鮮血のカタルシス   作:ネコ缶

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優香と健一との生活が始まります。


近接

「ねえ、健一く〜ん。

今日泊まらせてよ」

 

優香がいきなり僕に頬ずり

する。

 

「わかったよ」

 

僕は内心嬉かった。

 

僕は子供の時から、

 

女子から嫌われていた。

 

勉強も運動も、できず、

 

男性、女性が話している

 

話題にさえ、

ついていけなかった。

 

『ゲーム』………親から

買ってもらえなかったなぁ

そのせいで、

小学校の時、

女子も男子も、

僕の事を

『汚物』扱いした。

お前は無能だから、

みんなが持っている物

でさえ、

お前は持ってはいけない。

 

考えてみれば、親からの

教訓が僕の人生の全て

だったのかもしれない。

 

でも、優香は、僕に

 

愛情の眼差しを

贈ってくれる。

 

こんなの、優香だけだ。

 

 

 

 

優香は僕の手を握った。

僕は冷静となった今、

すごく、動揺していた。

 

女子なんて、別次元の、

分厚い目に見えない硬化ガラス

の向こう側の存在だと思って

たのに、

優香だけは僕のためだけに、

ガラスを破ってくれた。

 

 

僕は、緊張していた一方

 

優香は、楽しそうに

 

鼻歌を歌っている。

 

 

「どうして」

緊張して下を向いたままで

気がつかなかったが、

不思議な事に僕が、

自宅を案内しなくても、

 

優香は、僕の家にたどり着いた。

 

「どうして、僕の家を」

 

 

「当たり前じゃない」

 

優香は独り言の様に呟く。

 

「殺そうとした相手の情報くらい

覚えいるわよ。死んだら、みんな

忘れちゃうから。私くらいは、

しっかり覚えてなきゃ」

 

 

 

 

優香は、暫く沈黙すると

僕の方を向き、少しかがみ

僕に目線を合わせながら、

微笑む。

 

「ねえ、家の鍵はどこにあるのかしら?

優香が開けてあげる」

 

とてつもなく色っぽい声だった。

優香の吐く息は女の子らしい

甘い匂いがした。

 

僕は冷静さを保ちながら

優香に鍵を渡す。

 

「ありがとう」

とっても優しい声だった。

 

何年も聞いたことのない言葉

だった。

 

優香は鍵を開けると、

僕を先に入れてくれた。

 

ガチャ。優香は、

鍵を掛け、

厳重にも、チェーンまで

掛ける。

 

ボフッ

 

優香は突然、

僕を強く抱きしめる。

 

優香は可愛かったが、

僕より強く、大きかった。

 

「さっきまでの

続きやろうよ〜〜。

家の中だから、遠慮なくできる」

 

優香は、とても上機嫌だった。

 

「わかったから。まずは、夕飯にしよう。」

 

優香が手を緩める。

 

「じゃあ、そしたら、やってくれるよね?」

 

「ああ」

 

なんとかしのげた。

 

僕は、優香に何が食べたいか聞いた。

 

「あなたが食べたい」

 

 

 

僕は一瞬、動揺する。

 

 

 

「あなたが私を嫌いにならない

うちに、殺して食べたい」

 

 

僕は、恐怖で動けなくなった。

 

優香は僕の頰を舐める

 

「嘘よ。殺したら、

もう遊べないじゃない」

 

優香は白く綺麗な歯を

ちらつかせながら微笑む。

 

「私が料理作ってあげるよ」

僕はシチューを作ってもらうこと

にした。

 

 

 

僕は暇なので、優香の手伝いをした。

 

とは言っても、

いつも、スナック菓子やインスタント食品

 

で済ましていたので、

 

殆ど見ているだけだったが。

 

 

優香は二人分、

シチューを作ってくれた。

 

 

僕と優香はシチューを口に運ぶ。

 

優香は、あまり食べたくないのか、

僕より少な目にシチューを盛って

いたので、僕より

早く食べ終わった。

 

優香は自分が食べ終わった後

ずっと僕の方をニコニコしながら見ている。

 

「毎日、身体に良くないもの食べてちゃ

ダメだよ。

私より、早く死んだら許さないから」

 

僕は優香に見守られながら、

食事を終えた。

優香はなんだか眠たそうだった。

 

 

「ごめん、健一くん。

私なんだか眠くなってきちゃったから、

先寝るね。本当は、楽しい話とか、

もっとしたかったんだけどね………」

 

「わかった」

 

僕は、シチューを作ってくれたお礼に

優香に布団を敷いてあげた。

 

 

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