
楯無さんはピンクの暖簾の方から叫び声が聞こえた事に驚きます。そうです、松岡さんは未だに流夏君を探していました。まだそこにいると思っているみたいですが楯無さんは困惑していたのです。
「ど、どうしたんだろう、松岡さん?」
楯無さんは松岡さんの行動に戸惑いますが流夏君は未だに楯無さんに甘えていました。
「流夏様ーーっ! 流夏様ーーっ!」
その頃、松岡さんはピンクの空間の中、泣きながら流夏君の名を叫びながら走っていました。周りも彼の行動に驚きましたが松岡さんは気にもせず、鼻水をたらしながらも涙目になりながらも叫んでいました。
「流夏様ーーっ! ううっ、ひくっ! 流夏様ーーっ!」
松岡さんは叫んでいましたが流夏君はお父さんに逢えて、ご機嫌はいいみたいでした。
「ウフフ〜〜パパ〜〜!」