「それで弾さんは厳さんの教えで何とかなりましたが、お玉を喰らいまして……」
「ハハハ……弾の奴、そうなったんだ」
「ええ。ですが、数馬さんとこの鈴さんも元気ですからね?」
「ああ……でもあの二人、結婚したんなんて驚いたよな〜〜」
「ええ、鈴ちゃんも漸と幸せを掴んだけど、少し前に産まれた狼君もいるからね?」
「そうだったな〜〜」
あれから数分後、更識家の客間では当主の楯無さんと、彼の妻である刀奈さん、その二人の友人かつ、刀奈さんのママ友でもある虚さんがテーブル近くに座りながら談話していました。
その話は最近遭った事ばかりの物ですが仕事に関する話は一個も有りません。それもその筈、プライベートに関する事しか話さない事に決めたのです。
理由は久しぶりの休日で仕事の話は御法度、愉しい話の方が一番良いからです。ですが……。
「でも……フフッ」
刀奈さんは何かを思うように笑うと、自分の膝の上に座っている愛娘を見据えました。そこには、刀奈さんに良く似た娘、春奈ちゃんがいました。
「う〜〜?」
春奈ちゃんは辺りをきょろ、きょろと視ていますが楯無さんや虚さんは頬を緩めてしまいますが彼等は何かを思うように視線を、同じ方へと向けるように見やりました。
そこには……。
「うぁあ〜」
「う〜〜」
そこには、近くには二人の赤ちゃんが玩具で遊んでいました。一人は楯無さんに良く似た男の子、流夏君。もう一人は虚さんの面影を良く残している澪ちゃん。
でもでも、二人は仲良く遊んでいますが積み木でです。
「うぁ〜」
流夏君は赤い四角の積み木の玩具に手を伸ばします。澪ちゃんもそれに手を伸ばしますが……。
「う!?」
すると、二人の手は重なりました。これには澪ちゃんも驚きますが……。
「う〜〜」
あらあら、澪ちゃんったらあまりの恥ずかしさに頬を紅くしながら手を当てました。恥ずかしい〜と思っているみたいです。流夏君が大好きだからでしょうが流夏君はと言うと。
「あう〜?」
流夏君たら、澪ちゃんの様子に気付かず、首を傾げていました。どうしたの〜〜? と思っているのかもしれません。でも、流夏君には判らないみたいです。
それもその筈です、流夏君は澪ちゃんが好きでも、流夏君はそれに気付いていないのです。これには流夏君は……いえいえ、流夏君のお父さんだって女性の気持ちは理解していなかったのです。
それを、お父さんの心を鷲掴みにした刀奈さんは流石と言えますが流夏君は二人の血を継いでおり、それも楯無さん、一夏さんの鈍感まで継いでしまったからです。
それでも流夏君は澪ちゃんをみてキョトンとしていましたが彼は積み木を手に取ると、それを、自分と澪ちゃんで作った物の上に置きました。
「あう〜〜」
あらあら、流夏君ったら手をパチ、パチと叩きながら破顔しました。完成したからです。出来た〜と思っています。
「う〜〜」
澪ちゃんも気を取り直しますが完成した事に喜んでいました。二人共、嬉しそうですが共同作業で作ったからです。そんな二人に、親でもある更識夫婦、虚さんは微笑んでいました。
我が子達の嬉しい姿が何よりの宝なのです。どちらも、刀奈さんや虚さんはお腹を痛めてまで産んだ我が子を微笑ましく見ており、楯無さんは我が子が将来、自分の跡を継ぐ事に期待しているからでもありました。彼と彼女等はそう思っていますが一人、それをキョトンと見ている人がいました。
「にゅ……?」
それは春奈ちゃんです。この娘は流夏君と澪ちゃんを視て何とも思っていませんでしたが……。
「う〜〜……」
春奈ちゃんは何かを思ったかのように少し頬を膨らませました。嫉妬ですが可愛らしい物でした。ニィニ〜と流夏君に対して呆れていました。
でもでも、春奈ちゃんはお兄ちゃんが大好きなのです。その為、いえ、ニィニの傍にいる事が多い為、そう思っても仕方ないですからね?春奈ちゃんは少し頬を膨らましていましたが……あらら!? 流夏君、嬉しさのあまり、澪ちゃんに横抱きしてしまいました。
「にゅ!?」
「うにゅ!?」
「ふぇっ!?」
「ええっ!?」
「あらあら? やるわね流夏ったら」
これには春奈ちゃん、澪ちゃん、楯無さん、虚さんは驚きました。刀奈さんは少し嬉しそうですが流夏君の行動は赤ん坊とは思えないからです。でもでも、流夏君は嬉しいからであり、そうしたのは単なる行動でもありました。
でもでも、澪ちゃんから視れば恥ずかしいのと、大好きな人からそうされたらもっと恥ずかしいと思っていました。頬を真っ赤にしていますが楯無さんと虚さんは顔を真っ赤にしていました。
「うぁあ〜」
でもでも、流夏君は嬉しいのですが自分が何をしているのかは気付いていないみたいです。でもでも、澪ちゃんの事を考えていませんでした……。
「……プ〜〜っ!」
春奈ちゃんはお兄ちゃんの行動に愕然としていますが頬を膨らましました。嫉妬です、それも澪ちゃんに対してですが、澪ちゃんは気付いていませんでした。
でもでも、春奈ちゃんは澪ちゃんに対してライバル意識を持ちましたがご機嫌は斜めでした。
でもでも、流夏君は澪ちゃんと造った物を視てご機嫌はいい物でした。
「ウフフ!」