牌に愛されし少年   作:てこの原理こそ最強

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第24話

一回戦が終わり今清澄のメンバーは昼ごはんで食堂に来ている。席はあらかじめ京太郎が取っといてくれた

 

「では清澄高校麻雀一回戦突破を祝し、そして二回戦突破を目指して、乾杯!」

 

『乾杯!』

 

「さぁ、食おうぜ!」

 

みんな女子なためかパスタやサンドイッチが多い。優希はタコスだが。その中朝から観戦だけで何にもしなかったにも関わらずやはりオレも男子だ、女子の倍は食ったな

 

「しっかし、咲ちゃんにはおったまげだじょ!東福寺を飛ばして終わらせちゃうなんて!」

 

「原村さんまでのみんながたくさん削ってくれたっていうのもあるけど、翔くんと約束したからね」

 

「東福寺の大将戦開始時、46800点残っていました。それを東場だけでなんて…」

 

「あ、あははは…」

 

「でも、お疲れ様」

 

「さすがだな、咲」

 

「うん!知らない人とで緊張したけど楽しいよ。もっと強い人と打ちたい!」

 

「そのうち打てるさ」

 

決勝に行けば衣姉さんがいるからな。そういえば姉さん来たんかな?

 

「やぁ。二回戦進出おめでとう」

 

「藤田プロ!」

 

「カツ丼さん」

 

「いつか倒します…!」

 

「解説の有名人がこんなところで油売ってていいの?」

 

「ん?そこの二人にちと興味がね。特にそっちの原村 和はこの前会ったときとは別人じゃないか。この十日間でどんな魔法を使ったんだ?」

 

「はてさて、誰かさんにヘコまされたのがよっぽど効いたんじゃないかしら。それにここにいる全員約一名にコテンパンにやられたしね」

 

「あぁ」

 

部長の言ったことでそれが誰か気づいたのかオレの方を見てきたのでそっと目をそらした

 

「だが午後の二回戦に勝って決勝に進出したとしても龍門淵と風越に当たることになるだろう。龍門淵の天江はとんでもなく強い。風越も今年はベストメンバーだ。初戦のようにはいかないと思うがね」

 

「そんなに手強いんですか!?その二校!」

 

「咲、早く打ちたいのはわからんでもないけど少し落ち着け」

 

「あ、ごめん」

 

「まぁ楽しみにしててくださいよ、藤山プロ」

 

「藤田だ」

 

「あ、こいつは失敬」

 

なんという失態だ。人の名前を間違えてしまったー(棒読み)

 

『間も無く二回戦を開始します。各校の先鋒は所定の位置についてください』

 

アナウンスが入りこれから二回戦だ

 

「よし!さぁ、行こうか!」

 

『はい!』

 

「失礼します」

 

咲は丁寧に藤田プロに一礼してみんなの後を追った。藤田プロはその咲の背中を見つめる

 

「咲を甘く見ないでください」

 

「っ!また君か」

 

「はい、オレです。衣姉さんも確かに強いです。でも咲だって姉さんと肩を並べるくらい強いですよ。なんてったってその天江 衣を()()()()()()とずっと打ってたんですから」

 

「なっ!」

 

オレはニヤり顔でそう言うと藤田プロは驚きの表情を隠しきれていなかった。そしてオレは「失礼します」と挨拶をしてからみんなの後を追った

 

二回戦を戦うD卓の観戦室はガラーンとしていた

 

「うわー、ガラガラ」

 

「そりゃそうじゃ」

 

「午後はうちの試合なんて誰も見に来ないわよ。ほとんどの人は二回戦から出てきたシードの二校、龍門淵と風越の試合を見に行ってるんだから」

 

龍門淵のみなさんも美穂子さんも決勝で会いましょう!

 

 

 

 

 

 

 

そして二回戦は全員が思った通り風越と龍門淵は勝ち上がった。そして残りの二つはうちの清澄と初出場の鶴賀学園となった。ん?鶴賀学園?ということは…

 

「翔くん!お久しぶりっすー!」

 

「おわっ!モモか、久しぶり。てか離れい!」

 

「え〜、いいじゃないっすか〜」

 

「モモちゃん!」

 

「モモ!」

 

「あ、咲ちゃんと京太郎くんもお久しぶりっす!」

 

帰ろうとしたところにいきなり抱きついてきたのは今ちょうど考えていた敦賀学園の麻雀部でオレ幼馴染の一人の東横 桃子だった

 

「しかし、相変わらず影が薄いんだな。翔が言うまで気がつかなかったぞ」

 

「京ちゃん、それ失礼だよ?」

 

「いいんすよ、咲ちゃん。私を見てくれるのは私自身を見つけてくれる人だけでいいっすから」

 

その言葉とともにモモはオレの顔を見上げてくる

 

「おーい!モモー!」

 

「ん?ほら、呼ばれてるぞ?」

 

「あちゃー…もう少し翔くんに抱きついていたかったっすけど、もう時間っすね。じゃあ三人とも、また」

 

「おぉ、じゃあな」

 

「またね」

 

「やべっ!もういねぇ!」

 

オレからパッと離れた瞬間には京太郎と咲にはもう見えなくなってしまってるようだ。オレにはさっきモモの名前を呼んでいた人の方にスタスタと走って行くモモがはっきりと見えている

 

「そろそろ行くわよ!」

 

『はい』

 

部長に言われ帰路につく

 

外は既に暗くなっている。電車の中では今日は朝も早くお昼休憩があったとは言え一回戦、二回戦と連続だったから疲れが出たのか、咲と和はオレにもたれかかりながら寝てしまっている。向かいっ側でも優希と京太郎が口を開けてだらしなく寝ている

 

夕飯は最寄駅の近くに出ていた屋台ラーメン屋さんでみんなで食べることになった

 

「ほい、チャーシューあがり」

 

「わーい!」

 

「さ、遠慮しないで食べて食べて。おかわりしてもいいわよ?今日は私の奢りだから!明日の決勝に向けてたっぷり食べてね」

 

「マジっすか!よし!優希、京太郎!部長の財布からにするぞ!」

 

「「おぉ!」」

 

「あんたは少し自重しなさい!」

 

「冗談すよ」

 

「まったく…」

 

オレや京太郎は今日見てただけだしな。すると隣の和がなにやらキョロキョロしているのに気がついた

 

「和、どうした?」

 

「いえ、あまりラーメンというものを食べたことがないので…どうやって食べたらいいのか…」

 

「あぁ、さすがお嬢様。だが別にラーメンにテーブルマナーがあるわけじゃない。ただ麺を箸で掴んで啜るだけだ」

 

「それくらいわかります!もう!バカにしすぎです!」

 

「はははは、失礼しました」

 

そして和も麺をを数本掴んで食べ始めた

 

「あ、美味しい」

 

「ぷは〜!オヤジ!おかわり!」

 

「あいよ!煮卵とネギチャーシューお待ち!」

 

「おぉ、来た来た!」

 

部長と染谷先輩のラーメンも出来上がった。あと来てないのはオレのみ

 

「ん、美味しい」

 

「口にあってよかったわ。なんせこの時間に開いてる店ってここだけなのよね」

 

「田舎じゃけぇのぅ」

 

「あいよ、ネギチャーシュー大盛りネギ増し増し!」

 

「ようやくか〜」

 

ようやくオレの元にもラーメンがやってきた

 

「翔くんのそれ、すごいね・・」

 

「麺が見えません…」

 

「これぐらいじゃないとな、男は」

 

「オヤジ!タコスラーメンを作れ!」

 

「タコはねぇよー」

 

ラーメンとタコスを一緒にするんじゃねぇ。そんな具合でみんなでの夕飯は終わった

 

「ふー、満腹満腹」

 

「よく三杯も食うな」

 

「奢り無限」

 

「だよな」

 

「翔くんも三杯だったね。しかも全部大盛りで」

 

「軽い軽い」

 

するとオレ達が歩いてるう横を電車が通る

 

「登り最終じゃ」

 

「もうそんな時間」

 

「ごめんね〜。ここは試合会場から遠いから。明日も早朝集合なのにね」

 

「いえ、全然平気ですけど。どちらかと言うと、翔くんが明日起きれるかの方が心配です」

 

「…」

 

オレはあからさまに目をそらす

 

「翔さんは朝弱いですもんね」

 

「低血圧なんだよ」

 

「それでどうやって起きてるんだ?」

 

「あぁ、毎回起こしてくれる人がいるんだよ」

 

「羨ましいじぇ」

 

そしてそれぞれわかれて帰った

 

 

 

 

オレは咲を家に連れて行ってから家に帰った

 

「ただいま」

 

「おう、翔。どうだった?」

 

家に着くと父さんがまだ起きていた

 

「あぁ、とりあえず決勝には進出したよ」

 

「ま、当然だろ。なんたって宮永んとこの咲ちゃんがいるんだから。そうそう負けないだろ」

 

「まぁな。でも決勝には衣姉さん達がいるんだよな。しかも美穂子さんもいる」

 

「あらら…お前には複雑か?」

 

「応援するのは清澄なんだけどな」

 

龍門淵のみなさんにも美穂子さんにもお世話になってるから応援したいのは山々なんだけど、オレは今清澄麻雀部の部員だ

 

「そういえば美穂子さんとこ電気ついてなかったけど、誰もいないのか?」

 

「あぁ、そういえば福路さんとこのご両親は出かけてていないらしいな」

 

「美穂子さんは…あっ、電気ついた。美穂子さん帰ってきたな」

 

「行ってやれば?」

 

「は?なんで?」

 

「こんな夜遅くに女性一人は心細いだろ。美穂子ちゃんが寝るまでうちには帰ってくるな!いいな!」

 

なんなんだよ。父さんの言っている意味がわかりません。でも一応顔見とくかな。そんで隣の家に向かった

 

ピンポーン

「はい。こんな遅くにどちらさ、ま…翔くん?」

 

「よっ!美穂子さん。試合、お疲れ様」

 

「あ、ありがとう。とりあえずあっがて?」

 

「じゃあ失礼します」

 

インターホンを鳴らすとすぐに美穂子さんは出てきた。少し疲れてる様子だった

 

「どうしたの?こんな時間に」

 

「ん?美穂子さん今日は一人だって聞いたからね」

 

「…そう」

 

「疲れてるな、美穂子さん。っ!美穂子さん!その頰どうした!!?」

 

「えっ?あぁ…ちょ、ちょっとね…」

 

「確実に誰かに叩かれただろ!?どこのどいつだ!オレが殴り込みに行ってくる!」

 

「えっ!ちょっ!ちょっと、翔くん!落ち着いて!」

 

「美穂子さんがビンタ食らってるのに黙っていられるか!!」

 

「大丈夫だから!大人しくしないと翔くんの携帯弄るよ!?」

 

「っ!わ、わかりました」

 

「これで止まってくれるのもなんか複雑…」

 

美穂子さんは根っからの機械音痴なんだ。昔から携帯やらパソコンやら何機もお釈迦にしてきた前科がある。パソコン使おうとするだけでどうやってコードが体に絡まるのか…

 

「まぁ美穂子さんがいいって言うならいいか」

 

「うん」

 

「あぁ、とりあえず二人決勝だな」

 

「そうだね」

 

「そっちの調子はどうだい?」

 

「うん。万全だよ」

 

「そっか。あんまり詮索するとルール違反になりそうだからここまでにしとこうか」

 

「そうだね」

 

「美穂子さん、食事は?」

 

「部のみんなで食べてきたわ」

 

じゃああとは寝るだけだろうし、オレはもう帰るかな

 

「ならオレはもう帰るよ。つっても隣だけどな」

 

「え…行っちゃうの?」

 

「え?だって美穂子さんももう寝るだけだろう?もう遅いし、明日も早いだろうし」

 

「そ、そうだよね…」

 

美穂子さんさんは明らかに寂しいような顔をする。いつもは頼れるお姉さんみたいな人だけど、やはり女の子だし家に一人だけでは寂しいのかな

 

「しょうがない。寝るまでならいるよ」

 

「本当!?」

 

「あぁ。ただし早く寝ること!オレは出ないからいいかもしれないけど美穂子さんさんは明日大事な決勝なんだから」

 

「うん!」

 

さっきとは打って変わって満面の笑みになってオレの腕を引っ張って自分の部屋に連行した。それからはまぁ少しの間話をして気がつくと美穂子さんはオレの手を握りながら眠った。オレは起こさないように手を抜き下に降りたんだが、美穂子さんが寝てしまって家の鍵がかけられないのに気づいて、仕方なく美穂子さん家のソファーで寝かせてもらった

 

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