一位 リーリヤ ボリス
二位 ナジェーリア
三位 満代 菊代
四位 リューヌ シルヴィア
五位 ウルレイカ
六位 テレジア
大体、こんな感じですな。
あ、ハイゴッグ、良いですよね?
挿絵とかあったら、キャラが分かり易い・・・?
金はあるとこにはあるもんだ。
ウルレイカの内心を表すなら、正にこの言葉が正しいだろう。
絢爛豪華、贅の限りを尽くしたガラスの宮殿。軍で大佐という高級士官であるウルレイカでも、これ程に豪奢な建築物には縁が無かった。
「はー」
「ルーデルハイト、あまり呆けてると、恥かきますわよ?」
「いやさ、菊代はどうなの? ボク、こんな建物初めてだよ?」
テレジアの魔法杖〝パンション・ヴェルサイユ〟内の装飾の豪華さに呆けるウルレイカを、菊代は冷静に諭す。
ウルレイカは、そんな菊代に自分はどうなのかと問うた。
「私の家をお忘れですの?」
「あ~、神皇国の巫女家系総代表だったね」
「そうですわ。それに、この宮殿はディートリッシュ陛下の魔法杖。という事は」
「これ全部、建国妃のエーテルって事?」
「ええ、そうですわ。この柱も調度品も何もかも全て、陛下のエーテルで形作られていますわ」
うへぇ、とウルレイカが声を出す。普通の魔女としては下の下の彼女からしてみれば、これだけの建築物と調度品を全てエーテルで形作るなど、正気の沙汰ではない。
ーーこの絨毯とか、寝れるよ? ボクーー
自分の官舎の部屋なんて、板張りにカーペットを適当に敷いただけだ。しかも、官舎自体が古くて底冷えするし、部屋によってはすきま風も入り込んでくる。
建て替えればと言うが、帝国の国民性である質実剛健、質素倹約好き。悪く言えば貧乏性が出てきて、建て替えは次へ次へと繰り越しになって実現しない。
機工式魔法杖の開発運用に予算が割かれているとは言え、もう少しなんとかなんないかなと、ウルレイカは調度品を眺めながら思った。
「皆様、この度はようこそ、パンション・ヴェルサイユへ御越しくださいました。この先は、私リューヌ・テュレイルが案内致します」
「沼の魔女か」
殆ど表情を変えず、リューヌが姿を現す。
沼の魔女の名を持つ侍女、彼女の体はその名の通り、エーテルで構成された底無し沼だ。もし、自分達がここで倒れても、彼女は己の中に自分達を沈めて無かった事にしてしまうだろう。
まあ、そんな事をするメリットは無いし、ウルレイカも菊代も、リューヌの許容量を超える魔導を扱う事が出来る。
その為、もしがあっても、リューヌの沼から脱出は容易い。
「皆様、つかぬことをお聞きしても?」
ウルレイカがそんな事を考えていると、表情の変わらぬリューヌが振り向き問うた。
「ナジェーリア将軍は何処に?」
菊代は背筋に、ゾッともゴッともつかない冷たい感覚が走った。
先程まで一緒に居たが、テレジアが魔法杖を展開した事による関係各所への連絡と対処の為、ボリスとシルヴィア達は遅れ、ナジェーリアはいつの間にか居なくなっていた。
そう、これが一番危ない。危険が危ない。
魔女や魔導師というものは探求心や好奇心が強い。ナジェーリアもそれに漏れず好奇心旺盛だ。
しかし、だ。今回はそれが危ない。
なにせ、共和国の建国妃テレジア・ディートリッシュの魔法杖、彼女そのものと言ってもいいこのガラスの宮殿内に、〝歩く治外法権〟〝存在がアドリブ〟のナジェーリア・リトリアが監視も無しに入り込んでいる可能性がある。
正直、ここでなにかやらかすのは勘弁してほしい。
下手な事をして国際問題にでもなれば、同じ場所に居てナジェーリアを止められなかったとして、高い確率で神皇国にもなんらかの責が及ぶ。
ウルレイカもそれが分かっているのか、彼女も苦い顔をしている。
「あ、お、おば様はですわね?」
「遅いぞ、リューヌ。妾をいつまで待たせるのじゃ?」
なんとかして誤魔化そうと、菊代が巫女根性で巫女祝詞を上げようとした時、待ち兼ねたテレジアが奥の間から現れた。
先程、バーバヤーガ基地に来た時より豪勢なドレスを身に纏っている。
「ん? ああ、これか。これから、仮ではあるが国家間会談じゃぞ? 正装ぐらいはせねばの」
あと、とテレジアが続けて、菊代を指差す。
「ここは共和国じゃぞ。むやみやたらに柏手打って祝詞あげて神道ブッパとか、満代の真似はやめぬか」
テレジアのこの言葉に、菊代は反応が出来なかった。
母の真似?
確かに、柏手を打って祝詞を上げようとしたが、それは誤魔化しの為で、本当にやろうとした訳ではない。
しかし、母の真似とはどういう事なのか?
「満代は、こっちが何かしてもしなくても、疑いがあれば山脈ぶち抜く砲撃と笑顔を向けてきたのじゃ」
テレジアの言葉に、隣のウルレイカがスゴい目で見てくるが、母のそういった面はよく知らん。
菊代が知っているのは、神皇国の巫女としての母だ。
悪戯の仕返しに、山脈ぶち抜く砲撃を笑顔で放つ面は知らん。
「まったく、すこ~しばかりナジェーリアの奴と悪戯しただけだというのにの」
「……陛下? 因みにですけど、そのすこ~しばかりの悪戯というのは?」
「本当にすこ~しじゃぞ? すこ~し、奴の巫女装束に細工して、あの胸部装甲が立体的に強調される縫製にしただけじゃ。全部」
「それ、まったくもって少しじゃありませんのよー!」
まさかの悪戯内容に、思わず叫ぶ菊代。
一国家の象徴と一軍の代表格の二人が組んでやった悪戯が、巫女の制服である巫女装束の胸部立体縫製。
何をしているのかと問い質したくなる。
「なんじゃなんじゃ? 親子揃ってユーモアが無いのぅ」
「まったくであるね」
「いや、巫女装束というのは、それだけで魔導具として機能するもので、下手に手を加えると…… って、おば様?!」
「やあ、私であるよ」
口の端にパイプを挟み紫煙を〝(・∀・)ノ〟の形に燻らせたナジェーリアが、いつの間にか現れにこやかに手を振っていた。
「リトリア、何処行ってたのさ?」
「ルーデルハイト大佐、ここは共和国であり公国でもあるのだよ? 会議をするなら、意見は多い方がいいではないか」
ナジェーリアが言うと宮殿に軍靴の音が響いた。
「はあ、厄介な場に連れて来られたものだ」
その軍靴の持ち主、公国第二位〝
訓練の最中だったのか、魔法杖の媒介に使っている斧を肩に担ぎながら、長身の彼女は溜め息混じりに言った。
さぁ、動き出したお話はどう転ぶのか?
「〝福音の魔女〟、妾も見たのは初めてじゃぞ?」
世界の終わりに現れる〝福音の魔女〟とは?
「〝ランプの魔女〟か……!」
現れる魔女
そして
「〝降星事変〟、あれが人為的だと言うのかね?」
繋がる。