女神と姫騎士とガンダムと・・・   作:エルシオンガンダム

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 みなさんこんにちは。

 色々キラとスィーリアさん達とのエッチなシーンを妄想しています。

 それでは本編どうぞ!


第15話:涙と怒り

 

 

「はい、ココアだよ」

「・・・ありがとう」

 

 あれから鈴達はキラ達の部屋に移動し、事情を説明することにした。といってもすぐに説明できるわけもなく、彼女のタイミングで話した方が良いと思いキラは彼女にココアを手渡した。

 

「・・・おいしい」

「カカオポッドから取って来たのを自作したんだ」

「何処の男性アイドルグループよ!?」

 

 一から自作したと聞いて、鈴は思わずキラにツッコミを入れた。

 

「ありがとう、おかげで元気が出たわ」

「そっか」

「それでは、話してくれますか?」

「うん」

 

 ココアを飲み干した鈴は話せるくらいに元気になり、キラ達になにがあったのかを話すことにした。

 

「・・・あたしね、小学5年の時に一夏の居る小学校に転校して来たの」

「そういえばさっき一夏が言ってたね?」

「うん。でも当時は転校してきたってこともあって、学校では結構いじめられてたの・・・」

「その時に助けたのが、彼だな?」

 

 スィーリアの推測に鈴は「そうです」と頷く。彼というのはいうまでもなく一夏だ。

 

「最初はあんまり仲良く出来なかったけど、あいつと段々接していくにつれて、他にも友達ができて、次第にに好意を寄せるようになったんです」

「そうなんだ」

「でも・・・中学2年の時、お父さんとお母さんが離婚しちゃって、それが原因で中国に引っ越すことになっちゃったんです」

「離婚?」

「あたしの家、中華料理屋なんです。でも女尊男卑の女性を怒らせちゃったってことで、あたしとお母さんを養えなくなっちゃって・・・」

「・・・離婚する形で二人を安全な中国に離したということか」

「そうよ」

「確かに中国は、女尊男卑の世の中で数少ない『男女平等国』だからな」

 

 鈴の言葉でアスラン達は納得する。

 今の世の中ISの影響により、世界は女尊男卑に変わり始めていた。その中でも中国は数少ない男女平等の国なのだ。因みに中国以外ならアメリカとドイツが当てはまる。

 

「それで引っ越す前に、一夏にあたしの思いを言ったの。『料理が上達したら、毎日あたしの酢豚を食べてくれる?』って」

「それって・・・」

「味噌汁プロポーズのアレンジ?」

「うん」

「すごいな鈴」

「ありがとうアスラン。中国に帰った後はIS適正が高かったってこともあって、一夏を驚かせることも含めて、中国代表候補になりました」

「だが代表候補になるのにはかなりの実力が必要だ。よほど頑張ったのだな、君は」

「スィーリア先輩・・・」

 

 自分達よりも上に居る存在である、国家代表のスィーリアに褒められて鈴は嬉しかった。

 

「それで少し前に、一夏がISに乗ったって聞いて、あたしもIS学園に行くことにして、漸く一夏に再会して・・・あの時のことを話しました・・・・・・でも」

 

 そう言って鈴は顔を俯かせた。

 

「あの馬鹿・・・『毎日酢豚を、タダで奢る』って・・・あたしの思いを、忘れてて・・・」

「鈴さん・・・」

 

ムギュ

 

「ふぇ?」

 

 涙が溢れ出ていた鈴を、スィーリアとセシリアが優しく抱きしめる。

 

「大丈夫です鈴さん、あなたは悪くありませんわ」

「そうだ鈴、君は悪くない。ずっと思い焦がれた人に、勇気を出して告白した。君は良くやった」

「セシリア・・・スィーリア先輩・・・」

 

 二人の名前を呼んで、今度はキラ達の方に顔を向ける。キラもアスランもデュオも、鈴に「大丈夫」と頷き、ヒイロは腕を組みながら壁にもたれているが、彼も心配していると言うのは理解できた。でなければこんなところにはいない。

 

「皆・・・あたし、頑張ったんだ・・・」

「はい・・・」

「いじめから助けてくれて・・・・一夏が好きになって・・・思いを伝えたんだ・・・」

「そうか・・・」

「今までも・・・・・・辛いこともあったけど・・・・一夏のことを思うと・・・頑張ることができたの・・・」

「うん・・・」

「なのに・・・こんなのってないよ・・・こんなのって・・・・ううぅ・・・うわあああああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーん!!」

「鈴さん・・・」

「鈴・・・」

 

 それから鈴は、セシリアとスィーリアに抱きつきながらも、彼女達の胸の中で泣き叫んだ。その姿を見た二人の女性は、優しく彼女の頭を撫でていた。

 

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

 そんな中、一人の少年だけは拳を強く握っていた。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「・・・ありがとうセシリア、スィーリア先輩も」///

「このくらいたいしたことではありませんわ」

「先ほども言ったが、私は同じ女として力を貸したい」

「二人共・・・」

 

 数十分後、自分の悲しみを受け止めてくれたセシリアとスィーリアに、鈴は恥ずかしがりながらもお礼を述べた。その後キラ達の方にも顔を向けて、お礼を言う。

 

「キラ達もありがとう」

「良いさ別に」

「おう」

「・・・・・・」

 

 アスランもデュオも、男として複雑な思いをしながらも鈴からのお礼に答える。ヒイロは無言だったが、お礼は聞こえただろう。

 

「それにしても、織斑ってひでぇ奴だな?」

「まったくですわ!女性の心を傷つけるなんて最低ですわ!Guiltyですの!」

「鈴、彼は昔からそうなのか?」

「・・・はい。実はあたし以外にもあいつのことを好きになった娘はいて・・・でもあの朴念仁まったく気付いてなかったんです。中には「好きです!」ってストレートに言った娘もいるんですけど、「なにが好きなんだ?」って言って・・・」

「なんて男だ・・・」

 

 

 

『・・・すみません先輩。俺、解ったんです。美桜のことが、好きなんだって』

 

 

 

(貴弘も鈍感だと言われていたが、私の思いには気付いてくれた。結果的に振られてしまったが、それでも貴弘の方がマシだな)

 

 鈴の話を聞いてスィーリアは思い人へ告白した時のことを思い出した。

 

 

「・・・・・・」

 

 

 スゥ

 

 

「ヒイロはともかくアスランでもそれ位は解るぞ?」

「あぁ・・・・・・?」

「どうしたアスラン?」

 

 突如アスランは周りを見渡す。それに疑問を持ったデュオがアスランに尋ねる。

 

「キラはどこだ?」

「あり?」

「え?」

「あら?」

「何処にもいないな?」

 

 デュオの質問に答えたアスラン。その言葉にデュオ達も辺りを見回すが、当のキラがいなかった。するといままで黙っていたヒイロが口を開いた。

 

「・・・キラなら先ほど出て行ったぞ?」

「それ早く言えよ!」

「だが一体どこに・・・・・・まさか!?」

「おそらく一夏のところだろう」

 

 ヒイロがキラの言った場所を予想すると、アスランとデュオは顔を真っ青にした。

 

「不味い!キラを止めなければ!!」

「しまった、あいつのことをすっかり忘れてた!!」

「「「?」」」

 

 突如慌てだした二人に女性陣は疑問符を浮かべた。しかし二人の慌てっぷりを見て、尋常じゃないということは理解したらしい。

 

「とにかく行くぞ!」

「そうだな!」

「お二方お待ちくださいまし!?」

 

 セシリアの制止を無視して、アスランとデュオは部屋から出て行った。それを見たスィーリアたちも二人を追いかけるように部屋を後にした。

 

「・・・・・・」

 

 一人残ったヒイロは、ポケットからデバイスを取り出し、ある場所に電話をしたのだった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 部屋から出たスィーリア達はアスランに追いつくと、先ほどからの慌てようを尋ねる。

 

「君達、一体どうしたと言うんだ?」

「そうよ二人共、キラがどうしたの?!」

「なにか恐ろしいことでもあるのですか?」

「あぁ、下手をすれば一夏の命がマジであぶねえ!」

「どういうことですの!?」

 

 デュオの口からとんでもない言葉が飛び出し、セシリアは再度問い掛ける。

 

「キラは昔から人の心を傷つける奴が大嫌いなんだ」

「今までも人の心を傷つけてあざ笑うようなクズを見て、そいつの悪行をツイッターやらなにやらネットにアップして、追い詰めてから『達磨』にして警察に叩き込むんだ」

「だ・・・達磨?」

「四肢を打ち抜いたり切断することだ」

「「「なっ!?」」」

 

 更なるトンでも発言に女性陣は驚くしかなかった。あの少年がそんなことをするのか?まだ出会って間もないが、彼という存在は大体把握したと思っていた、セシリアとスィーリアもありえないと思った。しかしよくよく思えば昨日の話を思い出し、確かにキラならやりかねないと思い始める。

 

「そ、そういえば昨日キラさんがおっしゃっておりましたわ。あの方の知り合いは心に深い傷を負っている方が多いと・・・」

「おそらく鈴の話を聞いて、その者達と重ねてしまったのだろう?」

「っていうかキラってそんなことするの!?」

「俺たちはいままで胸糞悪いことをする奴を何度も見てきたかんな。特にキラは女性権利団体とかに狙われてる存在だから尚更だ」

「まあその所為でキラのことが好きな奴等までキレて、危うくIS委員会ごと消滅させそうになったけどな」

「キラの知り合いってそんなに強いの?!」

「というよりもキラの含めて俺たちの身内がチートなんだよ」

「あんた達って本当に何者なの?」

「今は俺たちのことよりもキラだ!」

 

 そう言ってアスラン達は急いで一夏がいる部屋に向かう。

 

 すると、

 

 

ドオン!

 

 

「ギャアアアアアアアアアーーーーーー!!??」

 

 

『!?』

 

 大きな銃声と一夏の悲鳴が廊下中に響き渡った。

 

「今のは!?」

「あの角の方か!?」

 

 そう言って廊下の曲がり角を曲るアスラン達。

 そこに居たのは、

 

 

「た、助けてくれええぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーー!!??」

 

 

 逃げ惑う一夏と、

 

 

「Fall into hell(地獄に堕ちろ)」

 

 

ズドン!

 

 

 グラサンを掛けながらショットガンをぶっ放しているキラだった。

 

《もっと可笑しいことになってたァァァァァァァァァァーーーーーーーー!!??》

 

 その光景を見たアスラン達は、心の中で叫んでいた。

 

「ってなにをしているんだ彼は!?」

「ター○ネーター!!?ターミ○ーターですの!?」

「ありゃぁ『M870』だな。しかもM4ストックにスコープまでつけてるぜ?」

「それに転がってるのを見ると、どうやらゴム弾を使ってるらしいな」

「さ、さすがに殺生はするつもりはないのでしょうね?ですがゴム弾でも当たり所が悪ければ・・・」

「それよりも早くキラを止めねえとな」

 

 そう言ってデュオ達はキラと一夏の間に入る。

 

「やめろキラ!」

「・・・皆どいて、そいつ殺せない」

「何処のヤンデレ電波女だ!?」

 

 キラの言葉にデュオが突っ込む。

 

「皆!」

 

 一夏はまるで正義のヒーローが来てくれたかのように喜ぶが、デュオ達は無視する。

 

「やめるんだキラ!こんなことをしても何も変わりはしない!」

「でも・・・一夏は大勢の人を傷つけたんですよ?しかも無意識に色んな人達の好意を踏みにじって、あまつさえ自分が悪いとは思っていないですよ?そんな奴を放って置くんですか?ふざけないでください!一夏のやったことは最低なんですよ!?どうして止めるんですか!?」

「キラ!私のことは良いの!だから一夏を殺すのはやめて!」

「鈴・・・」

「それにキラさん、これは鈴さんと一夏さんの問題であって、私達は関係ありませんわ!」

「っ!」

「キラ。俺達は力を貸すとは言ったが、必殺仕事人みたいなことをしてくれって言われてねえだろ?」

「冷静になれキラ。先輩の言った通り、こんなことをしても何も変わらないことぐらい、お前だってわかるだろ?」

「大方泣いてる鈴を見て、姉御達のことを重ねたんだろ?」

「・・・」

 

 デュオ達の言うとおり、キラは泣いていた鈴の姿を見て、彼女達のことを思い出したのだ。今も瞳を閉じると、その時のことを思い出す。

 

 

 

『私・・・もう誰を信じれば良いのか、わかんなくなっちゃった・・・・・・・』

 

 

『イヤ・・・見ないでください・・・・見ないでェェェェーーーー!!』

 

 

『ごめんなさい・・・・・・ごめんなさい・・・』

 

 

『うぅ・・・ウゥアアアアァァァァァァァァーーーーーー!!』

 

 

『やめろ・・・やめてくれ・・・』

 

 

『イヤ・・・い、イヤアアアアアアァァァァァァァァァーーーーーーーー!!??』

 

 

 

 目の前で白くドロドロになった彼女達を・・・・・・。

 

 そしてなによりも、

 

 

『冗談じゃないわ!止めてよねそんなの!なんで私が!あんたなんかに同情されなきゃなんないのよ!』

 

 

『辛いのはあんたの方でしょ!?可哀相なのはあんたのほうでしょ!?』

 

 

『可哀相なキラ・・・独りぼっちのキラ・・・戦って辛くて・・・守れなくて辛くて・・・すぐ泣いて・・・だから・・・だから!うぅ・・・なのに!なのになんで私が!あんたに同情されなきゃなんないのよ!うっうっうぅぅ・・・・・・』

 

 

 あの時傷つけてしまった彼女を・・・。

 

「っ・・・・・・」

 

 キラは歯を食いしばりながらも、持っていた銃を拡張領域にしまう。

 

「・・・ごめん皆」

「キラさん・・・」

「僕、鈴の話を聞いて・・・それで、色んな事を思い出しちゃって」

「キラ・・・」

「君の言いたいことは解るが、だからこそアスランの言った通り冷静になるんだ」

「はい・・・」

 

 スィーリアの言葉にキラはそう返事をする。因みにキラは本来の年齢は30歳以上だ。はっきり言えばいまのキラは年下の少女に注意されているのである。

 

「さてと、大丈夫か一夏・・・っていねぇ!?」

「あいつ逃げたな?」

 

 キラが落ち着いたところを見たデュオとアスランは、一夏が居る方向に顔を向けるが、そこには当の本人がいなかった。

 

「みなさん大丈夫ですか!?」

「一体何があったのかしら?」

「山田先生、それに楯無生徒会長?」

「如何して此処に?」

「ヒイロ君から連絡があったのよ。『キラが暴走するかもしれないから止めてくれ』って」

「あんにゃろ~いねえと思ったら連絡を入れてたのか」

 

 デュオはやって来た二人の言葉で、此処にはいない無口な少年に悪態を突く。

 

「それで、一体なにがあったのかしら?」

「・・・ここではちょっと話せません。私達の部屋で話します」

「この際だからベルティーユさん達も交えた方が良いよね?」

「そうですわね。ベルティーユお姉さまなら大丈夫ですわ」

「すまないが鈴、また話してくれないか?」

「・・・解ったわ」

「えっと・・・どうして凰さんが?」

「実は今回の件は、私が原因でして・・・」

 

 

 

 

 それから数分後、再度キラ達の部屋で真耶と楯無、それからベルティーユたちも加わって、今回の事件の話をするのだった。

 

 

 

 





 次回は・・・どうしよう。

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