牌に愛されし少年   作:てこの原理こそ最強

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第14話

春休みも終わって新学期となった。新しいクラスを確認すると嬉しいことに咲とはまた同じクラスになれたが残念なことに京太郎とは違うクラスになってしまった

 

「また同じクラスだね、翔くん」

 

「あぁ、またよろしくな」

 

新しいクラスで自分の席に座っていたところに咲がやってきた。オレが笑顔で返すとなぜか頰を赤くした

 

「…でも京ちゃんが」

 

「そうだな。さらば京太郎」

 

「おい翔!死んだみたいに言うな!」

 

「あ、いたのか」

 

「ひでーな…まぁもう戻るけどよ」

 

「さらば」

 

「だから!!」

 

「ふふふ」

 

オレと京太郎のやり取りをみて咲は笑っている。咲は照さんがいなくなってから少し寂しいのかよくうちに来たりオレが咲の家に行くようになっていた

 

そして家の方ではこんなことが起きていた

 

「高校入学おめでとう、美穂子さん」

 

「ありがとう、翔くん」

 

「でもすごいじゃん。麻雀の名門のあの風越女子に特待生で入学なんて」

 

「たまたまだよ」

 

「んなわけないでしょ。美穂子さんの実力だろ」

 

「…」

 

オレの本心を伝えると美穂子さんは顔を見られたくないのか後ろを向いてしまった

 

「あ、ありがと…」

 

「頑張ってな」

 

「うん!」

 

美穂子さんは振り向いて笑顔で返事した

 

遠くにいる高校進学する人達には祝い物をあげたんだが、美穂子さんにはまだ渡していなかった。どうせ隣に住んでるんだから当日に渡した方が喜ぶと母さんに助言されたからだ

 

美穂子さんは原作通り風越女子に進学した。しかも高校側からの推薦で特待生として入ったそうだ。でも一つ悲しいことがあったらしい。インターミドルで対局した美穂子さんを苦しめたある人が風越に来ると思ったけどいなかったらしい。それが原作通りならおそらく竹井 久(たけい ひさ)さんだろう。その人と会えなかったのが残念だったと聞いた

 

そして中二になったオレは今年やろうとしていることを書き落としていた。するとそこでオレの携帯がなった。画面には『姉帯家』と出ていた

 

「もしもし」

 

『翔ちゃ〜ん!!!』

 

「おわっ!豊ねぇ…声抑えて」

 

『あ、ごめん。届いたよ!』

 

「お、予定通りについてよかった」

 

『うん!ありがとう!とっても嬉しいよ〜!』

 

「気に入ってもらえてなによりだ」

 

『もう翔ちゃんだと思って毎日抱きながら寝るよ!』

 

「いや、マフラーなんだからもっと普通に使って欲しいかな…」

 

「うぅぅ…わかったよ」

 

豊ねぇは今は珍しい携帯を持っていない女子なんだ。だからいつも家にある固定電話でかけてくる。そして岩手は一年のほとんどは寒いと思ってマフラーを送った。喜んでもらえてよかった

 

それから何分か話をして豊ねぇは名残惜しそうだったけどなんかさっきから何回かキャッチが入っていたので終わりにした。そして電話を切った瞬間に別に人から連絡が入った。画面には『はるる』と書いてあった

 

「もしもし」

 

『あ、出た』

 

「珍しいな。はるるから電話がくるなんて」

 

『…翔、くん……?』

 

「…か、霞姉さん…?」

 

『えぇ、そうよ。本題に入る前に、なんで春ちゃんの電話にはでたのかな…?』

 

なぜかわからないが霞姉さんはすごく怒っている…めちゃくちゃ怒っている…電話のすごくドスが効いている声だ

 

「あの、霞姉さん…怒ってます…?」

 

『うふふ…怒ってないわよ。なんで春ちゃんの電話に出・た・の・か・な…?』

 

「え、えっと…」

 

『…あ、翔?』

 

「巴さん?よかった。霞姉さんどうしたんですか?」

 

『さっきからみんながずっと電話してたのよ?』

 

「すいません。他の人と電話してたので」

 

『そうだったの。でもそのせいで霞さんは笑顔でなんで翔くんをずっと連呼してるし、はっちゃんと姫様は泣きながら翔、翔くんを連呼してるし、明星と湧なんて兄様なんで!って泣いてるのよ。逆に電話に出てもらえたはるるは見たこともない満面の笑みでいるし』

 

「そうなんですか…?」

 

『とりあえぜ私以外のみんなに電話かけて一言言った方がいいかもよ?』

 

「そうですね。では一旦切ります」

 

『ええ』

 

そこで電話を切る。まさかこんなことになっているとは知らなかった…そして最初に霞姉さんにかける

 

「霞姉さん?」

 

『あら、なにかしら翔くん』

 

「えっと、さっきは電話に出れなくてごめん」

 

『…気にしてないからいいのよ』

 

「でも…」

 

『本当に、気にしてないからいいのよ?』

 

「…今度、オレが鹿児島に行くときに神鏡内を一緒に散歩しない?」

 

『えっ…』

 

「だから、一緒に散歩…」

 

『それは、二人きりかしら…?』

 

「えっ、あぁ…そうだね。二人きりで行こう」

 

『そ、そう。うふふふふ、そう…二人きりで。うふふふふ』

 

これは機嫌をなおしてくれた、のかな?あんまり時間もないし、今度は初美姉さんかな

 

「もしもし、初美姉さん?」

 

『どちらさまですか〜…?』

 

「え、オレだよ。翔だよ」

 

『お姉さんの電話に出ない義弟なんて知りませんよ〜』

 

いや、完全に義弟って言ってるし

 

「そうですか。じゃあもう膝の上に乗せてあげられませんね」

 

『えっ…』

 

「一緒に遊べないし、お菓子も作ってあげられないですね」

 

『…』

 

「それに麻雀もできないですね」

 

『…う……』

 

「う?」

 

『うぇぇぇぇぇん!!!』

 

「えっ!?は、初美姉さん!?」

 

『うぇぇぇぇぇん!!!翔がイジメるのですよ〜!!!』

 

「ちょっ!嘘!嘘です!!今度そっち行ったらたくさん膝の上乗ってもいいから!」

 

『…本当ですか〜?』

 

「あぁ!たくさん遊ぶしたくさんお菓子作ってあげる!」

 

『やったのですよ〜!』

 

危なかった…でもこのままいくと今度鹿児島行くとめちゃくちゃ疲れそうだな…次は小蒔姉さんだな

 

『…』

 

「こ、小蒔姉さん…?」

 

『つーん』

 

「へ?」

 

『私は今翔くんを無視してる最中でーす』

 

どういうことだ。それに電話に出てる時点で無視になってない気が…

 

「そうですか。じゃあ神代さんと楽しくおしゃべりすることができないんですね」

 

『え…』

 

「膝枕で寝かせてあげることもできないんですね」

 

『…』

 

「…さっきは電話に出なくてすいません。許してもらえるならオレなんでもするからさ」

 

『なんでも…ですか?』

 

「おう!オレにできる範囲だけど…」

 

『…じゃあ今度膝枕に、撫で撫でを追加してください!』

 

「そ、そんなんでいいのか?」

 

『はい!』

 

「…承った」

 

『ふふふ』

 

これで小蒔姉さんも大丈夫かな…あとは明星と湧か

 

「明星か?」

 

『兄様ぁ〜』

 

「ごめんな、電話出なくて」

 

『兄様がお忙しいのはわかってました。ですが…』

 

「ホントにすまん」

 

『でも兄様から電話してくれて久しぶりに兄様の声が聞けて明星はとても嬉しいです。やっぱり明星は兄様が大好きです!』

 

「ありがと。オレもいい子な明星が好きだよ」

 

オレはこんないい義妹がいて誇りに思うよ

 

「湧か?」

 

『兄様!なんで明星の方が先なの!?』

 

「え、それはたまたま…」

 

『ひどい!兄様は湧のことが嫌いになったの!?』

 

「んなわけねぇだろ!」

 

『兄様…?』

 

湧がバカなことを言い出したので少し怒鳴ってしまった

 

「オレの義妹は明星だけじゃねぇ。お前だってオレの大切で大好きな義妹だ」

 

『兄様ぁ…』

 

湧ももう大丈夫そうなので電話を切った。これで全員の機嫌が治せたと思いたい…

 

それからまた再度巴さんに電話してみると全員さっきとは段違いに明るくなったみたいだ。逆に笑みが明るすぎて眩しいとなんだかよくわからないことを言っていた

 

それからオレは夏休みか冬休みの長期の休みのときに神鏡の方に顔を出すよう約束した

 

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