歌と共に舞うひと夏   作:のんびり日和

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43話

~エンシェントセキュリティー社・指揮所~

「そう、無事首都は守られたのですね」

 

『はい、デルタのお陰です。本当に感謝します、スコール司令』

 

「いえ、此方は依頼を受けた身。それを完遂したまでです」

 

日本の統合幕僚長と通信で話していたスコールは一安心した様な表情を浮かべながら話を聞く。

 

「それで、IS部隊の被害は?」

 

『酷いものだよ、残ったのは1部隊のみ。パイロットは死亡しているのは確実で、ISコアは海に落ちてしまっていて、今海上自衛隊総出で捜索を行っている』

 

「それはまた酷い物ですね」

 

『全くだ。航空機隊もかなりやられたが、デルタのお陰で被害はIS部隊より抑えられた』

 

「そうですか。また育成に時間を要しますね」

 

『あぁ。今度はIS部隊にではなく航空機隊に予算を回してもらうよう手配しなくてはな』

 

幕僚長の話にスコールはそれが良いです。と返事を返し、通信を終了した。

通信を終えたスコールはふぅ。と一息吐き、机の上に置かれた被害報告書に目を向ける。

 

エンシェントセキュリティー社被害…0

 

航空自衛隊被害

戦闘機10機(パイロット・同乗者4人戦死)

IS12機(パイロット全員死亡。ISコアは現在捜索中)

 

民間被害

死傷者100人以上(今後増える恐れあり)

重傷者300人以上(今後増える恐れあり)

 

 

その資料にスコールは顔を歪める。

 

(……デルタの彼らが居たから此処まで抑えれたから良かったけど、他の国はそうはいかなかった)

 

そう言い目線を上げ幾つもあるディスプレイの一つに目を向ける。其処には世界地図が映し出されており、世界の主要都市に赤い点、青い点で振り分けられていた。

赤い点で振り分けられていたアメリカ。その横にはニュース映像が流れていた。

 

『繰り返しお伝えします。本日未明アメリカのノースカロライナにある米空軍基地が味方の攻撃で破壊されました。被害は酷く、多数の死傷者が出ているとのことです。更に基地を攻撃した者達はそのまま基地から飛び去り他の基地に攻撃をしたとのことです。アメリカ政府は飛び去った戦闘機12機の行方を追っており、現在も捜索中とのことです』

 

ニュースキャスターがそう言いながらニュースを伝えていた。

 

(アメリカ、中国、ロシアなど。主要都市の基地がほとんどが襲撃にあって被害は甚大。その上公表はされていないようだけど、ISも恐らく撃墜されているでしょうね)

 

そう思いながら、考えに耽っていると突然ディスプレイ上に映っていたニュース映像が突然砂嵐に変わった。

 

「どうしたの?」

 

「分かりません。アンテナに異常はないのですが、突然放送が途切れました」

 

指揮所内に居たスタッフ達も困惑しており、原因を突き止めようと動いていると突然映像が流れ始めた。

 

『諸君、初めまして。この放送は届いているかね?』

 

そう言いながら映像に現れたのは机越しに座った一人の男だった。

 

「っ!? オグマ社社長、ジェフ・ドース!」

 

『私の名はジェフ・ドース、オグマ社の社長をしている者だ。私の会社が開発した戦闘機はどうだったかね? 今報告を聞いていたが、大変素晴らしい働きをしたみたいで大変嬉しいよ』

 

そう言い笑みを浮かべながら手を組むジェフ。

 

『さて、何故私がこのような事をしたのか。それはこの世界に真の平和をもたらす為だ』

 

「真の平和ですって?」

 

『この世界は何処もかしこも腐っている。ISが使えるからと威張り散らす女共、そしてそんな風潮をまき散らす女性権利団体。そしてそんな風潮を真っ向から対立する男尊女卑の男共。全くもって不愉快極まりない。そんな風潮が蔓延っている世界に真の平和などどれ程時が経とうと訪れん。ならば私がそれを叶えればいい。だから私が開発した兵器を君達に送ったのだ』

 

ジェフは狂気じみた笑みを浮かべながら、そう説明した。

 

『もしこの放送を見て同じようにこの世界に真の平和をもたらしたいと言う者が居るなら、何時でも私は歓迎しよう。逆に私に反抗し、対立を望むなら受けて立とう。どれ程愚かな行為に走ったか分からせてやる。では、さらばだ』

 

そう言い放送は途切れ、またニュース映像になるが画面の向こうにいるニュースキャスター達も大慌てになっていた。

スコールはジェフが世界に宣戦布告をしたことに顔をしかめる。

 

「……大胆な宣戦布告ね。通信!」

 

「は、はい!」

 

「今すぐIS学園に居るデルタ部隊、及びワルキューレ達を戻して。それとイチカ君達もよ!」

 

「了解しました!」

 

通信スタッフに指示を出したスコールはすぐさま作戦を実行できるよう準備を始めた。




次回予告
IS学園に居たイチカ達もジェフの放送を見ていた。難色の顔を示してるとスコールから帰投命令が入りイチカ達はIS学園を後にした。
それをただ眺める事しかできない千冬。すると突然束から電話が掛ってくる。

次回
家族とは?~本当にお前はいっくんの事ちゃんと見てた?~
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