牌に愛されし少年   作:てこの原理こそ最強

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間がだいぶ空いてしまってすいませんでした

とある方からのコメントで心折れまして更新できませんでしたが、これまたとある方からのコメントで元気を取り戻して更新できました

お待ちいただいていた方々には深く謝罪します

久しぶりすぎてどんな感じで書いてたか忘れてしまっていて、少し変かもしれませんがよろしければこれからもよろしくお願いします


第39話

今日で大会六日目。今日で準決勝に進める四校が決まる。天気はあいにくの雨になってしまったがみんなのやる気に雲はかかっていない。全員がやる気に満ちている

 

すでにオレや京太郎を含む清澄のメンバーは控え室に到着しており各々リラックスしていた

 

『今日はインターハイ六日目。第三試合と第四試合、まもなく先鋒戦が始まろうとしています』

 

「よし!タコス力フルチャージだじぇ!」

 

「ん?もう行くのか?早くないか?」

 

「ちょっと厠で化粧直しをな」

 

「頑張って」

 

「おう!」

 

「練習通りにね」

 

「気張ってっけー」

 

「お任せー!行ってくるじぇ!」

 

「いってらー」

 

いつも通りタコスを食べて試合会場へ向かうため部屋を出た優希。その手にはなにやら袋を持っていた

 

『さぁ第三試合のAステージでは永水女子と姫松高校が当たるという好カード。本日の実況は私佐藤、解説は昨年新人賞を獲った期待の新鋭、戒能プロです』

 

『グッドモーニング…です』

 

『よ、よろしくお願いします…さ、さて戒能プロの母校、大上院女子もインターハイに出場していましたが残念ながら一回戦で敗退となってしまいました』

 

『超惜しい…クロスゲーム…でした。相手も…エナジェティック…で手強かったです』

 

『エナジェティック…さぁ!先鋒の選手が入場します!』

 

なんともクセのすごい話し方をするプロだな。おっ、選手紹介だ。今日の試合は知ってる人が多いからな、見逃したなんて言ったら後で何言われるか…

 

『鹿児島県代表、永水女子の先鋒は去年団体戦で大活躍したこの選手。神代 小蒔』

 

小蒔姉さん、一体どんだけ強い神様を下ろしてるかで内容が変わるかな。まぁ弱いにしても相当なんだけどね…

 

『宮城県代表は宮守女子。先鋒は小瀬川 白望』

 

小瀬川さんは相変わらずダルそうだな。いや、実際ダルいって思ってんだろうな

 

『春季大会五位の南大阪代表、姫松高校。上重 漫。昨年は副将でしたが今年は先鋒を務めます』

 

上重さんは成績にムラっ気があるからな。今日はダメな日か、それとも…

 

『そして長野県代表、清澄高校。片岡優希』

 

「は?マント?」

 

「おととい買ってきたのはこれか…」

 

画面越しに映る優希の姿は制服の上に真っ赤なマントを装っていた。最初はおふざけかと思ったが、優希の表情を見てそれは思い違いだとすぐに気づいた。今の優希なら大丈夫だ

 

ー東一局ー

 

『ステージA二回戦、第3試合が始まりました。インターハイベスト16、初出場の高校はもはや二校しか残っていません』

 

『強いものが勝ち弱いものが破れるのがインターハイのルール。まさに弱肉強食です』

 

『その内の一校が長野の清澄高校。レギュラーに一年生が三人もいる若いチームです。先鋒を務めるのが一年生トリオの一人、片岡 優希選手。その片岡選手の親家で試合スタートです』

 

優希の親から始まるのはいつも通り。ということはあの場ではまだ何かしたの力は働いてないのか

 

三巡目…

 

「リーチだじぇ!」

 

優希による早い段階でのリーチ。いつも通りだ

 

『清澄の片岡選手、東一局開幕三巡目でいきなりの親リーチです』

 

『これはなかなか早いですね。片岡選手、この聴牌までに無駄ヅモなしでした』

 

『さぁこのリーチに他の三校ははどう対処していくのでしょうか』

 

小蒔姉さんは{八萬}、上重さんは{六萬}と安牌で降り気味。でも小瀬川さんが{五索}で三筋ど真ん中。いつもダルいといいながら打つ麻雀は負けん気が強いのよな

 

「ポン」

 

しかもそれを小蒔姉さんが鳴きかよ。優希が鳴きが効くって知ってるんかな。それか優希の特性を知ってるのか。はたまた強者としての直感か。その証拠に優希に行くはずの当たり牌が上重さんの手に渡った

 

「ツモ!4000オールだじぇ!」

 

ポンなきゃ三色と一発ついて親倍の8000オールだったんだけどな〜。小蒔姉さんに神様が降りてるからなのか。それともポンさせた小瀬川さんの方がスゴいのか…まぁでも鳴かれても和了ることができたな。県予選までの優希を見て研究してたんならちょっと違うことに気づいたかな?

 

それに比べて優希自身は自分の代わり具合をちゃんと把握できてるな。いや、これまでの練習で自信がついたって方がいいかな。清澄での練習、合同合宿、今日までの間で一番変わったのはおそらく優希だろうな

 

「…それもそうだじぇ。よーっし!ここからは私の連荘で終わらせる!」

 

「「…」」

 

「なっ!」

 

「この試合に、東二局はない!」

 

優希の言ってることは全てが強がりではない。まぁ多少はあるかもしれんが…でも今の優希は依然と違ってガチで狙いにくる。できるわけないと思うやつがほとんどだろうが優希ならできる。なによりあいつ自身ができると確信している。それだけの力をつけてきた

 

「サイコロは?」

 

「うわっ!そ、そうだったじぇ…」

 

大丈夫だよな…?急に心配になってきた。やる気の出してる優希に比べて小瀬川さんは相変わらずダルそうだ。いや、優希のせいでもあるかな。ああいうタイプ好きじゃないって言ってたし。でも鹿倉先輩は平気なんだよな〜

 

『さぁステージA第3試合、先鋒前半戦、片岡選手の親満ツモで幕を明けました。戒能プロ、今の局どう見られましたか?』

 

『片岡選手は今までの試合から見ても序盤の集中力が素晴らしいですからね。今回の和了りも彼女にとっては多分当たり前でしょう』

 

『確かに片岡選手の東場での成績は非常にいいいですね』

 

『いずれにせよこの先鋒戦、稼げるときに稼いでおいた方がいいでしょう。他の三人の打撃力も相当高いですからね』

 

『その中でも注目したいのはなんと言っても永水女子の神代 小蒔選手でしょう』

 

『えぇ。個人的にとても注目してます。とても…』

 

ー東一局 一本場ー

 

「天和ならずだじぇー」

 

優希だけで試合を終わらせるための一本場。今度はどんな和了りで次に繋げるのか

 

「チー!」

 

しかし先に動いたのは上重さん。小蒔姉さんの捨てた{二萬}を鳴いた

 

「…」

 

「来い!」

 

小瀬川さんは無言で表情も一切変えずに淡々としている。一々元気な優希とはホントに真逆だ

 

「ポン!」

 

また動いたのは上重さん。優希の捨てた{六萬}を鳴く。そして聴牌。鳴きの速攻。憧もたまにやるな。でも…

 

「ロン!手替りを待つまでもなかったじぇ。8000!」

 

今の優希はそう簡単には止まらない

 

ー東一局 二本場ー

 

「ダブルリーチだじぇ!」

 

「「…」」

 

「っ!」

 

やっぱリアクションするのは上重さんだけか。小蒔姉さんが()()()()()わっかりやすく反応するんだろうけど、今ので確信した。神は降りてる

 

「ロン!一発!7700の二本場は8300だじぇ!」

 

『片岡選手、東発から三連続和了です。そして姫松の上重は二連続での振り込み』

 

「優希ちゃんスゴい…三連続和了だよ」

 

「えぇまぁ…今のところ悪くないですね」

 

「素直に褒めてやらんもんか!」

 

「あの子の場合、いつもここからが問題ですので」

 

「それに最後のは絶対マグレだろうしな」

 

「そうね。相手も優希が東場にだけ強いって知ってるでしょうね。でもね!」

 

ー東一局 三本場ー

 

「…」

 

ヤベーな…小瀬川さんの手が止まった…気をつけろ優希…

 

「ちょいタンマ…」

 

あちゃー。それも来ちゃったか…小瀬川さんが捨て牌に悩んだら高確率で高い手だ

 

「…はっ。ごめんなさい、少し寝てました」

 

「はっ!?今まで目開けて打ってたやん!」

 

へっ?小蒔姉さん、起きたんか…?

 

「点減ってる…すみません、疲れてるとたまに。でも申し訳ないのでこれからは、全力以上で当たらせてもらいます!」

 

あちゃー…マジで起きてるよ。こりゃいいのか悪いのか…強さ的には下がったけど嫌な意味で場が緩んじまった

 

「さてと」

 

「あれ、翔くんどこ行くの?」

 

「ちょっとトイレだ」

 

「ちょっとー、先に行っときなさいよね」

 

「悪かったですよ。和の淹れてくれたお茶が美味すぎて飲みすぎました」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

「じゃあすぐ戻ります」

 

「えぇ」

 

優希の試合を観ながら無意識にだけどめっちゃお茶飲んでたみたいだな。めっさ尿意が…!

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・\スッキリー/・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「早く戻んないとな。ん?」

 

トイレを終えて来た道を来たときよりも早めの歩みで戻る。すると目の前をスラッと背が高く、また長い髪に黒いハットを被った後ろ姿に見覚えがあった。話をしてる女子高生の隣を通ると頭二つは高いと感じる。その背の高さに二人の女子も驚いている

 

「豊ねぇ?」

 

「あ、しょーちゃんだー!♪」

 

「よっす。何やってんの?こんなとこで」

 

「ん〜?ちょっと散歩〜」

 

「おいおい、今小瀬川さんが試合中でしょうが。応援しなよ」

 

「白なら大丈夫だよ〜。それよりしょーちゃんに会えて超嬉しいよ〜♪」

 

「そっか」

 

この身長や風貌に合わないほどの子供っぽさ。この前の練習試合でも思ったけど昔と変わんね。でもこの変わらないのが心地いい。豊ねぇの嬉しそうな顔を見るとこっちも無意識に頰が緩む

 

「んふふ♪しょ〜ちゃん♪」

 

「こんなとこでそんなくっつくなよ」

 

「だって〜。この前は久しぶりに会えたけどその前はほとんど会えてなかったんだよ?それにこの前はエイちゃんにばっかり構ってたし」

 

「はいはい。わかりましたよ。いつまで経っても豊ねぇは甘えん坊だな」

 

「えへへ〜、しょーちゃんにだけだもん♪」

 

「まったく。これが姉さんなんだもんな〜」

 

「そうだよ〜。いつまでも私はしょーちゃんのお姉ちゃんだよ〜」

 

豊ねぇに右腕を占拠されながら廊下をさっきよりもゆっくりと進む。すると今度は…

 

「じゅん!早く早く!ゆうきの試合終わっちゃうよ!」

 

「お前がトイレ付き合えって言ったんだろー」

 

「だって一人で行くのこわ…なんでもない!」

 

「ぷっ!子供なのはタッパだけじゃないのな」

 

「ありゃ?衣姉さん?」

 

今度は目の前にち…んんっ!可愛らしい背丈の女の子と豊ねぇには及ばないものの女子としては背の高い、オレ個人としても清澄高校としてもとてもお世話になっている二人がいた

 

「ん?あっ!しょー!」

 

可愛らしい方、衣姉さんがオレを見るやパーッと笑顔が弾けて手を広げこっちに走って来た。オレはとりあえず豊ねぇから腕を解放してもらい地面に片膝をついて出迎えた

 

「こんなところでどうしたんだ?姉さん。純さんも」

 

「よー、翔…ってでかっ!」

 

純さんも後から近づいてきてオレの隣にいる豊ねぇの背の高さに驚いていた。確かに純さんより背の高い女子はあまりいなさそうだもんな

 

「しょー、この人は誰だ?」

 

「この人は…へっ?」

 

衣姉さんに聞かれたので答えようと一度豊ねぇを見上げると頰を膨らましてこっちを睨んでいた

 

「ど、どうした…?豊ねぇ…」

 

「しょーくん!”姉さん“ってどういうこと!?」

 

「しょーは衣の弟だ!だから衣はしょーのお姉さんなんだぞ!」

 

衣姉さんはえっへんと言いたげに腰に手を当てて胸を張った

 

「それよりお前はしょーの何なのだ!」

 

「私はしょーくんのお姉さんですー!」

 

「なにー!しょーはころものだぞー!」

 

「しょーくんは誰のものでもありませーん!」

 

「ほらほら、豊ねぇも衣姉さんも落ち着いて…だからそんなに引っ張んないで…」

 

言い合いをしている豊ねぇと衣姉さんに両腕を引っ張られる。二人身長差がすごいから肩が変な方向に曲がりそう…

 

「翔は揉め事に事欠ねぇな」

 

「そんなこと言ってないで助けてくださいよ…」

 

「それもそうだな。ほら衣。優希の試合見るんだろ?」

 

「豊ねぇもそろそろ控室に戻らないとじゃないのか?」

 

「「うぅ〜」」

 

未だに駄々をこねる衣姉さんを純さんが抱えて持って行った。あとで何かフォローしよう…純さん、ありがとです

 

「さて、豊ねぇも戻んな」

 

「えー…せっかくしょーくんに会えたのにー」

 

「オレも戻んないといけないし。終わったら顔出すから」

 

「…わかった」

 

豊ねぇはその大きな背を屈曲させて歩き出した

 

「豊ねぇ」

 

「なーに?」

 

「ウチの大将…()()()?」

 

「っ!」

 

オレはそれだけ言って戻り遅いから部長怒ってるかな〜、とか思いながら控え室に戻った

 

 

 

 

 

 

 

ー宮守女子 控室ー

 

「戻ったけど〜」

 

「お帰りー豊音。あれ?なんかいいことあった?」

 

「ん〜?ちょっとね〜。それで、神代さんはどんな調子かな?」

 

「敵の選手よりチームメイトの白を気にしようよ…」

 

「いや〜だって〜、神代さんってスゴいよ?去年は九州の赤山高校の藤原 利世を完封してたし」

 

「じゃあサインでも貰えば?」

 

「うん、そうする」

 

「永水を倒して一位通過した後でね」

 

豊音が控室に戻るとすかさず加倉 胡桃がお出迎えをする。その他にもエイスリン・ウィッシュアート、臼沢 塞、さらには監督の熊倉 トシも揃っている。控室だから当たり前だろうが

 

「それで?何があったの?」

 

「ん〜?えへへ〜♪」

 

さっきはぐらかされた豊音の笑顔について胡桃は再び尋ねる

 

「さっきね〜、しょーくんに会ったんだ〜」

 

「っ!」

 

「ホント!?トヨネダケズルイ!」

 

先程勝手にではあるが弟認定している菊池 翔に会ったことを伝えると塞とエイスリンが反応する

 

「この前はずっとエイちゃんに取られちゃってたから〜、たくさんギュってできて嬉しかったよ〜」

 

「ズルイズルイ!」

 

「〜…っ!!!///」

 

豊音の自慢とも言える話にエイスリンは激しく嫉妬し塞は何かを想像して顔を赤くしている

 

「それじゃあ豊音のやる気も好調ってことでいいのかね」

 

「うん!もう今すぐにでも試合できるよ〜」

 

「よかったね、豊音!」

 

「うん!」

 

翔と会えたことになのかこれからやる試合が楽しみなのかわからないが笑みを絶やさな豊音であった。そんな豊音にエイスリンが勢いよく抱きついた

 

「ん〜?どうしたの?エイちゃん」

 

「〜〜〜〜。ショウノニオイ♪

 

「あー!ダメだよエイちゃん!私の特権だよ!」

 

どうやら翔に抱きついたときに豊音の服についた翔の匂いを嗅いでるようだ

 

「塞はいいのかい?」

 

「なっ!わ、私は…別に…」

 

(そういいながら豊音の服から目を離さない。青春だね〜)

 

「白、頑張れー!」

 

宮守女子は今日も平和である

 

 

 

 

 

 

 

 

「菊池くん…今は優希の大事な試合なのよね…?」

 

「はい…すいませんでした…」

 

一方そのころ翔は竹井 久に怒られていたとさ

 

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