マクロスエリシオンから飛び発ったデルタ部隊は既に飛び発った飛行隊の前方に出た。
そしてその後方からIS部隊も現れた。皆一様に決心した表情を浮かべており、操縦桿や武器を握る手に自然と力が入っていた。
『こちらエリシオン、長距離レーダーに敵影を確認。B-2-4-2にて待ち構えている模様です。各機気を付けて下さい』
『デルタリーダー了解。よし、デルタは突貫するぞ。他の部隊はアルファー、ガンマに従ってくれ』
『ウォーウルフ了解』
『ヴァローナ了解』
アラドからの指示にそれぞれのリーダーが了解と返す。
『こちらアリーシャ。こっちはトロイの護衛に就くサネ。それと長距離支援攻撃が可能な機はそっちの飛行隊に加えて置くサネ』
『助かる。よし、それじゃあ行くぞ!』
そう言うとアラドはスラスターを吹かす。それに続くようにイチカ達もスラスターを吹かした。残った飛行隊はアルファ部隊、ガンマ部隊の先導の元別れた。
真っ直ぐ突貫してきたデルタ部隊に気付いたオグマ社のドラケンはすぐさま臨戦態勢に入り、攻撃を開始した。無論デルタ部隊も同様に攻撃を開始した。
前方から現れたデルタ部隊に目を奪われていたドラケン達に強襲するように挟み撃ちにするように分かれていた飛行隊が現れ、攻撃を開始した。
ミサイル、バルカン、フレアなどがその宙域に乱れ舞い、遠目なら綺麗な光景かもしれないがその場では命のやり取りが行われていた。
「墜ちろ!」
イチカは新たな機体VF-31Fを巧みに操りながらドラケンを墜としていく。
「前の機体と違って、思う様に動く」
そう零しながらイチカはまたドラケンを撃墜すると
『こちらノーラット1、例のボギーを確認! ものすごい勢いで向かってくるぞ!』
「ッ! 来たか」
通信を聞いたイチカは素早く機体を反転させ白騎士の元に向かった。
白騎士が現れた宙域に来ると既に何機か撃墜されたのか残骸が残されていた。イチカは直ぐに機体を探すと、直ぐに機体は見つかった。
「見つけた。……この前の借り、返させてもらうぞ!」
イチカはスラスター全開で白騎士にドッグファイトを挑んだ。今度は負けない。そう心に誓い。
「イチカ……」
エリシオンの甲板で、イチカが白騎士の機体にドッグファイトを挑む姿を見た美雲は心配そうな表情を浮かべていた。
<…必ず生きて帰ってくる>
その言葉がちゃんと守られるのか心配になる美雲は自身の胸に手を組んで暫し思案に耽っていると、おもむろに顔を上げた。
「……カナメ」
「どうしたの?」
美雲に呼ばれカナメは顔を向けると、挑戦する顔つきで笑みを浮かべる美雲が顔を向ける。
「ソロの歌、今から歌ってもいいかしら?」
「ソロを? ……分かった。思う存分やっちゃって!」
サムズアップで返すカナメ。美雲はマキナやレイナ、そしてフレイアに顔を向けると同じく笑みを浮かべながら頷く。
それを見た美雲はありがとう。と返しマイクを握り直す。そして予め用意していたBGMを流れるよう設定する。
そして小さく息を吸い、歌を歌い出した。
「~~~♪ ~~♬」
美雲が歌う歌は傷付きながらも前に進む男性と、その傷付く彼に何も出来ず悲しんでいた女性が、決意を固め付いて行く。その先がどんな暗闇が待っていようとも。
カナメ達は美雲の歌にそう感じられた。
美雲が歌う歌はイチカにも聞こえていた。
「美雲…。 行くぞぉ!」
イチカは美雲の歌に後押しされるようにスピードを上げた。
激しい動きの中、イチカは白騎士を逃がさまいとその後ろを追い続けていた。追尾を続けていると、イチカの目に可笑しな物が見えてきた。それはデブリの上を煌めく緑の道が出来ていた。
「……まさか、これが」
【見えたみたいだな、お前にも風が】
キースがそう言うと、これが風?とイチカは零す。
【イチカ、その道に沿って飛べ。そうすれば奴を必ず墜とせる】
メッサーからの言葉にイチカは頷き、その光に沿って飛ぶ。その動きは次第に大胆ではあるが繊細な動きとなって行く。
『こ、こちらエリシオン。レーダーでイチカ中尉の機影が確認できません。誰か確認できますか?』
『こちらウォーウルフ3、此方も早すぎてレーダーで確認できない』
『エース同士の戦いだ!』
周りに飛んでいた戦闘機は2機の戦いに手が出せなかった。
『こちらエリシオン。敵にイチカ中尉の邪魔をさせないでください!』
『了解、敵を抑える』
『あいつを墜とせるとしたらあいつだけだ。絶対に邪魔させるか!』
連合軍はイチカに白騎士を墜としてもらうべく他のドラケンに対し攻撃を開始した。
美雲が歌った歌
イメージソング God Knows
美雲のソロ曲が余り無かったので、色々なアニメの曲を聞いて総合的判断で考えました。
……批判とかは無しでお願いします
次回予告
戦いは激化し、双方の被害は尋常では無かった。だが、それでも戦いは止まらない。
そしてイチカと偽りの白騎士との戦いは最終局面に
次回
偽りの騎士VSエース