支配少女の日常は色彩に充ちる   作:八又ノ大蛇

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プロローグ

 

 暖かい、楽しい、嬉しい。三拍子揃ったら幸福。

 冷たい、痛い、苦しい。三拍子揃ったら牢獄。

 

 なら、無い、無い、無いが揃ったら何になる?

 

 広く何も無い部屋にポンッと一人佇むは私。そんな部屋に取って付けたような一つの窓。私は足を進め窓に近づく。

 

 そこに映し出される風景は、様々な青一色。

 清んだ青、揺らめく青、煌めく青、濃く深い青。

 

 綺麗だ。この色の無い部屋からは到底見ることも考えることも出来ない美しい青。それがこの窓の外には広がっている。もっと、間近で見たい。あそこに、立ってみたい。私は足をかけ、窓を乗り越える。

 

 そして私は目を見開く。

 

 赤、朱、緋、赭、紅ーー……

 

 何故?私の"青"は何処に消えた。

 ぬるっと足に絡み付く、むせ反るような血生臭さ。足から崩れ落ち私は"赤"に引きずり込まれる。

 

 あぁ……そうだ。私は確かに青に憧れ焦がれた。だが望みはしなかった。妬み嫉妬をするが、けれどアレは私の手に入るものではないんだ。

 綺麗だ、美しい、愛らしい。

 醜くて、汚いくて、浅ましい、私には見ることしか出来ないだ。

 

 きらびやかな舞台上には立てない、舞台裏が望ましいのだろ。それでも舞台上に立ちたいのであれば、それは染まるしかない。裏から這い出て、黒と赤を身に纏い劇場を壊すのさ。お邪魔虫に。

 

 

 だから、私は黒と赤にどうしようもなく安堵するのだ。

 

 

 「さぁ!私に青を見せてくれ!」

 

 青は届かないからこそ美しいのだ。狭い窓から見えるからこそ際立つのだ。有り余った青など私は妬まない。切り刻み、抉り出し、潰し、私は青を見る。

 

 無色のキャンパスに落とす色か。様々な色があるだろ。けど、私のキャンパスはもう一色で塗り潰され、描き込めないだ妬むよ。私は妬みカラフルなキャンパスを染め上げてやるんだ。

 

 

「けど……やっぱり美しい……」

 

 

 ズルいよね。そんなに色があるなら私にも一色ぐらいくれてもいいのに。意味がないかも知れないけどそれでもやっぱり望んじゃうんだ。

 幸せかい?幸福かい?楽しいかい?暖かいかい?

 

 羨ましいなぁ……、だから私は今日も殺す。

 

 

 正義感に溢れる人を。

 

 誰にでも優しい人を。

 

 芯の通った強い人を。

 

 安心できる笑顔の人を。

 

 ヒーローだろうと一般人だろうと誰もかれも私からすると妬みの対象だよ。だって幸せなんだろ?だったら分けてくれよ。信念なんてっカッコイイものは無いけど憧れる。いつか私にもそれが持てるようになるかな?

 だから探そう。探しているんだ。けれど見つからないんだ。

 

 誰か私にそれを示してくれ。

 

 




 書きたいことが上手いこと纏まらない。主人公は性格と価値観がひねくれています。それでもよければ読んでくださると嬉しいです。
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