更識家の流夏君   作:NO!

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流夏君、パパとママに対して恥ずかしい思いをさせているのに気づかないみたいだけど、ご機嫌はいいみたいです。

「あむっ〜〜」

「ふふっ」

 

 ある日の更識家の昼食。そこには、リビングには更識家の面々が昼食を摂っていました。

 献立は珍しく鯖味噌、煮物。茄子やタマネギ、人参などの色とりどりの野菜を使ったみそ汁等が並べられていました。

 楯無さんや刀奈さんが食べています。流夏君は離乳食のカレーを食べていました。スプーンを使っていますがお口周りはドロドロ、それでも美味しそうに頬張っていました。

 楯無さんも嬉しそうに見ていました。一方で春奈ちゃんはお母さんの胸の中でスヤスヤと寝息を立てていました。みんな、それぞれ昼食を摂っていましたが刀奈さんが言いました。

 

「流夏ったら、美味しそうに食べてるわね?」

「うああ〜〜?」

「ふふっ、褒めているのよ? 貴方を見ていたらこっちも嬉しいわよ?」

 

 刀奈さんは流夏君に笑いかけました。お母さんとして嬉しいからです。子供は沢山食べた方が良い。我が子だと尚更そう願っているからです。

 楯無さんは「そうだぞ流夏〜〜」と笑います。

 

「お前が沢山食べるのは嬉しいからな〜〜流夏は俺たちの大切な宝だからな〜〜」

「うあぁ〜〜ッ?」

「ふふっ、貴方、春奈も忘れないでよね?」

 

 刀奈さんは腕の中にいる春奈ちゃんを教えました。春奈ちゃんはスヤスヤと寝息をたてていました。お母さんの腕の中が気もちいいからでしようかね?

 自分たちがそう思っても、彼女のお父さんとお母さんはそう思っていますね、きっと。楯無さんは微笑むと頷きました。

 

「ああ。春奈も俺たちの大切な宝だ……俺は、否、俺たちが支えなければな!」

「ええ。私たちは親として、二人に愛情を注がなきゃね!」

「おいおい、俺たちって言っても千冬姉や松岡さんたちもいるだろ?」

「ふふっ、そうね」

 

 二人は頷き合うと、笑い合いました。仲のいい夫婦だけでなく、子供を守る親としてもそう決意していました。松岡さんたちもいますが一番の愛情を与えるのは自分たちの役目、そう思っていました。

 二人の出会いは色々ありましたが恋人となり、結婚し、互いに支え合いながら今があるのです。そんな二人の絆は固く、互いを愛し合う存在なのです。

 どんな困難があろうと、二人は乗り越えられます、それに……。

 

「あう〜〜っ?」

 

 流夏君はキョトンとしていました。二人は何の会話をしているのかは分からないみたいでした。無理もありませんね、だってまだ小さいから。

 でもでも、流夏君は何かを思ったかのようにスプーンをお父さんの楯無さんに差し出しました。

 

「どうした流夏?」

 

 楯無さんは流夏君の行動が分からず、首を傾げました。流夏君はじっと見ていましたが「あう〜〜」と何かを訴えていました。楯無さんは更に首を傾げます。

 流夏君も首を傾げますがお母さんを見てスプーンを差し出しました。

 

「どうしたの流夏? お代わり?」

 

 刀奈さんは流夏君の行動に首を傾げます。お代わりと思っていてもカレーはまだ残っています。お代わりとは思えないのと流夏君の行動は何を意味しているのかは分かりませんでした。

 流夏君は二人をきょろ、きょろ、と見ていました。スプーンを伸ばしていましたがスプーンの丸い先端を口に入れました。ご飯はありません。でも、何かを訴えているみたいです。流夏君はじっと見たまま何も言いませんでした。

 二人はどうしたのかと思っていました。我が子の訴えに何を意味しているのか、何かを考えているのか、と思っているみたいです。すると、刀奈さんは驚き、直に微笑みました。頬を紅くしながら。

 

「貴方」

 

 刀奈さんは楯無さんを呼びます。愛しそうに、です。楯無さんはドキッとすると、刀奈さんを見ます。刀奈さんは頬を紅くしていました。

 同時に手に持っている箸を使って、味噌がのった鯖の白身を箸で摘むと、それを楯無さんに差し出しました。

 うっ!? 楯無さんは刀奈さんの行動に驚き、顔を真っ赤にしました。気づいたのです、刀奈さんの行動に。

 でもでも、それは刀奈さんがそうした訳ではありません、流夏君が訴えていたからです。

 あれは〜〜? と訴えていたのです。そうです! 流夏君がスプーンを差し出し、口に入れたのはそう言う意味だったのです!

 お母さんがお父さんにあ〜〜んをしてほしかったのです! 何時も見ているのと、何時ものあれをやっていないから、あれっと思ったみたいです!

 流夏君はお母さんの行動にニパッと笑いました。あれが見れる〜〜と思っていました。早く早く〜〜と笑っていました。楯無さんは流夏君の笑顔に戸惑いますが刀奈さんを見ます。

 刀奈さんは少し恥ずかしそうにそわそわしていました。早く食べてほしい、と願っていました。そんな妻の素振りに楯無さんは顔を真っ赤にしました。

 かわいい、と。楯無さんは流夏君と刀奈さんを交互に見ます。流夏君は応援し、刀奈さんは恥ずかしそうでした。これには楯無さんは「っ〜〜!」と声を上げそうになると、そのまま刀奈さんの箸の先端にある鯖の白身を食べました。

 刀奈さんは恥ずかしそうに笑っていますが嬉しいみたいでした。流夏君はお父さんの行動に笑いました。パパ〜〜やる〜〜と思っていました。

 楯無さんは恥ずかしそうに小さく咀嚼していました。鯖の味噌が上手く絡んでいるのに、あまり味を感じられませんでした。理由は簡単、何時もやっているのに流石に恥ずかしいからでした。

 楯無さんは汗をかいていますが刀奈さんを見ます。恥ずかしそうにそわそわしており、何も言いませんでした。何時もしているのに、今回ばかりは恥ずかしいと思っていました。

 だって、今回は流夏君が促していたからです。不意をつかれたとは言え、流夏君の行動は流石かつ、自分たちの愛息としては人たらし的なことをしたからです。

 楯無さんは言葉を詰まらせていますが何も言わず、天井を仰ぎながら顔を覆い隠しました。恥ずかしい〜と思っていました。

 そんな二人に流夏君は首を傾げ、春奈ちゃんは寝息を立てたまま、起きませんでした。

 

「うああ〜〜っ」

 

 流夏君は首を傾げていましたが笑いました。何時ものパパとママだ〜〜っと喜びました。でもでも、流夏君はご機嫌はいいみたいです。

 

「うふふ!」

 

 

 

 

 

「流夏さま……はあ〜〜これは将来、色んな意味でもの凄い当主ができそうだ……」

 

 そんな中、襖の外から一部始終を聞いていた松岡さんは溜め息を吐いていました。デザートにあんみつと、流夏君にプリンを差し出そうとしましたが入れないみたいでした。

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