鮮血のカタルシス   作:ネコ缶

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真は、サイファの能力を使い
兄の様な優しい人を生かして
悪を殺すことを決心します。


誘惑

「ごめんなさい。パパ

サイファ、

よそ見しないっていう約束

破って」

 

(サイファ、

興味本位で見てしまったんだ)

 

「それより、私を守ってくれて

ありがとう」

 

私は、サイファの頭を

撫でた。

 

とても嬉しそうだ。

 

(パパを怪我させた分、

私がパパを守らないと)

 

「サイファ、

パパとの約束破った分、

これからは、パパの言う事

はなんでも聞くから、

サイファの事、

悪い子って思わないでね」

 

 

「一生懸命、生きている

人間を傷つけたり、

迷惑をかけたりする奴は、

生きている意味があるかい?」

 

「ない!」

 

サイファは即答する。

 

「だってそんな奴がいたら、

パパがまたひどい目に

会うかもしれないじゃない!」

 

「それじゃあ、

私のために、

悪を殺してくれるね?」

 

「わかった。

サイファ、パパの為なら

なんでもするよ。

だから………」

 

チュッ

 

まただ、

また、サイファは、

私にキスをしてくれた。

 

「サイファの事、もっと愛して」

 

 

私は、それから数年かけて

 

日本で初めての暗殺組織を

 

創り上げ、百人の暗殺者

 

を育成した。

 

サイファも、努力し

 

自分の能力を制御できる

 

様になった。

 

サイファは自身の身体の部位

 

例えば、髪の毛一本分の質量

 

さえ有れば、一人の人間を、

 

蒸発させてしまうという

 

能力を得た。

 

 

 

サイファは強かった。

 

いや、

 

サイファと優香は、

強かった。

 

サイファと優香さえ

いれば、残りの暗殺者など、

要らないだろう。

 

二人が疲れない為に

存在している98人

それだけの事だ。

 

そして、私は、ついに、

 

『悪は殺しても良い』

 

という法を、暗殺組織

 

所長という権力を使い、

 

政治家、官僚、大臣たち

 

に認めさせた。

 

気持ちよかった。

 

人は、『お前などいつでも殺せる』

 

と言われると、すぐに私の命令を

 

聞く順応な『ペット』

 

となるのだ。

 

私は、ついに、この世界から、

 

『善が死に絶え、悪が生きる』

 

という矛盾を無くす事が、

 

出来るのだ。

 

 

 

ーー現代ーー

 

「サイファ、ただいま」

 

私は、施設内に、

広い多目的スペース

を設けている。

暗殺者達が、いろんな事を

話したり、勉強する為に作った場所だ。

 

でも、普段は、私とサイファの

部屋である。

 

私は、部屋のドアを開けた瞬間

いつもの嫌な予感がした。

 

「あ、おかえりパパ!」

 

サイファは、今年で23になる。

 

優香より一つ年上だ。

 

サイファはとても大人ぽく、

綺麗で、優しく純粋で、

とてもナンバー1

の暗殺者とは見えない。

 

 

焦げ臭い。

 

床にはススが溜まっていた。

 

「何人殺した、仲間じゃないのか?」

 

サイファはたまに同じ暗殺者を

殺してしまう時がある。

 

「十人。

だって、こいつらパパの前では、

 

まるで善良ぶりを披露するけど、

 

パパの聞こえないところでは、

 

『練習がしんどい、

所長なんか死ねばいい』

 

とか言ってたのよ。

 

許せない!

 

パパのお陰でこいつらは、

 

地獄の様な少年院

 

から出られたのに!」

 

「でも、暗殺者が減っては、、、」

 

サイファが私の言葉を遮り、

ゆっくりと近づく。

 

「私だったら、

あんな奴の数千人よりも、

パパの役に立てるよ」

 

あむ

 

サイファが私の耳を甘噛みする。

 

何処でこんな事覚えたのだろう。

 

サイファがささやく。

 

『パパは私だけで十分。

もう、面倒くさい法手続き

して暗殺者を集めなくていいのよ』

 

 

 

私は、親の虐待に反抗して、

親を殺してしまった子供を集めていた。

そいつらは、元々、

何も悪くないはずだ。

私は、そんな子供達に悪を殺す為、暗殺者

になって欲しかった。

 

子供を救う代わりに、

自分の欲求を叶える。

 

でも、もうその必要がないのかも

しれない。

 

 

気がつけば、私はサイファに抱かれ

ていた。

サイファの匂いが充満する。

大人の女性の匂い。

 

まるで、

サイファに包み込まれた様な感覚。

 

「パパは私だけで十分よね?」

 

サイファの艶かしい唇から発せられる

その言葉一つ一つが私の心臓を撫でている様な

気持ちがした。

 

「ああ」

 

 

私は、サイファに負けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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